少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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〜提督の事件簿〜最終話。

とても短いので前話と繋げても良かったんだけど、構成的に分けたかったという自己満のためにこんな形に。
しかも投稿忘れてて妙に間が空いちゃった……。




〜提督の事件簿〜/ 婦怨無終

──僕の世界はキミでできている。他にはなにも必要ない。

 

 

 

 

すっきりとした気分で、とは到底言えないが、良く晴れた空模様。

感情の闇が支配した島を出るのに、これほど相応しいこともないだろう。

 

 

ここを訪れたときのように、ただ離れるだけだ。

違うのは、ここに所属した三人と明石を新たに座上艦へと乗せての船出になるというところ。

一行は一度リンガに帰る。少女たち三人を横須賀に送るのはそれからだ。

 

 

次々と座上艦に積み入れられていくのは、ここでの生活の痕跡たち。

彼女たちの艤装の他は身の回りの物が驚くほど少なかった。しかし、残念ながらこれも珍しいことではない。

 

当然、被害者でもあり加害者でもあった二人の司令官が残した物なども根こそぎ持ち帰ることになっている。なにが残っているか見当もつかないからだ。

できるなら基地ごと焼いて証拠を隠滅してやりたいくらいだなんて、過激なことを考えているのは霞。

 

きっとウチの司令官も似たようなことを考えているだろう。

ここで起きたことは全て事故。ソレがワタシたちの出した結論となり、事実として記録される。

 

思うところがないでもないが、司令官がいつだったかに言っていたのだ。「罪を犯した奴を罰するのは俺の仕事じゃない。次に繰り返さなければ、もうそれで十分だろ」。

但し書きにはきっと、『俺の邪魔じゃなければ』と書いてあるに違いないが、それを思えばやはりこの島での出来事などただの事故で良かったのだろう。

 

次はないし、問題にしたほうが司令官の邪魔になる。

霞はそう納得することにした。

 

 

 

積み込みの進捗を確認していると、昨夜は早い時間から就寝していたようだが、明石が疲れ顔を引きずって乗艦していった。

現場の確認が行われることになったときのためにと突貫で防空壕もどきを造らされていたので、それも仕方がない。

 

それはただの作業よりも気が滅入るものであったろうから。

 

 

最後の荷物を積み込み、そろそろ出港の時間が迫る。

そんな中で一人、別れを惜しんでいるのか艦に乗り込まずに基地を見つめている少女がいた。

あんなことがあったのに、それでも離れるのは寂しいものなのだろうか。それとも、ここに残していく沈んでしまった元僚艦を悼んでいるのだろうか。

 

 

「沈んだ子も、満足はしているんじゃない? きっと靖国にでも還っているわよ」

 

つい、そんなことを少女に告げてしまう。

沈んだ彼女は二人の人間を殺めたのだ。許されることではない。方法もきっと間違っていた。

でも、と心のどこかでは思う。

彼女は彼女の取り得る方法で、目的を果たしたのだ。それはワタシや時雨となにが違う。どこが違う。

 

 

しかしソレらは、この少女の知らないことのはずだ。満足などと、分からないことを言ってしまったように思う。

 

 

「さぁ、どうなんでしょうね」

少女は気にする風でもなく、それだけ言って座上艦へと足を進めた。

 

そして霞とすれ違いざまに、ソレは今まで見せたことのない笑顔(ペルソナ)を顔に浮かべて言ったのだ。

 

 

 

「もしかしたら、あの子は沈んで当然の子だったのかもしれませんよ」

 




いやぁ、伝えたいことを伝えるってのは難しいものですね。
伝えることができないままに、モヤっとさせただけで終わってしまった気もしなくはないですが、極々少数でも良い読後感だったと思ってくれることを期待して……。

ごめんちゃい。
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