この作品は、「小説家になろう」投稿作品の「シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~」の二次創作となります。随所に原作と異なる点(主にキャラ崩壊)が見られるかもしれません。
紅音×楽朗(楽朗×紅音)のラブコメIfです。
以下相違点
楽朗と紅音が幼馴染み(陽務家と隠岐家の母同士が高校~大学時代の親友で、現在も交流が続いてる。)
楽朗が中1、紅音が小5のときのお話
まだ楽朗は自分の趣味を見つけていない

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先日のイラストラッシュ中に受信した電波に身を任せて書いたので、いろいろつっこみ所があると思いますが、「シャンフロ要素どこだよ」とか「おい、ゲームはどうした」などは触れずにいただければ幸いです。


ある夏の、ある一幕

 今日は久しぶりに紅音の家に遊びに行く日だ。紅音は昔から身体が弱かったが、数年前から快方に向かい始め、今年の春になって遂に普通の子と同じように外で遊べるようになったらしい。

 今日は元気になったあいつを始めて見られる日だが、瑠美は別の用事が入って行けなくなってしまった。その分俺が振り回されるんだろうと思いながらも、それをどこか楽しみにしている自分がいることに気付き、少し恥ずかしくなる。

 そんなこんなで車に揺られて半刻ほど、山沿いにある紅音の家に到着した。

 

「楽朗お兄ちゃん!!」

 

「おう!久しぶりだな紅音。もう身体は大丈夫なのか?」

 

「うん!!だからね、お兄ちゃんと瑠美ちゃんがよく行ってるうちの裏手の森に行きたんだけど、お兄ちゃんも一緒に行かない?」

 

「分かった。ちょっと待ってな、山行く用に着替えなくちゃいけないから。母さーーーん!着替えどこに置いたーーーー?っと、紅音、お前はどうする?運動するための服はあるのか?」

 

「このあいだお母さんに買ってもらったから大丈夫!!」

 

 

 

 

 

「さて、と。」

 

「あら、楽朗くんじゃない、久しぶりねぇ。」

 

「お久しぶりです。」

 

着替えて紅音の着替えを待っている時に、紅音のお母さんと鉢合わせした。

 

「紅音ったら、元気になってからずっと今日のことを楽しみにしていたのよ。」

 

「外に出るときはいつも置いてきぼりでしたからね………瑠美がいなくて俺だけなので残念だと思いますけど。」

 

「どうかしらね?」

 

意味深な微笑みと共に返されたわけだが、どういう意味なんだ………?

 

「ほら、そろそろ着替え終わってるだろうから部屋まで迎えに行ってあげて。」

 

「え、紅音の部屋に……ですか?」

 

「そうに決まってるじゃない。」

 

「いや男子が女子の部屋に行くのは………」

 

「 な に ? 」

 

「イエ、ナンデモナイデス。」

 

 

 

 

 

 やたらプレッシャーを掛けられたから大人しく向かった扉の前、年下とはいえ、女子の部屋というだけで近寄り難さを感じるが、意を決して扉を叩く。

 

 

 

コンコンッ

 

「紅音、着替え終わったか?」

 

「へ?お兄ちゃん!?ちょっと待ってて!!」

 

「………おう。」

 

 やっぱり来るの失敗だったのでは?

 

 

 

 それから数分後、

 

「お……お兄ちゃん、ドア開けて大丈夫だよ」

 

「出てこないのか?」

 

「出るけど………とにかく入ってきて?」

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

 ドアを開けて眼に映った姿に俺は不覚にも言葉を失ってしまった。

 

 

 

 身に付けるのはノースリーブで純白のワンピース。

 

 

 

 あまり外に出ていなかったためか透き通るような白い肌。

 

 

 

 目鼻立ちがはっきりしている端正な顔立ちとそれを彩る不安げな表情に潤んだ瞳。

 

 

 

 それら全てが組み合わさり、天使と見紛うような少女がそこにいた。

 

「お、……お兄ちゃん………どう、かな? 」

 

「……………へ?あ、おう!!すごい似合ってるぞ。」

 

「そう………?えへへ、ありがとう。」

 

不安げだった表情が一転し、花が咲いたような笑みを向けられて、思わずドキッとしてしまう。今までこうしてじっくり顔を見ることがなかったから意識していなかったが、今さらながら紅音の魅力にあてられてしまっていた。

 気を取り直して、

 

「じゃあ、行くか。」

 

「うん!」

 

「そういえば帽子は?」

 

「あ…………」

 

「あ~無いのか。まあお母さんから借りられるだろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「持ってないわよ?」

 

「へ?」

 

「正確には楽朗の麦わら帽以外はないわね。」

 

「いや何でだよ、虫狂いのお母さんが持ってこないなんてあるはずがないだろ」

 

「現にこうして持ってきていないからねぇ、私だってたまにはゆっくりする日もあるわよ」

 

「お兄ちゃん、私は帽子なくても、大丈夫だから……」

 

「いや、紅音は帽子被らないとマズイだろ、どうすれば?」

 

「あんたが貸せばいいじゃない。数時間くらいならしっかり水飲めば特に問題はないでしょ?」

 

「それはそうなんだが、紅音が嫌がるんじゃ「大丈夫です!!」……良いのか?」

 

「うん………………(お兄ちゃんの帽子………)」

 

 

 

 

 

 

ところ変わって裏手の雑木林、案の定いつになく元気な紅音に振り回されていた。

 

追いかけっこでは、

 

「お兄ちゃんこっちこっち~!!」

 

「ちょっ、紅音脚速くないか!?」

 

「体力テストでスッゴい動けて、私もビックリしちゃったんだーー!!」

 

 

 

かくれんぼでは、

 

「やべぇ、全然見つからない…………」

 

ガサッ

 

「っと、あそこか………?」

 

 音の発生源である木を見上げるとそこには、

 

「……………………スンスンスンスン」

 

 何故か麦わら帽を顔に近づけて匂いを嗅いでるらしい紅音がいた。

 

「……………………………ハッ!!」

 

よし、今見つけた風を装って…………

 

「紅音見ーつけた!!」

 

「わわわ!?ってあっ……!」

 

驚いた拍子にバランスを崩したのか、木から落ちる紅音。

 

「紅音!?」

 

 急いで走り出してなんとか受け止めることに成功するが、そのまま倒れ込んでしまう。

 

「お兄ちゃん大丈夫!?」

 

「痛てて………あぁ、紅音こそ、大丈夫…………か……………?」

 

 ここで自分が置かれている状況を整理してみよう。バランスを崩したとき、紅音を下敷きにするわけにはいかないから、自分が地面との間に入り込んだのだが、結果的に抱き留めるような形になってしまったようで、至近距離から紅音に見上げられている。しばし見つめあったところで、急速に気恥ずかしさを感じてきた。

 

「…………その、紅音?取り敢えず上どいてくれないか?」

 

「え?あ!?ごめんなさい!!」

 

 そのままそそくさと離れて、一度気持ちを落ち着ける。

 

 

 

 

 

しばらくして空を見上げると、陽も傾いてるし、そろそろ帰ろうかと提案するか。

 

「おーーい、紅音?」

 

「ん………はぁい?」

 

 振り向いて首を傾げてきた紅音は、眼がとろんとしており、いかにも眠そうだった。

 

「大丈夫か?眠そうだけど。」

 

「ちょっと……疲れた、かも………」

 

「外で遊ぶようになってすぐなんだから、そりゃあ疲れる、か………」

 

歩いて帰るのも無理そうだし…………

 

「ほら紅音、おぶってやるからこっち来い。」

 

「自分で帰れる………」

 

「遠慮するなって、ほらよっと。」

 

「ありが、とう……‥‥‥‥‥‥‥‥………」

 

 

 やはり相当疲れていたらしく、すぐに寝てしまったようだ。紅音の身体は羽根のように軽く、大して負担にはならなそうで安心した。それにしても最後は危なかったなぁ………ほんの出来心でも、何かあってからじゃ遅いってのは知ってるのに。

 そして、こうして落ち着こうとすると、どうしても背負った紅音の体温や感触を意識してしまう。すべすべした肌、俺よりやや高い体温、腕や脚の弾力、それら全てが、俺の思考を乱していく。

 それらを思考から閉め出す為に、俺は歩調を速めるのだった………

 

__

 

 その夜、俺は胸の内に残る疼きにより、布団の中で悶々としていた。

 

「………………………………………寝れねぇ」

 

 原因は分かっている、昼に紅音を背負ったことだろう。というかそれ以外考えられない。思い出す度に、紅音の寝顔を、体温を頭に浮かび上がらせ、顔が熱くなる。

 

コンコンッ

 

「…………お兄ちゃん、入ってもいい?」

 

 どうしよう。声を聞くだけで心臓が早鐘を打つ。今入ってこられると、平静を保てそうにないけど……………

 ふと頭に浮かんだのは今日出かける前に見せた、不安げなあの表情。もしかしたら、今も俺が返事をしなかったら、あの不安げな表情をまたさせてしまうのではないのか?そう思うといてもたってもいられず、

 

「入っていいぞ。」

 

返事はなく、静かにドアが開けられる。

 

「どうした?」

 

「……え、っとね…………」

「眠れなくて……一緒に寝ちゃ………だめ?」

 

 ………まいったな。正直なところは断りたい、紅音のことが頭から離れなくて眠れなかったのに、本人がよりによって隣にいるなど、どうやっても寝られないだろう。だけど。

 紅音がこちらを見つめている。不安げに瞳を潤ませて、月明かりに照らされた彼女は、どうしようもなく俺の胸を__いや、心をざわつかせる。

 そんな顔されたら、断るなんて無理に決まってる。

 

「……………こっち来い。」

 

「うん……」

 

 昼間の活発さはなりを潜め、まるで動けるようになる前に戻ったかのようだった。紅音が俺の布団にもぐり込んで、居心地の良い場所を探すようにもぞもぞさせる。

 やがて落ち着いたのか、動きを止めた紅音は俺に話しかけた。

 

「今日は……その、ごめんなさい………!」

 

「紅音が謝る必要はないだろ。謝るのは俺の方だ。かくれんぼのときはごめん。つい悪戯心が湧いて………」

 

「私の方こそごめんなさい!実はあのとき、ふと好奇心からお兄ちゃんの匂いがどんなのか気になって、その………」

 

 見ると紅音を見やると、頬を紅く染めていたので、つい悪戯したくなってしまった。

 

「…………実は見てた。」

 

「え!?あの、あれは…………その……………」

 

 顔を真っ赤にしてあたふたする紅音を見て、愛しさが込み上げてくる。ああ……これは………そうか。

 それを認識すると同時に、俺は紅音を半ば無意識に抱き締めていた。

 

「え?お兄ちゃん!?」

 

「………今夜はこのままでも良いか?」

 

「うん………」

 

 紅音も応えて抱き返してくれた。心の奥が満たされていくような感覚と、腕の中の体温に、感触に、心音に、没入していると、いつしか意識が薄れていった………

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン……

 

「……………………………………やべぇ。」

 

 どうしようか。勢いでとんでもないことをしてしまった。取り敢えず何とかして親にバレるのは絶対に避けなければいけない。そこまで考えたところで、

 

「うぅん………………ふぁぁあ………………………………………」

 

「えっと…………おはよう、紅音。」

 

「………おはよう、お兄ちゃん。」

 

「昨日は、その………ごめんな?急に抱き締めたりして。」

 

「大丈夫だよ。そもそも私の方から来たのに………………少しだけ、内緒話してもいい?」

 

「いいぞ。」

 

「実はね?身体が良くなっていってるとき、ずっと不安だったんだ。今は只の夢なんじゃないか、朝起きたら、また動けなくなってるんじゃないかって。

 でもね?不安になったときにいつも頭に浮かぶのは、お兄ちゃんだったの。

 お兄ちゃんが外でやってきたことを聞いたから、外で遊ぶことは楽しいんだろうって思えた。

 お兄ちゃんが毎回いろんな話をしてくれたから、お兄ちゃんが次に来るときに、何の話をしてくれるんだろうって予想したりするのが楽しかった。だからお兄ちゃんには感謝してもしきれなくて…………だから…………」

 

「これは夢なんかじゃない。」

 

「え?」

 

「俺も、紅音も今という時間を生きているし、紅音の体調が良くなったのは、お前自身が頑張ったからだ。根拠がなくても、俺が保証する。」

 

「う、うぅ…………うっうーー」

 

「だから泣くな。」

 

 紅音をまた抱き締めてやると、徐々に呼吸が落ち着き、やがて寝入ったようで規則正しい寝息が聞こえる。

 紅音の寝顔を見ているうちに、いつしか意識を手離していた…………




※この後、一向に起きてくる気配がない二人の様子を見にきた隠岐母(ニヤニヤを抑えきれない)に見つかるのでした。



続くかなぁ………続けたいけど果たしてどうなるのか

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