少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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パソコン好きです。
自作が趣味すぎて一時台数がえらいことになった。

WindowsもMacもイケる口ですわよ。

お外に出る系の趣味も多いですが、自宅が1番好きです。



〜提督の事件簿〜8

──愛している。アナタを愛している。この気持ちは本物で、そして永遠だ。

 

誰に語ることもない想いが彼女の胸に灯る。

 

 

 

 

 

 

気になる臭いを落とし、無事にリフレッシュできた俺たちは湯上りの良い気分で部屋まで戻る。

結局、短い時間ではあったが寄り道をしたことで浴場に着いたのはちょうどの時間だった。得るものはあったが、残念ながら俺のミッションは失敗したと言っていい。

 

部屋にはすでに明石が帰ってきていたが、報告はあとでいいから風呂か飯か選べと言ってやると、「私は先にお風呂ですかね。食べててもらって構いませんよ」と言った。

 

「飯はみんなで、だ。待ってるから気にせず長湯してこい」

「なんですかその微妙に急かす感じは」

 

そう言い残して、明石はそそくさと部屋を出て行った。

 

 

狭い部屋に残ったそれぞれ妙に距離が近い二人には先に話しておくことがある。

抱き子ちゃんと話したことでの俺の印象ってやつだな。

 

寝る前にする楽しい話にはならないだろう。

 

「ここの艦娘たちは司令官というものを恐れているみたいだ」

「どういうことだい?」

 

今日も今日とてストレッチに励む時雨が、かなり低い位置から見上げるように言う。

開脚前屈ってやつだ。体柔らかいよね、君。

 

 

「彼女たちの仕草がそう言ってた。いや、あれは恐れと言うより忌避してると言っていい。なぁ、艦娘がそうやって司令官を避けたいのはどんなときだと思う?」

 

艦娘のことは艦娘に。そう考えて率直な意見ってやつを聞いておきたい。

すると本日の日誌を書いていた霞が視線を上げて、話を聞く体勢をとる。真面目な話だと察してくれたらしく、こめかみを指で押さえ、いつものように眉をしかめて言った。

 

「面白くない話になりそうね」

 

 

「そんな噂を耳にしないでもないけど」

「お前らはそんな経験ないだろうな」

 

自らの司令官を忌避する艦娘。可能性だけ考えればその理由は多岐に渡るのだろうが、そんな噂と言うくらいなので、念頭に置いているのは俺と同じことなのだろう。

話の前に、まず確認することができた。もしソレがあったなら、必ず探し出して報いを受けさせてやるぞ。死ぬよりつらいと思わせる方法を考えなくてはならなくなるなるので大変になる。

 

しかしソレについてはすぐに二人が否定してくれた。

 

「幸いなことに僕はないね。一芸が身を助けたのか、それとも僕にはそういった魅力がなかったのか。判断に困るところだね」

 

時雨は佐世保のエースだったからな。おいそれと毒牙にかけるなんてできなかったのかも。魅力がないってところは安心しろ。それについては俺が完全否定してやる。

 

ともあれ時雨がそんな扱いをされていないことに今さらながらもホッとする。

 

 

「ワタシもないわ。この体にそういった目を向けるのはアンタくらいよ」

 

未成熟だと言っているのだろうが、おい待て、人聞きが悪いぞ霞さん。

そういった目ってなんだ。心当たりなど0.02mmだってありはしないと法廷でも自信満々に発言してやるから証拠を出せ。

できたら示談にしてください。

 

まぁ霞をそうする勇気のある奴なんてそうそういやしないだろな。分かる。

 

 

 

「それで、あの子たちはここの司令官から行為を強要されていたかもしれないって、アンタはそう考えてるの?」

 

スパッと切り込むのはやっぱり霞だ。

まどろっこしい言い方を好まず、意思の疎通に齟齬がないよう努める女。

徹底して共通認識を持たせようとするのは話し合いの大前提ではあるが、霞ほどそれを実践している奴は稀だと思う。

 

「それが『彼女』なのか『たち』なのかは分からないけどね。性的な、でなければ暴力的ななにかがあったのなら、そりゃ避けたいと思うのかも。お前たちが司令官を避けて怖がる他の理由に思い当たることは?」

 

「どうかな、装備として扱う司令官も多いと聞くけど、そんな扱いをされたからって提督の言うような感情を僕たちが向けるとは思えない」

 

時雨がいとも容易くそんなことを言う。

 

装備扱い自体はここでもされていたかもしれない。初めて彼女らと会ったとき、彼女らは自身のことを意識する風でもなく艦艇として数えていたから。

艦娘なのでそれが間違いというわけでもないだろうが、少なくともウチに所属している者は軍人でも艦娘でもその数え方をしない。望む望まぬは分からないけれど、どちらにより重きを置いているのか、そんな違いだと思う。

 

ここの基地が彼女らを艦艇として扱っていたのだとしたら、ますます嫌な感じだ。それ自体がどうということではなく、そんな扱いをしていたくせに! そんな感じ。正にダブルスタンダードだ。

 

そしてお前たちはそんな扱いをされたなら、ふざけるなと言ってやってもいいんだ。そんな世界のほうが正しいのだと俺は考える。

 

 

「折檻や暴力なら可能性もあると思うわ。ワタシたちの体は確かに強いけど、人間の悪意には慣れてないのよ。ただ自分よりはるかに強い艦娘相手に暴力を振るおうって人間がどの程度いるのかは分からないわね」

 

霞は暴力の可能性を提示した。

なるほど言っていることは分かる。心と体の強さは別だからな。どちらだけが強くても、どちらかだけが弱くても良くない。バランスが重要だ。強靭な精神は強い体に宿ると、名うての錬金術師さんも言っていたはずだ。

 

山崎が前に報告してくれた暁たちの例を見るまでもなく、持って生まれた強い体に見合わない、まだ育ちきっていない心を持つ艦娘ならばソレはあり得る。

 

しかし今回に限れば、やはり違うと思うのだ。

 

 

「暴力ではないと思う」

「根拠は?」

 

廊下で出会わなければ分からなかったかもしれないが、彼女はよく話してくれた。

人の口から出る言葉など感情の2割しか出していない。残りの8割を拾うことができれば、会話も付き合い方ももっとスムーズに行えるのに。

 

「腕だ。口や目に次いで感情を出すのが腕の動き。暴力を恐れてるなら、相手の咄嗟の行動に反応した腕は前に突き出されるか頭や顔を守ることが多い」

「でも、そうじゃなかったと?」

 

「一瞬だが強張るように体を固め、腕で身を抱いていた。体を、特に胸を守るようにするのは女性特有の動きだな」

「なるほどね、そうする理由も女性ならではのものってことか」

 

 

それも絶対というわけではないんだけどね。

行動にはノイズが乗る。たとえば癖なんて突き詰めれば心の現れそのものなのだが、本当に単純に、特に意味のない癖を持つ人だって存在する。

 

結局はどれだけ見てきたかと、最後の決め手は勘だ。

 

見るだけなら俺の経験は凄いものだぞ。なにせ見知らぬ他人と過ごす幼少期だったからな。

当人たちに今さら言うと、きっととても悲しそうな顔をして「そんな目で見ていたのか」と言うだろう。そして俺にそう思わせてしまっていたことを恥じて嘆くだろうから言えないが、気分を害せば投げ出されてしまうかもしれないと思って生活を送ってきたのだ。否応がなしに大人の顔色を窺う子に育つというものだ。

 

あまり自慢にならない俺の特殊スキルはこうして育まれた。

その俺が見て、そして勘により出した答え。

 

 

少なくとも彼女は男からそんな扱いを受けていた。そう、彼女自身が能弁に語っているように見えたのだ。

他の選択肢を頭の隅に、しかししっかりと置いて。そうである前提で確認していかなければならない。

 

上辺(うわべ)だけならそうして掬えるが、女の子の本当のところなど俺には分かりようもない。しかし俺は運がいい。目の前に腹を割って話せる、対象と同年代の女の子、それも同種である艦娘がいるのだから。

 

 

「お前らって、基本的には司令官に好意を持ってる。なんてことはないか?」

 

「アンタ、ワタシたちをなんだと思ってるのよ」

 

ローテーブルに肘をついた霞がその手に頭を乗せて言った。

ま、そりゃそうだ。

むしろ霞などは理想がクソほど高い。エベレストとまでは言わずとも、K2の頂くらいには高そうだ。

嫌いな司令官のが多そう。それはつまり軍人の質が悪いのか、それとも人間の(さが)が悪いとか。そういうことだ。

 

「時雨は?」

「もちろんそんなことはないよ、司令官は司令官。そのくらいの分別はあるつもりだ。僕を軽い女だとは思わないでほしいな」

 

まぁ失礼な質問ではあるよな。すまん。

時雨が軽いなんてとんでもないことだ。お前はどっちかと言うとカナリ重いタイプ……なんでもない。

 

「今なにか失礼なことを考えなかったかい?」

「いや、我ながら失礼な質問だと思っただけです。すまない、他意はないんだ」

 

怖え怖え。祟りより怖い。

しかしそろそろいい付き合いだ。ただの確認だとは分かってくれているようで、質問内容については特にお咎めがなかった。

 

 

確認できたことといえばつまり。「好きな男くらい自分で選ぶわよ」だ。

 

 

「好きでもない男から強要されたら普通に嫌だと」

「当たり前だね」

「当たり前だわね」

当たり前だよなぁ。

 

 

その嫌なことを彼女たちに確認しなくてはならない。

傷口に塩を塗り込むことになるかな。

俗に言うセカンドレイプってやつだ。

 

やはり女性相手のほうが話しやすいのだろうか。それとも同性には話したくないものなのだろうか。

 




戦争の小ネタとして切っても切れない話がドロップ。
映画「火垂るの墓」でも物語を彩る印象的なアイテムとして使われているので、21世紀の現代日本と言えどもご存知の方が多かろう。

さて、一時期ネットでも話題になったが、そのドロップには2種類ある。
「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップス」だ。
この2つは販売している会社も違うが、それぞれが本物。
戦争により本家本元の会社が解散することになったのが全ての始まり。


詳しくはWEBで。
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