SUSANOWO麻雀紀行   作:Soul Pride

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新年度ということで、オリキャラのまとめにいきたいと思います。
ただまとめるだけじゃつまらないので、インタビュー形式で。SUSANOWO日和1と同じように超短編で、会話と改行だけなので。苦手な方はスキップを。

今回はあの激闘を演じたあの三人を。


SUSANOWO日和2

 ──自己紹介をお願いします。

 

 ケース1:佐河信一の場合

 

「……あー、佐河信一。長野の清澄高校の二年、佐久フェレッターズユース所属。好きなモノは麻雀、一番好きな役は対々和」

 

 ──国士無双じゃないんですか?

 

「国士はアレだ、殿堂入りっていうか。もう俺のアイデンティティみたいになってる」

 

 ──好きとか嫌いを超越してるって事ですか。

 

「俺と言えば九種九牌と国士無双ってイメージが付いて回ってるからな。最早体の一部として納得してる」

 

 ──なるほど。では、麻雀以外のこともお尋ねします。

 

「どーぞ」

 

 ──麻雀以外で好きなものや嫌いなものを。

 

「好きなモノは駄菓子。嫌いなモノは地元の老害」

 

 ──ろ、老害ですか……。地元というと、中学時代は長野ではなく、鹿児島代表でインターミドルに出場していたようですが。

 

「その関係だな。長野に居るのもユースに入るためってのが表向きだが、実際はあの老害どもから逃げるためだ。九州から出られるならどこでも良かったよ、その時は」

 

 ──そ、そうなんですか。

 

「けど、今になって清澄を選んで良かったと思ってる」

 

 ──で、では、次の質問です。将来の夢はありますか?差支えなければ、その内容も。

 

「お婿さん」

 

 ──お婿さん!?

 

「変か?」

 

 ──あ、いえ、失礼しました。ですが、意外でしたので……。

 

「日がな一日、家事をやって麻雀やって、専業主夫をするのが結構憧れてんだ。サラリーマンってのは、どうもね。向いてそうになくて」

 

 ──な、なるほど。では、麻雀以外の趣味や趣向を教えていただけませんか?

 

「……うーん、強いて言えば悪ふざけと悪戯、あと喧嘩か?すまないな、麻雀以外は無趣味で」

 

 ──あ、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 佐河信一

 身長:180cm

 誕生日:5月1日

 イメージCV:前田剛(敬称略)

 血液型:B型

 出身:鹿児島県

 所属:清澄高校二年/佐久フェレッターズユース

 好きなモノ:麻雀、駄菓子

 嫌いなモノ:地元の老害

 趣味:悪戯、喧嘩

 好きな音楽:メロデス

 称号:『怪物』『今韓信』『国士無双(ならびたつものなし)』『悪童』『高天原より降りた鬼児』

 

 細身ではあるが筋肉質。運動神経もずば抜けて高く、特別な練習もせずに運動部のエースになるくらいは朝飯前。

 長めの赤髪を黒いバンダナでヘッドバンド替わりにまとめている。制服は着崩しており、態度の悪さも相まって清澄随一の不良として名が知られている。

 勉学も非常に達者であり、教科書をパラパラと流し読みした見ただけでその内容を全て把握してしまう天才肌。テストで一位以外を取ったことがなく、偏差値も75以上。

 時代の寵児とも言うべき生まれついての『怪物』であり、人の形をした突然変異。

 ずば抜けて霊感が高く。幼少時から神と触れ合い、そして喧嘩を繰り返すという日常を過ごしてきたため、元々の天賦の才が天を超えたモノになる程になってしまった。一個の精神で祈りの集合体である神を凌駕する空前絶後の例外。オカルトの極致の一端であり、生きながらにして神の領域に立ってしまった最新最強の現人神である。

 九種九牌と国士無双を得意としており、過去に『今韓信』という渾名も付けられた。

 その気になれば神をその身に降ろすことが可能であり、彼の身には今までに調伏してきた数多くの荒神、軍神が付き従っている。が、そうするより自我の意思で戦った方が強いため、神降ろしを使うことは滅多にない。

 感覚派の天才を自覚しており、自分より下と見た相手には見下す傾向がある。が、一度でも認めた相手には義理堅く、敬意と親愛をもって接し、不断の友情を約束する。また、彼が友と認めた者を貶したりすると、怒りを全面に出し、文字通りの戦争を仕掛けてくるなど激情を露わにする面もある。

 本人は必死で隠しているが、許嫁持ち。彼が言う老害たちが勝手に決めたことであり、それを撤回させるよう奔走している。

 

 

 

 

 

 ケース2:能海治也の場合

 

「東征大学付属震洋高校普通科三年、及びプロチーム草薙ウィード・キッズ所属。好きな役は清一色。能海治也だ」

 

 ──では能海プロ。全盲というハンデを負いながら、トッププロで戦える秘訣はなんでしょうか?

 

「……まず、認識から違うな。俺は盲目であることを一切ハンデだとは思ったことはない」

 

 ──ですが、何も見えずに麻雀をするというのは至難の業では?

 

「慣れなければ難しいだろう。だが一年、ずっと目つぶって生活してみろ。多分慣れる。俺の場合、それが当たり前ということに過ぎない。むしろ、俺からすれば目が見えている方がハンデのように思えるのだがな」

 

 ──そ、そういうものなのでしょうか。

 

「今、そんなことはあり得ないだろう、と思っただろう?本当は見えているんじゃないのか、とか」

 

 ──っ!?

 

「図星だな。とまあ、このように。見えていなければ他の感覚が優れるようになり、見えている以上にモノが視えるようになる」

 

 ──ちょっとした超能力じゃないですか……!

 

「他の動物はこういう能力を当たり前のように持ってる。人間も昔は持っていたとは思うぞ」

 

 ──で、では、次の質問に移ります。能海プロは、プライベートではどのような生活をしているのですか?

 

「東征大の麻雀部で麻雀。たまに大学の研究室に足を運ぶな」

 

 ──休みの時も欠かさず練習をしているというわけですね。

 

「いや、単純に趣味だ。叶うものなら、一日中牌に触っていたいんだ」

 

 ──……。

 

「それもう趣味じゃなくて病気じゃないのかと、そう言いたいんだな。正直に言ってもいいんだぞ」

 

 ──で、では次に好きなモノを……。

 

「ああ、少し待ってくれ。エネルギー摂取の時間だ」

 

 ──エネルギー摂取……ですか?もしかして、そのジョッキの……。

 

「蜂蜜とガムシロップのカクテル」

 

 ──……。

 

「この体は燃費が悪いもので。これくらいやらなければ餓死してしまう。一杯いかがかな?」

 

 ──け、結構です。

 

「……とまあ、甘いものは全部好きだ。洋菓子和菓子、砂糖菓子は特に」

 

 ──あ、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 能海治也

 身長:178cm

 誕生日:11月1日

 イメージCV:速水奨(敬称略)

 血液型:AB型

 出身:静岡県

 所属:東征大付属震洋高校普通科三年/草薙ウィード・キッズユース→草薙ウィード・キッズ

 好きなモノ:麻雀、甘い物

 嫌いなモノ:デジタルを騙る者、筋が通らないバカ

 趣味:心を読むこと、他人をおちょくること

 好きな音楽:クラシック

 称号:『天才』『真のデジタル』『数理の魔術師』『全盲の全知全能』『The Odin』

 

 見た目は褐色の肌をした、白髪の青年。いつもしているサングラスがさらに年齢を多く重ねているように見させる。

 白衣を普段着にしており、麻雀部以外にも大学の研究室にも足を運ぶ。

 全盲で、白杖を突いて歩いている。が、付き合いの長い者ほど、彼が盲目であることを度々忘れそうになる。それほどまでに彼の動きは健常者のそれと変わりない。

 老獪で知的な印象を与えるがその実、心を読んで人をおちょくることを趣味にする困ったさん。反応が乏しく、言いたいことはズバズバ言うタイプ。そして割と子供っぽく、麻雀に関してはとても負けず嫌い。プロデビュー以来、無敗記録を続けているのは負けることが大嫌いだから。

 究極の理系であり、計算能力においてはオイラー以上とも言われている。麻雀プロだけでなく数学者や物理学者としても大成すると期待されていたが、「新しいモノを生み出すのは絶望的に向いていない」と、その道には進む気はない。

 芸術分野においても割と万能。絵や音楽、書においても人を感動させる物を作ることができる。もっともこれは人の心を読んできた経験によるもので、そのツボを突いているだけである。

 佐河信一が時代に選ばれた天才であるならば、能海治也は人間の性能を突き詰めた天才である。

 スタイルはデジタル。しかし彼のデジタルは最早デジタルという名の別の何かであり、オカルト以上の領域に達している。高度に発達した科学は魔法と変わらないを地でいっている。

 人間の限界値とされる視覚以外の四感で情報を収集し、数字ではないあらゆるアナログな情報を数字(デジタル)に変換、計算処理し、そしてその時その場合に最適な打ち回しをする。

 無謬の数理と呼ばれる彼の本気は、機械の神をその身に降ろしている。そうなった彼はオカルトすら解析し、不確定の未来すら読み取り、思いのままに改変することができる。

 彼女持ちで、現在は遠距離恋愛をしている。仲は非常に良好であり、将来すら視野にいれている。

 

 

 

 

 

 ケース3:白水浬の場合

 

「俺も……?えーっと、白水浬。今は草薙ウィード・キッズに在籍しています。好きな役は七対子です」

 

 ──では、白水プロ。恐らくは日本のプロ麻雀ファンが気になっていることを、お尋ねします。

 

「え、怖いな。何言われるんだろ、俺」

 

 ──何故、プロデビューを日本ではなく世界を選んだのか。その理由についてお願いします。

 

「あ、それ言っちゃうのか。うん、じゃあ正直に言っちゃう。怖かったんだ、日本のプロが」

 

 ──怖い、ですか?

 

「うん。だから逃げたんだ、海外に。その時はかなり周り反対されたよ」

 

 ──確かに、名門東征大の副部長で、個人戦優勝の実績を積んでも、いきなり海外というのはハードルが高すぎたとは思いますが。

 

「ああ、通用する通用しないは別にどうでも良かったんだ。通じなかったら金輪際プロを目指さないって決めてたし。とにかく、日本のプロで麻雀をすることは何が何でも嫌だったんだ」

 

 ──日本の、何を忌避させるものがあったんですか?

 

「能海プロ、弘世命、佐河信一、男神蘇芳。この四人と離れたかった。俺が海外でプレイしたかった理由なんて、それで事足ります。あの四人は、ちょっとしたさじ加減で俺から麻雀を取り上げることだって出来る」

 

 ──そ、その四人は、まだ高校生では……。

 

「プロより強い小学生がいたって、聞いたことありませんか?麻雀に年齢なんか関係ない。心を砕く打ち方を知っていれば、誰だって心を砕けるんです」

 

 ──で、では次の質問です。昨年の活躍で世界中のプロチームから引く手数多だった中、何故日本に戻ってウィード・キッズに移籍したのでしょうか?

 

「好きな時に辞めていい、能海プロと打たなくていい、って条件で移籍しましたよ。こんな好条件なら、俺はタダで打っていいくらいだ」

 

 ──……。

 

「失望しましたか?」

 

 ──はい。

 

「これが、白水浬の真実です。無駄な時間を使わせて、すみませんでした」

 

 ──……情けない。

 

「えっ」

 

 ──あなた、それでもプロですか!いえ、プロ以前の問題、雀士としてのプライドがあるんですか!

 

「え、ええ……?」

 

 ──今のあなたには、沢山のファンがいるんですよ!その期待を裏切って……!

 

「……俺には、そんな……。俺はただ、やりたいことをやってきただけで」

 

 ──だったら、強くなりなさい!今より少しでも!私もまた、貴方のファンの一人なんです!プロとして麻雀を続けるというのなら、せめて私一人分の願いを背負えるようになってください!

 

「……」

 

 ──……あ、し、失礼しました。私、なんてこと……。

 

「……いや、大分勇気が出ました。こんな風に怒られるなんて、久しぶりで。俺に必要だったのって、こういう叱咤だったんだと思います」

 

 ──え、ええっと……。

 

「挑んでみようと思います。アイツらに。本日はどうも、ありがとうございます!」

 

 ──あ、あの……。

 

「お礼に、今晩お食事でも?もちろん、奢りますから」

 

 ──よ、喜んで……。

 

 

 

 

 

 白水浬

 身長:174cm

 誕生日:4月10日

 イメージCV:櫻井孝宏(敬称略)

 血液型:A型

 出身:佐賀県

 所属:東征大付属震洋高校スポーツ学科→ハンブルク・オルデーン→草薙ウィード・キッズ

 好きなモノ:麻雀、妹、妹の手料理

 嫌いなモノ:妹に手を出そうとする男(予定)

 趣味:後輩に頼られること

 好きな音楽:映画音楽

 称号:『Bunker Buster』、『神風』、『大量破壊兵器(MDW)』、『絶滅の炎剣(レーヴァティン)

 

 一房だけ伸ばした髪を腰まで伸ばし、それを手作りのビーズがあしらわれた髪紐でまとめている。麻雀を打つ時や禁煙されている場所以外は大概、ノンニコチンの電子タバコを咥えている。

 服装には頓着する性格ではないようで、ヨーロッパ時代から着続けていたよれよれのブランド物のスーツを着ている。自分で買ったものではなく、ファンからの贈り物である。

 東征大出身のプロ選手。東征大時代には彼ら四人を大きく苦手としており、彼らから逃げる形で海外でプロデビューした。決して弱いわけではなく、むしろ命を除いた歴代東征大選手の中では文句なしのナンバーワンの実力者。彼も十分に魔人の一人であり、たった一年で世界ランク9位にまで上り詰めるという快挙を成した。

 頼られると断れない性格であり、後輩思いの優しく頼れる性格。東征大で部長を務めていた時期もあり、命に成り代わられて副部長となっても、その人望は大きいものだった。ただ、少し抜けているところもある。

 好意を向けられると決して嫌わない性格であり、苦手としている四人も麻雀が関わらなければ良き先輩として接している。彼ら四人もそれはわかっており、彼を良く慕っている。

 かなりのシスコン。妹の話が振られると、軽く数時間は話していられる重度の病気持ち。

 普段、滅多に怒らないこともあり、怒る時は本当に怒る。特に妹関係。彼が本気で怒るとしたからこの関係であり、彼ら四人も彼の妹の話題は絶対に振らない。

 彼女募集中。というより、業界の間ではかなりモテている。年上のプロやアナウンサーや、年下の高校生や、同い年のプロなど……好意を持っている女性は多い。ルックスも悪くなく、ファンも多い。

 

 

 

 

 

 ケースEX:おまけ♪

 

 ──ど、どうしよう……こ、これってデート……だよね。

 

「おや、どうしましたか佐藤アナ。まるでリンゴのようにフェイスがレッドですよ」

 

 ──か、戒能プロ……。ちょ、ちょっとデートに誘われて……。

 

「おや、良かったじゃないですか。佐藤アナはビューティフルですから、男たちも放っておけないでしょう」

 

 ──あ、そういえば戒能プロは、白水プロとお知り合いだとか。

 

「ええ。高校の時にインターハイで。バースデイが同じというのがきっかけで……」

 

 ──白水プロに誘われたんですが、どういう話題でいったらいいでしょうか?何が好きとか、どういう趣味とか……。

 

「…………チッ」

 

 ──……戒能プロ?今、舌打ちが聞こえたような気が……。

 

「ドントマインド、気のせいです」

 

 ──いや、今のは明らかに……。

 

「気のせい、です」


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