「ふう」
風呂から出て、時間はまだ9時ちょいか。まだ寝るには早いしどうしようか。
まもり~たい♪まもら~れ~て~る~♪あえないと~きもず~う~と♪いちびょ~ずつわたし~た~ち~は~つよくなれ~るから~♪
ん?携帯が鳴ってる。相手は、秀吉?
「もしもし?」
『も、もしもし、真也か?』
「ああ。どうした?こんな時間に」
『そ、そのじゃな…』
?どうしたんだろう?秀吉にしては歯切れが悪い。言い出しにくいことなのか?
『わ、わしと付き合ってくれ!』
・・・これは言い出しにくいな。うん。
「あぁ、秀吉?そのだな、お前の気持ちは嬉しいんだが、いくらお前が女の子っぽいからって男に変わりはない訳だし。そういうのは…」
色々と問題が…ねぇ。
『え?…ああ!ち、違うぞ!そうではなくただ買い物に付き合ってほしいだけであってじゃな!(まぁ、そうなりたいとも思っているが)』
うん、そんな事だろうと思った。だって急すぎるし。そんな俺に惚れるってありえないし。最後のほうは聞こえなかったけど。
にしてもすごくベタだなこの展開。こんなので大丈夫か?
作 (大丈夫だ。問題ない)
…今のは無視しよう。
「つまり、明日行く買い物に付き合ってほしいんだな?」
『う、うむ。そうじゃ』
「何買うんだ?」
『演劇用の化粧品や小道具じゃ』
なるほどな。
「わかった。付き合うよ。あ、他の奴らは?」
『い、いや、真也一人で大丈夫じゃ!』
「?そうか?わかった。じゃあ明日の10時に商店街の噴水の所で待ち合わせな」
アニメの3話にあったあの尻から水を出す変な噴水だ。待ち合わせ場所としてどうよ?という感じはあるが、まぁわかりやすいからいいや。
『わ、わかった。ではまた明日。お、おやすみじゃ』
「ああ、おやすみ」
そう言って携帯を切った。こうして友達と買い物に行くの久しぶりだな。よし、ゲームするのはほどほどにして、今日は少し早めに寝るか。
・・・そういえば俺着信音あんな歌にしてあったっけ?
秀吉Side
誘ってしまった。こ、これはデ、デデ、デ、デート、なのか?いや、わしは男なのだ。デートになぞならんのはわかっておる。
(待て。女子のようにしたら、デートに見える。そ、そうじゃ!もしかしたらカップルでできる割引があるやもしれぬ。それを口実に、女子の恰好ができる!)
そうじゃ、これなら大丈夫じゃ!そうと決まれば明日の準備じゃ!
・・・切る前の真也のおやすみ、録音すればよかったかの?
秀吉Side END
翌日
(う~ん、少し早いかな?)
今俺は待ち合わせの場所に向かってる。ただいまの時刻は9時40分。指定時間の20分前である。まぁそれだけ楽しみなのかもしれないな。
そして待ち合わせ場所の噴水の所に・・・
(・・・あれ?)
・・・噴水の前に秀吉によく似た女の子がいた。言うなら…そう。秀吉が女子の恰好をした感じだ。服は中央は黄緑、袖の部分は白色、下も白のスカートだ。
(ひょっとして、木下優子?)
まさかな。髪型が秀吉だから違うな。秀吉の真似をしているのかもとも思ったが、する意味がない。
「あ!真也」
と考えているうちに秀吉?がこっちに来た。
「?どうしたのじゃ、一体?」
「あぁ。秀吉・・だよな」
一応確認しておく。
「ん?なにを言っておるのじゃ?あたり前であろう」
うん、紛れもなく秀吉だな。恰好以外。
「あぁ。悪い。待たせたか?」
「いや、それほどは待っとらんが…」
とここで顔が暗くなった。まぁ、だいたい見当はつくが。
「真也が来るまでナンパされてしまった」
やっぱりか。
「まぁしかたないだろ。秀吉はかわいいしな」
その格好もあるし。
「か、かわいい///」
「うん。今は完璧女に見えるぞ」
「そ、そうか//」
あれ?秀吉この言葉に反応するはずなんだが?
さて、そろそろ聞くか。
「で、なんだその格好?」
「い、いや、これはじゃな!その、今回買うものは化粧品やら小道具じゃろ!だ、だからこっちの方が得かと思ってな!(それにこっちの方がデートっぽいしのう)」
ああ。割引とかもう一品とかのサービスか。さすがだぜ。演劇のためにこれほどのことをするなんて。
だが、秀吉最近なんかブツブツ言ってるなぁ。まぁいいか。
「ど、どうじゃ?」
「?なにがだ?」
「その…に、似合うかのう?」
何?そのデートに行く時のお決まりの言葉。ってさっきの「待った?」もそうだ。
まぁ、これくらいいいか。
「ああ、似合うぜ」
「そ、そうか//よかった」
・・よかったってなんだ?
「そ、それでは少し早いが行くか」
「おう」
まぁいいか。とにかく楽しむか。
「どうだ?」
「う~む」
秀吉のお眼鏡にかなうものがないらしく、さっきからあっちこっち回っている。
「…だめじゃ。どれも使ったことのあるやつや古いのもばかりじゃ」
…それって、化粧品とか使いまくってるってことだよな。
「う~む」
「そこのお客様」
ん?店員さんか?
「む。わしか?」
「お悩みなら、こちらなどいかがでしょう?」
そう言って化粧品を渡す店員さん。正直俺には何がいい、悪いはわからないから完全に空気である。
「む。これは知らないやつじゃ」
「これなら、あの彼氏さんもメロメロですよ♪」
「そ、そうか!」
…耳打ちしてよく聞こえないがなんか話がおかしくなってる気がする。
「では、それを貰おう」
「はい。ありがとうございます」
・・・あの店員さん、すごい商売上手だ。
「またせたな、真也」
「ああ」
結局買ったのか。
「のう、真也」
「ん?」
「今度暇があったら、その、演技に付き合ってくれぬか」
今度は演技にかよ!まぁ、俺も演劇嫌いじゃないからいいけど。
「暇ができたらな」
「う、うむ!ありがとう(せっかくの化粧品、真也に見てもらいたいしの)」
さて、時間はっと。昼だな。
「買い物は終わりでいいか?」
「え。あ、ああ」
「んじゃ、飯食って帰るか」
「あっ。そう、じゃな」
…ん~。やっぱり寂しいかな。まだ昼だし。
よし。
「じゃあ、飯食って、少し遊ぼうぜ」
「!! うむ!」
よし!そうと決まれば早速行くか。
「ふう、結構遊んだな」
「そうじゃな」
あの後飯食ってから、買い物したり(今度は本やアクセサリーなどの雑貨屋)ゲーセンに行ったりして遊んだ。今はもう夕方だ。
「少し疲れたのう」
「あ、それならなんか飲み物買ってくるよ」
「ああ、すまぬ」
そうして俺は自販機の所に買いに行った。
秀吉Side
「ふう」
本当に疲れたが、心地いい疲れじゃ。真也は行ってしまったし、どうするかのう。
「お、そこの彼女。一人?」
「だったら俺たちと遊びにいかねぇ?」
…またか。朝といいどうしてこんな奴らが出てくるのか。
「すまんが連れがいてな。他をあたってくれ」
「んなこと言わずにさぁ。ほら、君みたいな娘を一人にする奴なんかほっとけって!」
「そうそう。俺なら君みたいな娘相手なら一時も離れないぜぇ」
「あ、お前一人先にくどくなって!」
しつこいのう。
「じゃから、わしは遠慮すると…」
「ほらほら、行こうよ!」
「今日は返さないよ。なんてな!」
断ろうとしたが、途中腕を掴まれ強引に引っ張られた。
「やめっ、離せ!」
「お、強気なとこもいいねぇ」
「どんな君でも素敵だよ。ギャハハハハ!」
っ。真也…
「おい。あんたら俺の連になにやってんだ」
秀吉Side END
まったく。ちょっと目を離すとこんなことになってるからな。
「あぁん。なんだお前」
「もしかして、彼女との仲良しぶりに嫉妬したの?」
「そう思うなら脳外科に行くことを勧めるぞ」
嫌がってんのが見えないのなら眼科に行った方がいいがな。
「んだとてめぇ!」
案の定殴りかかってきたな。向こうから手を出してきたならこっちも好都合だ。
「真也!」
秀吉が叫ぶが
ガシッ!
「んな!」
俺は殴りかかってきた拳を掴み
ギリッ!
思いっきり握ってやった。
「ギャア!」
ナンパ男が悲鳴を上げて後ろに行こうとしたので手を離してやった。
「さて、どうする。まだ続けるか?」
そう脅すとナンパ男A、Bは逃げて行った。
「大丈夫か秀吉…っと」
無事を確認しようとしたら秀吉が胸に飛び込んできた。
「…あり、がとう」
「…おう」
無理やりだったしな。不安がるのは当然か。
そうしてしばらく秀吉は俺の胸で震えていた。
「大丈夫か?」
「うむ。すまんだな」
「気にすんな」
と言って頭をなでる。
「そういえば、わしらが初めて会った時も助けてもらったの」
「ああ。そうだったな」
今みたいに俺が割り込んで殴られかけて殴り返し脅したんだっけ。んで逃げてったんだよな。
「ありがとう。真也」
「っ。ああ//」
「?どうしたのじゃ?」
「いや//なんでもない」
言えない。夕日に照らされた笑顔が、すごく綺麗だったなんて。
「ああ、そうだ。これやるよ」
そう言って俺はさっき買ったアクセサリーを渡した。
「これは?」
「お守り。プレゼントだ」
「いいのか!?」
「ああ。遠慮なく受け取ってくれ」
そう言って秀吉はまた笑顔で
「ありがとう」
と言った。
その時の笑顔はアクセサリーの光もあり、より綺麗だった。
翌日
「おはよう。秀吉」
「おはようじゃ。真也」
「なんだもうアクセサリー付けてるのか」
「お守り、なんじゃろ?」
「そうだったな」
そんな会話をして登校した。
ガラッ
「おはよう」
『異端者には死ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
…覆面かぶったおかしな奴らがいた。
「・・・なにやってんだお前ら」
「なんじゃこれは」
一歩遅く秀吉も入ってきた。
「なんの騒ぎだ」
「しらばっくれるなぁ!!!貴様が異端審問会の血の盟約に背いたのは知っているんだぞ!!」
「知らんがな、んな盟約」
別に俺、異端審問会に入ってるわけじゃないし。
「これを見ろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
さっきから叫んでばっかだなこいつ。須川か?
「別に大声じゃなくても聞こえ・・・ってこれは!?」
俺と秀吉が楽しく買い物したり慰めて抱きついている写真があった。
「なぜそれを!?」
「とある協力者からもらったものだ!!これで言い訳できまい!!」
言い訳も何も聞く耳もたんだろお前ら!というかあいついつの間に撮った!!
「真也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うわぁ!お前、明久か!」
なんでこういうときだけ早く来るんだよお前!
「信じてたのに!!信じてたのにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!裏切り者ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「知るか!!」
『裏切り者に死を!!異端者には死を!!』
駄目だこいつら!
ここはやはり王道的に
「逃げる!!」
『待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
くっそぉ!!
「ムッツリィニィーーーーーーーーー!!」
俺は恨みを込めて叫んだ。
一方
「木下君。OHANASIしましょ」
「ひ、姫路。何を言って…」
「ひ・で・よ・し」
「あ、あああ、姉上?」
「向こうで少しOHANASIしましょ」
「木下さん。私も混ぜてください」
「あ、あんまりじゃーーーーーーー!!」
この日の朝、2人の男子生徒の絶叫が学園中に響き渡った。