少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
本編はなかなか進まない。
お、今日で初投稿からちょうど1ヶ月だ!
「誰よその子」
「俺が聞きたいわ」
唐突に始まった会話に唐変木な返答をしてみたが、案外と面白い結果になって満足だ。
「陽炎さんね、霞から聞いてるよ。なに、礼を言われるようなことじゃない。俺の都合だし、むしろ救われたのは俺のほうでもある」
改めて会話のやり直し。
陽炎と名乗った彼女のことは霞から聞いている。完全に呉所属の艦娘だが、霞の元駆逐隊の一人。
ちゃんと対応しないと後で霞に殴られかねない。
「それでもよ。私としてはお礼の一つもできてないことがずっと気になってたの。いやぁ作戦前に気掛かりが減って良かったわー」
朗らかな笑顔でそう話す陽炎。
元チームメイトと言っても、ちょっと大げさに過ぎるような。
「そこまでのことか?」
「あはは、だって私の妹みたいなもんだし。とにかくアリガト。あんなにイキイキしてる霞を見るのは久しぶりよ。佐世保から帰ってきてからの霞はイライラしっぱなしだったし、気付けば止める暇もなく北方に行かされちゃったし」
止まらない止まらない。怒涛のようにしゃべる彼女だが、待て待て。おかしなことを言っている。
あれぇ、どちらかと言えば霞のほうが姉なのでは?
陽炎って甲型駆逐艦だよな。なんて疑問に思って彼女に訊ねると、さらに満開の笑顔でこう言ってみせた。
「細かいことはいいのよー。みんなかわいい私の妹ってことで」
おお、さすが霞の元僚艦だ。
この個性は凄いな。いっそ振り切っててカッコいいまであるぞ。
北方で初霜と出会ったときにも、霞のパートナーとしてバッチリだと思ったものだが、違うベクトルで陽炎もピッタリだと思う。
同じ隊に彼女がいれば、霞もやりやすかったに違いない。
「おっと、いけない。演習に遅れるわ」
「うん? 陽炎も演習に参加予定か?」
「そうなのよ。こっちのお偉がたがね、実力を見せてみろだって。きっと私たちばっかり戦果を挙げるから煙たいんでしょうね」
なんてことを白い歯を見せながら言う。
爽やかで面白い子だ。
「陽炎はどこに所属してるんだ? 確か呉だったよな?」
「今はトラック泊地でお世話になってるのよ。腰掛けだけどね。居心地良くて困っちゃうわー」
ああ、トラックね。
なんか凄いらしいところ。英雄の艦隊だって? ちょっとかっこ良すぎやしませんか?
少数精鋭で正統派の海戦をする水雷戦隊らしい。艦娘を大事にしすぎるなんて論評もあるが、攻勢中でも大破があれば仕切り直すその姿勢は大いに共感できる。
俺が横須賀閥の尖兵なら、彼らは呉の尖兵と言えるので、そこだけちょっと引っ掛かるけど。
「俺もちょうど見に行くところだし、そこまでご一緒にどうかな?」
「あら、そうなの? じゃあエスコートしてもらおうかしら」
ストック切れてきたので毎日投稿はそろそろ限界かも〜。
戦闘は苦手かも〜。