悪ノ王子――ボカロ(悪ノ娘)二次小説――   作:PlusⅨ

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あとがき&設定紹介

 この物語について自分なりに振り返って見たくなったので、もうちょっとだけこのグダグダした文にお付き合いくださると嬉しいです。

 

 この物語の原曲である「悪ノ娘 悪ノ召使」はニコニコ動画でトリプルミリオンまで達成した人気曲なんで説明は不要でしょう。

 

 この曲のヒットによりボカロ界では物語性の強い曲が次々と生まれるようになり、また、レンくんが不憫な目にあう曲が乱造されるキッカケともなりました。レンくん、なんですぐ死んでまうん?

 

 本家では作曲者様ご自身による小説化もなされていますから、悪ノ〜の世界観を知りたい人は書店に行かれると良いでしょう。

 

 さて、その本家の向こうを張って配役反転で書きはじめたのが本作・悪ノ王子ですが、正直、ここまで長くなるとは予想外でした。

 

 予想外といえば、ストーリーそのものも当初の構想からえらく変わってしまい、先の展開が作者本人でさえ読めなくなって頭抱えたことも(汗)

 

 いやね、書く前に一応プロットは作っていたんですけど、書き始めるとこれがナゼか変わる変わる。

 

 変わり過ぎて原曲無視もしくは崩壊してしまうのが私のいつもの癖でして、今回も予想通り、予想のつかない方向にキャラや物語が動いてしまいました。

 

 どれくらい変わったか、ちょうど手元に初期プロットが残ってますんで、せっかくですからそれを掲載して見たいと思います。

 

 

 

 

 悪の王子――登場キャラ案――

 

・レン、悪の王子、黄国国王

 

 黄国の若き国王。性格は自信家、自意識過剰、つまり俺様系。

 

 飾り物の国王で居ることに不満を持っており、大臣たちに自分の実力を見せつけようと国の改革に乗り出す。

 

 

・リン、悪のメイド、レンの双子の姉

 

 世継ぎ争いを避けるために臣籍降下したレンの双子の姉。

 

 弟を溺愛するブラコン。気が弱く、レンのワガママをいつも聞いてばかりいる。

 

 カイトに一目惚れする。

 

 

・カイト、義侠、レンのライバル

 

 苦しむ人々を救う義侠。

 

 町に出たリンが暴漢に襲われていたところを救った。

 

 国の悪政に怒りを抱き、城に乗り込みレンと対決する。

 

 

・ミク、緑の国の王女、レンの婚約者

 

 黄国を訪れた際、憲兵に追われていたカイトを匿ったことで彼と知り合い、心惹かれる。

 

 後にレンとの婚約を解消し、カイトの元へ走った。

 

 レンとカイトの因縁を深くした元凶。

 

 

・メイコ、酒場の女主人

 

 貧困層が集まる町にある酒場を仕切る女性。町の揉め事をカイトとともに解決している。カイトの幼馴染。

 

 

・ガクポ、流浪の剣豪

 

 伝説の剣豪。レンの元剣術指南役。かつてカイトに剣を教えた過去を持つ。現在はミクの護衛官。

 

 

・ルカ、メイド

 

 リンの同僚。ガクポの元恋人。

 

 

 

 以上。

 

 はい、プロット時点での登場キャラはこれだけです。ルカさんの設定が完全にただのモブ。ごめんねルカさん。次はもっと良い役あげるから許して。

 

 レオンとかアルとかの親衛隊に、ミクオやキヨテルといった緑国勢、ハクやデルなどの革命勢力は考えていませんでした。

 

 ネルなんて、エピローグであんなに出まくってたのに、プロット時点で影も形もないんですぜ。本当にどこから湧いて出た?

 

 そして、登場キャラもまた……誰だお前ら? っていうくらいの別人振りですね。

 

 めーちゃん、設定そのものまで変わってるし。

 

 そしてカイトとミクの設定から気づく人もいるかも知れませんが、ストーリーも、プロットから大きく変わってます。

 

 てなわけで、続いてストーリープロットをどうぞ。

 

 

 

悪の王子――あらすじ案――

 

 第一幕

 

 黄国王宮にて、国王レンが、剣術指南役ガクポから稽古を受けている。

 

 ガクポ、本日で契約が切れ、明日から緑国のミク王女に仕えることを告げる。

 

 レンは、いつかガクポを超えてみせると宣言する。

 

 

 第二幕

 

 王宮で舞踏会が行われることになり、緑国から、レンの婚約者であるミクが招待される。

 

 ミクは王宮に向かう途中、町で憲兵に追われていた青年カイトと出会い、乗っていた馬車に匿う。

 

 カイトの事を気に入ったミクはそのまま彼を王宮に連れていき、服を着替えさせて舞踏会に参加させる。

 

 カイトは王宮で、メイドのリンと出逢う。

 

 カイトに心惹かれるミクと、リン。

 

 舞踏会後、ミクがカイトに想いを告げる現場を、リンは目撃してしまう。

 

 

 第三幕

 

 カイトとミクの関係に悩むリンは、カイトを追って町へ出る。

 

 慣れない町で暴漢に襲われてしまうリン。

 

 それをたまたま通りかかったカイトとメイコに救われる。

 

 メイコの酒場でひと時を過ごすリン。彼女はそこで、町の人々の窮乏と、それに心を痛め、何とかしようと奮闘するカイトの姿を目にする。

 

 

 第四幕

 

 リンから、国民の窮乏を聞かされたレンは、国の改革に乗り出す。

 

 大臣らの猛反発に合いながらも、レンは強引に改革案を押し通す。

 

 しかし大臣らは引き下がったフリをして、レンに知られない様、改革案を全て握り潰していた。

 

 

 第五幕

 

 悪政は極まり、国民の窮乏は一層ひどくなった。

 

 カイトはついに国王暗殺を決意する。

 

 レンの寝所に忍び込んだカイトだったが、レンが気配に気付いて目を覚ましたために、激しい斬り合いが繰り広げられる。

 

 二人の腕は互角であり、しかも同じ技を使っていたことから、レンとガクポは、相手が共にガクポの弟子であることを知る。

 

 兄弟弟子であり、お互いの強さを認め合った二人は剣を収める。

 

 カイトはレンに国民の窮乏を伝え、善政を敷くよう訴える。

 

 レンはカイトの話から、自分の改革案が大臣の手で全て握りつぶされていた事を知る。

 

 激怒したレンは、大臣たちをすぐさま集めるよう指示を下す。

 

 一方カイトは王宮から脱出する途中、衛兵たちに囲まれ、怪我を負う。

 

 負傷したカイトを、リンが匿った。

 

 カイトはリンと共に、王宮の隠し通路から町へと脱出し、メイコの酒場へと辿り着く。

 

 メイコの酒場には、カイトを追ってきたミクがいた。

 

 黄国の悪政を知った緑国が、戦争覚悟で、レンとミクの婚約を解消したと知り、リンは急いで王宮に駆け戻る。

 

 王宮では、激怒したレンが大臣らを斬り殺そうと、剣を持って暴れていた。

 

 衛兵らによって取り押さえられるレン。

 

 その現場に緑国の使者が現れ、ミクとの婚約解消と戦争も辞さぬという態度を告げる。

 

 

 第六幕

 

 緑国の宣戦布告に慌てた大臣らは、悪政の責任を全てレンに押し付けることによって、緑国との関係修復を図る。

 

 レンは部屋に押し込められ、代わりにリンが女王に即位することになる。

 

 リンからの知らせで事態を知ったカイトは、大臣たちの暗殺を決意し、リンに協力を仰ぐ。

 

 女王即位の日、リンの手引きによって王宮に侵入したカイトは、リンを人質にして大臣らを集め、自らごとまとめて爆殺しようと企む。

 

 しかしそれを知ったレンが剣を持って駆けつけ、リンを救うためにカイトを斬り殺してしまうのだった。

 

 

 第七幕

 

 カイトの死を知った国民は、メイコを中心に遂に反乱を起こす。

 

 捕まった大臣らが次々と処刑される中、リンはレンを守るため、彼を睡眠薬で眠らせ、入れ替わる。

 

 レン国王として捕らえられるリン。

 

 ルカの手によって王宮を脱出したレンが目を覚ましたとき、リンは既に処刑台へ引き立てられようとしていた。

 

 

 最終幕

 

 リンを救おうと、剣を持って駆けつけるレン。

 

 しかし彼の前に、かつての師であるガクポが立ちはだかる。

 

 ガクポは、ミクからカイトの仇討ちを命じられていたのだった。

 

 レンとガクポは激しい戦いを繰り広げる。

 

 追い詰められるレン。トドメを刺されかけたとき、ガクポの剣が止まる。

 

 リンが処刑されたのだ。

 

 それを知り、心も身体もボロボロになったレンを、ガクポは匿い、二人は放浪の旅に出るのであった。

 

 数年後、カイトとリンへの想いを胸に、弱者を救いながら旅を続けるレンの姿があった……

 

 

 

 はい、こんな感じでした。

 

 うん、全然違う。あまりに違い過ぎて自分でもビックリだわ。

 

 エンディングなんか完全に別物ですね。まあ、エンディングに関しては自分でもかなり迷ったんですよ。

 

 本編を書いているうちにレンのキャラというものが、どうしても逃亡を許容する性格じゃ無いような気がしまして、それを無理矢理に逃亡させたところで、エピローグ程度で立ち直れるはずが無い、と……

 

 もしレンが立ち直る様子を書こうと思ったら、それこそもう1シリーズ必要なんじゃね? と、思った次第。

 

 まあ、それはそれで妄想は膨らむんですけど、(リグレットメッセージ風に教会で神父として働くレンきゅん。でもその裏の顔は、悪を裁く闇の仕置人! とか……)、でも、別シリーズかますほど余裕は無いんですよね〜。

 

 まだまだ未完結の作品が山ほどあるんで(汗)

 

 という訳で、原曲と離れる形ですが、あのような結末と相成りました。

 

 さてさて、んじゃ次は作中での各キャラを見直してみるとしませう。

 

 

・レンきゅん

 

 頭脳明晰、冷静沈着、行動力抜群、人望もあり(ただし大臣らを除く)、剣の天才でもあるという美少年。

 

 欠点と言えば、危険水準に達したシスコンと、たまに見せるセクハラ発言くらい。

 

 ……なんだこれ、こんな完璧超人書いたの初めてだわ。

 

 ただし、彼を取り巻く状況が、既に無理ゲーを超えて詰んだ状態だったという罠。

 

 そういえば、俺様設定どこ行った?

 

 

・リンちゃんなう!

 

 守ってあげたい貧乏姫。得意なものは家事全般。内職だってお手の物。

 

 レンからは姉弟愛を超えた感情を向けられ、オリバーら親衛隊はもはやファンクラブと言っても過言ではなく、ミクオからは初見で求婚されるというモテっぷり。

 

 さらにはカイトに対し「ダカレテモイイノヨ」という悪女発言までかました十四歳。

 

 まさに悪ノ娘である。リンちゃんなう!

 

 ちなみに歌は下手。

 

 

 

・カイト(カイト×レン)

 

 プロット案ではリンを筆頭に、ミクやメイコまではべらすハーレム野郎だったのに、本編では少年愛に目覚めた。

 

 なぜこうなった?

 

 

・めーちゃん

 

 酒場の女主人から、教会のシスターにジョブチェンジ。

 

 しかしてその正体は、革命勢力を一手に握る裏の権力者。

 

 その生い立ちや経歴はいっさい謎。配下の娼婦ネットワークがどんな組織になってるかも謎。とにかく謎。

 

 設定を謎にしとけば何書いてもOKってんで、作中やりたい放題の最強キャラだった。

 

 

・ミクさんじゅうろくさい独身

 

 相変わらず男運がない、うちのミクさん。

 

 だってミクさんは俺の嫁。

 

 

・ガクポ

 

 踊りは不得手と言いながら、ルカと踊るときだけはきっちりリードを取ってたダンシング・サムライ。

 

 剣だけでいうなら、作中最強。

 

 その最強振りは、飛ぶ弾丸を叩き落とし、相手の剣だろうと銃だろうと簡単に切り落とすほど。

 

 最強過ぎて彼の戦闘シーンはだいたい一撃で終わる。

 

 どっちかというと、頭抱えて悩んでるシーンの方がよっぽど多い。行動の全てが報われないという哀れなキャラだった。

 

 まあ、奥さんもらえたんだから、最終的には報われたんじゃね?

 

 

・ルカさん

 

 割と登場してるはずなのにセリフが少ないルカさん。がくルカ好きなんだけどなぁ。

 

 

・キヨテル

 

 突然湧いて出たキャラその1。ミクさん以外に緑国のキャラがいなかったので、緑国の政治的な部分を担当するキャラとして登場。

 

 ミクオが出てきてから出番が無くなった。

 

 

・レオン

 

 湧いて出たキャラその2。というか親衛隊自体が湧いて出た設定である。

 

 緑国や、めーちゃんがいろいろ裏で動いてるのに、レンひとりだけじゃ対抗出来ないだろうと思って、親衛隊が登場。つーかもはや、国王の諜報部隊だな。

 

 剣の腕はガクポと互角。でも戦闘シーンは一回のみ。

 

 

・アル

 

 無口な副隊長。いや、一応セリフはあるんだけどね。必要事項しか喋ってない。

 

 彼の最期のシーン書いたとき、読者にこれ誰だっけ、って思われないか実は心配だった。

 

 

・オリバー

 

 最後までレンに無茶ぶりされてた苦労人。

 

 ボカロとしての彼はウィーン少年合唱団並の超美声の持ち主です。

 

 作中で右目を失ってますけど、実際のキャラ絵でも右目に包帯を巻きつけた厨二病感漂う外見をしてます。

 

 

・トニオ、ブルーノ、ヨヒオ

 

 親衛隊三人組。いずれも海外ボカロですけど、レオン、アル、オリバーに比べるとイマイチ認知度が低い。

 

 

・リツ

 

 名前のみ登場し、そのまま帰らぬ人となったキャラ。

 

 だが、しかし!

 

 はっきり言って作者、リッちゃん大好きです。

 

 波音リツ、男の娘なんです。年齢6歳。ゴシックロリータに身を包み込んだロケットおっぱいを持つナイスバディの釣り目美人。わけわかりません。だが、それが良い。

 

 彼女(彼?)の特徴は、圧倒的ともいえる高音バワフルボイス。

 

 それを最大限まで活かした曲はまじで鳥肌もの。

 

 ちなみにボカロではなく、フリーソフトのボーカルソフトウェア・UTAUのキャラです。

 

 

・ウタ、テト、モモ

 

 リッちゃんと同じくUTAUキャラにして、御三家とも呼ばれる三人娘。今回はただのモブです。

 

 

・ローラ、アン

 

 海外ボカロ女性組。海外組の認知度が低いのって、キャラ絵が無いからイメージし辛いってとこにあるんじゃね?

 

 と、思ってたけど、アンさん(スイート・アン)のキャラ絵ってちゃんとあるんですよね〜。

 

 むっちゃ劇画調な金髪女性の生首っていうキャラ絵が……

 

 何言ってんのかわからない人は、一度ネットで検索して見て下さい。すぐに出てきますんで。はっきり言ってビビります。欧米人のセンスってわかんね。

 

 

・歌以外の仕事に定評のあるハク姉さん

 

 弱音ハクって、ウチのボカロ小説シリーズじゃ初登場だったかな。

 

 演じてもらったのは「つまらない」が口癖の殺し屋さん。弱音ハクのネガティブキャラとは正反対のキャラだった。

 

 作中ではブルーノとヨヒオを相手に一人で戦えるほど強かったけど、レンにはあしらわれた。

 

 そしてその上にはガクポ、レオンがまだいるので、作中強さランキングで言えば四位ぐらいか。

 

 何気にカイトの唇を奪っています。

 

 

・デル(ツンデレ)

 

 なにかとカイトに死ね死ね言ってた男。

 

 一緒に死んであげようとしていたあたり、実はツンデレ、もしくはヤンデレだったんでは無いかと。

 

 酒場のカウンター前は彼の定位置。最後の登場シーン以外は常にそこに居ます。

 

 

・ミクオ

 

 ミクの低音域から派生した亜種……の割りには、同じ派生亜種であるハクやネルに比べて知名度が異常に低いキャラ。

 

 作中では大公の代理として戴冠式に出席するために登場。

 

 その際、裏表ありまくりな緑国の対応を説明するという役割を担ってもらいました。

 

 つまり緑国の陰謀はだいたいこいつのせい。

 

 おかげでメイコ並みにやりたい放題なキャラになった。

 

 

・ネル

 

 ネルっち好きなんですよ。なんか素直じゃなさそうで不器用そうで自爆しまくってそうなツンデレキャラなイメージがあります。

 

 今回の湧いて出たキャラの中では最も重要な役割を担ったかも知れない。

 

 エピローグだけ読んだら、ほとんど主役級。実は話にほとんど絡んで無いのにねぇ。

 

 レン×ネルも結構好きなんだけど、今回は全く絡まなかった。それがちと残念。

 

 弟のネロはただの付録だった。でも刺身のツマだって有ると無いでは外見的にえらい違いが出るんだぜ?

 

 

 ここまで初期プロット及び各キャラに言及したので、ここからは世界観について振り返ってみたいと思います。

 

 

 

 社会背景編

 

・魔法と世界観について

 

 当初は異世界中世ファンタジーのつもりで妄想していた本作ですが、いざプロットを作ってみるとファンタジーのお約束である魔法要素が綺麗さっぱり無くなってました。

 

 元ネタである悪ノPさん原作小説「悪ノ娘」では魔法が重要な位置を占めてますが、この魔法設定というのが「七つの大罪」という壮大なサーガの氷山の一角なので、本作で下手に触れるわけにはいかなかったんですよね。

 

 触れたら他のシリーズまで言及しなくちゃいけなくなるし。

 

 なので初期プロットの時点で魔法要素はオミット。悪ノ王子の悪行は大臣の奸計と、革命勢力及び隣国の陰謀ということに決定……

 

 ……と、ここまでは順調に行ったものの、実際に執筆してみると思わぬ問題に気づきました。

 

 その問題とは、「革命」という言葉。

 

 これの何が問題かというと、一般に革命という概念は、正当性を備えている既存の政治秩序を変更させる政治的活動、つまり本作で言えば王政を打倒して国民国家を作るっていう意味なんです。

 

 んで、国民国家てのは主体となる国民に、その自覚がなければ成り立たない。つまりある程度、農業や商業が発展し、民衆の大半がそれなりに生活に余裕があって、政治や経済の知識がなければならない……

 

 ……こういう社会は、中世というより近世的なものですね。いや、私の独断と偏見がかなり混じってるのは認めますけど。

 

 以上の理由から、本作の世界観はどちらかといえば近世寄りになりました。

 

 

・政治体制

 

 黄国を始め、どこの国も王政が主体。

 

 黄国においては、国王の権限はさほど強くなく、主な政策立案は貴族を中心とした議会によって為される。

 

 国王は政策に対し最終的決定権を持つものの、基本的には議会の方針に従う。

 

 緑公国においても基本的には同じ。

 

 

・商業

 

 貨幣経済が発展しており、農業の他、製造業でも生活が成り立つ。また会社経営も行われ、国同士での輸出入も盛ん。

 

 都市部は商業の中心地として多くの人口を抱えるようになり巨大化したものの、治安の悪化やスラム化、疫病の流行などの問題を抱える。

 

 なお本作開始時の黄国は長年の経済不振と政治腐敗により都市部の小売業はほぼ壊滅し、闇市化している。

 

 

・科学技術

 

 蒸気機関が発明される前であり、それに代わる技術(魔法など)も無いため、各産業はまだオートメーション化されて無い。

 

 兵器については黒色火薬が実用化されており、大砲、小銃、個人携帯できる小型爆弾(炸裂弾)等が主体。

 

 

・軍隊

 

 国家の常備軍などは存在せず、各貴族や地方豪族がそれぞれ独自の私兵団を持つ(だいたい傭兵が中心)。

 

 本作に登場する黄国王親衛隊も、国王の私兵団的な位置づけである。

 

 なおこれは完全な裏設定ですが、レンより前の世代では親衛隊は小規模だった(せいぜい四百から五百名程度)。

 

 レンの世代になり後方支援要員を大幅に拡充したが、そのほとんどは情報収集及び諜報要員である。

 

 

・革命勢力

 

 メイコを頂点とし、その下に多くの小組織が並列的に存在している。

 

 下部組織同士の横の連携は薄く、全体像を把握している者は殆どいない。

 

 指揮決定権はメイコがほぼ握っているが、下部組織の中には本音党などの武闘派の他、臨時政府の母体となる政治遂行能力を持った組織や、民衆蜂起を前提として部隊指揮を執るべく訓練された者たちなど、様々な役割を持った組織が存在する。

 

 

 

小道具編

 

・片刃剣

 

 レンとガクポが使用する武器。

 

 本作の軍隊は大砲と小銃が主な武器だが、基本戦法は射撃→突撃して白兵戦なので、近接戦闘としての剣術はまだ廃れていない。

 

 だが近接戦闘の主体は銃剣に移っており、誰もが剣を使うわけでは無い(銃剣なら小銃の先端に取り付けるだけで槍代わりに使えるため、剣を帯びる手間を省ける)。

 

 というわけで本作の世界観では剣は得意な奴だけ使えば良いんじゃね? という扱いなので、戦闘のプロである親衛隊は個人ごとに得意な武器を使用しており、民衆主体の革命軍は銃剣主体である。

 

 片刃剣はガクポ独自の剣術に合わせた武器なので、本作ではガクポとレンのみが使用する。初期プロットではカイトも使用する予定であったが(ガクポの弟子ということ設定があった)、執筆開始時点でそんな設定はぽっぽないないされた。

 

 片刃剣の特徴は、片側のみに刃がある斬撃特化の剣という事。ぶっちゃけると日本刀である。

 

 なぜ西洋剣では無いのかと言えば、ガクポといえばやっぱり侍スタイルでしょうという個人的独断と、西洋剣術に対する知識不足から。

 

 と言って日本剣術の知識も詳しいわけでは無いが、西洋剣術と言っても競技としてのフェンシングしかイメージが湧かないので書きようが無かったというのが本音。

 

 ちなみに西洋剣術でウィキペディア見てみたらドイツ流剣術なんていう、なんだかロマンあふれる記事が出てきた。

 

 具体的な動きとかはよく分からないものの、雄牛の構えとか、怒りの斬撃とか、厨二心をくすぐる素敵なネーミング揃いである。いつか作品で使ってみたいなぁ。

 

 

・火打石銃と火縄銃

 

 本作の主要武器。詳細については作中で語っているので割愛する。

 

 ただ火打石銃より火縄銃の方が狙撃に向いているというのは本作のみのフィクション設定であり、実際は火縄銃が際だって優れていたわけでも無い。

 

 しかし火打石銃が命中率向上を気にしていなかったのは本当。

 

 火打石銃が目的としたのは火縄銃よりも取り扱いが容易である事であり、その理由は本作で書いたとおり低練度の兵隊による集団戦(戦列歩兵)を可能とするため。

 

 まあ、戦列歩兵云々に関しては火縄銃時代から工夫を重ねていて、その発展と歩調を合わせて進化している面もあるのでどちらが先というわけでも無いのだけど。

 

 この戦列歩兵については本作で書ききれ無かった面も多く、ちょっと残念だった。特に書きたかったけど断念したのが鼓笛隊の存在。

 

 火打石銃主体の戦列歩兵時代、戦場で音楽を奏でる鼓笛隊は単なる慰安目的ではなく、最前線での戦闘に直接関わる重要な役目だった。

 

 なのでせっかくボカロをネタにしている以上、こういった音楽要素は取り入れたかったのだけど、戦闘シーンが市街戦主体になっちゃったので出番無かったのよねぇ。

 

 ちなみに戦列歩兵なんぞ? 鼓笛隊の具体的な役割ってなんぞ? という方にどんなものかと簡単に説明すれば、

 

 先ず戦列歩兵と言うのは、火打石銃(火縄銃)の低い命中率を補うために、集団で密集隊形を作り、ひたすら敵めがけて前進する人達のこと。

 

 鼓笛隊はこの人達と一緒に整列し、おなじみの行進曲を奏でてる訳です。戦列歩兵はこの行進曲で歩調を合わせながら前進するんですね(歩調が合わないと列が崩れる=一斉射撃の効果が減少する)。

 

 具体的に説明すれば、

 

 火打石銃に弾を装てんし、鼓笛隊の演奏する行進曲にあわせて行進する。

 

 射撃位置までひたすら前進、死傷者がでても後列からすかさず前に出て隊列を整える。

 

 射撃位置に付いたら射撃→装てん→射撃を繰り返す。

 

 敵がチキンレースに負けて隊列が乱れたら銃剣で白兵戦に移行する。

 

 これを砲兵騎兵等が支援したりする。

 

 という流れ。

 

 なおネット上ではニコニコ大百科の戦列歩兵の記事がものすごく詳しく書いてあるのでオススメ。

 

 映像としてはアメリカ独立戦争を描いた映画「パトリオット」なんかが、この戦い方を詳しく描写してます。

 

 銃弾飛び交う中、鼓笛隊の妙に明るい行進曲に合わせて両軍が整然と歩み寄ってくる様は、なんかえらいシュールというか、個人の武勇なんか一欠片も無いシステマチックな戦争の非情さが際だっているように感じます。

 

 ちなみに日本では戦国時代に火縄銃が伝来して以降、幕末に至るまでずっと火縄銃が使用されていました。

 

これは江戸時代には戦争が無かったため兵器の発展の必要が無かった(アンド幕府が規制した)ってのが大きかったように思われます。

 

 しかしそもそも、戦列歩兵を展開できるほど広い平原が日本にはあまり無かった為とも言われてます。なのでわざわざ密集体形で使用することを前提とした火打石銃(火縄銃よりも引火事故の可能性が低い)に発展する必要が無かった。

 

 あと日本の戦術が個人の武功を重視するスタイルだったのも関係してるかもしれません。まあ、この辺は私の妄想ですけど。

 

 日本の戦国時代、主戦力はそれなりに戦闘訓練を積んだ武将が中心で(足軽兵も立派な戦闘要員でした)参戦理由も合戦で手柄を立ててボーナス狙う為だったそうです。

 

 なので基本的に戦いは個人プレイもしくは一族を基本単位とした小集団がそれぞれの判断で戦うと言うものになりがちで、戦列歩兵の思想とは真逆の戦闘スタイルだったという事がわかります。

 

まあ、そんな中でも戦国時代後期になると専門職種化した鉄砲隊なんかが出てくるんですけど(戦国時代最後の戦・大坂の陣では両軍とも半数近くが火縄銃を装備してたそうな)、それとてちゃんと訓練積んだ足軽さんたちだった。

 

 つまり何が言いたいかというと、火縄銃の機構を簡単にして誰でも使えるように改良するより、使用者の練度あげた方が早くね? 機構を単純化するより個々にカスタマイズして命中率上げた方が良いっしょ?

 

 などというある意味日本人的なこだわりが現れちゃった結果なんじゃ無いかなーと妄想してます。

 

 そのうち考え変わったら書き直すかも。

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