少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
いや、書いてはあるんだが、葛藤してたので投稿に時間がかかってる。
そして迷いは継続中……。
自分で書いておいて投稿をこんなに躊躇うことになるとは思わなかった。
王道の話はどこかから分岐したifで進めるってことで許してもらおう。
未来は確定しておらず、それは各々の望むがままに(言い訳)。
山田さんの勝手なイメージ
提督&時雨のテーマ
米津玄師さんの「Flowerwall」
霞(前)のテーマ
WOWAKAさんの「アンノウン・マザーグース」
霞(後)のテーマ
kagrraさんの「うたかた」
いつかの時雨
KOKIAさんの「大事なものは目蓋の裏」
ああ神さま──
もし、天上にキミが在るのなら、どうか姿を見せないでほしい。
でなければ、
カナラズボクガコロスカラ
彼のいない世界など、
──必要ない。
目の前で大きな水柱が立ち、先陣をきっていた由良ともども全てを飲み込み海へと還していく。
「由良、さん……」
悪い冗談だ。面白くない物語のようだ。
しかし、ふさぎ込んだのは一瞬だった。
「四水戦旗艦は村雨が引き継ぎます。二四駆は引き続き後方警戒、潜水艦を見逃さないで。前衛は夕立、春雨。五月雨は私の後ろについて」
『四水戦は本隊の航路をこじ開けなさい』
霞から出された命令は慈悲のない、しかし当たり前のものだった。
私たちに沈めとでも言っているのか、とてもじゃないがそんな命令は聞き入れることができない。
だけど、誰かがしなければならないものだ。
なにも言わず、速度を上げたのは夕立だ。
「提督の望みは叶える。村雨たちは無事にリンガに帰ってほしい」
能面のような顔で言う夕立は死に場所を求めているようだった。
本来であれば、夕立はここにはいなかったはずだ。任を解かれていなければ、彼女も綾波と同じ警護艦として、最期の時まで提督の隣に立つ矛であり、盾であったはずなのに。
夕立を一人で行かせるわけにはいかない。
姉妹の中でも1番色濃く血を分け合ったもう一人の自分だ。
あのときは一緒に行くことができなかった。同じ誤ちを繰り返すつもりはない。
夕立を、一人で逝かせるわけにはいかない。
「春雨ちゃん。後をよろしくね」
「ダメです村雨姉さん! 司令官はいつも仰ってました、指揮艦が死ぬのは最後だって」
それを聞いた村雨は、ふっと、笑みをこぼした。
「この状況下では、もう指揮艦もなにもないわ。あなたは五月雨と一緒に、妹たちを護ってあげて。それに」
笑顔を消した村雨が前方の敵艦を睨む。
常に笑顔を絶やさず、周囲の関係に気を使ってきた村雨が初めて妹に見せる姿だった。
「村雨じゃなければできない仕事をするのよ」
体に怒気を纏わせた彼女のホントウ。
瞳の色が左右で違う。ともすれば狂気を孕む白露型改二の、これが村雨なりの答え。
精密に編まれた理詰めで、遥かな頂に登った姉は奇跡の駆逐艦と呼ばれた。
狂気を解放し、並ぶ者がいない突破力を手にした妹は帝国海軍の武力の象徴となった。
凄い姉妹に囲まれたものだと、今さらながら思う。
考えも生き方も中途半端な私には、そのどちらもが無理だった。
だからこそ。
私は私の答えにたどり着いたのだと思う。
妹の持ち得た狂気は私の魂にも刻まれている。しかし、それを模倣するだけではただの劣化に終わることが自分で分かっていた。
私の艦魂にあるもう一つ、私を構成するのは戦隊旗艦としての理性だ。姉が磨いたこの力を、私も確かに持っている。私は、武勲を誇る白露型なのだから。
狂気を理性で制御する。突破力こそ劣るだろうが、この理性は、狂気を解放しただけでは決して得ることのできない戦術を、戦い方を私に選ばせてくれる。
そう、並び立つ必要はないのだ。同じ戦さ場で、最強の武力である夕立の戦いを組み立てることができる。それが私の強さのカタチ。
「さぁ、私たちのパーティー。見せてあげる!」
二匹の獣が海を駆ける。
もう言葉など必要なかった。
私たちは繋がっている。
意思の確認など必要なかった。
私たちは、同じモノだ。
村雨の考えを読んで夕立が動く。夕立の動きを読んで村雨が考える。
由良さんを沈めた、群体のようになった深海棲艦たちを次々と屠る。
返り血とオイルを浴びて、私たちが血路を押し開くのだ。
今までに誰も見たことがない戦い方で、戦慄を覚えるその姿で、全ての海戦を過去にするかのような、そんな凄まじい猛進を──。
それぞれエピソードに事欠かない白露型。
その中でも、実は1番戦死者の多いのが村雨。
すでに薄々嫌な予感としてあるだろうが、これは潰走の逸話。
たとえば時雨が霞を撃った「艦娘の一番長い日」や、未来のifを書いた話など、まだ続いている話もあります。
なんならこのシリーズを読み飛ばし、それらの続きを待つのも良いかもしれません。
結末はそんなでもないが、この逸話は艦これ好きが望むものにはならないです。