ゲートに巫女さん   作:ソウクイ

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第7話

遠くから黒煙を見て町がドラゴンに襲われてるとかなかった。まぁある意味でもっと酷かった。なんか伊丹と居ると絶対に何か起きてない?伊丹単独の時もドラゴンとか出たらしいし。伊丹はやっぱりトラブルメーカー。

 

目的の町のイタリカ、帝国所属の町が沢山の賊に襲われていた。

 

この襲ってきた賊がただの賊なら町は被害者だけど……そのイタリカを襲ってるのは門で自衛隊に戦闘を仕掛けてきて返り討ちにあった軍隊の残党。つまり帝国に騙されて連れて来られてほぼ壊滅した人達の残り。その人達に襲われた帝国側の町……、更にこの町を護る騎士と領主は自衛隊を襲撃した時にいて全滅してた。

 

「で、これに間違いないです?」

 

「う、うむ……」

 

是非ともくっころと言わせたい感じのお姫様、初っぱなから悪意なく扉のドアで伊丹をコントみたいな気絶をさせたお姫様。助けを求めるのに色々と隠したお姫様。速攻でバラされて口ごもるお姫様。

 

襲われてる最中のイタリカに居た帝国のお姫様。伊丹と話してたんだけどちょっとイラッと来て口を挟んだ。でしゃばるのどうかと思うけど、他は立場的に言えないだろうからただの民間人の私が言っとく事にした。事件の時から続いてる恨みの発散もかねて。

 

「あーー霊夢…」

 

ホドホドになって伊丹が目で言ってきてる。しょうがないから手加減して…

 

「私達が帝国が侵略しようとした国の人間ってわかってますよね?この町が襲われてるの見も蓋もない言い方をしたら、此方側としたら自業自得で敵同士が勝手に潰しあってるだけ。それで私達の国を攻めてきた帝国のお姫様が私達に助けを?」 

 

バッサリいっておいた。

 

「は…恥知らずな申し出だと思うが…協力を頼みたい…どうか…民を助けて貰えないだろうか」

 

民を助けてほしいねー。少し前に銀座の人達って帝国の人間に虐殺されたんだけどね。私も力が無かったら殺されてた。

 

別にこの人はそんな酷い悪人って感じは……結構悪どいことしてる?悪霊みたいな幽霊が沢山いて、情報過多なぐらいにお姫様の悪行を聞かされる。お姫様の赤裸々ぽい恥部やらプライバシー情報を幽霊たちが言ってる。ロゥリィが幽霊を見て首を振ってる。幽霊が居るのがイヤなんだっけ?

 

「お姫様はおねしょは○才まで……」

 

しまった。

お姫様の赤裸々話を口に出してしまった(棒)。

 

「な、なな!!お、おね…なぜそれを!!?」

 

「姫様!?」

 

反応しなきゃ本当のことだってバレないのに残念なお姫様。騎士の人もそんな大きく反応したら、あーあ、その年までしてたんだみたいな周りの反応見て顔を真っ赤にしてる。

 

「だ!誰がそんな話を!?」

 

「…誰か知りたいんです?」

 

「教えろ!誰なのだ!!」

 

「知りたいなら、これを持てばわかりますよ」

 

「お、おい霊夢」

 

お姫様の目の前に護符を差し出す。

 

「これは…」

 

「その…持たない方が良いですよ。きっと後悔します」

 

「ひ、姫様危険では」

 

伊丹が止めようとして騎士ぽい人も止めようとしてる。護符を掴んだ。

 

「へ、下手な脅しだろう。なんだこれは、後悔するとはなんだ、こんなモノを持っただけで私が後悔する訳がないだろう。それより持ったぞ。犯人を…………を?……」

 

護符を持った。

 

お姫様の真ん前に幽霊の集団が集まってる。私から見たら面白いけどお姫様から見たら……

 

 

「霊夢、これ、お姫様気絶してない?」

 

「ひめさまぁぁ!?」

 

そんなまさか本当ぽい。

 

「なんで護符持たせた!!さっき護符を持って確認したら幽霊むちゃくちゃ居たぞ!!」

 

伊丹が護符を持って文句を言ってきた。

 

自衛隊の人達、効果時間を節約するのに護符を身につけない。実際は幽霊とか四六時中見てたくないからだそう。何の為に護符を作って渡したのかわからなくなる。

 

「こっち側の人ってロゥリィとか普通に幽霊を見えてたりするから、そんな気絶するぐらい過剰な反応するとは思わなかった」

 

「(棒)って付きそうな言い方だな!!」

 

「幽霊なんて普通は見えるわけないわよー。見える見えない以前に魂は直ぐにあの方の元に送られるから…………」

 

ロゥリが批難してる感じの視線を向けてくる。私の近くだと魂が神の元に行けてないとか文句を言われたっけ。干渉を阻んでるとかなんとか、なにもしてないし文句言われても知らんがな。

 

「あとお姫様に言い過ぎてたぞ」

 

それなりに正論だったような。

八つ当たりと言われると反論できないけどね。

 

「まさか……お姫様を苛めるのが楽しかったとかじゃないよな」

 

「……」

 

「おいこら無言で目を逸らすな」 

 

別にそんな思惑はない。是非ともくっころさせたいお姫様と思ったけど、私が大変なことになってる元凶の国のお姫様だし少し仕返ししたかっただけだから。

 

「やったものは仕方ないとして、お姫様が気絶してる内に俺達はどうするか考えるか」 

 

「考えるって、お姫様の救援要請をどうするかですよね」

 

不満そうな口調の栗林さん、

小柄なのに胸大きい。

オタク嫌いだと聞いてるから関わってない。

 

「我々にこの町を助ける義理はありませんし。この町から離脱すべきでは……」

 

この中では一番に軍人という感じの冨田さんがそう言った。全員がその意見に反論はなし。

 

なんかみどりの人とか町の人に助けてくれるみたいな期待はされてたけど、敵国の人達だし撤退するのも選択肢にはあると思う。

 

ただ言った本人含めて全員が浮かない顔をしてる。敵国相手でも民間人を見捨てるのもどうかって感じてそう。倫理抜きに考えたら、襲われる前に敵国のお姫様捕獲して町から出るのが最善…自衛隊が町を壊滅させたとか誤解されそうだしダメ?

 

「あー要請を受けるしかない」

 

「隊長……」

 

倉田さんは驚いたように伊丹を見てる。伊丹を見る部下の人達に悪い感情は見えない。結局の所は伊丹の部下の人たちはお人好し

 

けど伊丹もお人好しで民間人を助けたいこともあるんだろうけど、別の思惑も有るような気がする。助ける理由に善意以外に考えられるのは……利益、利益、この町を救って得られる利益は……は、あった。

 

「え、なに霊夢驚いてんの」

 

伊丹なんて奴なのか。なんて策士なのか。この領主の家のメイドさんたち、リアルなケモミミを生やしたメイドさん達を見て気づいた。

 

「なるほど、この町を救ってケモミミメイドさん達の好感度を稼ぐのが伊丹の本命…」

 

「なにいってんの???」

 

今いるのはイタリカの町の領主の人の邸宅、邸宅には普通のメイドさんも居たけどケモミミメイドさんが働いている。そんな獣メイドさんも居る町を助けたら感謝されるのが当然。ご奉仕してもらえるかも?

 

「流石隊長……」

 

伊丹を見る目は軽蔑と尊敬になった。

 

軽蔑が圧倒的、尊敬してるの私と来る途上でケモミミ好きと性癖を公言した倉田さんだけ。此方の言葉で話したから聞こえたメイドさんたちが覚悟を決めたみたいな顔をしてる。身体を差し出すみたいな覚悟?

 

「ちげーーわぁぁ!!」

 

「え、メイドさんじゃないんですか、それじゃあ、まさか!りょ領主さま狙いですか!?」

 

親の領主が亡くなったばかりなそうで領主さまは若い。本当に若くて十才ぐらいの女の子。メイドさんたちが悲壮な顔をしてる。

 

「伊丹……流石にそれは…」

 

「俺を性癖の暗黒面に落とそうとするな!!イエスロリータノータッチだバカ野郎!!アレだ。お姫様みたいな王族が居るなら、盗賊殲滅した事も帝国の上に伝わるだろ!帝国に俺達と仲良くした方が得だって思わせたいんだよ!」

 

「あらそれはいい理由ね、ふふ、あなた達の力を帝国の心胆に刻み付つけるのね」

 

「隊長って意外と怖いこと考えてるんですね」

 

たぶん誉められてるのに何故か伊丹ががっくりと肩を落としてため息を吐く。そんな伊丹をフォローするようにレレイが口を開いた。

 

「力を見せる他にイタリカを帝国からジエイタイの陣営に引き入れられるかもしれない」

 

「うん…レレイの言う理由もあるかな」

 

「話は判りますが、しかし隊長、うちの部隊だけでは足りませんよ」

 

相手は何百人も居るんだっけ、銃が有るからって数で押し負けて全滅もありそう。

 

「ああそれは勿論わかってる。だから足りないなら救援を呼べばいい。交渉相手に良さそうな王族と繋がりが出来るなら上も攻撃ヘリぐらい出してくれるだろう」

 

「ヘリですか。ヘリの速度なら再度の襲撃にもきっと間に合いますね」

 

ヘリ、ヘリ、どうしても墜落するイメージが。おのれカプ○ン製。カ○コン除いても落とされるイメージがあった。

 

「一応聞くけど霊夢はやる気とかは…」

 

伊丹が聞いてきた。

 

「働くのイヤでござる」

 

と言っておいた。

なにその生温い顔

 

「う…は!私は気絶して…、ひぃ!?」

 

「ヒメサマ!!」

 

お姫様が目覚めた。

人を見て悲鳴をあげるとか失礼な。

 

「えーと…救援の依頼についての返答よろしいでしょうか」

 

「う、うむ、どうなんだろうか」

 

伊丹が助力する事を伝えると感謝してた。で、感謝した後に私をチラチラ見てる。気絶する前に見えた幽霊について聞きたいだと思う。無視する事にした。

 

伊丹達は町の防衛をする準備に取り掛かる事になる。伊丹と自衛隊の人達は町の人達から別れて、お姫様から指示された東門の入り口の前で待機することになった。伊丹が一番手薄で狙われやすいとか言ってる。

 

予想では一番大変な所らしい。一番大変と予想される所を押し付けるとかあのお姫様中々図々しい。まぁけどお姫様の思惑通りになるか怪しい。攻めてきた兵士の幽霊ぽいのが笑ってたし。伊丹がヘリの救援を要請したら無事に通ったらしい。あとは襲来が来るまで待つだけ。日が暮れてきた。

 

「ふぁぁ」

 

欠伸が出た。

 

「……霊夢、お前なぁ。戦えなんて言わないけど、何時敵襲があるかわからない所でだらけるなよ」

 

伊丹が呆れた様な視線を向けてきてた。

 

「そう言われても眠いし」

 

「………………まさか此処に敵は来ないのか?」

 

なーんで私が眠いってだけでそう思うのか。

 

「もし此処が襲撃を受けるポイントになると思ってたら、働く気がミジンコ並みにしか無い霊夢が、巻き込まれるかもしれない所に大人しく来るとかないしな……(あと……民間人が襲われるって時にマジにダラけるほど酷いヤツでもない。素直に言うヤツでもないから俺に遠回しに攻めてくるのは別口だって伝えてるんだよ)」

 

「「「……なるほど」」」

 

顔を寄せあって何を話してたのか。

私に対して酷いことを言ってそう。

 

「何がなるほど」

 

「霊夢なら敵襲が無いことを勘で察知していても可笑しくないだろ?」

 

「ないからそんな勘」

 

そんな勘があるならあんな事件の起きる銀座とか行ってない。てかここにも来てない。

 

「じゃあ幽霊の情報か?」

 

「そう思うなら伊丹たちも護符を持ってそこら辺の幽霊を見れば、何で持ってきてるのに皆で外してるの?」

 

「…………さっき見たら物凄い居たから…」

 

それは襲われたばかりだから沢山居るのも仕方ない。

 

「私が知ってるのは、兵士ぽい幽霊はお姫様が私達を此方に送る話をしてた時に笑ってた事ぐらいだから」

 

「……兵士って襲ってきた賊だよな。」

 

「あーそう言えばお姫様を馬鹿にした様に笑ってた…此処に敵は来ないのかも」

 

なんで残念そうなの彼処のゴスロリ、 

 

「来ないのか…」

 

「隊長どうしますか?此処に来ないなら敵が来るのは、此処から反対側の入り口になると思いますが……あちらの戦力では」

 

「防御が突破されて街中に入られるかもしれないな」

 

「げ、民間人の混じった街中での戦闘なんて、銀座の時みたいな事に成りますし勘弁して貰いたいですよ」

 

「けどな。幽霊が笑ってたこと以外に根拠はない。まだ此方に来ないと決まった訳じゃない、持ち場を離れるわけにいかないんだよなぁ…」

 

「来なかった場合はどうします」

 

「そうだな。此方に敵襲がなく向こうに敵襲があれば…救援に向かうことにする。時間差で此方にも攻めてくる伏兵なんて流石にないだよな?」

 

「伏兵を作れるほど戦力が潤沢なら一回目の襲撃で落ちてるのでは…」

 

「……無いって判断で良いか?伏兵を警戒して向こう側が落ちる方が不味いし……よし!向こうに襲撃があったら直ぐに救援に向かう。ただ此方に襲撃がある可能性は無くなってないんだ油断はするなよ」

 

「了解しました」

 

「霊夢もそれで良いな」

 

「なんで私に言うの?別にいいんじゃないそれで」

 

なにその面倒くせー奴だなみたいな視線は

始まるまで仮眠しとこう。

ん?誰か近付いてきた。

 

「……働くのイヤ?」

 

レレイが話し掛けてきて驚いた。

 

話し掛けられたの初めてかも、同年代だからか私に興味があった感じ何だけどね。私が思うのも何だけど盗賊が襲ってくるって状況で落ち着いてる。

 

「此処にくるまで嫌になるぐらい働かされたしね」

 

「…………働くと思うからいけない。ストレス解消をすると思えばいい」

 

「スゴいこと言うわね」

 

盗賊退治でストレス解消って私そんな物騒な人間と思われてんの。某スレイヤーな貧乳の魔法使いみたいな認識持たれてる?

 

「 まぁ遭遇したらストレス解消の的にするかもね」 

 

適当に流しとく事にした。

 

「……そう」

 

結構対応が酷いと思うのにレレイはどっか行かずに私の隣に座った。なにかようなの?

 

「…………」

 

無言で言われると困るんだけど

 

「……霊夢の事を教えて欲しい」

 

暫く沈黙してから言ったのがこれ。私の事を知りたい?知識欲って感じでもない…純粋に私を知りたいって感じで…歩み寄られてるって感じがする……………伊丹がキマシタワーーとかボソッと言ってきたから弱めの弾幕をぶちこんだ。

 

 

 

 

それからーー。

 

 

別のところに賊が来た。無関係決め込もうとした。だけど伊丹達が移動したからついていった。賊の集団に栗林さんとロゥリィが突撃。まぁ私も目の前に居るなら攻撃するみたいな事を言ったし。仕方なく適当に弾幕をばらまいた。最後にはへリが仕留めに来て賊の人達はミンチになり町の救援に成功。終わった後に…伊丹が騎士の女性達とSM プレイ。伊丹が国会に呼び出された。ついでに私も行くことになった。

 

 

 

もう何か考えるの面倒くさい。

 

 

 

 


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