一九〇八年、英國。
 今や蒸気王を讃えられる数学者チャールズ・バベッジが作りし階差機関によって、蒸気機関は恐ろしいまでの急激な発展を遂げ、かの偉大なりし女王陛下の御膝元たるロンドンは、今や世界の中心と云っても差支えないほどになっていた。 
 黄金の夜明け。
 煌々と輝けむ二十世紀と、人々に謳われし時代である。
 しかし光あるところには影がある。
 環境汚染、貧富の格差、殺人、窃盗、強盗。
 そして、怪異。
 ホワイトチャペルに住むアーシェリカ・ロゼッティは、不幸なことにはあの晩に出会ってしまった。
 ロンドンに隠れ潜む怪異の正体、人であって人でない者。
 人狼と呼ばれる獣に――



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