バカと楽しく過ごしてく   作:リミア

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15話・・後悔してもいい。それが反省となり未来へとつなぐことができるのなら

「明久、随分と思い切った行動に出たのう」

 

戦争が終わった後、俺達はBクラスに入り込んだ。

 

「うぅ……。痛いよう、痛いよう……」

 

「大丈夫か?」

 

「なんとも……お主らしい作戦じゃったな」

 

明久らしいって、絶対碌でもないことだよな。

 

「で、でしょ?もっと褒めてもいいと思うよ?」

 

明久、今のだけじゃ褒めた内に入らないぞ。

 

「後のことを何も考えず、自分の立場を追い詰める、男気溢れる素晴らしい作戦じゃな」

 

「……遠まわしに馬鹿って言ってない?」

 

「いや、『男気溢れる素晴らしい作戦』って言ってるし…」

 

褒めてない訳じゃないよな。馬鹿って言ってるかどうかは別として。

 

「ま、それが明久の強みだからな」

 

雄二、お前も明久をその気にさせたんだから労をねぎらってやろうぜ。

 

「さて、それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談といくか。な、負け組代表?」

 

「………」

 

根元はさっきまでの威勢を無くして目をそらしていた。

 

「本来なら設備を明け渡してもらい、お前らには素敵な卓袱台をプレゼントするところだが、特別に免除してやらんでもない」

 

雄二の発言に、周りが騒ぎ始める。

 

「落ち着け、皆。前にも言ったが、俺達の目標はAクラスだ。ここがゴールじゃない」

 

「うむ。確かに」

 

「まぁ、そうだな」

 

「ここはあくまで通過点だ。だから、Bクラスが条件を呑めば解放してやろうかと思う」

 

雄二がそう言うと周りは納得したのか、静かになった。

 

「……条件はなんだ」

 

力なく根元が聞いた。

 

「条件?それはお前だよ、負け組代表さん」

 

「俺、だと?」

 

雄二の言葉に、根元が聞き返した。

 

「ああ。お前には散々好き勝手やってもらったし、正直去年から目障りだったんだよな」

 

ま、そう言われるほど色々やってきたらしいからな。クラスの奴らのフォローもないし。

 

「そこで、お前らBクラスに特別チャンスだ」

 

昨日の昼に雄二が言っていた「Bクラスに戦いの準備が~」というやつだ。

 

「Aクラスに行って、試召戦争の準備が出来ていると宣言して来い。そうすれば今回は設備については見逃してやってもいい。ただし、宣戦布告はするな。すると戦争は避けられないからな。あくまでも戦争の意思と準備があるとだけ伝えるんだ」

 

「……それだけでいいのか?」

 

それだけでよかったんだよ、お前がいらないことやらなかったらな。

 

「ああ。Bクラス代表がコレを着て言った通りに行動してくれたら見逃そう」

 

そう言って雄二が取り出したのは、Cクラスに行った時秀吉が着ていた女子の制服、ってかあれからずっと持ってたのか。

 

「ば、馬鹿なことを言うな!この俺がそんなふざけたことを……!」

 

こいつ、自分に拒否権があると思ってんのか?

 

『Bクラス生徒全員で必ず実行させよう!』

 

『任せて!必ずやらせるから!』

 

『それだけで教室を守れるなら、やらない手はないな!』

 

どうやらそれ以前の問題だったようだ。

 

「んじゃ、決定だな」

 

「諦めてとっとと着ろ」

 

「くっ!よ、寄るな! 変態ぐふぅっ!」

 

「とりあえず黙らせました」

 

「お、おう。ありがとう」

 

Bクラスの1人の神速のパンチで根元がノックダウンした。

 

「では、着付けに移るとするか。真也、明久、任せたぞ」

 

「あいよ」

 

「了解っ」

 

ぐったりと倒れている根本に近付き、制服を脱がせる俺と明久。正直苦痛以外の何物でもない。

 

「う、うぅ……」

 

あ、目を覚ましそう。

 

「は!」

 

「がふっ!」

 

俺がもう一発鳩尾に叩き込んでやった。脱がしてやってるんだから、別にいいよな。

 

「うーん……。これ、どうするんだろう?」

 

「さぁ?」

 

女子の制服の付け方なんてわかるわけがない。…これをとっととやった秀吉って…

 

「私がやってあげるよ」

 

Bクラスの女子が声をかけてきてくれた。

 

「そう?悪いね。それじゃ、折角だし可愛くしてあげて」

 

「それは無理。土台が腐ってるから」

 

即答とはやるな。

 

「んじゃ、せめて、きも面白くしてやってくれ」

 

「うーーん。がんばるよ」

 

今めっちゃ考えたな。

 

「んじゃ、よろしくー」

 

「よろしくね」

 

そう言って、俺達は根元の制服を持って教室を出た。お目当てはもちろん…

 

「……あったあった」

 

姫路のラブレターだ。

 

「よかったね」

 

「ああ。ところでこの制服どうする?」

 

「そうだね、折角だから根本君には女子の制服の着心地を家まで楽しんでもらうとしようよ」

 

「そうだな」

 

──ガコン!

 

俺達は容赦なく根元の制服をゴミ箱に捨てた。

 

さて、

 

「あきひ──「吉井ぃぃぃぃぃぃぃ!!」にっしー先生!?」

 

明久にラブレターを返させに行かせようとしたら、鉄人がきた。

 

「ど、どうしたんですか西村先生!?」

 

「どうしたではない!お前壁を壊したらしいな!?」

 

「あぁ…」

 

なるほど、それで怒ってるのか。

 

「い、いや、あ、あれは作戦で…」

 

「作戦だろうと壊したのは事実だ!」

 

ごもっとも。

 

「来い!」

 

「ああ、ちょっと、先生!?し、真也、助け、あ~~~!」

 

「……」

 

行っちまった。すまん明久。俺はなにもできなかった。

 

「さて」

 

仕方ない。この際俺が届けるか。

 

 

 

 

「よし、誰もいないな」

 

俺はFクラスの教室に誰もいないことを確認して姫路の席に近づき、鞄の中に封筒を入れた。

 

「これでよし」

 

さて、んじゃ帰るか。

 

「神上君!」

 

「んな!?」

 

姫路!?なんてタイミングに!

 

「ど、どうした?姫路」

 

「神上君……」

 

「わ!?」

 

姫路は泣きそうになっていきなり抱きついてきた。

なんで俺!?こういうのは明久がされるべきだし、明久にするべきだろ!

 

「あ、ありがとう、ございます……!わ、私、ずっと、どうしていいか、わかんなくて……!」

 

明久ではないが、こっちもどうしていいかわからん。

 

「と、とにかく落ち着け。ほら離れて」

 

こんなん他の奴に見つかったら洒落にならん。

 

「は、はい……」

 

そう言って離れていく。あぁ、びっくりした。

 

「いきなりすいません……」

 

「いや、大丈夫……」

 

正直、心臓バクバクしてるけど。まぁ、姫路も落ち着いてきたし戻るか。

 

「じゃあ、みんなの所に行くか」

 

「あ、待ってください!」

 

今度は何!?こっちはいっぱいいっぱいなんだけど!

 

「あの……手紙、ありがとうございました」

 

あ、ああ。そのことね。

 

「別に、礼なら明久に言え。あいつが一番頑張ったんだから」

 

そう、頑張ったのは明久だ。俺は何もしていない。何もできなかった。

 

「はい。もちろん吉井君にもお礼を言います。でも神上君にも」

 

「俺は別に、何もしてねぇよ」

 

自分で言っておいて少し冷たいかなって思った。本当に俺は何もしてないからな。

 

「いいえ。神上君はたくさんのことをしてくれました。今回のことも、試験の時だって私をかばってくれたり保険室まで送ってくれたり」

 

「試験…ああ、あの時か。あれも明久が最初かばいだして…」

 

ちょっと待て。

 

「姫路、なんで俺が保健室に連れて行ったって…」

 

「先生が教えてくれました」

 

何言っちゃってんの先生!いや、俺も黙っててくれって言ってなかったけどさ。

 

「やっぱり神上君は優しいです。凄く嬉しかったです。小学生の時から優しいのが変わってなくて……」

 

なんか俺の株が急上昇してる!?

 

「そ、それより、その手紙、うまくいくといいな!」

 

なんか空気がおかしくなってきたし、ここで話を打ち切った。

 

「あ……。はいっ!頑張りますっ!」

 

やれやれ、明久のことになるとこんなに張り切っちまって。でもあいつ確か直接の方が嬉しいんだっけか。

 

「手紙もいいけど直接言ってやった方がいいと思うぜ」

 

「そ、そうですか?神上君はその方が好きですか?」

 

俺もそうかな?

 

「う~ん、そうだな。嬉しいよ」

 

「本当ですか?今言ったこと、忘れないで下さいね?」

 

「え?あ、ああ」

 

どうしたんだ?明久の友人だから念入りに確認したのか?

 

 

 

 

『こ、この服、ヤケにスカートが短いぞ!』

 

『いいからキリキリ歩け』

 

『さ、坂本め!よくも俺にこんなことを──』

 

『無駄口を叩くな!これから撮影会もあるから時間がないんだぞ!』

 

『き、聞いてないぞ!』

 

……

 

m9^O^

 

「なんでしょうか?」

 

「なんだろうな?」

 

ざまぁwww

 

「んじゃ、帰るわ。頑張れよ」

 

「はいっ!ありがとうございます!」

 

そうして俺は帰った。

 

明久大丈夫かな?

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

俺は帰った後このBクラス戦のことを思い返した。

根元の協定の策略は何とかなったが…

 

「結局何もできなかったな…」

 

姫路に対する事は一切何もできていなかった。

 

「くそ…」

 

俺に記憶や知識がなかったらどうなっていた?勝てることが分かっていなかったらどうなっていた?

俺は結局自分勝手に動いていた。あいつのあの策略を潰してひと泡吹かせれればと思っていたんだ。

 

「俺は…」

俺は…この世界で生きている。現実として。なら…

 

「仲間の…友達のためにやれることを、やろうっ!」

 

それがあの物語通りになることになっても反することになっても

 

その道を俺は歩く。

 

Aクラス戦は

 

「出ることになったら、本気でやるか!」

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