妖を扱う狐憑き   作:あめ林檎.s

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要するに推しと会えた感激で発狂したらそれはもう訳のわからない発作だよって(?)
治療できる薬はありません諦めましょう。


伍の型 発狂は発作に変化する

やっほー!皆~!げーんきー!?

私はねー!

 

「死ぬ……」

 

超疲れた死ぬ。

最終選別五日目。七日間なのであと二日ですねやったね(白目)。

夜は鬼を狩って生き延びて、朝は短時間浬來くんを探して駆け回り、昼は木上で野宿。木上が一番安全そうだったから。だって高いもん。落ちたら痛いけど……。

白兎ちゃんもう限界よ、疲れた。

昼夜逆転しちゃうわ。

それと鬼が出てくるのはもう慣れた!頻度は低くなったし初日よりは全然暇もできたけどそれでも安心は出来ない。

 

「いおりんいおりん」

「なんだい」

「鬼の匂いしたら教えてね、逃げるから」

「鬼が出たらちゃんと斬ろうねぇ」

 

あっ痛い。いおりんのその刺すような目が痛い。呼吸使えるんだから斬れよみたいな目が痛い。

わざわざ危険を冒すくらいなら木上で隠れたり逃げたりするよ私。死にたくないもん。

あとほら、走るとき音出さない方法いおりんに教えてもらったから実戦したいってのもあるけど、あっごめんずっと使ってたねごめん。

 

「あ、あと浬來くんの匂いがしたら教えてね。全力でそっちに向かうから」

「なんでそんなに一ノ瀬に拘るの?」

「いや、それは……」

 

だって、原作ではこの最終選別、五人しか生き残ってないから。

竈門炭治郎くん、我妻善逸くん、嘴平伊之助くん、不死川玄弥くん、栗花落カナヲちゃん。

もし一ノ瀬浬來くんが元々原作にいる伽羅だった場合、死ぬかもしれない訳でしょう?え、やだ超やだ。なんとしてでも浬來くんに生きてもらいたい。理由?可愛いから。

それで十分だろう?可愛いは正義だぞ!?世界中皆子猫には逆らえないんだぞ!?子猫様万歳!!いや流石に世界中は盛ったわ。でも可愛いは正義でしょやっぱり。可愛いは暴力にも勝るって誰かが言ってたよ?まさにその通りだと思うね。

だから私は死んでもいいから可愛い子には生きてほしいよね。勿論いおりんも対象内だよ、いざとなったらいおりん逃がして私が死ぬし。妖の呼吸で守れよって?守りながら戦えるほど私器用じゃない!

 

「兎に角!教えてね!」

「わかっ───」

 

わかったっていおりんが言おうとしたとき、近くの茂みががさがさって。

なにこれベタ。人?が話してる最中に茂みガサガサって何これベタすぎません?良くあるやつじゃん。野生のポケ○ンが現れる?

てかいおりん匂いするって教えてくれてなくない!?

いおりん!?え、鬼?鬼ですか!?いや教えてくれないって事は鬼じゃないのかな!?

あっ待って出てくる?まだ待ってやめて!?さっき慣れたとか言ってごめんって!撤回する!するから出てこないで!ねぇごめんって!まだ全然慣れてませんでしたねすみません!!あっもう駄目だ!!

 

「キャアアアア!!!」

「わぁああああ!!??」

 

ひょこっと茂みから黄色い頭が飛び出してきて、ビックリした私は目を閉じて思いっきり刀を振り回した。

やめてください死にたくないです私なにもしてないです。慣れたって言うのもちゃんと撤回しました。

だから大人しく当たって死んで……いやめっちゃ避けるね!?やめて!?鬼なら早く当たって死ぬかどっか行って!?そうじゃなくてもどっか行って!?浬來くんなら超逃げて!!

 

「やめてやめて!!死んじゃう!死んじゃうから!?死因が鬼ならまだしも人間……しかも最終選別受けてる同期とか絶対やだよ!!?」

「え?はっ!!」

 

私の推しの声が聞こえた。

もしかして私もう死んでるっ!?だから推しの声が聞こえたの!?幻聴!?やだいつ死んだの!!来世は転生チート特典つけてくださいね!!

 

って言うのは置いといて。

振り回してた刀を止めてゆっくり目を開いてみると、しゃがみこんで頭を抱える金髪の少年がいた。

あっれー!もしかしてもしかしなくても推しではないですか!!その金髪もその仕草も見覚えありますよ!やっぱ可愛い!!!あ!じゃああれは幻聴じゃなかったんだね!可愛い!!もう死んでも良い!

じゃなくてですね。

 

「ご、ごめんなさい!!大丈夫!?」

「大丈夫じゃないよ!なんなの!?やっと鬼の少ない場所見付けたってのに、同期に攻撃されるってなんなの!もうどういうこと!?」

「ごめんなさい!私の不注意です!何しろ鬼が怖いもんで!!」

「だよね!?それは物凄く分かる!!」

 

あっやっぱりー?鬼怖いよねー!貴方もそう思う?奇遇ねぇ!嘘です知ってました。

善逸くんが鬼怖いって思ってるの知ってました。狙ってましたごめんなさい。

いやでもこうでもしないと発狂しますよ?だって推しだよ?推しが目の前にいるんだよ!?今押さえられてるのも凄いよね!あぁぁあ、でも目がキラッキラするのはしゃあないよね!だって推しだもん!!

ぬぁあッ!!可愛いッ!!!

あっ待って過呼吸になる。深呼吸深呼吸。吸って吐いて。

 

「ど、どうしたの!?大丈夫!?」

 

突然膝に手をついて深呼吸をし始めた私を見て善逸くんが心配した。

ぬぅあ!!推しが!心配してくれてる!泣きそう!!可愛い!!!

 

「私もう死んでも全然良い……」

「なんで!?」

 

口元を押さえて泣く私。更に心配する善逸くん。

第三者から見たら凄い光景だねっ!

因みにこの涙は推しが目の前にいる信じられない事に感動してるのと死亡フラグが成立しちゃった事に対してのやつ。

いやー!感動して忘れてたけど!そうじゃん!!善逸くん、主要キャラ!鬼滅の刃の!主要キャラ!!

私真面目に死ぬんじゃない?さっき死んでもいいって言ったけどやっぱり取り消し、死にたくないですごめんなさい嘘つきました。

今は善逸くんより浬來くん会いたかった……、あ、ごめんね善逸くん勿論会いたかったけど今は浬來くん。

もしかして善逸くんここに来るまでに浬來くんと会ったりしてないかな?

 

「ねぇぜん゛んっ!」

「え?」

「ごめんなんでもない」

 

ふぁー!!あっぶなぁい!!名前呼ぶとこだったよ!?私今初対面で!名前知らないって感じだから呼んじゃ駄目だよね!!

 

「あの、さ。ここに来るまでに男の子に会わなかった?紺瑠璃色の羽織を着てた子なんだけど、はぐれちゃったんだよね」

「は!?男!?一緒に居たの!?ずっと!!?」

「うぇっ、とぉ……一日目夜から三日目昼くらいまで?」

「なんっだよ!?誰そいつ!羨ましすぎるだろ!?俺が今までどんな目に会ってきたと思ってんの!?ふざけんなよ!」

「………大丈夫?」

「大丈夫!!」

 

ちょっと待って善逸くんがこんなになるの可愛い女の子にだけだと思ってたんですが。怖いです怖いです。いや可愛いけどちょっと怖いです。これアオイちゃんとかなほちゃんきよちゃんすみちゃんが引いてたのもわかる。実物はちょっと怖いね、必死すぎて。

しかぁし!可愛いから許す!!可愛いは正義!!

でもやっぱ不思議だよね。可愛い女の子にだけこうなるんじゃなかったのかな。

 

「で、見てないってことで良いのかな……?」

「見てないねそんな奴!」

「そっかぁ」

 

困ったなぁ。浬來くん死んじゃうかも知らんのに……。浬來くんの存在については二卓だよなぁ。

原作で元々居たけど最終選別で死んじゃった子か、或いは私が介入したことによって新しく生まれた感じの子か……、可能性が高いのは前者よね。

となると、浬來くんはこの最終選別で死んじゃう可能性が高いわけだ。そして私は浬來くんお気に入りだから生きてほしいんだ(早くもお気に入り認定)。

だからもうあれだよね。浬來くんが死なないようにするためにはさ。

 

「………守るしかないのかなぁ……」

「一ノ瀬守るのも良いけど、いおにとっては白兎の方が大事だから程々にね」

「んぐっ……うぅん………」

 

正直言ってそのいおりんの発言滅茶苦茶嬉しい。ツンデレいおりんデレ期。録音したい。スマホください誰か。そこのきみ持ってない?え、あっ持ってない?そっか、残念。音声レコーダーとかは?あ、ないの。じゃあ脳内に焼き付けとくわな。

 

いや、でも正直浬來くんはそこまで弱くないと思うよ?思うけど、やっぱり心配じゃん?折角同期になるかもしれないのにあんな可愛い男の子。最終選別で死ぬなんてかわいそすぎるでしょ?享年が十数とか。私?私は良いの。前と合わせたら三十くらい……誰がそんなおばさんじゃい。

まぁいいや。

 

「……っよし!取り敢えず探そう!」

「えっ何を?誰を?て言うかさっきその生き物喋ってなかった?」

 

ぐっ、とガッツポーズ?をしながら探そうと意気込む私に善逸くんが不思議そうに問い掛けてくる。その生き物、と言って指を()すのは私の首もとのいおりん。

流石善逸くん!耳が良い!!いおりんめっちゃ小さい声で喋ってたのにね!やっぱわかるんだ!!耳良いもんね!!

だから嘘や誤魔化し、でたらめとかは効かないと思うの。なので正直に話すのが一番よね!

 

「喋るよ」

「やっぱり!?その生き物何!?」

「白狐……だと思う。いおりんは私の友達だから、喋ることは内緒ね?」

 

口元で指を立てて言う。『シーっ!』って感じのポーズ。

ごめんやった後でめっちゃくちゃ後悔した。どっかのファンタジー小説でやってたんです。転生者の可愛いヒロインの子がこれやって男の子落としてた。不細工な私がやっても意味ないでしたね、すみませんでした。可愛い子がやるからいいんだよな。

お目汚しで申し訳無かれ。

 

「いおりんって言うのがその白狐の名前?」

「えっと……、正確には伊織だね。もしかしてついて来るの?」

「うん。俺我妻善逸って言うんだけど、きみは?」

「私はね、凩白兎。宜しくね」

「白兎ちゃんかぁ。可愛い名前だね!」

「そうかなぁ……」

 

思わぬ推しからの誉め言葉で照れたのは言うまでもなかろう。多分他の人に言われても照れてたろうけど初めて言われたから余計にね。

けどね!善逸くんが自己紹介したとき思わず『知ってるよ』って言いそうになった!危ない危ない。どんなに口が滑っても言っちゃいけない事なんだこれは。

それと名前呼ばれたことに対してさ、ちょっと発狂しそうになった。駄目だこれ。ちょっとこれからは発狂じゃなくて発作って言おう、うん。そっちの方がぴったりだ。

 

「この先浬來くん見付けるまで鬼が現れないと良いね」

「そ、そうだね」

 

まぁ少なくとも手鬼みたく強いのは現れないと思うから別に良いんだけど。

 

………フラグって言うのはこうやって安易に生成されるんだろうなぁ……。

 





・鼻が良い小白狐、伊織
元々野生の動物だった(んだと主人公は信じて疑わない)為、何かをかぎ分けるのは出来る。一度何かの匂いを覚えればそれを追うことも可能だし、匂いでものの特定も可。曰く「鬼からは死臭とか、嫌な匂いがする」らしく、鬼と人間の区別をつけるのは得意。善良な鬼(禰豆子ちゃん等)と悪意のある鬼の区別をつけることも出来る。強さの判別も可能。
判断基準は、強い鬼からは「血のにおいとか死臭が混ざった強い異臭」がするが弱い鬼は「弱い死臭」がするとのこと。尚、善良な鬼からは鬼独特の血のにおいのみがするとのこと。


・珍妙たんぽぽ我妻善逸
主人公の前世の推しその①。
鬼怖い勢。後にツッコミ(ボケ成分あり)に回るちょっと可哀想な人。伊織の事は元より生き物だとは分かってたためあんまり驚かないけど喋ったときは流石に驚いた。
主人公への認識「えっ、可愛い。白兎ちゃん?名前も可愛い。誰だよこんな可愛い子おいていった野郎は」
主人公からの認識「推!し!推しがいるよぉぉお!!尊い!けど最終選別中にはあんまり会いたくなかったな…。いやもう会ったからいいや。善逸くん好き」


・ツンデレいおりん
ツンデレと言うか毒舌と言うか、照れ隠しなのかもしれない。
ツン「煩いから早く鬼狩ろうね。怪我?なんてことないでしょそのくらい。白兎だもん」
デレ「風邪引いたんなら無理しないでね。悪化したら困るし。寂しいから早く治してね」
尚、これを主人公に言った瞬間熱が悪化したためこれ以降言わなくなった。




ここで大正コソコソ噂話(?)!
主人公は前世の頃から可愛いものが大好き。二次元は勿論の事、三次元の可愛い子も割と好きだったからおんなじ学校に推しがいたんだって!たまに前世、令和の友達が恋しくて泣いちゃうときがあるみたい。
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