妖を扱う狐憑き   作:あめ林檎.s

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本日の天気は曇天。灰色に染まった雲が空を覆って日の光を遮ってる。

こりゃ一雨降りそうですな。

腕の中で丸まってるいおりんを撫でながら空を見上げてボソリと呟いた。
まぁ何にせよ終わるんだよね、うん。

善逸くんがやっと本編に入って私が休みに入るな。
原作では怪我してなかった筈だから無傷?で勝てるんだろうけど……、描写なかったからなぁ。それに私が介入したことでどうなるかも分からん。足手まといになったらゴメンね。
まぁ取り敢えず勝てることは確信してるんで。

「よぅし、一仕事やりますかぁ」

声に出して気合いを入れた。


参の話 森の中

朝から何の変わりもない先日と同じ作業をする。

昼頃には全部終わった。だって仕事は少ないからね。

 

どうもこんにちは、凩白兎です。

昨晩はたっぷり九時間くらい寝ましたよ、朝は叩き起こされたけど。

てことで今日は全快!!いやぁ良いね、睡眠って言うのは!あわよくばあと三時間くらい寝たい!!

 

と言うのはまぁ置いといて。

 

もうそろそろ日が落ちる……と言っても今は十五時くらいかな。今私は乃菊さんとこに交渉しに来てます!乃亜さんの方には善逸くんが行ってるからね。

何の交渉かって?作戦決行の為に必要な交渉に決まってるでしょうが!

 

この交渉が失敗したら失敗なのでなんとしても成功させるのです。

 

mission:交渉に成功せよ!!

 

………うん、ふざけてごめんなさい。

 

「てことで乃菊さん、今から私は"お手伝いの私"じゃなくて"鬼殺隊士の私"です。あーゆーおーけー?」

「分かったわ。要件はなぁに?」

「わぁ話がはやぁい」

 

首を傾げて問い掛ける乃菊さんに私は素直に感心した。

毎回毎回話を理解するのに時間かかるくせにこう言うときは早いんだよね、白鳥さんも言ってたよ。

 

「てか本気で驚いたんですけど乃菊さんのお父様……東藤さんって四十代だったんですね、てっきり三十半ばかと」

「うん?それは今この話に関係あるの??」

「いや別にありませんけど」

「まぁそうね。父様は若く見えるものね」

「んじゃあ要件話しますねぇ」

 

何故かドヤ顔しながら自分の父のことを言う乃菊さんに、このまま話させたら長くなるかもしらんと思った私は話始める。

要件って言うか作戦っすなぁ、これは双子さんの協力がいるやつだから。

 

取り敢えず乃菊さんの耳元に口を寄せて端的に要件を伝えた。

なんで耳元かって?だって壁に耳あり障子にメアリー。

メアリーって誰?魔女の花?

それメアリな。

………一人で言ってると虚しくなってくるからやめだやめだ。

 

「結構ちゃんとした作戦たててるのね」

「まぁ仕事なんで」

「協力するのは全然構わないのだけど、成功する保証はあるの?」

「あったり前田のクラッカー!(死語)」

「くらっか……?」

 

成功する保証はめっちゃありますよ。

だって善逸くんの次の任務……鼓屋敷の時、無傷だったからね!!善逸くんが生きるって保証はあるし、生きてるってことは任務完了したってことでしょ?冒頭でも言った通り勝てるのは確実なんだよ!!メタい?………。

 

勝算としては全然あるんだけど、だからって乃菊さんや乃亜さんの安全が保証できる訳じゃない。それは……私もいおりんも変わらない。だって原作にはいない筈のキャラだから。なんらかの力が私たちを排除する道に進むのかもしれない。

………勿論、浬來くんもね?

 

勝算はあろうが、きっと少なからず被害は及ぶはず。

 

「それを配慮して、頼みに来たんでーす」

「……分かったわ、きっと乃亜も了承するのだろうし……」

 

息を吐きながらOKしてくれる乃菊さん。

わーい、と両手を上げながら喜ぶ私。

まぁ念のためと言うこともあり、もう一度乃菊さんに作戦を伝える。

 

まず私は乃菊さんと、善逸くんは乃亜さんに変わってそれぞれの部屋に行く。

二人が別々になる夜が鬼の狙いどころだと考えたから。

だから今日は、乃菊さんと乃亜さんには自室からちょっと離れたところで就寝してもらう。まぁさっき言った通り被害が及ぶことも否定できないからね。

それで鬼はきっと私たちと双子さんを間違えてどっかに連れ去るでしょ、多分。なんで連れ去ると考えたかは、今までの人たちは行方不明って事になってるってことは『死んだ』と決定できない、つまり血痕などの証拠がなかったから。何処かに連れてって食べてると考えるのが妥当だと。

それで連れてかれたところで鬼を伐つ……のが作戦ですね。

 

「でも良いの?それ普通に話しちゃって……」

「大丈夫です!聞いちゃいませんって鬼も」

「そう……。ところでどうして今日じゃなきゃいけないの?」

「だって良く考えてみてください?今まで狙われたのは18歳未満の女の人ですよ」

「………成る程ね」

 

つまりは18歳以上、若しくは18歳よりも上の人は狙わない、狙われない。

なんでかこの鬼は18歳に拘ってる。今まで18歳未満を喰っていたのだとしたら、今になって18歳を狙っても可笑しくない。メインディッシュとでも言いたいんだろうな。つまるところ。

 

乃菊さんと乃亜さんを狙うのなら。いや、狙っているから。

 

「お二人の誕生日……。18歳になる今日」

 

メインディッシュは最後まで、大好きな物は最後まで。

食べないで取っておいて。我慢して我慢して食べたときが一番最高だから。

 

「全く趣味の良い鬼ですこと」

 

話があいそうですね。

………ごめん話とかしたくないわやっぱ。

 

まぁ何はともあれ。

 

──…この"作戦"が吉と出るか凶と出るか。

 

 

 

 

 

 

△▽△▽△▽△▽

 

 

 

 

 

 

現時刻、約二十二時。

日はすっかり暮れていつもなら夜空に星が輝き始める時間帯、東藤邸の灯りも消え、皆就寝していた。静かな屋敷の中で息を潜めて鬼の乱入を待つ鬼狩りと、獲物を狙う鬼だけが起きている。

 

「……見つけた」

 

とある一部屋の襖が開き、地を這うような、低い声が響いたかと思えば次の瞬間には部屋に人影はなく静寂だけが戻ってくる。

 

外には雨が降り始めていた。

 

 

 

「くふふふ、獲物を一部屋に纏めてくれるなんて。馬鹿な鬼狩りだ」

 

自分の住処のある森へと帰ってきた鬼は笑いながら呟いた。

この鬼こそが東藤邸のメイドをことごとく連れ去り、双子を狙っていた奴だ。狙いの双子を一部屋に纏めた二人の鬼狩りに感謝しつつ罵倒した。

………全く。

 

──…馬鹿なのはどっちだっての。

 

「は……?」

 

静かに響くその声に鬼は困惑の声をあげる。

あの鬼に聞かれてること確定の作戦を馬鹿正直に実行する人が何処にいるんだ、会ってみたいわ。なんてブツブツ言いながら立ち上がった一つの人影。

 

「頭のわっるい鬼も居たもんだ!!」

 

吉か凶かで言ったら吉ですな。と凩白兎は笑った。

 

「善逸くんも立った立った!元々はキミが考えた作戦でしょ!」

「いや無理!!作戦考えたとか考えてないとかじゃなくて鬼を前にすると無条件に怯えてしまうって言うか兎に角怖いの!!寧ろなんでそんなに平然としてられるの!!?」

「え何言ってんの私今死ぬほど怖いよこの恐怖で死ねるんじゃないかってくらい怖いんだから舐めないでよ(?)」

「ごめんちょっと何言ってるかわかんない!!」

 

………いやコイツら鬼を前になんで漫才始めてんの?

鬼は心の底からそう思った。大丈夫、お前は正常だ、見た目が異常なだけで。

ほら立って。と言いながらもう一人の方……我妻善逸を支える白兎と、怖い怖いと繰り返す善逸。

その二人をちゃんと待つ鬼。

 

………わぁなんて優しい鬼なんだ(遠い目)。

 

取り敢えず話を戻そう。

 

「まぁまさか本当に作戦通り行くとは思ってなかったよね」

「作戦って……なんでお前らがあの部屋に居たんだよ、なんでお前ら鬼狩りが……」

「いやなんでって言われても……。あの作戦自体がそもそもフェイクだし」

 

察しの良い人なら分かってると思うのでわざわざ説明はしないが、まさかこうも簡単に引っ掛かる奴がいるなんて。白兎も作者も吃驚だ。

 

「でもまぁ引っ掛かってくれてありがとうね、探す手間が省けたよ~」

 

口元に笑みを浮かべながら白兎と善逸は白い羽織を脱ぎ捨てる。

予め隊服を中に着て、上から借り物の服を羽織っていた。隊服のままだとすぐにバレる可能性を配慮して。

 

まぁそうだとしても気が付かなかったこの鬼はアホなのかなんなのか。

 

「雨降ってきて寒いからちゃちゃっと終わらせちゃお!善逸くん任せたよ!」

「なんで俺!?」

「………善逸くんしか居ないからだよ…?」

「自分でやれば良いじゃん!ねぇ!?」

「え……。遠慮します」

「俺も遠慮します!!!」

「だぁあ!!なんなんだお前らさっきからぁ!?」

 

鬼がキレた。意外と短気なのかもしれない。

 

舐めてんじゃねぇぞ、とキレながら鬼は戦闘体制に入った。と同時に数が増える鬼。

ザッと数えて十数匹。

 

「ギャアアァァ!?増えたよ!?急に増えたよ!?なんで!?なんでなの!!?」

「え、いや私も知らん……こんなん予想外だよ知らん……え怖。でもそんな多くないから大丈夫じゃ…?」

「何言ってんの!多いよ!!大丈夫!?」

「いや、最終選別の時のが多かっ──」

 

白兎の言葉を遮り、此方に向かって襲いかかってくる十数匹の鬼。ギリギリで避けながら「まだ話してる途中だったじゃん!」と雑鬼に言うも白兎の言葉を聞かず、反応もせず。

ただただ鋭い爪を振るう相手に仕方なく刀を抜き頸を斬った。

 

──が、その鬼は崩れるわけでもなく、斬られた頸が落ちるわけでもなく。姿がボケたと思いきやそのまま霧散した。

 

「……成る程、霧ね。の癖に爪はちゃんと鋭いし傷も付くんだ。凄くめんどくさぁい」

 

ため息を吐いて、尚も雑鬼が増え続ける原因(・・)を見据える。

 

「──斬っても斬っても減らない、ならその元を即刻、退治しなきゃね」

 

冷たい雨が降り注ぎ、霧が濃くなりつつある森の中で、一つの雷鳴が轟いた。

 

 

──血鬼術 霧幻(むげん)




・鬼の血鬼術
霧を操る感じのアレ。形を変えたり等。何故か色が付いて鬼を作ったら爪も鋭くなるが詳細は不明。
今回の『霧幻』は霧で鬼を何体か作って相手に本当にいるかのように見せた。爪は鋭いからちゃんと怪我はするけど斬っても減りはしない為本体を斬ることが必要。






血鬼術を何にするか迷った末、霧に行き着いた……。グダグダ言ってて何書いてるかも分からん……。

プチ次回予告(ネタ)
「霧だからって舐めてたゼ☆善逸くんなんかもう寝てる(気絶してる)し楽勝かと思ってたのになんか……待って本体何処!?東藤邸ヤバいんじゃね!?戻るゼ!!」

※今即興の思い付きなのでこうなるとは限りません。
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