少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
18禁じゃないので特にエロ話はやんない。
でもでも(レム風)。
オチはそれなりに気持ち悪く終われる予定。いや希望。
一応話の骨になる辺りは書けた。あとは繋げられるかどうか。
今の時点で7話分書き溜めたが、果たしてー。
モヤモヤしてもらうための話でもあるのでスッキリはしないだろうが、良い読後感があるといいな。
お風呂を貸してもらって、それから夕食をいただく。文句は言えないがちょっとひもじい。早く帰って間宮の飯が食べたい。
で、寂しい夕飯を終えて、いつでも寝られる状況になってからは今後のお話だ。意思の共有は円滑な集団行動を行うために必要なことだからな。
この基地での入浴は3日に1度だったと言うのだが、本日は来客俺のために用意をしてくれていたらしい。
リンガにいると忘れがちだが、はるかな母国から遠く離れた外地では普通こんなものだ。特にこの基地だけ扱いが酷いというほどのものでもない。
入浴後、再び部屋へと集まったメンバーでは明石だけタンクトップに短パン姿だったが、時雨と霞はいつものとおり目に毒な格好をしている。
その毒なら皿まで食べてしまいたいので別に問題はないが、この場合、皿は明石か?
短パンを穿いているとはいえ、湯上りの長い足を見事に出しているので十分刺激的だ。
どれだけ美人や美少女に囲まれていても、その生足やもっと際どいところを見ることができる環境であれど、他に美人がいたらやっぱり目移りしてしまう。男というのは斯くも罪深い。あぁ、呪われもするかもな。
犯人は世の男どもに違いあるまい。
「しかし呪い、とは言ってもなぁ」
「眉唾もいいところだわ」
入浴後の霞は薄いグリーンにピンクのリボンがアクセント。そんな姿でノートを広げたローテーブルの前にあぐらをかいていおり、鳥のクチバシみたいな形が特徴的なクリップ部と、なんでも口に入れる愛嬌のある鳥が頭に描かれた緑色のボールペンでこめかみを押さえている。下着の色に合わせたナイスコーディネートだ。昼間に見たヤツも、なんの柄だったのか非常に気になるところだが、いくらなんでも面と向かって確認などできない。
それは次回に持ち越しである。
しかし訳あって霞の下着はレパートリーの変わる頻度がやっけに高い。ないかも知れない次のチャンスに懸けるのは指揮官として正しいだろうか。今なら霞のバッグにはソレが確実に入っている。
いやいや、落ち着くんだ俺。とりあえずここにいる間にそれが紛失することはないのだ。
なぜならここは総数7名の孤島である。無くなったとしたら、裁判なしで俺が処されてしまうことが目に見えているのだ。
言い逃れができるタイミングでしか事を犯さない俺がここで仕掛けるわけにはいかない。
チャンスはあるはずだ。しかもめったに海上に立たない霞の、塩気と汗を吸い込んだモノである。感覚的には桜ホロくらいのレアリティがあるソレ……あ、閃きが下りてきた。
汗を吸い込んだモノを手に入れるチャンスならもう一度訪れるじゃないか。柄の確認はバッグを開ければいつでもできる。そして訪れることが確定しているチャンスはチャンスで活かそう。
やはり考え事は頭の中での会話式に限る。口に出さずとも、言葉にすることで閃くことがあるからだ。ぜひ試してくれ。
さて、懸念事項が一つ片づき、被害者となる予定の霞を見る。
前屈みになってるせいで背中が出てるが、腰つきがもう子供のそれじゃないね、掴みたい。
「提督はそういったのは信じてないのかな?」
急に話し掛けてくるのを止めろー。
後ろめたいことをしているときに電話でも掛かってくるとなんか気まずい感じになるよね。そんな感じだ。
さて、ライトブルーに同系色のドット柄をした時雨。両サイドがリボンになっている。昼とは打って変わって明るい色だ。心なしか部屋も明るい気がする。
事故を装って解いてやりたい。早く寝ないかなぁなんて思ってたら手で隠された。女性というものは、男のそういった視線が分かるんだと言っていたが、それは本当のようだ。まさか霞も勘付いていないだろうな。
俺にあてがわれたベッドに腰掛けているが、はしたないぞ。とても今さらな感は否めないけどね。
ところでここに置いてあるのは普通にシングルベッドだが、こいつらどこに寝るつもりなんだろうな。
「幽霊は存在しないが、幽霊を視る人間は存在すると思っているよ」
「また難しいことを」
俺の意見に、頬杖をついて面白くもなさそうに眉をしかめる霞が言う。
なに、難しいことじゃない。
幽霊の存在を信じていないのと、夜の闇が怖いやら廃墟やトンネルが怖いって感情は相反したりしない考えなのだ。
恐怖ってのは人間が生きるために必要となる本能だ。そういった所に近づかないことが生存率を上げる助けになる。だいたい視界が悪いところは危ないからな。当たり前のことである。
そして恐怖心が視界の端に捉える存在しないもの。それが幽霊の正体だ。脳が作り出した幻覚か、はたまたただの見間違い。
幽霊の正体見たりってやつだな。ちなみに尾花ってのはススキのことを言う。
大人になると視えなくなるなんて話も聞くが、そりゃそうだろう。そんな痛い話で注目を集めるのは思春期だけに許される一種の特権だ。
痛い大人でないのなら、あまり大真面目に議論するようなことじゃない。身近にそういった人がいるなら生温かい目で見守ってやるのが大人のマナーだ。間違っても病院をお勧めしたりするなよ。無駄な労力になる。
もし本当に幽霊とやらが存在するのなら、今ごろその出現条件や幽霊になるやつならないやつの差異なんかも広く知れ渡っていることだろう。また幽霊の出る部屋なんてものがあったなら、俺が借りて「幽霊が出る部屋」として商売をしているはずだ。俺がその商売を始めていないことを鑑みても、やっぱり幽霊などいやしない。
それに、当事者になるかその気持ちを想像できるだけの脳みそが頭に詰まっているのなら、幽霊を気味悪がるなんてことができなくなる。ソレは元人間なんだろう? ならソイツにはソイツの繋がりが生前にあったんだろう。誰かの家族や友人に対して怖いだの気味が悪いだの言う人間の感性が正しいものとは思えない。
会えるものなら幽霊でもいいと、そう思ってる奴もいることだろう。
つまり、俺はそういった類のものをまったく信じていない。はずだったんだけどなぁ。
最近になってパラダイムシフトが起きた。
「完全否定派だったんだがなぁ。お前たちと触れ合ってからは保留にしてあるよ」
目の前に艦の幽霊みたいな奴らがえらい薄着で存在してるんだもんな。
ローテーブルの上には霞の邪魔をしている妖精さんの姿まで見えている。
両者ともに触れられることまで確認済みだ。しかも柔らかくてやけにいい匂いまで放つ。
不確かでも怪しげでもなく、確かにここに在る。その結果が保留ってわけ。
「あれ、僕たちは幽霊なのかな?」
「どうだろ、俺の中では付喪神みたいなものかと思ってるけど、オカルトには違いないよな」
ベッドの上で両足の裏をくっ付けるような、体育座りの変形みたいな格好になった時雨さん。
無意識なのか、足先を掴んだまま肘で膝を押すストレッチを始めた。
お風呂上がりのストレッチは小島での陸上訓練以降、時雨に染み付いた癖だ。腰を捻ったり肩を伸ばしたり、ストレッチって動きがやらしいよね。それを下着姿でやるもんだから、ねぇ?
霞にとっては慣れた風景でもあるので、特に気にするでもなく同意の声を上げた。
「まぁ、そうかもね。自分のことはよく分からないけど、艦だったときの記憶もあるし」
明石は思うところでもあるのか、時雨や霞の格好に対してなにか言いたげの様子。お前もやれとまでは言わないが、早く慣れないと疲れるだけだぞ。アキラメロン。
とはいえ艦娘の謎を追究すると果てがない気がするのでこの件はここまで。問題は解決できるところ、解決しなくてはならないところからやるのが定石というものだろう。
艦娘はかわいければ、それ以上はもう謎のままでも構わない。共に戦ってくれる意思があるだけでもめっけもんだ。
その理由がもしも過去の大戦に起因するものだもしたら、英霊たちに感謝だな。
「で、どう思う?」
「呪いって言うからには、呪われるような心当たりがあったんだろうかな」
「そっか、呪われる理由だね」
霞の問い掛けにそう返答をすると、時雨が上体を倒しながら言う。性格は犬みたいだが、そのポーズは猫のようだ。
そんな英霊たちの愛した艦の化身でもある艦娘たちをエロ目線で見ていたら、それこそ呪われるかもしれないわけだが、今のところ呪われている実感はないので大丈夫なのだろう。
「呪いなんて理不尽なものなら、理由なんてないかもしれませんよ?」
「理由もなしに呪われるなんて理不尽すぎるだろ。いや、祟りってそんなもんか?」
一人だけお行儀良くイスに腰掛けている明石。気にしないから楽にしろよ? 別に会議をしてるわけでもないんだからな。
呪いや祟りやなど、軍の関係者が雁首揃えて真剣に話し合う内容じゃないし。
「それで、その祟りなんてものについて調べるつもりかしら?」
「まさか。そんなもんで人が死ぬなら俺の敵は今ごろみんな海の底だ」
そんな提督の意見を聞いて、時雨と霞は思っていた。
もしそのとおりなら、その前に提督が死んでいると思う。しかしこの人が生きているのだから、呪いも祟りもこの世にはないのだろうと。
「そうきたか!」と言ってもらえるよう努力いたします。
さぁ、誰が探偵になるのかなーん。お便りお待ちしてます!
本日のことわざ。
「年上の女房は金の草鞋を履いてでも探せ」。
これ「キンのワラジ」じゃなくて「カネのワラジ」と読むぞ。
鉄=カネ=金
金物ってことね。擦り切れることのない金物の草鞋で時間をかけてでも探せってこと。
まぁ履き心地は悪そう。
「女房と畳は新しいほどいい」って言葉もあるが、さて。
山田さんは古い畳が結構好きだ。