少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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知らないと判断できない。
戦えないと護れない。

幸いにも日本は武力紛争には巻き込まれていないが、世界は今も変わらず燃えまくってる最中。
なんなら善意の第三者として加担してる側と言えなくもない。

武力での闘争を止めてから78年。日本は絶賛経済戦争の真っ只中だ。

帝国陸軍がアジア無双したときの民間人被害者、帝国海軍が遥かな南洋に攻め入って計上した数字よりも被害者を出してる。
それは数字に上がらず、多くの場合責められる謂れもないが、世界の形が明日変われば大悪党の国家として3番目くらいには名前を出されそう。

とはいえ、世界のルールが資本主義をやってくれてる間は優等生。
千円ちょっとで買える服や靴、昼休憩時には数百円で食べられるランチで腹を満たすこともできる。
育成の過程で大量の水を使う野菜や畜産も他国で育ててもらえば無問題。

せめて勝ち組であることを理解し、幸せでもなんでもないただの日常を日本で過ごす、そのくっそ高い代償を他国に払わせてることくらいは知っておいてあげねば、彼らも浮かばれないだろうと思ったり思わなかったり。


そのとき

それが初めて報告されたとき、誰もが予想だにできなかった。

 

誰を責められようか。

栄華を極めた人類に、このような未来が訪れることを。

 

 

 

「日本の商船が行方不明となった」

 

そう報じられたニュースは無機質なもので、次々変わる話題の一つとして夕食時のBGM代わりにしかならず、特段興味を惹くようなものではなかった。

 

国内ではない、どこか遠いところでの出来事だと国民の多くは思ったはずだ。

 

捜索を続けているとの続報のほかに目新しい情報もなく、このまま風化していく数多のニュースの一つになる。そのはずだった。

 

 

しかし、週が明けて飛び込んで来た新しいニュースは、行方不明になった船が国籍問わず複数あることを告げた。

 

海賊の仕業か、大規模な組織的犯罪なのか、それとも異常気象やメーカーが隠蔽した不具合による事故なのかといった推論が各局から報道され、口さがない無責任な人たちからはどこかの国の軍事行動であるなどの陰謀論や、オカルトじみたホラーな推論まで飛び出したものの、それでも多くの人にとってはまだ他人事。

 

 

 

一部の人間だけが、資源の90%以上を海運に頼る日本にとって看過できない事件であると正しく認識し、もちろん政府もそう判断した。

 

 

時間をおかず、最悪の事態に備えるためにと野党からの反対を押しきって、海上自衛隊を当該海域に派遣することができたのは防衛意識に秀でた当時の首相のおかげだが、それが幸運だったか不幸だったのかは分からない。

 

 

なぜなら、派遣された2隻の護衛艦が乗組員を乗せたまま神隠しにあったかのように、痕跡一つ残さず完全にその消息を絶ったとの報道を、国民は2週間後に聞かされることになるのだから。

 

 

戦後の日本では類を見ない、この国家を揺るがす大事件は連日連夜繰り返し報道されたが、紛糾する多くの意見は未だ当事者のものではなく、世論は「責任」の所在についてを追求。

 

この国では珍しく、国防を真面目に考えていた内閣は窮地に立たされていた。

先の大戦から半世紀以上もきな臭いものから目を逸らされ、遠ざけられて育てられた国民が危機意識を芽生えさせるに十分な時間も与えられずに放り込まれた今、それも仕方がなかったのかもしれない。

 

事が自衛隊の有り様にまで及ぶかと思われたとき、この怪事件が世界中で大規模に、範囲と被害を爆発的に広げながら大海を覆っていることを知る。それが遠くない明日、海洋国家日本の未来を潰えさせる危機であるのだと、大衆の中でなけなしの知性を持った不幸な者だけが理解し、幸せにも考えることをしなかった多くの国民は、見知った誰かの不幸やスーパーの食品の値上がり、潤沢にあった商業施設の棚から商品の数が少なくなった不便を強いられるまでは、実感させられることのないまま日常を続けることになる。

 

 

最初の報道から1ヶ月。

なんのことはない。結局事件は一番荒唐無稽で、一番有り得るはずのなかったオカルトなのだと、無理やり人類に分からせるに至る。

 

出会いたくなかった未知の生物との邂逅。

それは、効果的な手段も方法もないまま緩やかに衰退していく、長い絶望の時間をようやく刻み始めた人類が反抗の術を手に入れる半年前の出来事だった。




紛争とか言ってないで戦争と言っちゃえばいい。
援助やサポートなんて売春で、万引きは窃盗だよ。

いいかげん水際防衛にも無理があろう。
後ろは国土なんだから、それってカタチを変えただけの背水の陣だぞ(^◇^;)
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