少女のつくり方 〜艦隊これくしょん〜 作:山田太郎
横須賀海軍中将の深山のじじい。
自然保護が訴えられる昨今の情勢とは裏腹に、実は歴史上かつてないほど森林資源が豊かになりすぎた日本の新しい問題を内包して深山さん。
深山と街が近くていいことなんてあんまりない。
だからと言って、山を削ってソーラーパネル並べるのはやっぱ違うけどね。
そんな艦これとは全く関係ない話!でもうすぐ30万文字数。
日毎に有事の基地になっていくその中、歩幅の大きないつもの歩き方で神経質そうな足音を響かせる霞。
事前に聞いていたとおり、作戦時は前衛の一端を担うことになった。
司令官じゃないが、遊撃に回されたのはワタシたちにとってはありがたいことだと思う。
自分の手の届かないところで戦局を定められるのは性に合わないし、ワタシたちはここで確かな戦果を挙げ、リンガ艦隊ここに在りとの存在感を示しておきたい。
同じように遊撃を任されることになった隊がトラックだったことも、良い塩梅だ。
あそこには、ワタシのいた隊と凌ぎを削った十六駆、それに十八駆で共に戦った陽炎と不知火がいてくれる。
問題はブインの艦隊だけだ。
心象としては限りなく黒に近いグレー。このまま戦端が開かれると艦娘の轟沈が出るのは避けられないように思う。
戦場で、ワタシがその兆候に気が付くことができるだろうか。
気付くことさえできれば、取れる手はあるはずだ。ワタシたちが動いた穴埋めは、きっと陽炎や不知火がやってくれる。
なにも分からないままでも、彼女たちはやってくれる。
そう手放しで信用できるくらいには、彼女たちと共に過ごしてきたのだ。
「お一人ですかな?」
自然、眉間に寄っていた皺をほぐして振り向くと、ブインの基地司令官が立っていた。
「艦隊での生活はどうです? 足りない物資や不満などがあれば私のほうから彼にそれとなく伝えることもできるが」
「いえ、毎日充実していますよ」
笑顔で返答する。笑顔の人間は警戒されにくい、提督に教わったことだ。
同じことをこの男もしているようなので、その効果のほどは残念ながら保留としておこう。
ワタシは彼を警戒しているのだから。
件の男からはなにも目新しい情報を得ることができないまま、軽いおしゃべりだけで別れた。
端的に言うと歯痒い。あの男は今まさに、ここラバウルで良からぬことを考えているのかもしれないのに。
無益なことを考えていても仕方がない。
切り替えられた頭で思うのは、作戦開始前に自分がやっておかねばならない建設的なことだ。
陽炎たちに会いに行こう。
彼女の隊がどの立場なのかは分からないが、同調してくれるなら共闘もしてくれるだろうし、相反していてもワタシから聞いた懸念を誰かに漏らしたりはしないだろうと思ったから。
海戦が始まって以降は分からないが、盤外戦で意思の疎通がとられるなら、それはやっておくべき案件だろう。
陽炎たちに会いに行くのに、金剛にも着いてきてもらおうと考え、一度自分たちに割り振られた仮住まいの方に向かう。
建物に入るとすぐに金剛の声が聞こえる。
近づいてみると、懐かしい誰かと話し込んでいるようだった。
そのうちの一人が霞に気が付き、声を掛ける。
「お久しぶりです。霞も息災のようでなによりですね」
あぁ、またアンタたちと戦えるなんてね。
海戦での戦力に不安はなくなった。
やっぱり、後はワタシがやってみせるだけだ。
次回予告(嘘)
「時雨……あの時、最後までお前に着いて行ってやれていたらと、今でも心残りだ」
「昔のことさ、僕は……もう休みたいと、思ってしまっていたのかもしれないね」
「……しかし今度はそうはさせないぞ。また、共に戦うのだからな」
大天使時雨さん。
史実では小悪魔ちっく。
あるとき、初っ端のコールは時雨から。
「ワレ 時雨 ナニカ」
??「我の後に続け!」
時雨建前「舵が故障中だから無理だね(棒読み)」
交信終わり
後に語る時雨建前「艦隊が着いてきてることに気付かなかったなー。状況なんて伝えなくても、慧眼をお持ちのアナタならお見通しだろうなー」
時雨とどめの一撃「君の指示に従ういわれがない(知るかってんだよ)」