少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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感想増えてきて嬉しい山田さん。好きな提督はイーノック提督です。

あの艦隊の日常とか、想像するだけで胸が温かくなりますよね。
この話は、そんな何気ない幸せな日常を書く「いつか訪れたかもしれない未来」。架空の世界線のお話です。


本編はイーノック提督のところとは真逆の道をすすm……ゲフンゲフン。


The future that might have been.4

「スコップが刺さらないっぽーい」

 

 

鳴き声? 泣き言を言うのは夕立だ。

アレから時雨の発見したタケノコを交代で踏み、全員がその感覚を共有してから散り散りになってタケノコを探している。

1度見つかると近くに結構生えているのがタケノコだ。

 

そうして見つかった新しいタケノコに苦戦している夕立の図がこれ。

 

「逆から掘ってみな、下に根がいるんだろ」

 

提督がそうアドバイスする。

竹林の地面は固い。地滑りが起こらない程度には、だ。

固い竹の根が縦横無尽に張り巡らされており、その根から新しく飛び出す竹の子供がタケノコ。昔は地震のときには竹林に飛び込めだなんて聞かされたものだ。津波が流行る前の地震だな。

 

つまりタケノコは必ず竹の根っこから派生しているのだが、根があるほうからは掘れないことが多い。夕立のパワーなら根をぶった切ってしまいそうな危険があるが、むやみやたらとそれをするのも気が引けるからな。諦めて逆から掘れ。

 

 

しかしどうだ、地面に突き刺したスコップに飛び乗るようにしてタケノコを掘る夕立。

ぶるーんぶるーん。

汗で透けたその白いカットソーにはあるべき背中の線も見えないが、お前それ1枚しか着ていないの? まだ寒いでしょうが。

ぶるーんぶるーん。

 

ちなみに白露のほうも透けている。いや、白露のほうは透けていると言うべきか、濃い色が透けてるわけではないので、白系のものを着けているのだろう。

おかげでしっかりと支えられているようだが、でも結局お前も1枚しか服を着ていないってことじゃん? 季節的にはまだまだ早いだろう。おちつけお前ら。

残念ながら、時雨と村雨はしっかり着込んでいるのでまったく透けてはいない。確率50%なら勝ったと思っていいのだろうが、俺の個人的趣向ならこちらの二人こそ透けていてほしかった。きっと素敵な色のものを着けているに違いないからだ。

 

クーパー靭帯切れちゃったりしないの、それ。キャラに似合わず大きな持ち物をぶら下げている夕立を見ていると心配になる。なんなら下着の代わりに俺が支えてやりたいが、俺の命を支える土台を蹴り飛ばされそうなので残念ながらそれは諦めておこう。

夕食の後に家庭内裁判が始まっても弁護側に当てがない。食い物で釣れば当の夕立自身が味方になってくれる気もするが、当事者とはいえ、コイツが味方になったところで役に立ちそうもないのが我が家の裁判だ。

暴れるそれを見るだけ、それでも十分な戦果だからな。欲をかくと全てを失うかもしれない。引き際を見誤らないのが司令官の資質ということだ。

 

 

さて、そのほかは順調にタケノコ掘りを行なっている。

早々にバテた村雨にはタケノコの皮を剥く作業を命じた。持って帰るとゴミになるからね。タケノコで欲しいのはもちろん中身だから。

 

「これ、剥いていくとこんなに小さいんですけどー」

 

黙々と皮を剥いていた村雨が、そう言って剥き終わったタケノコを見せるように上げる。確かにちょっと小さすぎるね、もうちょっと大きめも狙っていくか?

若いタケノコは足の裏で探すが、少し大きめともなれば頭を覗かせたタケノコを目視で探す。これも慣れればそんなに難しいことではない。

 

ないのだが、タケノコ掘りは体力をみるみる消耗させるのだ。

4〜5本も掘ればもう掘りたくない。

そんなこんなで俺の出番は終わり。そろそろ限界を迎えそうな時雨も加わり、三人は休憩タイムだ。休憩と言うよりもう終わりの気分なんだけど、後はいまだ元気いっぱいに掘り続けている白露と夕立に任せておこう。

体力あるなぁ、あの二人。

 

「ふぅ、暑い。結構重労働なんですね」

火照った顔でアゴ先から汗を落とす村雨。熱く浅い吐息と相まって見事に18禁の空気を醸し出している。

汗の匂いさえ芳しい。前にミャンマーの熱帯夜を共に過ごしたことがあるが、やっぱりコイツは汗からフェロモンを垂れ流しているに違いない。

 

衝撃が走る。

神の啓示か悪魔の囁きか、俺の灰色の脳細胞に電気が流れたようだ。きっと過電流に違いない。

ともあれ、ひ ら め い た。

 

「皮剥きの続きは道でしようぜ、ここじゃ服もまくれないから」

 

そう、村雨はZIPパーカーを着ているのだ。

コイツ汗をかくと胸の谷間や下部に汗が溜まるとか言って、服をパタパタさせる系女子だった。

竹林から出たらZIPを下ろしてそれをやる確率100%。今ならデータテニスの彼にも勝てるほどの俺だ。

 

「じゃあ運んじゃおうか、剥き終わったタケノコを袋に入れなきゃならないしね」

 

そう言ってタケノコを運び出す時雨。

なぜお前は汗の一つもかいていない? 変わらぬ涼しげな顔をしているお前はお前で化け物みたいだぞ。

 

 

そんなこんなで軽トラまで戻ってきて、皮を剥いたタケノコを袋に詰めていく。

さっき買ってきた炭酸飲料も飲みきってしまい、今は一段落してタバコで一服中だ。

予想どおり、村雨さんの谷間とそれを包む濃いピンク色の下着はしっかりと抑えさせていただきました。ご馳走さまです。

 

村雨はレースのフリルが付いたような下着が好きだなぁ。一目でかわいく、それでいてゴージャス。しかしケバくはない辺りが女の子の下着って感じだ。

彼女は結構ガードが緩いので、何度か堪能させていただいている。まさか自分の下着の好みを俺に把握されているとは思うまい。

そして下着で着飾ったその柔らかそうで豊満な乳房に乗っかる汗の滴。玉のような汗ってのはアレを言うんだな。

ありがとうございます。

ZIPを下げたときの効果音はムワッてな感じだった。嫌な気分じゃないほうのムワッが伝わるかどうかは自信がないが、良い気分だったことだけは伝えておこう。

 

それを確信犯的に実行し、勝ったとほくそ笑んでいた村雨と、前が開く服で来るべきだったと奥歯を噛み締めた時雨には気付かない提督だった。

基本的に、女の戦いは男の知らぬ間に決戦を迎えているのだ。

 

 

自分のいないところでそんな戦いが行われていたとは知らず、しばらくすると白露たちも戻ってきた。

「もぅ無理、限界だわ」

さらに3本ずつタケノコを抱えているので、数はもう十分だろう。持ってみると分かるがタケノコは結構重い。

片手に3本抱え、もう片手にはスコップだ。

掘り続けた体力といい本当に化け物じみているな。

条約型とはいえ、4万2千馬力は伊達じゃないということなのだろう。

 

「お疲れ、ちょっと休憩してろよ。皮剥いちまうから」

「そうさせてもらうよー」

 

そう言って白露と夕立の二人はトラックの荷台に乗り込み、もたれ掛かるようにして休息に入った。

 

 

早くも今回の話が3話目に突入しているわけだが、まだ終わるわけにはいかない。

俺たちは、ここで一息ついてからまだ行かなければならない場所があるのだ。

 

 

山菜の王様。

そう、タラの芽と呼ばれるアイツをこの手に掴まなくては終われない!




村雨ちゃんは汁気多そうだよね。
汗っかきでもあるかもしれない、もちろん彼女の汗の匂いなら気にならない自信がある。気にせず汗をかいてくれ、そして振り撒いてくれ。

同志はいねぇかー。
多分この話を読んでくれている素晴らしき読者の皆さまは、大なり小なり脳にダメージを負った方々なので、分かり合える人も多かろう。

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