バカと楽しく過ごしてく   作:リミア

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今回Aクラス戦です。真也の召喚獣も書いておきました。
あと真也のところだけ点数の書き方を変えました。

それではどうぞ。


17話・・自分で決めた道、間違いだと思うまで貫き通せ

「では、両名共準備は良いですか?」

 

今からAクラスで決戦、高橋女史が確認をした。

 

「ああ」

 

「……問題ない」

 

高橋女史はそう二人が言ったのを確認した。

 

「それでは一人目の方、どうぞ」

 

「アタシから行くよっ」

 

向こうは木下姉か。ってことは…

 

「ワシがやろう」

 

やっぱり秀吉か。

 

「ところでさ、秀吉」

 

「なんじゃ? 姉上」

 

「Cクラスの小山さんって知ってる?」

 

「はて、誰じゃ?」

 

おいおい、忘れたのかよ。いや、演技かあれ?

 

「じゃーいいや。その代わり、ちょっとこっちに来てくれる?」

 

「うん?ワシを廊下に連れ出してどうするんじゃ姉上?」

 

ガラガラガラ

 

そう言って木下姉弟は教室を出て行った。

 

『姉上、勝負は──どうしてワシの腕を掴む?』

 

『アンタ、Cクラスで何してくれたのかしら?どうしてアタシがCクラスの人達を豚呼ばわりしていることになっているのかなぁ?』

 

『はっはっは。それはじゃな、姉上の本性をワシなりに推測して──あ、姉上っ!ちがっ……!その関節はそっちには曲がらなっ……!』

 

…笑いながら言うなよ、あいつ。

 

ガラガラガラ

 

戻ってきたのは木下姉だけだった。

 

「秀吉は急用ができたから帰るってさっ。代わりの人を出してくれる?」

 

…よく涼しい顔して言ってるよな。全部聞こえてたぞ。あとハンカチで返り血を拭ってるし。

 

「い、いや……。ウチの不戦敗で良い……」

 

雄二が引いてるよ。

 

「そうですか。それではまずAクラスが一勝、と」

 

冷静だな、高橋女史。

 

『Aクラス 木下優子VSFクラス 木下秀吉

生命活動 WIN DEAD』

 

…あんたも結構ひどいな。

 

「では、次の方どうぞ」

 

「よし、姫路。行って来い」

 

「え、私ですか?」

 

俺はここで姫路を押した。

 

「お、おい。真也」

 

雄二が慌てているが無視だ。

 

「ああ、景気よく行って来い」

 

「は、はい!」

 

そう言って姫路は走って行った。

 

「どういうつもりだ」

 

「ん?なにがだ?」

 

俺の行動に雄二の少しイラついた声がかかった。

 

「なぜ今、姫路を行かせた」

 

「姫路に勝ってもらってテンションを上げようと思ってな」

 

「だが、姫路には別の奴の相手を「大丈夫」…」

 

俺は雄二の声にかぶせた。

 

「大丈夫だ」

 

「……」

 

そしてもう一度安心させるしっかりした声で言った。

 

オオォォーーーーー!!

 

『Aクラス 長野未亜VSFクラス 姫路瑞樹

英語 387点VS538点』

 

さすがだな。100点以上の差をつけるとは。勝負は一瞬、姫路の召喚獣が相手の召喚獣を縦に切りさいた。

 

「やりました!!」

 

「おう!お疲れ。がんばったな」

 

こっちに来た姫路をねぎらった。

 

『さすが姫路瑞樹だな』

 

『ああ、だが脅威は去ったな』

 

『これであとは楽勝だな』

 

Aクラスは安心しているようだが、それはどうかな。

 

「これで1対1ですね。では、次の方どうぞ」

 

「じゃあ俺が出ます。科目は数学でお願いします」

 

「じゃ、ウチが行くわ」

 

こっちは島田が行くようだ。

 

「おう、行って来い」

 

「がんばってね、美波」

 

俺と明久は応援した。

 

『Aクラス 池田信吾VSF島田美波

数学 314点VS257点』

 

いつもよりできてたみたいだが、それでもAクラスには届かなかったようだった。

 

「うぅ、ごめん」

 

「大丈夫だ、まだ負けたわけじゃない」

 

「そうだよ」

 

今度は雄二と明久がフォローした。そう、大丈夫だ。

 

「これで2対1ですね。では、4人目の人どうぞ」

 

「私が出ます。科目は物理でお願いします」

 

確か、佐藤美穂だっけ。という事は。

 

「よし。頼んだぞ、明久」

 

「え!?僕!?」

 

やっぱり。

 

「大丈夫だ。俺はお前を信じている」

 

どうせ負ける方にだろ。

 

「ふぅ……。やれやれ、僕に本気を出せってこと?」

 

「ああ。もう隠さなくてもいいだろう。この場にいる全員に、お前の本気を見せてやれ」

 

悪ノリとしか思えない。

 

『おい、吉井って実は凄いヤツなのか?』

 

『いや、そんな話は聞いたことないが』

 

『いつものジョークだろ?』

 

どうやら、明久のことをわかってきている奴もいるようだ。

 

「吉井君、でしたか?あなた、まさか……」

 

相手は警戒しているように声を震わせとぃる。

 

「あれ、気付いた?ご名答。今までの僕は全然本気なんて出しちゃあいない」

 

明久は袖をまくり、手首を振って雰囲気をだす。

 

「それじゃ、あなたは……!」

 

「そうさ。君の想像通りだよ。今まで隠してきたけれど、実は僕──」

 

大きく息を吸ってみんなに聞こえるように告げた。

 

「──左利きなんだ」

 

…だからなんだ。

 

『Aクラス 佐藤美穂 VSFクラス 吉井明久

物理  389点VS62点』

 

当然負けてぼろぼろになった。

 

「このバカ!テストの点数に利き腕は関係ないでしょうが!」

 

「み、美波!フィードバックで痛んでるのに、更に殴るのは勘弁して!」

 

俺は止めない。

 

「よし。勝負はここからだ」

 

「ちょっと待った雄二!アンタ僕を全然信頼してなかったでしょう!」

 

「信頼?何ソレ?食えんの?」

 

「明久との信頼なら、マヨネーズをかけると結構いけるらしいぞ」

 

俺もノってみた。これくらいいいよな。

 

「では、5人目の方どうぞ」

 

「…………(スック)」

 

静かにムッツリーニが立ちあがった。

 

「じゃ、ボクが行こうかな」

 

対して向こうは工藤愛子だ。

 

「一年の終わりに転入してきた工藤愛子です。よろしくね」

 

「教科は何にしますか?」

 

「…………保健体育」

 

ま、ムッツリーニに保健体育以外ないわな。

 

「土屋君だっけ?随分と保健体育が得意みたいだね?」

 

先生を軽く凌駕するほどな。

 

「でも、ボクだってかなり得意なんだよ?……キミとは違って、実技で、ね♪」

 

…ジョークとかなんだろうけど、どうなんだろ。

 

「そっちのキミ、吉井君だっけ?勉強苦手そうだし、保健体育で良かったらボクが教えてあげようか?もちろん実技で」

 

てか、保健体育って色々ジャンルあるよな。

 

「フッ。望むところ──」

 

「アキには永遠にそんな機会なんて来ないから、保健体育の勉強なんて要らないのよ!」

 

男なら絶対泣ける一言だ。あれ?姫路は?行かないのか?

 

「…………」

 

「島田。明久が死ぬほど哀しそうな顔をしているんだが」

 

大丈夫だ。お前に機会は必ず来る。

 

「じゃあ、そこにいるかっこいいキミ。君はどう?」

 

「ん?え、俺?」

 

「「!!」」

 

突然振られてびっくりした。ってかかっこいいって言われたのにもびっくりした。って、あれ。なんか2人ほど視線を感じる

 

「ん~、遠慮しとく。実技でお前に習わなくても目の前にいる奴に講習で習った方が勉強になる」

 

「へぇ…」

 

「…………」

 

だよな、ムッツリーニ。

 

「そろそろ召喚を開始して下さい」

 

「はーい。試獣召喚(サモン)っと」

 

「…………試獣召喚(サモン)」

 

ムッツリーニは小太刀の二刀流、そして工藤は巨大な斧を持っていた。

 

「なんだあの巨大な斧は!?」

 

おまけに腕輪付きか。

 

「実践派と、理論派、どっちが強いか見せてあげるよ」

 

そう言うと腕輪を光らせて、巨大な斧に雷光をまとわせ、ものすごいスピードでムッツリーニの召喚獣に詰め寄った。

 

「それじゃ、バイバイ。ムッツリーニくん」

 

「ムッツリーニっ!」

 

明久は叫ぶが、

 

「…………加速」

 

ムッツリーニが呟くとムッツリーニの腕輪が輝き、召喚獣の姿がブレ、

 

「……え?」

 

ムッツリーニの召喚獣は工藤の召喚獣の後ろにいた。

 

「…………加速、終了」

 

ボソリと、ムッツリーニがつぶやくと工藤の召喚獣はX型に切られて倒れた。

 

『Aクラス 工藤愛子 VSFクラス 土屋康太

保健体育 446点VS572点』

 

「Bクラス戦の時は出来がイマイチだったらしいからな」

 

さすがだな。

 

「そ、そんな……!この、ボクが……!」

 

工藤が床に膝をついた。

 

「これで3対2ですね。次の方は?」

 

「それでは僕が行きましょう」

 

そう言って出てきたのは学年次席、久保利光。

 

「やはり来たか、学年次席」

 

「どうするの雄二」

 

「く……」

 

お前ら、そんなの

 

「俺が出るに決まってるだろ」

 

そのためにテスト本気でやったんだ。

 

「真也!?いくら真也でも…」

 

「……」

 

明久は反対しているが雄二は考えている。

 

「よし、行って来い」

 

「えぇ!?雄二!?」

 

「『大丈夫』…なんだろ?」

 

「…ああ」

 

そう言って俺は前に出た。

 

「科目はどうしますか?」

 

「総合科目でお願いします」

 

間髪いれずに答えた久保。

 

「ちょっと待った!何を勝手に──」

 

「ああ、いいぜ」

 

「真也?」

 

文句を言おうとする明久を制止し、OKを出した。

 

「それでは……」

 

「「試獣召喚(サモン)」」

 

俺と久保の声が重なり、召喚された。久保の召喚獣は黒装束にどくろのアクセサリーを首に巻いていて、武器は鎌の二刀流だ。

俺の召喚獣は蒼い服を着ていて蒼のラインがある白のコート、武器は鞘付きの剣だ。

 

「それでは、さよならだ」

 

そう言って久保は召喚獣を突っ込ませてきた。

 

「真也!」

 

明久が叫ぶ。

さよなら、か。

 

「お前がな。

 

 

抜刀!!」

 

ガキィィィィィィン!!

 

俺がそう言うと大きな音がして辺りが真っ白に輝き久保の召喚獣は横に切り裂かれた。

 

 

『Aクラス 久保利光VSFクラス 神上真也

総合科目 3997点VS1758点』

 

 

『え?』

 

おぉ。みんな意味がわからないって顔してるな。

 

「し、真也!どういう事なの!?」

 

明久がいきなり詰め寄ってきた。

 

「ああ、ただ単に腕輪の能力を使っただけだ」

 

「腕輪の?」

 

今度は雄二が話に加わってきた。

 

「ああ。俺の腕輪の能力は抜刀すること。その時の消費点数が大きければ大きいほど速さと破壊力が増す」

 

「ちなみに何点消費したの?」

 

「そうだな…だいたい3000点くらいかな?」

 

明久の問いに答えた。

 

「え?ってことは…」

 

計算しているようだ。そして

 

『4700点代!!?』

 

みんなが大声で叫んだ。

 

「か、神上君。何時の間にこんな点数に…!?」

 

戸惑っているな。それもそうか。いきなり主席以上の点数を出したんじゃな。

 

「そうだなぁ。迷いを無くしたから、かな」

 

「迷いを…?」

 

「ああ」

 

そう言って俺は雄二の元に行った。

 

「さて、舞台の準備は整った。あとは、どう幕を開けて幕を閉めるかはお前の好きにしろ」

 

そう雄二に伝えた。

 

「どこに行くんだ?」

 

「屋上。少し疲れた」

 

そう言って俺は屋上に行った。

 

 

 

 

「ふぅ」

 

屋上に来て寝ころんだ。みんなには悪いがこの勝負、このままいくと…

 

「こんなところで寝ているの?」

 

「ん?」

 

声がする方を見ると木下姉がいた。

 

「どうした、木下姉?」

 

「その呼び方、なんか引っかかるわね」

 

おっと、少し機嫌を悪くしてしまったようだ。

 

「まぁいいわ。それよりなんだったの、あの点数?」

 

「さっきも言っただろ。色々あったんだよ」

 

「ふうん」

 

…なんか観察されてるようにじろじろ見られてる。

 

「すごいわね。秀吉から聞いてるけど勉強もあんなにできるなんて。完璧超人ってやつなの?」

 

…そう言えば木下姉って完璧に見せてるんだっけか。

 

「完璧な奴なんてこの世にいねぇよ」

 

「え?」

 

俺はなぜか、自然にそう言ってしまった。

 

「誰だって苦手なものもあるし、人に隠しておきたいこともあるだろ」

 

俺なんか転生者だしな。

 

「1人でいられるやつなんて、いないんだよ」

 

「……」

 

あ、あれ。なんか真面目な顔して聞いてらっしゃる。

 

ガタン!

 

音がした方を見てみると姫路と秀吉がいた。ってか秀吉復活したんだな。

 

「神上君!あの問題が、『大化の改新』が出ました!」

 

「そうか」

 

「?どういう事?」

 

木下姉はついてこれず首を傾げている。

 

「ああ、小学校レベルの問題で霧島が唯一間違える問題だよ」

 

「ええ!?」

 

驚くよな、それは。

 

「ちょ、ちょっと待って。それってまさか、この勝負…」

 

「うむ。ワシ等Fクラスの──」

 

「負けだな」

 

『え?』

 

俺がそう言うと3人とも驚いていた。

 

「ど、どうしてですか?」

 

「だって小学校の社会の問題だぜ。算数とかならともかく暗記モノだぞ。問題にもよると思うが、実際お前ら、どれくらい覚えてる?」

 

そう言うとみんな『あ…』とした顔をした。

 

「し、しかし雄二がそんなミスを…」

 

ドドドドドドドド!!

 

『雄二ィィィィ-----!!』

 

「な」

 

そう言うと姫路は「あははは…」と苦笑し秀吉は「はぁ…」とため息をついた。

 

「さ、行こうぜ。このままじゃ雄二が処刑されちまう」

 

そう言って俺達は屋上を出た。

 

 

 

優子Side

 

「……」

 

秀吉たちが、神上君が出て行ったドアの先をアタシは見ていた。

 

『完璧な奴なんてこの世にいねぇよ』

 

『誰だって苦手なものもあるし、人に隠しておきたいこともあるだろ』

 

『1人でいられるやつなんて、いないんだよ』

 

神上君が言っていた言葉がアタシの胸に響く。

 

「あんな事言う人、初めてだわ」

 

アタシはいつも完璧でいなければいけなかった。完璧でいたかった。

 

「でも…」

 

いつか本当の自分が出せる時が来るのかな。

 

(神上真也君…か)

 

「ふふふ」

 

なぜか自然に笑みがこぼれた。

 

(ちょっと興味もっちゃった)

 

「アタシも行こ」

 

もしかしたら彼になら、いつか…

 

優子Side END

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