少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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前回の投稿と合わせてようやく一つ分って文量だね……。

書く書かないの前に話を考えないと、相変わらず途中がゴッソリ抜けている。どころか、さらに話の筋も出来上がってない。


お出かけの艦隊3

「なに? 身内のことだから自分らでやれってこと?」

「いやぁ、関わるのがゴメンだとか、そういうことでもないんですがね」

霞の問いに困り顔で言い淀む刑事。

状況を傍観していた提督がその思惑を端的に述べてみる。

「艦娘さまだからってことかな?」

 

 

理由の分からない提督の発言に、霞が人を殺しそうな険しい目で疑念をぶつけてくる。

やめろ、俺が死んだらどうするつもりだ。

 

それには刑事の男が説明した。

「ぶっちゃけるとそういうことですねぇ、艦娘さんになにかあったらって、うちのお偉いさんらは腰が引けちゃって」

そして男は面目無いと頭を掻いた。

 

 

面倒ではあるが仕方がない。

飲みきるのを諦めたコーヒーを窓枠に置いて、提督が静かに告げた。

 

「現場で指揮を執る。全員用意しろ」

「はぁ? アンタやる気なの?」

「放ってもおけんだろ」

 

そして霞の耳元に顔を寄せ続ける。

「艦娘が人質になったってだけでも、マスコミに囃し立てられたらどう世論が動くか分からん。ましてや人質の中から負傷者でも出てみろ、その結果がどうなることか」

「近いったら!」

 

唇が耳に着きそうな距離にあった提督の顔を押しやり、赤くなった耳を押さえた霞がその必要性の有無を問う。

 

「分かるけど、それとウチが指揮するのとどう繋がるのよ」

「事件は軍が艦娘を運用して解決した、そう言えたらむしろプラス。そうじゃなくても警察が匙を投げた事件なら表立って報じられない可能性もある。これはウチがやるべき案件だな」

 

なるほど、成功したら大々的に報道すればいい。もしものことがあれば隠蔽するわけだが、同じ隠蔽でも軍がやるよりは警察に任せたいと。

そこまで説明されれば自分にも理解できる。

 

泥を被ることになるならそっちでどうぞ、つまりそう言っているのだ。まだまだ人間社会は複雑すぎて分からないことも多いが、アクシデントは糧にして次に活かそうと思った。

そういえば昔、『欧州情勢、複雑怪奇なり』とのたまった国があったな。ワタシは同じ状況になったとき、時勢を読みきれるだろうか。

 

ともあれ、動くと決めたならモタモタしても仕方がない。切り替えの早さは有能な軍人の必須スキルだ。

「武装は最小限で携行を許可。まずは状況の確認からよ。鈴谷はスナイパーとして配置。現場の地図持って来なさい」

 

 

それを見て、先ほどまでまったく乗り気じゃなく、むしろ取りつく島のないほど反対していた霞の変わりように話を持って来た刑事は目を瞬かせた。

彼女だけじゃない。上官がいるというのを思わせない弛緩しきった空気の中、ジュースを飲みだべっていた他の子達も、その一声で急にキビキビと動き出したからだ。

 

その視線に気付いたのか、霞が男にこう告げた。

 

「やらなくてもいいことならやらない。やると決めたら誰より早く全力で殴りつけるのがウチのモットーよ」

 

 

 

 

「アナタたちの人員も使わせてもらえるんでしょうね?」

「こちらからのお願いですからね、それはもちろん。ただ……」

歯切れが悪いその男に霞が促すと、遠慮がちにこんなことを口にした。

 

「無謀な突撃なんかを命令されるとウチとしても従いかねますがね、どちらも人命優先でお願いしたい」

 

 

「やんないわよ、そんな某帝国軍みたいな真似」

分かりにくいが自虐ネタなのかな? それともたんに悪口? 霞は他人の悪口を陰で言わないやつなので、きっと自虐のほうだろう。

 

 

「司令官?」

霞が提督に声を掛ける。どうするのか? と尋ねているのだ。

それを聞いた提督は手を前に出し、いつも通りお前が指揮をとれとジェスチャーで答える。

 

それに鼻を鳴らすと、早速霞が指示を出し始める。

「銀行に近づく人間のないよう交差点を封鎖。警官は強盗の視界に入らない位置で待機、囲んでいることを悟らせないで」

 

「ちょっとちょっと、銀行前を封鎖しないんですかい? 本気ですか!」

霞の指示に驚いた刑事は、確認するように提督を見据えて言った。

だから、そういうのは俺じゃなく霞に言ってくれ。小さい形をしているが、頼りにしてもいい人材だぞ?

「問題ないよ、霞の言うとおりに」

 

 

納得のいっていなさそうな男に霞が説明する。

「わざわざ相手が待ち伏せてるところなんかに突っ込む必要なんてない。しかも人質がわんさといるんでしょ」

「それはそうだが……」

「目的を見失うんじゃないわよ。要は犯人を捕まえればいいだけ。中でも外でも同じよ、だったら外に出てきてもらってからのほうが手っ取り早くていいわ」

そして霞は、最後にこう言い放ったのだった。

 

 

「強盗には成功してもらいましょう」




そろそろ終幕の話数が多くなってきたので、轟沈注意の章だけ分けようかと思ってる。

しかしお出かけ艦隊が終わるタイミングまでは無理そうでさぁ。
最後は「◼️章 此岸の果実、彼岸の花弁。」となる予定です。

その前に時雨が活躍しちゃうかもしれない「艦娘の一番長い日(未完成)」の冒頭だけ投稿しちゃうかも。


感想にもあったけど、どう繋がるのかな……山田さんにも教えてほしい。
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