チート付き転生者は生き延びたい   作:ラッへ

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今回の話は想像以上に長引いてしまったため、数話に分けて投稿させていただきます。




タノシイタノシイお出掛け Ⅰ

 新型人形を建造してからというもの、俺たちは新型人形の調節や新型兵器の開発に大忙しだった。

 一部性格がやべぇ人形を再教育したり、乗り物や兵器などの教練、人形達との交流、データ集めなどをしていた。そうそう、彼女らの新型人形という名称なんだが、新たにドール・トルーパーと命名。

 商品名を付けて売る気はさらさらないが新型人形というややこしい名称よりは断然いい。

 

 そして兵器についてだが、ついにフェイズIIクローン・トルーパー・アーマーなどの装甲服やブラスター兵器が完成。これで装備の面なら鉄血、いや正規軍にだってひけをとらない。

 しばらくの間歩兵分野はこの辺で十分だろう。

 

 後は脱出艦として建造している艦をなんとか飛ばせるぐらいに完成させれば、父は鉄血を辞める事ができる筈。

 ただ、うちの基地って本社に近いし、艦もうちの設備じゃああと一年ぐらいは掛かりそうだしな……。

 

 

「失礼します! 将軍」

 

 

 しばらく自室でもの思いにふけているとノック音と共に扉が開き、アレクシスが入ってきた。

 アレクシスは新しく出来上がったARCトルーパー・アーマーを着こなしており、ヘルメットは外していた。カーマには携帯用武器のDC-17ハンド・ブラスターをしっかりと装着している。

 服装はトルーパー、顔はドルフロの敵役リッパーなだけあってインパクトが強烈だ。

 ……はて、今日は特に用事はなかった筈だが。

 

「アレクシスが直接来るなんて珍しいね。

 まさか、今の武器だけじゃあ飽き足らず新しいのをねだりにきたんじゃあ……」

 

「私はそんな戦闘狂じゃないですからね!?」

 

 心外な言葉に不機嫌に頬を膨らませるアレクシス。

 

「それよりも! 将軍は最近外出してないようですが、お体に悪いですし一度出掛けた方がよろしいかと」

 

「あー、そういえば最近行ってなかったね。

 ただ、出掛けるにしても行く当てはないし……」

 

「それなら、近くの市街地に買い物に出掛けてみるのはどうでしょう?」

 

「おお、そういえば近くに街があったな。懐かしいなぁ、あそこはよく代理人と行っt……」

 

「……」

 

「……アレクシスも良かったら一緒に行ってm……」

「はい!喜んでお供します!!」

 

 他人の話をした途端にアレクシスの目が虚無的になりかけたため急遽話を逸らすと、掌返しの如く目を輝かせ誘いに飛びついてきた。

 え、なにこの子怖いんだけど。

 

「よ、よし、じゃあこれで決定だね。ただアレクシスの顔は……流石に鉄血の最新型でもあるリッパーと同じ顔なのは拙いかも」

 

「それならヘルメットを被って顔を隠せば良いのでは?」

 

 こんな感じにとヘルメットを被って見せるアレクシス。

 うーん、完全にスターウォーズのトルーパーだ。

 

「確かにトルーパーのお買い物は一度見てみたい気もするけど。折角のお出掛だし、ヘルメットなしで色んなものを見て回ろうよ」

 

「将軍がそういうなら構いませんが、問題は解決していませよ?」

 

「大丈夫、俺に良い考えがある。

 

 

 

 だから、ちょっと面貸して?」

 

 

 

 

 

 

「え……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「眼球と髪、変えるなら何色が良い?」

 

「ヒィッ!?」

 

 意識的に口角を釣り上げ今世一番の笑顔を作ってみたのだが、何故か怖がられてしまった。解せぬ。

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 翌朝。

 近くの市街地にはガンダムシリーズに登場する電気自動車エレカを一台使って行くことになった。

 当初は二人だけでは危ないからと親バカな父が止めてくるとも思ったが、意外とすんなり許可が下りる。

 なんか企んでそうだったのは除いてだが。

 

 そして、肝心のアレクシスはというと──

 

「まるで生まれ変わったみたいです!! 

 将軍、ありがとうございます!」

 

「そ、それは良かった」

 

 エレカの補助席から横をチラッと見てみると、黄金色の髪が風でふわふわとたなびいており、碧眼の目は嬉しくてたまらない様にキラキラ輝やかせているアレクシスが、ハンドルを操縦していた。

 

 そう、なんて事はない。リッパー特有の紫色ヘアカラーと紫目をちょっと弄って色を変えてみただけだ。たったそれだけかと思うかもしれないが、これだけでも大分印象は変わる。

 これにアレクシスの豊かな表現が合わされば、真顔にでもならない限り気づかれないだろう。

 

 お出掛けが終わった後にでも色を戻す予定だったが、当の本人は大変気に入ってくれた様なのでこのまま彼女のアイデンティティーとして残す事になったとさ。

 なお、他のトルーパーに自慢し布教しようとするも他はやりたくないと断られた模様。

 

「アレクシスは隊員のキャプテンなのに皆んなからハブられちゃたね」

 

「なぁ!? 急になにを言い出すんでか将軍!」

 

「皆んなにも広めようとして、笑顔で突っぱねられてたのは見ててくるものがあったよ」

 

「わー! わー! わー! 聞こえなーい! 私はなにも聞こえてませーん!!」

 

 そんな下らない会話をしている二人を乗せたエレカはガタボコと酷道を抜け、市街地の近くにある古びた駐車場に止まる。

 ここの市街地は比較的戦争に見舞われなかった様で街のあちこちで人々の賑わいを感じられる。余談だが、裏路地には難民や持ち主の居ない人形などが集まり闇市を開いていたりする。

 

 それはともあれ、市街地に着いて先ずは服装からだ。俺の分はいいが、アレクシスは製造されたばかりで日常生活用の服が足りていない。今だってARCトルーパー・アーマーで代用している程だし、側から見たら子供を連れた不審者にしか見えない。

 

 

「将軍、こんなのはどうでしょうか!」

 

「うん、いい加減露出の多い服を選ぶのはやめようか?」

 

「えぇ〜、私は似合うと思うんですけど……ほら、これを隊員の皆さんで着たら似合うと思いませんか?」

 

「ただの痴女集団になるからやめなさい」

 

 服屋に入ってからというもの、アレクシスが露出の多い服しか持ってこない件について。やめてくれよぉ……、店員さんがすっげーヤバイ物を見る目で見てくるから早くまともな服を選んでくれよぉ!(絶望)

 おかしいな、常識的な事とかはちゃんとインプットされてる筈なのになんでこんな天然になったのかな。起動したばかりの頃はもっと真面目だったはずだけど……まあ、考えても仕方ないか。

 

 結局、俺が紺色の軍服ワンピースを選び、購入すると共にアーマーから着替えた。勿論、護身用のDC-17ハンド・ブラスター二丁を忘れずに携帯させる。

 そして遂に昼時になり、俺たちは料理店に入店する。

 

「将軍は何にしますか? 私はこの照り焼きハンバーグにします」

 

「じゃあ俺はデミグラスハンバーグで。しっかし、どれを見ても合成食品ばかりで生鮮食品が恋しくなってくるな」

 

「仕方ありませよ、こんな時代ですから」

 

 アレクシスの返答に俺は思わず苦笑いを溢す。返す言葉がみつからない──

 

 

 




C◯c◯s「包み焼きハンバァ〜グ♪」(by青狸)


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