少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
話がぽんぽん飛ぶのだけど、着いてきてもらえているのだろうか?
山田さんとても心配です……。
「ふん。信用できないなら自分らで勝手にやればいいのに。責任も取れない腰抜けたち」
仮眠をとるために提督の座乗艦に上がってきた一陣たち。その一員である霞が言い放つ。
今回の大規模戦。ウチの艦隊だけで事に当たりますよ、と殊勝な気持ちで始めたものなのだが。なぜか後ろから他所の艦隊が着いてきてらっしゃる。友軍というよりは督戦隊のようだ。
ウチがこのまま西方に逃亡するとか思ってんのか? まさかね。
新参者の俺たちが、諸兄のパイセンどもに迷惑をかけないようにと配慮したのが楽しく裏目に出たのかもしれない。
霞の発言を聞いた金剛が一応の注意を入れる。
「口に出すのはノーですよカスミ。思ってるだけにしてくだサイ」
そだね、後ろから着いてきているだけじゃなく、この艦にも何名か軍人さんが派兵されてきてるんだよ。研修やらなんやらの名目で。
足の綺麗な由良さんもいらっしゃるしね。
これ以上の不信感を持たれるのはなぁ。僕たちそんなには悪いこと考えてないよ?
そういうことで、名目だけは援軍である諸兄のフォローはしておこう。
「いいじゃないか、夏の陣での伊達FFだと思えば許せる気しない?」
「しないわよ、前に陣取ってたからって壊滅させられてたまるものですか」
「今回は目障りだからで撃たれることはないだろうから、そこは安心かもしれないね」
ウィットに富んだ冗談で和ませるも、時雨さんが斬り込むのでフォローにはなってなかった。目障りだと撃たれたら嫌だなぁ。
提督たちにとってはいつものことだが、その会話を一緒に聞いていた由良は内心で驚きっぱなしだ。
アンダマン諸島での戦いなど、まるで道中戦だとでも言いたげに、危なげなく一方的に勝利を収めた。
提督さんが顔さえ出さなかったくらいだ。
なんだろうこの余裕。督戦隊が付いてきてるのに、まるで意識していないみたい。
そう、いつものこといつものこと。
戦いの前だからね。張り詰めててもキリがない。ウチの娘たちはしっかりと切り替えていくメリハリスタイルだ。
スタイルと言えば、そのまんまの意味で艦娘さんたちはみんなスタイルいいわけじゃん?
俺も戦いの前に英気が養えて良い感じである。昨日まではヤンゴンの気候に辟易していたが、いやぁ、やっぱりたまにするお出かけはいいね。
なぜかと言うとこれ、艦の階段。ラッタルってやつなのだが、艦の構造上カナリの勾配があるんだよね。
目の前、と言うより頭上か。霞に金剛に由良さん、時雨と、色とりどりの下着がチラどころかモロっと。メリハリがあるのはそのスカートの中だった。……こいつ、動くぞ?
特に眼前を歩く時雨。俺がペースを速めるか、時雨が一歩立ち止まるかすれば鼻先がめり込みそうだ。その前に踵で鼻を潰されるかもしれないけど。
「コロンボの約束、覚えていてくれてマスカー?」
「え、なんだったかなバーガンディーさん」
急に振り返って言う金剛に驚いて変な返しをしてしまった。
お前、戦争しにきてるのにちょっと色っぽ過ぎない?
やばい、借り物とも言える由良さんがいそいそとスカートを押さえだした。大丈夫ですよ桃色さん。他言はしませんからどうぞ両手で手すりを持ってください。ところで、足がとても美しいですね。
「真面目にやんなさいよ?」
こちらはこちらで、スカートではなく眉間を押さえる霞。とにかく早く上がって来いと手招きされた。
苦労をかけるね水玉さん。見捨てないでねペールグリーンの水玉さん。
お前は顔が赤くなってるぞ、お尻の透けてる……。
「僕の名前は時雨だから」
村雨や春雨の所属する二駆の方々はなぜ一緒に上がって来ないんだ。この時間の警戒担当だから居たらマズいんだけど。
仕方がない。平和になったら皆を松◯城に連れて行こうと、そっと心に誓った。
そんなこんなで楽しくラッタルを昇り、艦橋に入る。軽くミーティングしたら早々に寝てしまおう。遠足前夜は目が冴えて寝られないタイプの俺なのですが、由良さん寝かしつけてくれないかなぁ。
「アンタまで前線に出てくることなかったんじゃないの?」
気を利かしてくれたのか、霞が話題を振ってくれた。
「ウチの本隊がこぞって出張ってるからな。リンガに丸腰で残るほうがよっぽど危なそうじゃない?」
「そうかもね、まったく。人ってのはどうしてこうなのかしら」
「霞さんは人間が嫌いですか?」
軽く人間批判をする霞に由良がそう問いかける。
その返答はこうだ。
「身勝手な奴は大体嫌いです。でも必要かどうかと問われれば必要だわ、それは絶対」
「お、それはなぜ?」
簡単に断言した霞に提督が疑問を投げる。
その返答は詰まることなく、即答で返ってきた。
「理由がいる? ワタシたちは軍艦。国土と民を護ること、それは存在意義よ」
「ただ、人間が戦場に出てくるのはやめてもらいたいわね。この海で、人間にできることなんてなにもないわ」
「耳が痛いよ、精々護ってくれな」
「ふん。だったら目の届くところにいなさいな」
さぁ、いよいよセイロン沖海戦だ。
「ちょこれいと? ハーシーかしら?」
懐かしいこと言ってるね、まぁギブミーチョコレートなんて知ってるの、この中では神風くらいだろうけど。
なんでチョコの話するだけでこんなに重いんだろうな……艦娘。
なんて会話をしたいな。とかの思いつきから話を作ることが多いです。