インフィニット・ストラトス・ユニコーン。

バナージの思想in一夏。

妄想であり、自慰であり、願望である。

1 / 1
きちんと書いてみたいけど、技が足らん。


【一発ネタ】ISUC【予告調】

彼女は独りぼっちだ。

 

 

 

彼女は欲張りであった。

知らないことが好きだった、知ることが気持ちよかった。

次から次へと進みたかった、指先の舞踏は自慢になった。

 

子供なら、好きなことが最優先だ。

面倒を無視し、障害を蹴散らし、後塵には目を向けず、興味を視界の中心に収めて直走(ひたはし)る。

 

始まりから異端ではない。

異常は発露していくモノだから。

 

限界が無いように生きていた。

数多の知識を吸収し、幾多の知恵を疾走させ、彼方から閃きを手繰り寄せ、技術を際限無く向上させ、人知の外へ飛んでいた。

 

彼女にとって、常識という社会の枠は(かせ)にもならない。

 

そんな()()()()()では止まらない。

彼女の視線は常に、遥かな高みへ向けられている。

 

見る世界が違う、そんな生き物が共に生活出来る訳が無い。

だからだろう、彼女を理解出来る者に対して、彼女はいつも全力だった。

 

彼女には妹がいた。

良好な関係とは言い難いが関係無い、彼女が愛しているという、十分な理由があった。

それだけで守る対象だった。

 

彼女の目的を理解し、彼女と歩む力を持つ友がいた。

友は彼女が産み出したモノを纏い、闘争に於いて世界最強の座を勝ち取った。

それはつまり、彼女の能力が世界に認められ、世界に欲されたということだ。

彼女と彼女の産み出したモノに有用性を見出だし、変化と革命が起こった。

 

彼女の望みを(ことごと)く無視して。

 

彼女の視線は常に上を向いていた。

青く広く清らかな空の更なる向こう、限りない遥かな先、()()()()()()()()()()がソコにあった。

 

目指す先は高く、しかし我が子は狭い地べたに押し付けられた。

 

彼女は我慢ならなかった、だから彼女は今在るセカイから飛んだのだ。

 

 

 

ーーー見方を変えれば、彼女は異物として弾かれたのかもしれない。

 

 

 

彼女は独りぼっちだった。

しかし、常ではない。

 

彼女の友には弟がいた。

真っ直ぐで、鈍感で、優しくて、頑固で、姉思いで、家事が得意で、間違いを見過ごせず、向こう見ずな男の子。

 

彼女はそんな男の子が大好きで、男の子も彼女を大切に思っていた。

彼女の妹や友と同様、興味と守護の対象だった。

 

 

 

だから、だろうか。

彼女が産み出したモノは、彼を愛した。

 

 

 

説明しよう。

それはIS、そう呼ばれている。

 

正式名称『Infinite Stratos(インフィニット・ストラトス)

それは「白騎士事件」という彼女と彼女の友が引き起こした騒動により、既存の兵器を凌駕する性能を見せつけて日の目を見る。

コアを核としアーマーを形成、圧倒的出力と汎用性、安全性を兼ね備え、単独飛行可能なパワード・スーツである。

 

その性能から軍事転用され、抑止力の大半をISへと転換するほどの代物である。

 

しかし、不可解な欠陥も存在する。

ISはコアが操縦者を認識して初めて機能するが、その認識対象が女性限定であることだ。

 

年齢や民族関係無く、全ての男性は認識されず、女性のみがその力を振るうことが許可される。

女性が力を持った急激な変革、即ち、女尊男卑の社会誕生である。

 

 

 

彼女の望みが、何一つ報われぬままに。

 

 

 

話を戻そう、彼がISに愛された、その答えを。

 

彼は彼女を大切に思っていた。

当然である、姉の友であり、彼女の悩みを知り、彼女に愛された恩もある。

何よりも、彼女の目標に共感していた。

 

 

 

彼女はいつだって空を見上げていた。

 

 

 

明ける白を見ていた、深い蒼を睨んでいた、沈む緋を眺めていた、眠る黒に馳せていた。

千変万化、同じ景色は無く変化に富んだ在り方に憧れていた。

そして、星々が煌めく彼方を目指していたのだ。

 

だから彼女は飛ぶ、我が子と共に、地にしがみ付く者たちを置いて。

 

 

 

独りぼっちで。

だから、彼は。

 

 

 

「いっくん、一緒に行こう?私たちの目指したあの宇宙(ソラ)へ。未知と可能性が溢れているセカイへ。私たちは飛べるよ。何もかもを追い越していくんだ」

 

「人と人との繋がりを棄てたらダメだ。相手を同じ存在として、心を持つ者同士理解し合えるんだ。独りぼっちは寂しい、貴方はそれを感じ続けたはずでしょう?」

 

「もういいんだよ、いっくん。私はいっくんとこの子たちで十分だよ。私たち以外は昇れない、飛べないなら、私だけでいいんだよ」

 

「束さん、それは違うよ。束さんと俺や千冬姉たちが分かり合えるように、もっとたくさんの人たちと繋がれるんだ。自分から独りになる必要なんてないんだ」

 

「だって無駄だもの。束さんはスゴ過ぎるから皆追い付けない、理解出来ない。だから私に寄生するようにすり寄る奴らなんて要らないよ。私には、いっくんさえいればいいの。ねぇ、お願いだよいっくん、()()()()()?」

 

「ッ!?貴方は!どうしてもっと早く言わなかったんだ!どうしてそれを伝えなかったんだ!心を開いて正直になればきっと、そんな涙を流すことなんて無かったんだ!」

 

「そうなのかな?でも、もう遅いよ。もう無理だよ。だって束さん、()()()()()()()()。だから!」

 

「それでも!それを悲しいと思うなら諦めちゃダメなんだ。手を伸ばすことを止めたら、()()()()()()()()()()()()!」

 

彼は決めた。

この、友だちのつくり方さえ知らない女の子の手を取ると。

繋がりを広げて、彼女の内にある神を呼び覚ますために。

 

「俺に力を貸せ!」

 

彼は、獣を駆って今、飛ぶ。

 

「貴方だけは、()とす!」

 

 

 

この広過ぎる、無限の成層圏に、独りぼっちでいさせないために。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。