少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
ぶっ飛んでいるので、深く考えてはダメよ?
今回は10分くらい頭空っぽにして書ききった、特に意味のない話だが、そのうちちゃんと彼女の日常話でも投稿できるようにしようと思う。
漣が聞こえる。
特型じゃなく海の奏でる音色のほうだ。
美しい空と美しい海。こういったものを眺めていると、戦争をしていることも、血を流さない争いを日々人類同士で繰り返している生活のことも、ちっぽけなことだと感じる。
自然は全てを包み込み、誰にとっても等しく無慈悲だ。
岬から遠くの景色を眺めるように、遥か古の世界を思ってみる。
たとえば、原始人は薄暗い洞穴で不衛生な生活を営み、細々と食糧の心配をしながら生きる粗野で野蛮で意地汚い者たちだ。なんて、イメージ。
多くの人がなんとなく持ってるかもしれないこれらは、だいたいトマス・ホッブズの書いた『リヴァイアサン』の影響だと思う。
この考えの根底には、人間サマ最高ぅ! といった傲慢な思想が見てとれる。
「どんどん良くなっている」といった根拠のない考えだ。故に、「過去は今より悪いものに違いない」と結論づけられる。
キリスト教的な西洋文化、また白人文化的とも言えるかもしれない考えだ。
もっとも、それらにどっぷり浸かってる現代日本人さんが苦言を呈する類のものではない。
人類の身長はどんどん高くなっている。なんてのも同じこと。
実は現代の平均身長はようやく原始人時代のそれを超過したあたりなんて言う学者もいる。
狩猟時代から農耕時代に突入したころが一番貧しく、満足に栄養を摂ることができなかったってのは当時の骨からわかっている。
そのため農耕時代に人の身長が一気に下がったのだ。
土地に居つく生活に慣れた俺たちは、それが人間らしいものだと信じて疑わないが、獲物を追って移動する生活のほうが、もしかすると性に合っているのかもしれない。
「提督? こんなところにいた。少し早いけど、夕餉の用意ができたよ」
ひょいっと後ろから姿を現したのは、たった一人の同居人。
彼女との生活にはおおよそ満足している。
彼女と共に追いやられてきたこの島での生活はさて、居つく生活なのか移動する生活なのか。
「考えごとをしていたのかな、もしかして邪魔しちゃったかい?」
「いや、幸せだなぁって浸ってただけ。問題ないよ」
頭の上にクエスチョンマークをいっぱい飛ばしている彼女だが、まぁいいだろう。
やってたことはただの現実逃避だからな。
青い鳥が実はすぐそばにいたように、幸せなんてものは気付かないだけでそこらにゴロゴロ転がっているのだろう。
居つく生活を手に入れたことで、人類は保存することを覚えた。リスクを考えるとそれは合理的で正しいことだが、同時に持つ者と持たざる者を生むことにもなった。
なってしまったのなら仕方がない。日本人はルールを作るのが苦手だが、ルール内で最上を目指すだけなら他の追従を許さない。
現代日本人として、俺もそれをしよう。
まず、帝国海軍の奇跡と呼ばれる艦娘を手に入れたのだ。
少なくとも軍人の中で一番幸せなのは俺であるはず。先行きは明るいと信じられる者だけが勝つのだ。幸いなことに得意分野でもある。
「今日は提督の釣ってくれた魚を煮てみたんだ。美味しいといいけど」
俺たちの愛の巣……違った。小屋に続く坂道を歩きながら、俺の幸せがそう言った。
ここに来る道中、南方の島に何度か立ち寄った。そこで出される食事を見て思ったものだ。
「なぜお前らは焼くか煮るしかしないのか」
アイツらの食事って基本2パターンなんだよね。それに辟易していた俺だが、きっとその考えはもう数分で変わることになる。
そう、俺の好物の一つに煮魚が加えられるはずなのだ。それはもう確信を持って言える。
きっとこういうのが幸せなのだろう。悪くない。
「素材の味を楽しむって、それは料理人に対する挑戦だと思わないか?」
「ごめんよ、寂しかったんだね。大丈夫だよ提督、僕はどこにも行かないからね」
おっと、生温かい眼差しを向けるのはやめてくれ。
まるで話が通じていない気もするが、これで通じているのだから我ながら危ない人だと思う。
ちょっとアンニュイな気持ちになってるだけだから、別に弱っているわけでも寂しいわけでもないからぁ!
「でも、うん。僕も幸せだよ。戦争中に言うことではないかもしれないけどね」
瞳を伏せて、隣を歩く彼女が言った。
よし、やる気が出た。
モチベーションってやつも、そこらにゴロゴロしてるものなんだな。そんなことを学んだ本日だ。
「差し当たって、まずはハワイ諸島海域の敵を掃討するか」
「……大丈夫だよ。今日は子守唄を歌ってあげるからね」
アメリカはルールを作るのが得意よね。大雑把に、そしてしれっと自分にだけ都合の良い項目を臆面もなく混ぜてこれるその厚顔無恥さが大国の証。
エゲレスはルールの裏をかくね。もはや反則なのでは? と勘繰りたくなるが、よくよく読むとギリギリセーフなバランスを保っている辺りがやな感じ。
ルール内での最上を目指し、理論上は可能だがホントにやりきるとは思わなかったって結果を出すのは日本でしょう。
適度にルールを破り、適度にルールを守り、気付けばそれなりの位置に定位置を定めているのはロシア。
ルールガン無視で非難されながら数字を残すのが……これは言わないでおこう。