少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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冒頭しか完成していないので、まだまだ投稿の予定はなかったのだがぁ。

モヤモヤしてもらうネタを増やしておこうと投稿。
〜艦娘の一番長い日〜副題は『オデットとオディール』となっております。



〜艦娘の一番長い日〜

まるで静寂の支配した空間。音もなく倒れていく霞の姿がスローモーションのように目に映る。

誰もが音を出すことを禁じられたように、身動き一つできないままそれを見やった。

ただ、時雨の構える砲口から立ち上る煙と、床に広がっていくおびただしい鮮血だけが否応なしにこれを現実なのだと知らしめる。

 

 

艦娘の一番長い日が始まる。

 

 

我に返った金剛が最初にとった行動は倒れこむ霞に手を伸ばすことだった。

しかし、その判断は悪手。聡明な彼女は判断を誤ったのだ。

それが霞でなければ、あるいは金剛も正しい判断を下したのかもしれない。しかし、霞と過ごした長い時間が彼女に正しい判断をさせなかった。

彼女は何より先に脅威の排除を検討するべきだったのだ。

 

つまりは時雨の鎮圧を。

 

 

「くぅっ!」

2発目の砲撃音が耳をつき、手を伸ばした金剛の肩に直撃弾を与える。装甲を抜くことは叶わないまでも、さすがの戦艦もこの至近距離で砲弾をまともに喰らえば無傷では済まなかったようで、バランスを崩され大きく体を傾けた。

 

「シグレ、これはアナタの判断ですカ?」

撃ち抜かれた肩を押さえながら、そう時雨に問う金剛。その視線は非難ではなく困惑のものだ。

彼女はこんな状況になってもまだ、仲間に向ける敵意など持ち合わせていないとでも言わんばかりで、しかしその姿は滑稽でもあった。

 

 

「僕はいつだって、提督のことだけを考えているよ」

対象的に、いつもと変わらない落ち着き払った時雨が基地の備品に向けるような眼差しで、なんでもないことのようにそう告げる。

 

「テートクぅ」

悲痛な声で金剛が提督に呼び掛けるが、すかさず時雨が二人の間に立ち視界を塞いだので、提督の表情は金剛から窺い知ることができなかった。

 

 

「君たちは少し勘違いをしているみたいだね」

変わらぬ表情で金剛の前に立つ時雨が、間違いを正すように、教え諭すように、こう言った。

 

 

「提督の艦娘は僕一人。この泊地の艦隊は、僕と提督を護るためだけに揃えた戦力なんだよ。だから、提督の不利益になるなら切り捨てる。当然の判断だね」

 

 

 

「テートクとシグレの間にあるキズナについては理解しているつもりデス。二人とワタシたちの間には埋められない隔たりがあることにも気付いてマス」

縋るように話す金剛の瞳からは今にも涙が溢れそうになっていた。

縋り付きたいのも、哀れだと、不憫だと嘆きたいのも自分のためではない。それは、いつも側で見守り育んできた小さな女の子のためだ。

なにも分からず切り捨てるようにされ、今も自らを血の海に横たえさせる、彼女のためのもの。

 

 

「それでも……、それでもアナタの夢を叶えるために尽くしてきたつもりデス! カスミの身を顧みない献身も、テートクには届かなかったと言うのデスか!」

 

たっぷりと沈黙の間が流れたあと、時雨がその口を開いた。

 

 

「あの佐世保の夜からずっと、彼の艦娘は僕だけだ」

 




提督の恋人枠(?)のはずなのに、時雨の出番少なくね?
と言う致命的な問題を孕んだこの物語。

そういえば時雨がメイン張りそうな話があったな、とメモを漁ったらこんなお話が!
……時雨メインの話ってこんなのばっかりかい! と言われそうだけど、まぁ、きっと大丈夫。
問題はどうも、このあとの話が時雨サイドじゃないほうから進みそうなところ。

それって時雨メイン?


さて、まったく本編進まないままイベント開始となりそうですね。
がんばりまっしょい!
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