少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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ボチボチと進めていくはずの本編。
この話、後半が未完なので進みはボチボチになるはず。

すまない!
また間に挟むことになるぅ。



軍艦の墓場に咲く

ここはラバウル。

今回はブインの南、軍艦の墓場ソロモンでの作戦を合同で行うのだ。

 

リンガから直での作戦参加はさすがに現実的ではなかったので、前泊。どころの期間ではないが、作戦開始までラバウルにて寝床を貸してもらっている。

寄港させてもらうならラバウルじゃなくとも、ブナだろうがブインだろうがいいだろうって?

 

 

理由は2つ。

ブインの基地司令官は胡散臭い。呉派閥ってだけでも警戒するには十分な理由になるほど、俺は呉が嫌いだ。

そんなやつのホームで休息などできるか。

ブインは呉から転属になった伊勢と朝潮が所属する基地でもある。

なんとか返してもらえないかなぁ。なんて悪巧みをするにも、当人のお膝元ですることじゃあないだろう。

それに、ブインには嫌な噂もある……。

 

対してラバウルの基地司令官である加藤と言う男はなかなかどうして、ムカつくこともあるが、まともな奴でもあった。対比としては3:7くらい、まあ許容範囲だ。

強行偵察をやらかしたときに、危うく綾波から海に蹴落とされそうになってた男でもある。アレからも連絡を取り合っていて、今回の作戦に俺を呼び出した張本人だったりもする。

基本的に堅物で嫌な奴なのだが、艦娘への対応は好感が持てる。熱い海軍魂ってやつを持っているんだろう。

民と国土を護る。そのために必要な艦娘の扱いに苦心するのは当然。そんな鬱陶しい熱さを持つ男だ。堅物め。

どのくらい嫌な奴かと言えば、横須賀のじじいぐらいだ。と説明すれば大体分かるだろう。

 

 

 

 

 

そんなラバウルで、なぜかブインの基地司令官とテーブルを挟んで茶を飲んでいる提督。

 

膝の上には霞を乗せている。あまりに場の空気にそぐわない立ち振る舞いだが、咎められはしなかった。

 

 

「そちらの女性も艦娘かな? 仲が良いようで羨ましいですな」

対面に座る老年の将校が言った。

柔和な笑顔を浮かべた品のある男だ。顔だけみたら提督のがよほど凶悪犯に見えるだろう。

 

霞の髪を撫で、戯けたように言う提督。

「一人にさせると拗ねるんですよ」

「もう、寂しがり屋は司令官のほうでしょ」

そう言って霞は司令官を叩くふりをする。

 

そこでは、二人を知っている者が見たら、白々しいほどの茶番が繰り広げられていた。

 

 

 

「それで、南方はどうかね?」

「良い海ですね、泳いだらさぞ気持ち良さそうだ」

 

微妙な沈黙が流れる。

きっと天使が大量に横切っている最中なんだろう。

 

ばーかーめぇぇ。

なんの準備もなくお前と腹の探り合いなどするか。自慢じゃないが、こちとら腹芸に一家言を持つ男だ。

幼少時の体験から、物心つく頃には大人の顔色を伺い最適解を選択するというユニークスキルを習得している。一挙手一投足から考えを読み取るノンバーバルコミュニケーションまで学ぶことなく生活の中で身に付けた俺の半生を笑うがいい!

 

いや、当人としては笑えなかったんだけどね。

その後の環境に恵まれまくったおかげで、今なら笑い話にもできるくらいになったけど。

 

 

その後も微妙なやり取りをブチかまし、ブインの司令官は終始笑顔を絶やさないまま席を立っていった。

迎えに来ていた若い男が熱い眼差しで俺を見ていた気がするが、気のせいだよな。俺にそっちの気はないよ?

 

 

 

「こんなので効果あるのかしら?」

一芝居に付き合ってくれていた霞が呆れ顔で言った。

 

「バカに思われてたほうが相手も気が緩むだろ」

「……殴られなくて良かったわね」

 

管理下に置いて制御できると相手が考えてくれると口も軽くなる。相手を探るなら警戒されるのはあまり上手くない方法だ。

特に作り笑いがうまい奴は信用できないしな。もちろんブインの司令官のことだ。

笑顔は口から目の順番に作られる。そして口角が目の方に上がる。作り笑いの場合は口と目が同時に動き、口角が耳の方に動くので見ていたら分かる。

 

しかし分かったのはそれだけ。行動を抑制する訓練でもしているのか、驚くほど体がなにも伝えてこなかった。

『目は口ほどに物を言う』と古き良き日本語にあるが、アレは正しい。

実際に口から出る感情などいいとこ2割だ。残りの8割は顔と手足に出る。

俺を警戒しているなら、腕を組むなり頬や肘、膝を触るなりなんらかのアクションがあってもよさそうなものだが、それらがなかったというのが俺を警戒している確かな証拠だろう。

 

しばらくバカでいよう。幸いなことに得意分野だ。

 

 

「気になることが?」

「噂の真相ってやつさ」

 

難しい顔でもしてたのだろうか、霞がそう問いかけてきたので、気になることを端的に告げ二人羽織のようにして冷めたフライドポテトを霞の口に咥えさせた。

 

 

さて、どうしたものか。なんて考えていたら、ブインの基地司令官が席を立った後に通りかかったラバウルの基地司令官に怒鳴り込まれた。

 

「なにをやっておるかっ!」

 

げっ。そんな顔しか出てこない。

なんて日だ!

 

 

「貴様! 幼い駆逐艦に良からぬことをさせているのではないだろうな!」

「誤解だ! 誤解!」

 

ふふふ、まだ乗ってるんだよね、霞さん。

決っしてやましいことをしてたわけでも、イチャついていたわけでもない。

いや、もしかするとちょっとはイチャついてるように見えたかもしれないが。

 

言い訳をさせてもらうと、霞の細っこい腰に腕を回しているのは彼女が落ちないようにだ。

……やっぱりちょっとはやましい気持ちがあると言えるかもしれない。

 

 

大急ぎで霞に席を譲り、自分は隣のテーブルからイスを引っ張ってきて腰を下ろす。

はい、どーぞ。そんな風にラバウルの男に対面の席を促す。

 

 

 

「ブインの司令官と話してみたんですが、普通にいい男ですね」

お水がわりに心にもないことを言ってみる。大人の社会で繰り広げられる特に意味のない時節の挨拶みたいなものだ。

 

「さてな」

 

おっと、挨拶に乗ってこないなんて、思ったよりも話を急かすね。

どうやらこの男には少しばかり信用してもらえているらしい。

ならばこちらも胸襟を開けて臨もう。艦娘のことに限っては、俺もこの男のことはじじい程度には信用していいと思っている。

つまりゲージ1メモリくらいだぞ?

 

 

「本当のところ、どうなんです?」

「あまり良い印象ではない。作戦の度にもう何人もの艦娘を沈めておる」

 

作戦時に被害が出ているのはすでに知っている。公の情報だからな。

知りたいのは戦報に書かれない本当のことだ。

 

 

「それをアナタが放っておくとは思えませんが」

「作戦時の被害までは問えんよ」

「つまり証拠がない。っと」

「滅多なことを口にするな。他のところでは言うなよ」

 

おっと、念を押された。

これで確かめたかったことが2つ分かったわけだ。

 

この男と俺は同じ側。

悪巧みをする共犯ってのは、ある意味では信用に値する。それと同種なのかは分からないが、やはり俺は信用されている。

そして話には本音が乗るものだ。この男は『沈めている』と言った。沈んでいるではなく、だ。

こいつの中で、あの男の心象は真っ黒。俺と同意見なわけよ。

 

分かったことのもう1つ。

先ほどの話でさらに補強されたが、やっぱりブインはなにかをやっている。事前に調べた作戦の概要と被害を読む限りでは囮艦などだろう。

作戦によっては被害担任艦が出るのも、その役割を作るのにも理解はするが、そのまま犠牲として沈めることには同意できない。

彼女らは装備ではなく艦娘なのだ。

 

まるで旧軍みたいじゃないか。

旧海軍には特攻兵器なるものがいくつかあった。それはパスタの国なんかにもあるものだが、大きく違う点が一つ。

生還を前提としているかどうかだ。

 

生還を前提としない作戦は許容できない。

感情の話でもあるが、1番の理由は人的資源。彼女らは有限なのだ。

それを使い潰した後にどのような世界があるのか、そんな程度のことが分からない人物には海にいてほしくない。

 

 

 

 

一言で済ませると、邪魔だ。

 




超てきとーな艦隊序列(時期てきとー)

海上戦  陸上戦  格闘戦  指揮適性
阿武隈  鈴谷   綾波   霞
鈴谷   阿武隈  夕立   金剛
金剛   響    霞    阿武隈
白露   電    鈴谷   長波
響    雷    白露   村雨


敵旗艦撃破率トップは時雨。
普段なにもしないだけで、暁は響より強いんだってばっちゃが言ってた。
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