バカと楽しく過ごしてく   作:リミア

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11話・・確かに勝つために作戦とかは立てるだろう。しかし外道に堕ちない人としての尊厳がある範疇でだ。

「いたぞ、Bクラスだ!」

 

「高橋先生を連れているぞ!」

 

「生かして帰すなーっ!」

 

悪役っぽいセリフを言って突っ込むFクラス。

 

『Bクラス 野中長男VSFクラス 近藤吉宗

総合 1943点VS764点』

 

『Bクラス 金田一祐子VSFクラス 武藤啓太

数学 159点VS69点』

 

『Bクラス 里井真由子VSFクラス 君島博

物理 152点VS77点』

 

そして、雑魚悪役のようにやられていった。さすがに戦力の差はでかいよな。

 

「お、遅れ、まし、た……。ごめ、んな、さい……」

 

全力疾走して来たんだろ。息を切らして姫路がやってきた。

 

「来たぞ! 姫路瑞希だ!」

 

Bクラスの誰かが叫んだ瞬間Bクラス生徒の目つきが変わった。明らかに姫路を警戒している。

 

「姫路、来たばかりで悪いが……」

 

「は、はい。行って、きます」

 

そのままトタトタと戦場に紛れ込む姫路。さすがに少し休ませるべきだったかな?

 

「長谷川先生、Bクラス岩下律子です。Fクラス姫路瑞希さんに数学勝負を申し込みます!」

 

早速申し込まれてるな。早めに潰しておきたいのだろう。

 

「あ、長谷川先生。姫路瑞希です。よろしくお願いします」

 

「律子、私も手伝う!」

 

もうひとり来た。やはりBクラスにとっても姫路はそれほど驚異のようだ。

 

『試獣召喚《サモン》!』

 

Bクラスのふたりと姫路の召喚獣が現れた。だが姫路の召喚獣には、腕輪がついている。

 

「あれ? 姫路さんの召喚獣ってアクセサリーなんてしてるんだね?」

 

「あ、はい。数学は結構解けたので……」

 

「?結構解けると、アクセサリーをしてるの?」

 

「一定の点数を取ったら能力が使える腕輪が装備されるんだろ」

 

まったく、すぐ忘れやがって、こいつは。

 

「そ、それって!?」

 

「私たちで勝てるわけないじゃない!」

 

向こうも腕輪に気が付いたのか焦り始めた。

 

「じゃ、いきますね」

 

姫路が手をキュッと握り込もと、その動きに合わせて姫路の召喚獣が左腕を敵の方に向けた。

 

「ちょっと待ってよ!?」

 

「律子!とにかく避けないと!」

 

大げさなくらい横に跳ぶ敵二人の召喚獣。その直後、姫路の召喚獣の腕輪が光を発した。

 

 キュボッ!

 

「きゃあぁぁーっ!」

 

「り、律子!」

 

左腕から光線がほとばしったかと思った瞬間、逃げ遅れた敵の召喚獣の一体が炎に包まれた。

 

『Fクラス 姫路瑞希 VSBクラス 岩下律子&菊入真由美

数学 412点VS189点&151点』

 

さすがだな。こんなに点数を取れるなんて。

 

「ご、ごめんなさい。これも勝負ですのでっ」

 

大きく避けてバランスを崩した敵に近づき大剣を振りおろし、敵の武器ごと一刀両断した。

 

「い、岩下と菊人が戦死したぞ!」

 

「なっ!そんな馬鹿な!?」

 

「姫路瑞希、噂以上に危険な相手だ!」

 

Bクラスの残りの奴らが騒ぎ出す。そりゃ2対1で負けたんだからそうなるな。

 

「み、皆さん、頑張ってください!」

 

「やったるでぇーっ!」

 

「姫路さんサイコーッ!」

 

姫路は応援をつかった。効果は抜群のようだ。

 

「姫路、とりあえず下がってくれ」

 

「あ、はい」

 

敵の士気は下がり、こっちの士気は上がったし、姫路には一旦下がってもらおう。特殊能力は威力の分だけ消耗も激しいらしいからな。

 

「中堅部隊と入れ替わりながら後退!戦死だけはするな!」

 

そう言って、Bクラスの連中は下がっていった。とりあえず姫路のことを印象付ける作戦は成功のようだだ。

 

「真也、明久、ワシらは教室に戻るぞ」

 

「ん?なんで?」

 

秀吉の言葉に明久が聞く。来たかこの時が。

 

「Bクラスの代表じゃが……」

 

「うん」

 

「あの根本らしい」

 

「根本って、あの根本恭二?」

 

「うむ」

 

あのくそ野郎のすることは人としてだめだな。まじでむかつく。

 

「なるほど。戻っておいたほうが良さそうだね」

 

「雄二に何かがあるとは思えんが、念の為にの」

 

姫路に一言報告して、俺と明久と秀吉は何人かを連れて教室へと引き返した。

 

 

 

「……うわ、こりゃ酷い」

 

「まさかこうくるとはのう」

 

「卑怯、だね」

 

「ちっ、ゲス野郎が」

 

俺達が目にしたのは、教室の中が荒れ果てた姿だった。

 

「酷いね。これじゃ補給がままならない」

 

「うむ。地味じゃが、点数に影響の出る嫌がらせじゃな」

 

勝つために、小さいことでも徹底的にやる外道だな。

 

「あまり気にするな。修復に時間はかかるが、作戦に大きな支障はない」

 

「雄二がそう言うならいいけど」

 

これでも『大きな支障はない』か。さすがだな。

 

「それはそうと、どうして雄二は教室がこんなになっているのに気づかなかったの?」

 

「協定を結びたいという申し出があってな。調印の為に教室を空にしていた」

 

「協定じゃと?」

 

「ああ。四時までに決着がつかなかったら戦況をそのままにして続きは明日午前九時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する。ってな」

 

「それ、承諾したの?」

 

「そうだ」

 

さすがに気がつがなかったか。

 

「でも、体力勝負に持ち込んだ方がウチとしては有利なんじゃないの?」

 

「姫路以外は、な」

 

こっちのことを考えてたのか。そうすると気付かないのも無理はないか。

 

「あいつ等を教室に押し込んだら今日の戦闘は終了になるだろう。そうすると、作戦の本番は明日ということになる」

 

「そうだね。この調子だと本丸は落とせそうにないね」

 

まぁ、今日は無理だと最初っから考えていただろうが。

 

「その時はクラス全体の戦闘力よりも姫路個人の戦闘力の方が重要になる」

 

「だから受けたの? 姫路さんが万全の態勢で勝負できるように」

 

「そういうことだ。この協定は俺達にとってかなり都合が良い」

 

 

「いや…」

 

そろそろ口をはさむか。あのくそ野郎の思い道理になるのは癪すぎる。

 

「まずいかもしれない」

 

「え!どうして!?」

 

驚く明久。

 

「どういうことだ、真也?」

 

雄二も聞いてくる。

 

「協定の内容が曖昧すぎる」

 

「!!」

 

「え、どういうこと?」

 

雄二は言われて気が付いたらしいが、明久達はわかっていないようだ。

 

「根元が出した内容を覚えているか?」

 

「え?うん。『四時までに決着がつかなかったら戦況をそのままにして続きは明日午前九時に持ち越し。その間は試召戦争に関わる一切の行為を禁止する。』でしょ」

 

お、長いセリフをよく覚えていたな。

 

「そうだ。んじゃ聞くが『試召戦争に関わる一切の行為』ってなんだ?」

 

「え!?えっと、勝負の申し込みとか、点数の補充とかかな」

 

「確かにそこら辺が主だな。だが、『試召戦争に関わる一切の行為』だ。今出したもの連想されるものは?」

 

「えっと、申し込みはわからないけど点数の補充は、やっぱりテストかな」

 

「じゃあ、そのテストから連想されるのは?」

 

「えっと…勉強、とか」

 

そこまで言うと他の奴らも気づいたらしく顔をゆがめ

 

「なるほどのう、どこまでが許されるのかわからんな」

 

秀吉が代表して言った。

 

「そうだ。作戦を立てることも、下手したら話すらしてはいけないかもしれない」

 

俺がそう伝えるとみんなが苦い顔をした。

 

「そんな、どうしよう雄二」

 

「ちっ、少し作戦のことを考えすぎてしまった。俺のミスだ。すまない」

 

そう言って悔しそうな顔をした雄二。

 

「とりあえず、今の内にやることをやっておこう。シャーペンや消しゴムの手配をしよう」

 

「そうだな」

 

立てなおしたように見えるが先ほどのような覇気がない。一応フォローしておくか。

 

「大丈夫だ、俺もなんとかする。お前はお前に出来る最善のことをしているんだ。恥じることも後悔することもない」

 

これが杞憂に終わればそれはそれでもいいんだがな。

 

「…すまない、ありがとう」

 

「気にすんな」

 

そこからいつもの動きをする雄二。どうやら完全に立てなおしたようだ。

そこから、シャーペンや消しゴムの手配をしに雄二が行き、秀吉も一緒に行った。

 

「僕たちも行くよ」

 

「わかった、俺はまた何かやられないように此処にいる」

 

「うん」

 

そう言って明久たちは行った。

 

さて、どうやって奴の罠を回避しようか。

 

 

 

 

あ、そう言えば明久の奴島田に殺されかけるんだっけか。

…まぁいいか。

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