突然だが、俺は神様転生をした!
そう、よく二次創作にあるみたいに神様から異世界を救って下さいと頼まれるような流れだ。
俺は死んだ後に神様から宝くじならぬ転生くじを引かされ、見事に異世界転生を当てて転生することが決まった。もちろん、特典付きでだ。
そのときの俺はそれはもう大はしゃぎしたもんだ。なんせ、前世では自宅に押し入って来た強盗に殺された俺が、今度はチート付きの異世界転生を果たせると来たんだ。はしゃぐなという方が無理というものだろう。
そこで前世の分も遊び尽くそうと考えた俺は、特典に技術チートを選んだ。
なに? そんなものより戦闘系チートや召喚チートの方がマシだって? ……甘い! 甘っちょろすぎる!
いいか? いつだって未知なる異世界で生き延びれる奴は頭が賢い奴らだ。力や武器が有っても社会的に生き残ることは不可能だ!
俺はこのチート能力を屈指して、ファンタジー世界に自分だけの科学王国を創り出す! アイディアを商品化し、特許で何兆円という巨万の資産を築くのだ! 世界は高度な発展を成し遂げ人々は喜び、俺も美女を連れワイン片手に高笑い!!
素晴らしい! 素晴らしいぞ俺!!
話を聞いてくれていた神様も百点満点のニッコリ顔だ!
さあ、準備は整った! 待っててくれ異世界よ! 今行くからな!
フハハハハハハハハッ!!
……帰っていいかな、この世界。
さて皆さん。ちょと長引いてしまったが俺の話を聞いてくれ。
俺の名前は
只今父にベビーカーに乗せられ散歩しているのですが、辺りを見渡せば近未来な建物が建っており、魔法の魔の字も見当たりません。
……あれ? ここファンタジーの世界じゃないの? 魔法は? ファンタジーは? 一体何が起こって──
「着いたぞ、ここが俺の職場だ!」
ベビーカーを引いてくれていた父がそう叫ぶ。俺も釣られて上を向くと、目に入って来たのは炎のマークが施されたログマークが。ログマークの隣にはSF.鉄血工造と書かれていた。
……って、ここドルフロの世界かよ!!
チキショ────────!!!!
この後、俺が余りのショクに泣き出してしまい父にあやされること数十分、なんとか泣き止んだ俺は父と共に自動ドアを潜った。
さて、この移動中に今の状況をざっくりと整理していこう。
まず、何故俺の名前が日本語なのかというと、単純にいうと母が日本人だったからだ。戦争中、父が偶然敵国である日本から母を見つけ、そこから恋に落ちたとかなんとか。いやすげーなうちの家族。ただ、母は俺を産んで数ヶ月も経たずに亡くなった、敵兵に射殺されてしまったんだ。
それまでは仕事が忙しかったからとあまり会う機会がなかった父も、母が亡くなった事が原因で、一気に親馬鹿丸出しの父となった。いやまあ、数ヶ月間家族を置いて一人仕事に熱中してた父も父なんだけどね……。
さて、そんな父は今日赤ちゃんの俺を連れて仕事場に連れて行ってくれるとのこと。先日世界大戦が停戦したらしくそのお祝いパーティーなのだとか。
てか、父は随分前から俺は大企業の幹部として働いている! ってほざいていたけどまさかの鉄血かよ……。
確か、鉄血は胡蝶事件により人類に反乱をかっし、鉄血で働いていた全従業員が殺害された筈だ。年代は2061年に蝶事件発生、そんで今は戦争停戦から推測すると2051年第三次世界大戦停戦……って、タイムリミットは残り十年ってことか! 待って、じゃあ俺は今から十歳になるまでに何とかしないと鉄血は反乱、父もその子どもでもある俺も無事死亡って事でオーケー?
はっはっは、無理ゲー乙。よし、最悪、俺だけでも逃げよう。
ただまあ、幸運な事はここが技術チートを発揮出来そうな世界だったことか。近未来の世界を舞台にしたこの世界は技術力も上がっており、そのせいで一見技術チートを生かせないように見えるかもしれない。しかし、裏を返せば技術チートを生かすためのレベルと材料が揃っている事にもなる。
よし、ならば当分の目標は十歳までに胡蝶事件を食い止めること、それでも無理だったら素直に逃げる。逃亡先は未定。よし、これだ、これで行こう!
あ、考え事してたら眠くなって来たな。うーん、残念だが赤ちゃんは眠気には勝てぬのだ。てことで、おやすみなさー……グー。
◇
「ご機嫌よう、ロマン・イリニフ様。本日は朝早くご参加いただきありがとうございます。……ところで、そちらの子は?」
「おお、代理人じゃないか! お出迎えご苦労。こいつは前から紹介していた俺の息子、造田博だ! どうだ、寝顔が可愛いだろう? それでだ、少しお前に頼みたいことがある」
「はあ、なんでしょう」
「こいつを、俺の息子を当分の間気にかけてやってくれないか? こう見えて俺は忙しい身なんだ。お前は新造されたばかりで大した仕事はないだろ? 他の奴らは全員忙しくて断られてな。だから、暇なときに面倒を見てやるだけでいい。頼めないか? もちろん、既にこのことは根回しもしている」
「わかりました、それなら構いませんよ。どのみち、今は接客か調整ぐらいしかありませんし。ただ、人形の私に頼んでもいいんですか?」
「かまわん構わん。どうせここ
「そうゆうことでしたら」
──これは、パンドラの箱でもある技術チートを自重する事なく活用し続けるとんでもない神様転生者物語の始まりである。