蛇王龍INヒロアカ世界(ほのぼの)   作:揚げ物・鉄火

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なんと連載中の作品を10件も抱えておきながら7ヶ月も音沙汰無しの二次創作小説家がいるらしいです。
中にはもう2年近くいじってない作品があったりする中で新しい作品を書こうとしている愚者らしいです。
いったい誰なんでしょう?

はい、自分です。
最後に投稿した年末の『ヴィランお兄ちゃん』から一切なんの反応もせずに今に至ります。
この7ヶ月の間ですが燃え尽き症候群になったり、『ヴィランお兄ちゃん』のR-18版を書いたり、ちょくちょく色々と書いたり消したり、蛇神様IN刃牙ワールドを書いたり、ネカフェに魅了されたりしていました。

作者です。
何をどう書けばいいかも忘れてしまった状態で筆を執って一週間で書き上げました。
なので、さっさと幸せにして、とっとと完結させようと急ぎ足にしました。

では、どうぞ。ごゆっくり!


蛇王龍、再開して幸せになる。

高校の校長としての立場を捨てて我が家である千剣山に帰って来てから数日経ったある日。

 

「でででん!でででん!でででででででん!でででん!でででん!でででででででん!でででん!でででん!でででででででん!!で~ん!で~んで~んで~~ん!」

某怪獣王のテーマを口ずさみながら千剣山が佇む通称.帰らずの森を歩く我らが蛇王龍。

 

「ギェェェェェ!!」

「ギシャアアア!!」

「グルァアアアア!!」

「ほいっと」

時折襲い掛かって来る土地の中心部から出て来た猛獣たちを徒手空拳で打ち倒して進む様は、まさに支配者そのものと言えるだろう。

 

 

 

「ひ~ま~じゃ~♪ひ~ま~じゃ~♬本当にひ~~ま~~~じゃ~~~~♫」

そのまま拳一つで従わせた六つ足の虎型の猛獣の背に乗っかり森を散策する事、約3時間。

 

「う~む…完全に迷ってしもうたわ!!なっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」

完全に道に迷ってしまったようだ。

 

そのまま適当にバカ広い帰らずの森を歩き続けると、やっとの思いで森を抜け出せた。

その森を抜け出して一番初めに見たのは、湖の近くに寝そべっている我が盟友ミラさんだった。

 

「ミラさんや、何をしておるんじゃ?ここは一応、妾の住処じゃぞ?」

「うん?そうだね。でも君に一つ言って置きたい事があったからここまで来たんだよ?」

「そうか…して、要件とは何じゃ?」

ミラさんの言葉に答えを急かすと溜め息を一つ吐かれた。

 

「はぁ…君は昔っからせっかちだよね。まあ、いいや」

「要件って言うのはだね…数年前に前世持ちの子供が生まれたって事さ。それも君の時代の君の守護していた村の出身らしいよ?」

「はっ…えっ?い、今…なんて?言った…の?」

馬鹿な有り得ない。ミラさんの言葉にさっきまでの馬鹿高いテンションも消えた。

 

「しかもね…『蛇神様は何処ですか?』って探し回っているらしいよ?」

「う、うそ…でしょ?」

「もっと言うなら、『ダラ・アマデュラ様』を探しているらしいよ?」

「は、はは…ハハハハ…アハハハハハ!ハハハハハ!!」

ミラさんが続々と伝えて来る情報に脳が処理落ちを起こしてしまいそうだ。

私の本当の名であるダラ・アマデュラは、愛しの君にしか教えてない。

つまり前世の記憶を持って生まれた子供は、愛しの君という事になる。

 

まさか、ありえない。あの人が…あの方が、愛しの君が…転生したのか?

しかも前世の記憶を保持したまま…転生した。しかも私を探している。

他ならぬ私を…ああ、ヤバい涙が止まらない。

あの人を…愛しの君を千年も愛し続けた甲斐があった。

早く迎えに行きたい…だけど、いきなり現れたら相手の家族にも迷惑が掛るだろう。

愛しの君を婿として貰うのであれば相手方にそれなりの対価を支払う必要がある。

 

「ミラさん。妾の財産の3割を手土産に持って行く。愛しの君の現在の住処を教えてくれ」

「う~ん、別にいいけど…怒らないでね?今、彼は…」

ミラさんに愛しの君の現在の在処を聞いた。

ミラさんは、多少渋っていたが答えてくれた。

 

「忌み子として家族から結構酷い扱いを受けているみたいだね」

その答えを聞いた瞬間、私の中で何かが音を立てて切れた。

 

「ちょっくらお礼参りに行って来る。なに、大したことはしないさ。ただ地図上から奴らの家を消し飛ばす程度の事しかしないさ」

「うん。一回落ち着こうか?」

さっそく向おうとした所で頭を掴まれて止められた。

 

クッ!動けん!!

エアーズロック位なら余裕で引き抜ける妾の剛力を持ってしても一歩も動けぬとは…やはりミラさんは化け物だ。

 

「ミラさん!離してくれ!さっさと愛しの君を助けに行かねばならぬ!!」

「うん、分かってるよ?でも何も準備しないで行けば君が誘拐犯扱いされるよ?」

「むっ…!それは困る」

愛しの君を迎えにはいきたいが世間から誘拐犯扱いされるのは嫌だ。

最悪の場合は、マネーパワーと今までの人脈をフル活用して事件を揉み消せばいいが…少し面倒なのでやめておこう。

 

「では、どうすれば良いのじゃ?」

「簡単さ。君が彼を迎えに行っても問題ない状況に追い込めばいいのさ」

「ほう?」

ミラさんの提案を聞いた瞬間、頭の中に今後の予定を立て始める

確実に迎えに行けるように少しだけ状況を操作しよう。

準備は…半年もあれば完璧に出来るだろう。

 

「ミラさんや…少し協力してくれぬか?」

「ふふ…いいよ。人員はどのくらい欲しい?」

「ざっと500人。それだけ居てくれれば楽に助け出せるからのぅ…くふふっ」

待っておれよ?愛しの君…いや、旦那様!

 

 

 

 

僕には前世の記憶という物がある。

可笑しい事を言っていると思うかもしれないが事実だ。

 

と言っても遥か昔の、それも平安時代の頃の記憶。

しかし一町民としての生を受けた記憶では無く、山のように大きい白い蛇の神様の庇護下にある村で暮らしていた。そんな記憶だ。

僕は生前の人生を全てその蛇神様の下に仕える事で過ごし、そのまま天寿を全うした。

村の初代村長として蛇神様の言葉を聞き、皆に伝えるのが僕の生前の役目だった。

蛇神様のそばで生活し、蛇神様の話を聞き、村の皆の相談を受ける。そんな毎日だったが充実した人生だったと思う。

しかし、いくら蛇神様の言葉を理解できても僕も所詮は人間。

88歳で天寿を全うして逝った。

死ぬその瞬間まで蛇神様は僕のそばに居てくれた。

山を何周もするほどの巨体を器用に動かし寂しいそうな声(?)を出しながら僕の最期を見届けてくれた。

死ぬ前に『僕のために泣かないで下さい』と伝えたかったが、その前に目を閉ざしてしの言葉を伝える事が出来なかった。

 

沈みゆくはずの意識が急激に浮上して行き、強烈な光に目を閉じてしまった。

困惑しながらも情報を取り入れる為に少しずつ目を慣らして目を開けた。

目を開けて初めて見た景色は、比較的古風な家の天井だった。

振り向こうとするが動かないので目だけを動かしていると着物を着た初老の女性が僕を覗きこんだ。

僕を見たその人が突然顔を強張らせて大声で何かを叫びながら走って行ってしまった。

 

その反応に呆然としているとさっきの女性が走って行った方向から複数人の慌ただしい足音が聞こえて来た。

ふすまを勢い良く開けて入って来たのは、厳格が人の姿をしたような和装の黒目黒髪の男性と大和撫子を体現した値段の想像が着かない程の美しい着物を着た和風美人。

男性が僕を見るや否や廊下向けて叫び出し、数秒後に先程の女性が慌てて部屋に入って来た。

男性が入って来た女性に対して激昂し、勢いよく何かを息巻いていたがあまり良く聞き取れなかった。

そうこうしているうちに美しい着物の女性が僕の所に来て脇に手を入れて体を持ち上げた。

 

「…っ」

僕の目を見た女性が突然目を潤ませて僕を抱きしめた。

そのまま小さな声で「ごめんね…ごめんねぇ…」と繰り返していた。

 

何が何だか分からず目を瞬かせていると先程の初老の女性が「奥様!」と僕を抱きしめている女性に駆け寄った。

その瞬間、僕はやっと理解した。

 

どうやら僕は、転生してしまったようだ。

 

それからしばらくして僕の地獄が始まった…わけでも無かった。

今世での母に当たる女性と引き離されて武家屋敷の一室に軟禁状態にされて授乳やその他の世話のタイミング以外での接触を禁じられていたようで僕を見るたびに泣いていた。

その姿から前世の母を思い出し泣き止んでくれるように手を伸ばして頬を撫でたが余計に泣かれた。

とまあ、どう考えても赤ん坊に対してするべき対応では無かったが生憎こちらは前世で安倍晴明と芦屋…道真(?)が二人掛かりで挑んでも、(みなもとの)……なんちゃらが他の四人組と一緒に挑んでも、八つ首の大蛇(八岐大蛇)が戦いを挑んでも敵わない程度には強い蛇神様の下で暮らしたのでこの程度はまったく苦にならない。

 

強いて言うなら話し相手が欲しいくらいだが、この問題も最近解決した。

どうやらこの世界には、最近になって『個性』と呼ばれる不思議な力を持つ者達が生まれ始めており、世界中で混乱が起こっているらしい。

そしてその『個性』とやらが僕にも発現したようだ。

 

僕の個性は、『多重言語理解』。

その能力は、文字通り様々な言語を理解出来るもの。

分かりやすく言うと『今まで聞いた事の無い言語を理解した上でその言語を完璧に扱える』というもの。

聞き取り、発声、執筆のいずれも完璧に理解可能で、その国特有の嫌味やブラックジョークも理解出来てしまう。

あと、なんでかは分からないが動物の言葉も理解出来る。

 

例えば

敷地の塀に泊まった鳩の会話だと

『この前さ、いつもの公園に行ったんだよ』

『おう』

『そしたらよぅ…変なガキが俺を追いかけ回されたんだよ』

『おぅ…災難だったな』

『それだけならまだしも、そのガキの母親が変な板ばっかり見ててちっとも注意しねぇんだ!』

『うわー…ひでぇ』

『だからその場に居たみんなで一斉投下してやったわけよ!』

『それはえぐいwww』

こんな会話だった。

 

うん。

鳩がそんな会話をしているなんて知りたくなかった。

 

とりあえずこの個性のおかげで飽きる事は無かったし、この国の現状をある程度知る事が出来た。

母に泣かれて育てながら5年の月日が経ち、僕の個性()も父に知られた頃に我が家に『ミラ』と名乗る白い長髪の女性が訪れた。

 

その女性の話によると、どうやら僕を養子として迎え入れたいらしい。

話の中で『忌み子』や『個性持ち』に『不気味な能力』などの言葉が聞こえて来て、母はまた目に涙を溜めて父は何処か考え込むような顔をして、小さく唸っていた。

やがて「また後日、伺います」と言ってその人は去っていった。

 

 

その日、日が落ち使用人たちも寝静まった頃に父と母が部屋で何かを話していた。

耳を澄ませて会話の内容を盗み聞きすると、どうやら相手に僕を養子として出す条件として相手に無理難題を吹っ掛けるつもりらしい。

 

内容としては、希少鉱石『オレンジダイヤモンド』を50カラット、希代の画家.フィンセント・ファン・ゴッホの作品の一つ『ひまわり』にサインが書かれた作品を二点、直系10センチの真珠だけで作られたネックレスを四つ、インペリアル・イースター・エッグを5種類、既に絶滅した植物、最後にかつて存在したとされる『生きる天災』とも謳われた化け物(大蛇)から採取出来るらしい『蛇王龍の尾殻』と呼ばれる希少な素材。

これら全てを1週間以内に集める事が出来れば僕を養子として譲るらしい。

この内容をまとめた上で分かりやすく言うと「うちの子に近づくんじゃねぇ、この野郎」と言う意味らしい。

両親に愛されている事を再認識しながら眠りに着いて翌朝を迎えた。

 

翌朝、何故か猛烈に嫌な予感がして目を覚ますと同時に玄関のチャイムが鳴り昨日訪れたばかりの女性が訪ねて来た。

両親は嫌そうな顔を隠しもせずに彼女を迎え入れ、座布団に座らせてからもてなしに『ぶぶ漬け』を出した。

一方の女性は、それをテーブルの端に移動させて養子の話を切り出した。

 

待ってました、と言わんばかりに両親が昨日考えていた条件を書類に纏めてその女性に突き付ける。

僕を養子にする条件が書かれた書類を読んだ女性は、一つ小さく頷いてから書類をカバンに仕舞い契約書を取り出した。

こちら側の提示した条件を満たした場合、問答無用で僕を『蛇神 シロナ』なる人物の養子にする旨が書かれた契約書にサインするように言われた両親は卑下そうな顔をしながらもサインをした。

 

サインされた契約書を確認した女性…ミラさんが書類を鞄に仕舞って一つ頭を下げてから出て行った。

これで二度と会う事は無いだろうと安心していた。

しかし、僕たちは嘗めていた。あの白髪の女性(ミラさん)と蛇神 シロナなる人物の力を…

 

 

あれから5日ほど経ったある日、彼女は再びやって来た。

今度は、彼女より小さい同じような白髪の女性を連れて来た。

 

「ん?…フヒッ」

その女性は、母の後ろに隠れる僕を一目見ると血のように真っ赤の瞳を大きく見開いてその口元を歪ませ不気味な笑い声を零した。

両親はそんな彼女を不気味がっていたが僕だけはなぜかすごく懐かしい気持ちになった。

長い間失くしていたものをやっとの思いで見つけたようなそんな気分になった。

 

家に上がった女性二人組が座布団に座り机を挟んで両親と向かい合っている。

両親(主に父)が二人に対して値踏みするような睨み付けるような視線を向けている。

 

「うん…美味しいよ」

「…結構なお点前で」

片手で茶器を持ったミラさんに対して小さい方の女性が両手で茶器を掴み正しい作法でお茶を飲んだ。

 

「さて…本日お伺いさせて頂いたのは、先日の息子さんを養子として譲り受ける件についてです」

「御託は良い。さっさと話しを進めろ」

「…かしこまりました」

ゆっくりと話しを始めたミラさんの言葉をぶった切るように父が催促した。

それに対してミラさんは、特に何も言う事無く懐から一通の封筒を取り出し、その中に仕舞われている三枚の紙を取り出した。

 

「さて…こちらがあなた方の提示された条件です。こちらが契約書、そしてこちらが養子縁組の書類です」

ミラさんが並べた書類を順に説明していき、両親の目を見る。

 

「貴方方の提示された条件を満たす事は自体は…正直に言いますとそこまで難しくはありませんでした」

「しかし、如何せん面倒な事が起き調達するのに時間が掛かった次第でして…」

そう言ってミラさんが苦笑いする。

 

条件を満たすのは難しくなかった。

 

その言葉に父が目を見開き母が顔を青くする。

ミラさんの横に座っていた女性は、お茶菓子を食べながら当然だ、とばかりに頷いていた。

 

「全て…揃ったと言うのか…?」

「あぁ…そんな!」

父が心底ショックを受けたような声で呟き母が両手で顔を覆った。

 

「さて、一つずつお見せしましょう」

「んぐ…」

その言葉を合図にお菓子を食べていた女性が右手の人差し指と中指を立てて空中で円を描くように手を動かす。

彼女の手の動きに合わせて空中に火花が飛び散り、やがて円の形になり遂には穴のような形になった。

その穴に戸惑うことなく手を入れて何かを探すように手を動かすと、やがて中から太陽のごとき輝きをした宝石を取り出す。

 

「まずこちら、ご希望通り50カラットのオレンジダイヤモンドです。鑑定書付きでどうぞ」

テーブルに置かれたオレンジダイヤモンドの横に一枚の紙が置かれる。

 

「続いて…ゴッホの『ひまわり』を二点」

ミラさんの言葉に合わせるようにテーブルの上に二点の絵画が置かれる。

 

「続きまして、大粒の真珠のネックレスを四点」

「インペリアル・イースターエッグを五点」

「すでに絶滅した白亜紀の植物、イチョウモドキです」

ミラさんの言葉に合わせるように価値が計り知れない物が次々と並べられて行く。

両親は呆然とその光景を眺める事しか出来ないでいた。

 

「最後にこちら…」

そう言ってテーブルの上…では無く庭に置かれたのは、扇状の黒い鋭利な物体。

両親が、馬鹿な…ありえない、などと言っているが目の前の事実は変わらない。

 

「蛇王龍の尾殻です」

ミラさんがそう口にした瞬間、母が倒れた。

 

「し、証拠は…」

「はい?」

「証拠はあるのか!?」

自分の手を隠し持っていた小刀で突き刺し何とか気絶を免れた父が口にしたのは精一杯の悪足掻き。

せめてもの抵抗。最後の抵抗を口にした。

 

「おい…」

しかし、それすらもあっけなく返された。

 

「お主…ふざけておるのか?小童よ」

ずっと沈黙を保っていたもう一人によって。

とても若い女性のものとは思えない口調で父に対して淡々と話していく。

 

「妾が自分の背から抉り取ったモノじゃぞ?証拠も何もないじゃろう?」

「旦那様の今世の父親だから、とお主の傲慢不遜ぶりに対して何も言わずにいたが…流石にこれ以上は我慢出来ぬ!」

声色に怒りが滲み出ている女性の言葉に対して父の顔は青を越えて白くなっていく。

彼女の飛ばすが殺気が物理的圧力となり屋敷全体を揺らしている。

しかし、徐々に怒りが増していく彼女を見ていると何故か懐かしい気持ちになって行く。

 

「貴様は、一度完全に跡形も無く滅ぼしてやろう!」

その言葉を聞いた瞬間、前世の記憶の一部が鮮明に思い浮かんで来た。

 

山に巻き付く巨大で長い体。

初雪のように白い鱗。

瞳孔が縦に割れた赤い瞳。

背中や尻尾の先端に生えた黒く鋭利な刃物のような背ビレのような何か。

黒く長い鋭利な爪。

大岩ですら丸のみ出来そうな口。

全てを貫くと思わせる巨大な牙。

万物を溶かせるであろう融解性の高い猛毒。

 

それら全てを併せ持った偉大なる生物。

僕はそれをこう呼んでいた。

 

「蛇神様…」

 

僕がそう口にした瞬間、先程までの殺気が嘘のように霧散した。

 

「おやおや…」

「旦……那…様?」

ミラさんが口元に手を当てて驚いたように声を上げて、もう一人の女性…蛇神様が零れ落ちそうな程に目を見開いていた。

 

「蛇神様…」

「お主…お主!お主!」

もう一度その名を口にすると足をふらつかせながら僕の方に歩みよって来る。

その目には涙が溜まっていた。

 

「妾を覚えておるのか!?」

「お、覚えてましゅ…!」

僕の顔を両側から押さえて聞いて来たので空気が漏れて変な感じになったがはっきりと答えた。

 

「うっ、うぅ…!くふぅ…!」

僕の答えを聞いた蛇神様が顔を両手で押さえて体をくねらせながら変な声を漏らす。

かと思ったら空中に赤い魔法陣を作り出し何か操作し始めた。

 

「やめなさい!」

「アイタッ!?」

そしてすぐにミラさんに頭を引っ叩かれた。

 

「なにすんじゃ、ミラさん!」

「なにすんじゃ!じゃないでしょ!なに現実を書き換えようとしてんの!」

「書き換えようなんてしておらん!ただ、歴史の都合の悪い部分を消して都合の良いように置き換えたりして、ちょっとした歴史改変をやろうとしただけじゃ!」

「十分にアウトだよ!星見の連中(カルデア)に喧嘩売るような真似はやめてよね!?私は、もう二度とあの幸薄顔の竜殺し(ジークフリート)と殺し合いたくないの!」

「あれは、お主が悪いじゃろう!特異点のラスボスと思わしき奴を一瞬で消滅させた上に「さて…誰から死にたい?」とか言い出すし、妾に変な物(聖杯)を押し付けるし、おかげでめっちゃ苦労したんじゃぞ!?」

「…でも、そのおかげで冠位級(グランドクラス)の称号を貰えたんでしょ?良かったじゃない?」

「全然良くないわ!変な金ぴかに「次会ったら殺す」って真剣な声で言われたし、何故かバニー姿の赤い槍を持った女傑には「次は我が槍の錆としてくれよう」とか言われたし、花の魔術師には「死ね」ってシンプルに罵倒されたし、革命の旗を持った金髪聖女には天使のような笑顔で中指を立てられたし、手の甲に変な模様(令呪)を刻んだ女の子には「二度と私たちに近づかないで下さい」って言われたし、盾を持った女の子は殺気剥き出しで養豚場の豚を見るような目で睨んで来たし、一気に敵を100人以上作ってしもうたわ!組織事敵対するってナイトレイド以来じゃぞ!」

「だからと言って歴史改変はマズいよ!冠位級魔術師(グランドキャスター)の称号だけでなく至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)としての称号も失うよ!」

「構わん!むしろ要らん!こんな称号のせいで紫色の巨人(サノス)との戦闘に強制的に参加されたんじゃ!」

「どちらかと言うと上から目線な魔術師の煽りに乗った君が悪いんじゃないの?」

「知らん!大体お主のせいなんじゃ!バーカ!」

「誰が馬鹿だ!この戦闘狂!」

まるでギャグアニメのようなやり取りだったが内容がシャレにならない。

 

歴史改変とか現実改変とか誰かとの戦いとか…やっぱり良く分からない。

両親も置いてきぼりだし、何かかしらの説明が欲しい。

 

「こほん!」

そう思っていると蛇神様にマッスルスパークを完璧に決めたミラさんが一つ咳をして話を戻した。

 

「えぇー、大変失礼いたしました。それでは契約通り、息子さんを養子として迎えさせて頂きます。異論は一切受け付けておりません」

ペコリと頭を下げたミラさんが気絶している蛇神様を肩に抱えて僕の手を取った。

 

「さあ、行きましょう」

「え?」

何処に行くのか聞く暇も無く突如視界が変わり、気付いたら見た事も無い場所に移動していた。

 

「ただの転移だよ。それより、ほらさっさと起きな」

「う、うぅ~ん…ゴフッ!」

頬をペチペチと叩かれた蛇神様が吐血をしながらも目を覚まし優しい目で僕を見た。

 

「あぁ…やはり好きじゃ。お主の魂の在り方。お主の胆の据わった態度。異様な覚悟。底知れぬ潜在能力。妾を優に超える才能。その中でも一際黄金のように輝く穢れ無き純粋な魂」

「お主…妾と「僕と結婚してください!」え?」

蛇神様の言葉を途中で遮り愛の告白をした。

 

「え?…え?え?え?え?」

意味が分からず困惑しながら右を左を見ている蛇神様の手を取り顔を近づけてもう一度告白する。

 

「僕と結婚してください。これからの一生、ずっと貴女だけを愛し続けると誓います。今まで僕を待ち続けてくれた分も含めて、今世も来世も来々世もこれから何度転生しても貴女だけを愛し続ける事を誓います。僕の人生を命の全てを掛けて貴女を愛し護り続ける事を誓います。だから…貴女の残りの生を僕と共に過ごして下さい!僕に貴女の隣に居座る許可を下さい!」

「妾は…悠久の時を生きるのじゃぞ?」

「はい」

「それに…愛が滅茶苦茶重いんじゃぞ?」

「構いません」

「そ、それに…あれ?可笑しいな、涙が止まらぬ。ここ千年は、一度も流さなかったのに」

「蛇神様…」

「なんじゃ?」

「僕は貴女を愛しています。僕と共に残り一生を過ごして下さい」

「…ズルい。ずるいよぅ…そんな事言われたら…断れないじゃないか」

「蛇神様…愛してます」

「あぁ…旦那様。I Love You(お慕い申しております)…」

 

その晩、蛇王龍が住処としていた洞窟で二つの小さな影が重なった。

千年越しの愛の成就を祝福するように流れ星が降り注いだ。

一晩中、一晩中降り注いでいた。




作品完結時点の主人公のプロフィール

氏名.
蛇神 シロナ

性別.
女・雌

種族.
蛇王龍 ダラ・アマデュラ

全長.
444.4444442キロ

年齢.
1328歳(作品完結時)

一人称.
妾(わらわ)、我、余、私。

二人称.
お主、そなた、主、貴様、お前。

三人称.
お主等、貴様等、貴公等、主等、そなた達、お前さん達。

性格.
比較的落ち着いた性格だが、戦闘になるとヤバい(ヒント.猗禍座がミンチなった)。
いつものほほんとしている。
たまに上から目線な態度を取って来るが(ただの気紛れなので)気にせず普通に接して良い。

異名.
血濡れ目の白蛇
次元の旅人
終焉の大蛇

称号.
海皇
蛇神流武術・開祖
至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)
冠位級魔術師(グランドキャスター)
竜殺し
英雄殺し
神殺し
武の体現者


恋愛感情.
一途→ヤンデレ+依存気味
1000年以上も初恋の相手を待ち続ける一途っぷり。
1000年以上も待ち続けた想い人が現れたので徹底的に管理する。出来れば飲食物や呼吸のタイミングと排泄のタイミングまで管理したいが流石に止められた。
旦那様が望むのであれば己の全て(富・名声・肉体)を捧げる覚悟でいる。

強さ.
1000年以上も様々な世界を渡り歩いたため、超やべぇ事になっている。

比較例.
ボロスや覚醒ガロウ(村田版)と互角以上に渡り合う。
範馬勇次郎に敗北をプレゼント出来る(多分)。
佐々木小次郎(fate)の秘剣・燕返しに反応してみせる。
眼前に迫ったクーニキのゲイ・ボルクを素手で掴む。
エスデス将軍の摩訶鉢特摩(時間停止)を脳筋理論で攻略。
身体能力が八門遁甲の陣.発動状態に匹敵する。
ユーハバッハに「アレとは出来るだけ敵対したく無い」と言わしめる。
ドクター・ストレンジが「彼女は、私に匹敵する実力を持っている(才能は無い)」と評価する。
サノス(石4つ持ち)を相手にタイマン張れる。
等々…上げていけばキリが無い。

戦闘力.
あらゆる世界で最強クラスになれる程度の強さ。
DB世界でも原作終盤まで十分やっていける(超だと精々ディスポを巻き添えにして終わる)。

情報.
守護神と崇められていた蛇王龍が個性を持った最古の少女を喰らい得た人の姿。
少女との約束通り世界(異世界含める)を見て回った末に得た結論、『人間は面白い』を胸に今日も生き続ける。
1000年以上も生き続けた結果、護符に文字を書き効力を発揮するという謎の特技を手に入れた。

護符について.
護符に書いた文字が効果を発揮する。
護符に『人理焼却』・『人理漂白』と書けばその通りの事が起こるが、そうした所で何も面白くないのでやらない(その前にミラさんが止める)。

護符の作成方法.
原初のルーンと陰陽術と魔術の同時多重使用(禁忌)によって生み出されるエネルギーを特別性の紙に付与して作られる。

おまけ.
取り敢えず旦那様には、『絶対防御』・『完全防御』・『物理無効』・『物理反射』・『魔法無効』・『魔法反射』・『呪術無効』・『呪術反射』・『呪怨無効』・『呪怨反射』・『状態異常完全無効』・『即死無効』・『無敵付与』・『回避付与』・『認識阻害』・『常時回復』・『完全回復』・『自動回復』・『自己修復』・『運気上昇』・『不死身化』・『対人類悪絶対防御』・『世界意思干渉拒絶』etc.などを500種類の護符を付与しておいた。

旦那様.
主人公が1000年もの間ずっと愛し続けた人物。
主人公の異常な愛を一身に受け止めて、それをすべて受け入れた上で蛇神様を愛し続けると誓った人(とんでもねぇ胆力)。
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