少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
ちょっと奥さん。よかったら読んでいってちょ!
主に階級と兵種、昇任についてを説明してます。
ザックリ書こうと思ったんだけど、ついつい文量が増えちゃったので表面をなぞるだけ。脱線気味になる兵科と機関科の問題についても少々中身省いています。
前回→ https://syosetu.org/novel/212996/40.html
【 海軍の階級 】
大きくは「士官(将校)」、「下士官」、「兵」に分かれている。
上から順に。
【 士官(将校) 】
大将 ┓
中将 ┣ 将官
少将 ┛ ※提督と呼ばれるのはこの階級だけ。
日本に准将はない。
大佐 ┓
中佐 ┣ 佐官
少佐 ┛
大尉 ┓
中尉 ┣ 尉官
少尉 ┛
海軍兵学校、海軍機関学校、海軍経理学校の軍学校を卒業したら士官候補生として少尉からスタート。
町一番の神童とかのレベルがゴロゴロしてる。
ここより下は現場の叩き上げ。
【 特務士官・准士官 】
特務大尉 ┓
特務中尉 ┣ 特務士官
特務少尉 ┛※特務士官については後述。
兵曹長 ━ 准士官
【 下士官 】
一等兵曹(上等兵曹)
二等兵曹(一等兵曹)
三等兵曹(二等兵曹)
【 兵 】
一等水兵(水兵長)
二等水兵(上等水兵)
三等水兵(一等水兵)
四等水兵(二等水兵)
()内はのちに改められた名称。
【 海軍の兵種一例 】
兵科
機関科
主計科
飛行科
整備科
軍医科
他にもいっぱい。時代によりころころ変わる。
【 本当の階級表記 】
それぞれ階級の前には海軍が付き、厳密には兵種によって階級が違う。それについてはさらに下に書く。
例として、兵科なら海軍大将や海軍少佐。軍楽科なら海軍軍楽少佐。飛行科なら海軍飛行特務大尉といった具合。
【 士官と特務士官 】
帝国海軍は帝国陸軍と違い完全学歴至上主義。兵からスタートするとなにをどう頑張っても士官にはなれなかった。
そのためにあるのが特務士官。特務士官は兵から昇任することができる一番上の階級で、士官であっても士官ではないかもしれない微妙な立ち位置。
しかしそんなことも言ってられない状況になり、少数名が特務大尉から少佐に昇任している。
【 兵種による階級の違い 】
さらに帝国海軍は学閥偏重主義でもあり、海軍兵学校(江田島のアレ)がその頂点。それ以外は全部格下だと言わんばかりのエリート意識が詰まった困ったちゃん。
実際に帝国海軍は兵科とそれ以外で大きな差があった。
[ 復習 ]
少将、中将、大将を【 将官 】┓
少佐、中佐、
少尉、中尉、
これらを引っくるめて士官。またの呼び名が将校です。
※海軍は大佐と大尉の発音に濁音が付く。大将には付かない。
しかし帝国海軍で【将校】なのは兵科と機関科のみ。そのほかの各科は【将校相当官】と言って別物でした。
もちろん【将校】>【将校相当官】だ。
少佐(兵科)のほうが主計少佐よりも幅を利かせてたってことです。
経理学校は兵学校より採用人数が少ないため倍率の高い狭き門。それを潜り抜けてきた主計科さんたちは、そっちはそっちでエリート意識が高く、自分たちのほうが頭がいいとの自負を持っていたりもする。確かに卒業生を見ると錚々たる顔ぶれが名を連ねていてびびる。
そうそう、兵学校卒業者が兵科、機関学校が機関科、経理学校が主計科です。
話を戻します。
戦闘指揮権を持つのは将校だけで、将校相当官は持っていない。
また、たとえ兵科であっても上に書いた特務士官は士官ではあるが将校ではないので同じく戦闘指揮権は持ってない。
海軍兵学校を卒業した兵科のみなさんは超絶にプライドが高く、海軍の組織的な慣例もあって同じ将校の扱いを受けるはずの機関科ですら下に見ており、また軍としての扱いでも両者には大きな差があった。
詳しくは「海軍機関科問題」で検索ぅー!
たとえば、先ほども書いた戦闘指揮権。
指揮権継承順位が階級順ではなく、兵科将校 → 機関科将校となっているので、兵科の将校である少尉が一人でもいたなら機関中将が指揮権を譲るはめに。
さすがにそこまで酷いことはなかったが、実際に海軍少将に指揮を譲らねばならなかった海軍機関中将はいた。
階級を見るだけでも兵科が特別なのは分かると思う。
海軍大将
海軍中将
海軍中佐
海軍少尉
海軍兵曹長
上のように、このよく見聞きする当たり前の階級が兵科のもの。階級はランダムなので特に他意はない。
それが主計科ならこんな感じになる。
海軍主計中将
海軍主計少佐
海軍一等主計兵曹
なんか付いてるね。
意外と知られてないように思うが、階級は一律ではなく科によって違う。
例えば軍医科には士官しかなく、飛行科には特務士官より下の階級しかないのだ。
そして一番の差は「兵科以外では大将になれない」ことだろう。
兵科の海軍中将に対して同じ将校であるはずの海軍機関中将でさえ同格ではなかった帝国海軍。将校相当官である海軍主計中将だともっとだね。
で、機関科は機関科でその他の兵種を下に見ていたので目くそ鼻くそだったりする。
こいつらみんな似たもの同士。
一応開戦前には兵科、機関科の将官を統一するってことで機関中将、機関少将がなくなり、兵科と同じく海軍大将、海軍中将、海軍少将への道が開けたがそれも名前だけ。
将校(兵)と将校(機)には越えられない壁が変わらずあった。
開戦後、兵科と機関科は統合されることになり名前としての機関科は消滅したが、それでも将校(兵)と将校(機)はしっかりと区別されたまま、結局、指揮権の継承序列が変わることはなく、帝国海軍が壊滅するまで一人たりとも機関科出身者が大将になることもなかった。
※敗戦後に空自で航空幕僚長(空軍大将相当)になった方が一人だけいるにはいる。
つまり、海軍は兵科とそれ以外って感じだったわけだ。
建前的には兵科と同格になったはずの機関科から大将が輩出されることもなく、その他の科の将校相当官にはそもそも大将が設定されていない。
「陸海軍相争い、余力をもって米英と戦う」といった、帝国陸軍と帝国海軍の仲の悪さは有名だが、海軍内だけでも結構ガタガタなんじゃん……。
【 軍隊の昇任 】
最後は昇任のお話だ。
軍隊には【 実役停年 】というものがある。
いわゆる勤続年数のようなもので、それぞれ階級ごとに決められている年数を満たさないと昇任することができない。
つまり、二種免許を取るなら普通免許取ってからの運転期間が2年ないとダメって条件があるのと同じだ。
ホントのところ、旧海軍では昇任ではなく進級と言います。昇任呼びをするのは自衛隊。まぁ小説内は現代の先ってイメージなので。
自衛隊にも昇任に要するまでの在職期間が自衛隊法施行規則の第二十九条で定められてる。いつの世もあんまり変わらないんだね。
海軍の実役停年だと、例えば少佐に昇任するためには大尉を4年。中佐に昇任するためには少佐を2年勤めないとならない。
じゃあ大尉を4年勤めたら少佐になれるのかと言われるとそんなこともなく、大体の場合で期間は延びる。実役停年どおりに昇任したのは皇族軍人の方々くらい。
そして普通に年功序列であり、さらに海軍は
士官候補である兵学校卒業者は何年か現場を経験してから、俗に術科学校とも呼ばれる砲術学校や水雷学校など専門学校的なところへ入学し技能を磨いてまた海に戻る。
より専門的で高度な知識と技術を学んだ彼らは、砲術長や水雷長などになり艦艇を支えていく。
海軍内での出世を考えるならその後は海軍大学校に行くとしたもんだが、海軍さんは兵学校の席次にしか興味がないのか、大学校には行かず、艦隊勤務をこなした叩き上げで将官になっている人も多い。
有名どころだけでも、栗田ターンでお馴染みの栗田健男(38期)、西村艦隊の本当の力を見せてくれる西村祥治(39期)、阿武隈や霞がお世話になったヒゲの提督木村昌福(41期)、田中少将(当時)の指揮に勝るとも劣らない田中頼三(41期)などが、大学校に行かずとも最終階級を海軍中将としている(敬称略)。
※大学校に行ったかどうかは分からないが、「提督(笑)、頑張ります。」の長野壱業提督は44期生で戦死時の階級は少将だゾ。
海軍はそのようなシステムなので、出世が早いって人でも限界がある。
少佐になるならどれだけ早くても30歳。普通はだいたい35歳くらいじゃなかろうか。
参考として、みんな大好き「帰ろう、帰ればまた来られるから」の木村昌福提督。
彼は兵学校を卒業後23歳で少尉スタート。6年後29歳のときに大尉となり、少佐になったのはピッタリ35歳。
本編の主人公である提督がポンポン昇任していくことに対して文句を言いまくっているのはそういうわけ。軍内での立場はカナリ危なそうです。
元帥海軍大将は階級じゃなく称号なので書いてません。
海軍での兵科は兵種の一つですが、陸軍での兵科は兵種そのものを指す。
分かりにくいね、陸自で言うところの職種。略さず言うと職種区分ってことです。
海軍での職種の一つが兵科。
陸軍では職種のことを兵科。
普通科 ┓
機甲科 ┃
特科 ┣ どの兵科がいい?
情報科 ┃ つまりこんな感じです。
施設科 ┛