少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜   作:山田太郎

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超短い前回の続き。
本編はなかなか進まない。

お、今日で初投稿からちょうど1ヶ月だ!



軍艦の墓場に咲く3

「誰よその子」

「俺が聞きたいわ」

 

 

唐突に始まった会話に唐変木な返答をしてみたが、案外と面白い結果になって満足だ。

 

 

「陽炎さんね、霞から聞いてるよ。なに、礼を言われるようなことじゃない。俺の都合だし、むしろ救われたのは俺のほうでもある」

 

改めて会話のやり直し。

陽炎と名乗った彼女のことは霞から聞いている。完全に呉所属の艦娘だが、霞の元駆逐隊の一人。

ちゃんと対応しないと後で霞に殴られかねない。

 

 

「それでもよ。私としてはお礼の一つもできてないことがずっと気になってたの。いやぁ作戦前に気掛かりが減って良かったわー」

 

朗らかな笑顔でそう話す陽炎。

元チームメイトと言っても、ちょっと大げさに過ぎるような。

 

「そこまでのことか?」

「あはは、だって私の妹みたいなもんだし。とにかくアリガト。あんなにイキイキしてる霞を見るのは久しぶりよ。佐世保から帰ってきてからの霞はイライラしっぱなしだったし、気付けば止める暇もなく北方に行かされちゃったし」

 

止まらない止まらない。怒涛のようにしゃべる彼女だが、待て待て。おかしなことを言っている。

あれぇ、どちらかと言えば霞のほうが姉なのでは?

陽炎って甲型駆逐艦だよな。なんて疑問に思って彼女に訊ねると、さらに満開の笑顔でこう言ってみせた。

 

「細かいことはいいのよー。みんなかわいい私の妹ってことで」

 

 

おお、さすが霞の元僚艦だ。

この個性は凄いな。いっそ振り切っててカッコいいまであるぞ。

北方で初霜と出会ったときにも、霞のパートナーとしてバッチリだと思ったものだが、違うベクトルで陽炎もピッタリだと思う。

同じ隊に彼女がいれば、霞もやりやすかったに違いない。

 

「おっと、いけない。演習に遅れるわ」

「うん? 陽炎も演習に参加予定か?」

「そうなのよ。こっちのお偉がたがね、実力を見せてみろだって。きっと私たちばっかり戦果を挙げるから煙たいんでしょうね」

 

なんてことを白い歯を見せながら言う。

爽やかで面白い子だ。

 

「陽炎はどこに所属してるんだ? 確か呉だったよな?」

「今はトラック泊地でお世話になってるのよ。腰掛けだけどね。居心地良くて困っちゃうわー」

 

ああ、トラックね。

なんか凄いらしいところ。英雄の艦隊だって? ちょっとかっこ良すぎやしませんか?

少数精鋭で正統派の海戦をする水雷戦隊らしい。艦娘を大事にしすぎるなんて論評もあるが、攻勢中でも大破があれば仕切り直すその姿勢は大いに共感できる。

俺が横須賀閥の尖兵なら、彼らは呉の尖兵と言えるので、そこだけちょっと引っ掛かるけど。

 

「俺もちょうど見に行くところだし、そこまでご一緒にどうかな?」

「あら、そうなの? じゃあエスコートしてもらおうかしら」

 

 




ストック切れてきたので毎日投稿はそろそろ限界かも〜。
戦闘は苦手かも〜。

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