チート付き転生者は生き延びたい   作:ラッへ

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評価レバーが……色付きになってる……だと!?

評価してくれた方々本当にありがとうございます!





タノシイタノシイお出掛けⅡ

 あー……トイレ行きてぇ。

 

 俺は料理を待っているひとときに、そんなことを考えていた。

 せっかくのお出掛けに来た俺だが、実は朝にトイレに行くのを忘れて来てしまい、現在料理店にてリラックスしてる時に突然、尿意に襲われたのだ。しかもこの街を見て回って気付いたことだが、何処にもトイレがない。店にもない。結果として、俺の膀胱が狂喜乱舞に陥っている。

 これはいけない。

 この街の人々にははしっかりトイレを設置しなかった罪を認識し、新しくトイレを設置するべきだ。

 欲を掻けばT○T○製の腰掛大便器を、そしてウォシュレットが付いてたらもう何もいうことはない。なんなら金を払ってでも使う。いや使わせてください。ただし、トイレに駆け込んで○塗れの便器なんかだったら戦車で踏(ry

 

 

「将軍、時々武装した集団を見かけますが、あれが正規軍ですか?」

 

 ふと、窓の外を見ていたアレクシスがそんな質問を投げかけてくる。

 なんだ、トイレ業者か? 

 

「あー、違う違う。あれは民間軍事会社にも属さないただの寄せ集め傭兵集団達。人手が足りないPMCに雇われて都市の警備でもしてるんだろ」

 

 残念、野生の傭兵だった。

 窓の外から見える武装した一個小隊の傭兵グループは、勤務中にも関わらず酒を飲みながら道路の真ん中を堂々と歩いていた。下品な笑い声を上げ、道行く人達には怒鳴り、美人な人形にはナンパをしている。

 

 傭兵達の装備も統一性がなく、多様な武器や私服、迷彩服を装備している。見ただけでは何処ぞのテロリストよりも印象は最悪だし、統一感もない。てかなんであんなに酒飲んでるのにトイレに行きたがらないの? 羨ましいなおい。

 

「なるほど、要するに関わらないことが一番ですね」

 

「まあ、そうなるな」

 

 そう言うアレクシスは未だ気に落ちない様な顔を浮かべていたが、こんな世界ではごく当たり前のことだ。時期になれるだろ。

 

 

「へい、二名様分のお水を持ってきたよ!」

 

 と、金髪ツインテールの店員さんが二杯分のコップをテーブルに置きさっさと厨房に戻っていった。

 ふむ、トイレに行きたいこの状態で水を飲むのは些か気が進まないが、とりあえず気分を紛れさせる為にも……!?!?!? 

 

 死ね。

 まじで死ね。

 これコーヒーじゃねぇか!! 

 よりにもよって尿意を我慢している人にカフェインとカリウムが大量に入ってるコーヒーを渡してくるとか、もう人がやっていいことを遥かに超えている! 

 いや待て、一旦落ち着け。

 ここは冷静になって考えるべきだ。あの店員さんは注文ミスでコーヒーを持ってきてしまったんだろう。どうやったら真っ黒な液体を透明な液体と間違えるかは知らんが、ここは冷静に対応を──

 

「大変長らくお待たせしました〜! こちら特級品のスイカだよ!!」

 

 ス イ カ!? 

 そんなもん注文表にもなかっただろうが!! 

 

 

「……アレクシス」

 

子どもにコーヒーは体によくありません将軍はまだ六歳児なんですよそれなのにコーヒーを渡してくるなんていい度胸してるじゃないですかあの金髪ツインテールの人形許さ……あっはい! 如何致しましょう?」

 

「やれ」

 

「イエッサー」

 

 

 

 ◇

 

 

 

 腹を満たした俺たちは引き続き買い物をしていった。といっても、アレクシスは遠慮をし俺もトイレを探しに街を見て回るだけっだったが。

 それでも色んなものを見て回ることができたし、尿意も歩いていたら大分収まってきた。

 そう思ったときだった。

 

 ──おわぁあ!? 

 

 突然、前方の道から悲鳴が上がる。

 

 道行く人たちが何事かと集まり人だかりが形成される中、人だかりの中心には例の傭兵達がいた。

 なんだろう、簡易トイレの設置……ではなさそうだが。

 

「この野郎!」

 

「なに? 今忙しいんだけど」

 

 聞こえてくる喧嘩に俺たちは顔を見合わせ、取り敢えず現場に行ってみる事にする。

 人混みをかき分け目を向けると、そこには顔を真っ赤にした傭兵達がある一人の人物を囲っていた。

 

「歩きながらコーヒーなんか飲むんじゃね! ぶつかって服に溢れちまっただろうがぁ!?」

 

「……前を見てなかった貴方達の不注意じゃん。

 あいにく、今急いでいるから」

 

「なんだと!?」

 

 声からすると、囲まれている人物は女性の様だ。

 背が足りない俺はアレクシスに頼んで肩車してもらい、囲まれている女性を確認してみる。

 

 傭兵に囲まれている女性は頭によく分からん猫耳を付けており、白衣を羽織っている。手にはコーヒが入ったカップに、何らかの書類を抱えていた。

 へー、あんな変な格好をした人がいるなんて……ドルフロ、猫耳、白衣、コーヒー。

 んー、なんか見覚えしかない組み合わせだぞ? 

 

「てめぇ、ぶつかってコーヒー溢したんならまず謝るのが先だろ?」

 

「うるさいなぁ。その緑色と茶色の変な服に茶色を足してあげたんだから逆に感謝してほしいね」

 

 わお、あの女性コーヒーを溢したくせに相手を挑発し始めたぞ。流石は見た目が変人な人、銃を持った傭兵に囲まれてもびくともしないなんて。

 ただこれ以上はやめて欲しいな、傭兵達の顔が徐々に般若になっちゃてるから。

 

「こいつ、黙ってりゃ好き勝手言いやがって……」

 

「黙ってないよね?」

 

「ぶっころっすぞ!?」

 

 仲良いなおまえら。

 ただこれ以上ここで喧嘩してもらってもこの先に進めないし……ん? 

 なんか道の先に見覚えのある長方形の箱が……

 

 仮設トイレだ!! 

 

 まさかこんな近未来な世界にも仮設トイレが残っていたとは、日本企業様々だ! きっと参勤交代の人たちもこんなトイレが欲しかったに違いない。

 

 それはともあれ、あの揉めてる傭兵たちをどうにかしないと通れそうにないな……。

 仕方ない、なんとか退いてもらうようお願いするか。

 

「えっあ、将軍!?」

 

 俺が肩車から下ろしてもらい歩き出すと、アレクシスも慌てて付いてくる。

 なーに、心配ない。話し合えばきっと分かってもらえる。 

 

 

「あ? なんだ小僧、こいつの知り合いか?」

 

 気づけば、その場の視線が一斉に俺たちに集中していた。子どもが先頭に進み出して来たことに、注目が集まってしまったらしい。

 やめろ、恥ずかしいじゃないか。(震え声)

 と、とにかく! 今は何とかこの場を収めて、トイレに駆け込もう。その為にも、何とか通してもらねば。

 

「すみませんちょっと横通りますね」

 

「おうちょと待てや」

 

 揉め事の真っ最中にある現場に断りを入れて通り過ぎようとすると、モヒカン頭の大男が、俺たちを呼び止めてきやがった。

 

「お前、ガキのくせによく口が回るじゃねえか。その見上げた根性、すげ〜ムカつくんだよなぁ」

 

 見上げた根性って意味知ってる? 一回国語辞典で調べてきた方がいいよ? 

 てかいっその事その頭からやり直せ。なんで傭兵の癖にモヒカンにしてんだよ、世紀末かよ。

 

「こちらに非があったら謝罪します。お詫びとして貴方に必要な物もプレゼントします」

 

「なんだぁ、てめぇ。俺に必要な物だと?」

 

「はい、国語辞典とバリカンになります」

 

 出来るだけ相手を刺激しないように、慎重に言葉を選んでいく。

 が、それが余計に相手を刺激してしまった様だ。

 

 モヒカン頭の男と仲間達はみるみるうちに顔を真っ赤に染め上げ、各自の得物を構え始めたのだ。

 ……ふむ、とりあえず冷静に見せる為に手を顎に当てて考えるポーズでもとってみるか。

 

「女一人のためにケンカ売ってくるなんてなぁ、いい度胸だぜお二人さん」

 

 お、この流れはもしかしなくても見逃してくれるんじゃあ……! 

 

「だがなぁ」

 

 モヒカン男はホルスターから一丁のコルトM1911を取り出し、グリップを握る。

 

「ケンカ相手を見間違えるんじゃあ、とんだ馬鹿野郎だな! お前たち!」

 

「「うおおおおおおぉ!」」

 

 モヒカン男の言葉に傭兵達は一斉に雄叫びを上げ、各自の得物のセーフティを外しだす。

 あーもうどうしようもねぇな。

 

「将軍、射撃許可を」

 

 うん、君も一旦落ち着こ? 

 ここで俺が水戸黄門よろしく「懲らしめてやりなさい」なんて言ったが最後、「もういいでしょう」って言った後には死骸しか残らない気がするからやめなさい。

 いや、逆にこれはチャンスなのでは? 

 アレクシスが傭兵たちを引き付けている間に、俺はトイレに駆け込んで用を足す。

 よし、これだ。これで行こう。

 

 とりま、アレクシスには傭兵たちの無力化を頼む。

 

「イエス・サー!」

 

「おいおい! なんだ何だぁ! あのガキ怖気付いたかぁ!?」

 

 アレクシスがたった一人で立ち向かうのを尻目に、俺は一目散に目的地(トイレ)へ駆け出す。

 あーそうだ、何とでも言うがいい! 俺は自分恋しさに部下を囮にして逃げ出す卑怯者だ。

 しかし、俺には……やらなくてはいけない使命(用を足す)が有るんだ!! 

 

 

 

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