FGO主要キャラ全員生存縛りRTA(1部)   作:でち公

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生存報告ぅ!



オケアノス編
嵐の前夜


 

 金リンゴを見つけてキレ散らかしてから始まる人理修復RTAはーじまーるよー。

 

 前回サーヴァントや職員、立香ちゃん達と仲を深めつつ、礼装作成などやることが多すぎる下準備をしている最中にようやく金リンゴがなる木を発見することが出来ました。

 

 あった場所はカルデアのとある区画の一室でした。

 カルデアを隅々まで探索したのに見落としでタイムロスじゃん、再走して? と言われそうですが、あった場所があった場所でした。

 

 金リンゴがあった場所はランダム部屋でした。

 うーん、お排泄物ですわね。

 

 ランダム部屋とはカルデア全域にポップするかつ、生成タイミングが完全ランダムです。

 一度発見出来れば後はずっと固定されるのですが、見つけるまで基本運です。

 

 ランダム部屋生成になることは確率としては低い方の筈なんですが、屑運引きましたね……。

 なぜ本走で運ゲーに尽く敗北しているのか、コレガワカラナイ。

 

 獣は引き当てるし、根源接続者は普通にいるし……何だこのRTA!? 

 

 オルタコンビがただの癒し枠になってるのこれもうただのギャグでは? ボブは訝しんだ。

 普通だったら扱いにくい枠に入るはずなんだけどなぁ……。

 他がヤバすぎるせいで相対的に危険度が下がってるの正直草です。

 

 >あなたはふと自分の体が重いことに気がついた。

 >動けない、というわけでもないが、いつもに比べて体が動かしにくい。

 

 おっと、ホモくんの起床イベが発生してますね。

 さては誰か布団に潜り込んできましたかね? 

 泣きました、私は走者でホモです。

 

 うーん、まあ、確率で考えるなら立香ちゃんですかね。

 ここの所ストレス値が乱高下してるので安定させる為にもそこそこの頻度で添い寝を行っています。

 でも、結構な頻度でやってるから現状で取れるイベスチルは大体回収してると思うんですけどね。

 

 まだあるにはありますけど、条件達成してないし……。

 まま、このまま考え続けても仕方ないのでそれじゃあ答え合わせといきましょう。

 

 キアラだけはやめてくださいっ! (5敗)

 

 >眠りから目が覚めたあなたはゆっくりと瞼を開けると視界を埋め尽くすほどの赤が存在した。

 

「ああ、なんだ。もう起きたのか」

 

 >あなたの胸の上に体を押し付けるように横たわっていたのはドラコーであった。

 

 何故うちのサーヴァントはホモくんとゼロ距離で見つめ合うのが好きなのか。

 過去の試走の時とかもそうですけど、何故サーヴァントの皆はこのアホみたいな距離感してるんですかね。

 

 特に竜系のサーヴァントの距離感はバグの域でヤバいです。

 

 メリュ子にいぶきんはまあ、酷い。

 メリュ子は言うに及ばず、いぶきんに関しては蛇の執着の強さも含まれてるせいで召喚してからずっと引っ付いてくる辺り相当でしたね。

 当時のホモくんが好みどんぴしゃじゃったか……。

 次点でわえちゃんですかね。

 

 わえちゃんは……よく分からん! 

 あれもう厄介ファンの域だろって突っ込みたくなるくらいには混沌としてますね。

 試練と称して厄介事をぶつけてくる事自体はいいんですよ。

 わえちゃんの試練ってクリアしたら成長ボーナスかかって強くなりやすいですし。

 

 ただあの子もあの子で時たま過保護な時があったけど、あったんだけど──敵にもマスターであるホモくんにもキレ散らかしてたからなぁ。

 いや結局わえちゃんが全部ぶっ殺して解決しましたけど。

 

「救いがない! 報われない! わえそういうの嫌いじゃ!」

 

 とか何とか言って、本当に珍しくホモくんを保護しようと動いていましたからね。

 でも定期的に達するわえちゃんは正直怖いよ。

 

 エーちゃんは竜種にしては距離感普通だったけど、後々バグり始めましたからね。

 まあ、クソ強いし扱い間違えなければほぼ勝ち確まで持っていける位強かったので使い倒して絆もすっごい上がりました。

 

 まあ、ホモくん──レズちゃんでゲの字相手に何処まで抗えるか、マシュとロマニの代わりになれるのかというテストも兼ねた特殊ビルドの試運転だったのでどれだけエーちゃんとの絆を上げてもリセするんですけどね。

 

 ちなみにレズちゃんの試運転は大成功でした。

 試した所、マシュの代わりにゲの字の宝具を防ぐことは出来ましたし、ロマニの代わりにゲの字の特性の一時破壊も可能だと知れたのはデカかったです。

 概念干渉系はやっぱつえーよ。

 でもトロフィー獲得は出来なかったので結局もう一度練り直す必要がありました。

 

 やっぱりスノードロップは鬼門ですね。

 獲得難易度がおかしいだろ。

 

 閑話休題。

 

 それでドラコーはどうしたんですかね? 

 

 >あなたは未だに胸の上に横たわっているドラコーに何か用か尋ねた。

 

「……チッ、余がこうしているのだからもう少し動揺すればいいものを。……まあいい、何、次の特異点には余を連れて行けという話に来ただけだ」

 

 あーなるほどなるほど、要はサーヴァント関連のランダムイベですね。

 これ、時折サーヴァント側から特異点に連れて行って欲しいという依頼が出るんですけど、それを受けると絆レベルの上昇に補正が掛かります。

 受けなくても問題ないことも多いですが、一部キャラなど絆レベルがダウンするので基本的には受けた方がうま味です。

 

 それでドラコーを連れていくかなんですけど……次の特異点がオケアノスだった場合は連れていきましょうか。

 絆レベルも上がりますし、何よりオケアノスだった場合は海フィールドですから。

 

 ドラコーとは相性がいい上にオケアノスでの主戦場となるのは海戦ですので。

 そらもうドラコーに津波を起こしてもらって船ごと沈めるのが手っ取り早いでしょう。

 

 厄災は海より来たるってねぇ? 

 

 その言葉の通りドラコーには大暴れしてもらいましょうか。

 ……というか、次の特異点は経験値的にあんまり美味しくないのでさっさと終わらせるに限るんですよね。

 旨みが大きい敵と言えばヘラクレスと魔神柱くらいですし。

 

 よってオケアノスの特異点だった場合はガチの布陣で轢殺します。

 具体的には獣候補全員引き連れて必要最低限のコミュだけこなして質と数の暴力で轢殺します。

 

 すまんな、イアソン。

 

 >あなたはドラコーの願いに次の特異点次第ではあるが、可能な限り連れていくように心掛けると返事をした。

 >そんなあなたにドラコーは満足したように鼻を鳴らしてあなたの体の上からゆっくりと名残惜しむように身体を引いた。

 

「ではな、約束を破るなよ」

 

 >ドラコーはその言葉を最後にあなたの部屋から出ていった。

 

 さてそれではホモくんも移動しましょう。

 昨日の時点で新しい特異点観測のフラグ自体は建てていたのでちゃちゃっと突撃しますわよ〜! 

 

 >あなたは身支度を済ませて部屋の外へ出た。

 >……となりの部屋から扉が開く音が聞こえた。

 

「……あ、望幸」

 

 >どうやら偶然にも立香と同じタイミングで部屋を出たようだ。

 

 お、立香ちゃん──ストレス値たっか!? 

 えっ、えっ!? なんで? 何でこんなに高いんですか? 

 

 昨日特異点観測フラグ立てたついでに立香ちゃんのストレス値も限界まで下げきって最高のコンディションにしたはずなのにたった一晩で全部台無しになってますけど?? 

 

 >よくよく立香の顔を見てみれば泣き腫らしたように目が腫れ、赤くなっていた。

 

 うーん、悪夢イベント……なのかなぁ? 

 でも発生しにくいように色々と対策してたんですけどね。

 もしかしてまた屑運引いてます? 

 

 と、とりあえず管制室にいくまでに立香ちゃんのケアをしてストレス値を落とせるところまで落としましょう。

 ついで原因解明の為にそれとなく探りを入れます。

 

 >あなたは立香の方へ向かうとどうかしたのかと尋ねた。

 

「あ、えっと……ううん、何でもない。なんでもないよ」

 

 >泣き腫らした目で気丈に振る舞う立香の姿はあまりにも痛々しい。

 >少し小突いてしまえば、きっと彼女を奮い立たせている心が一気に崩れてしまうだろう。

 >あなたはなんでもないと笑う立香の姿にそんなことを感じた。

 

 うひゃー、本当に限界ギリギリですよってご丁寧に教えてくれてますね。

 無理矢理聞き出す……のは色々とリスクが高いですし、変に拗れて地雷踏んだら目も当てられません。

 となると、まあ仕方ないのでこうします。

 

 >あなたは立香の顔に優しく手を添えるとそのまま彼女の額に自分の額を合わせた。

 

「あの、望幸……?」

 

 >立香、とあなたは彼女の名を呼ぶ。

 >言いたくないのなら詳しく聞かない。

 >けれど、どうしても耐えきれないと思ったのならどうか誰かを頼ってほしい。

 >俺じゃなくてもマシュでもドクターでもダヴィンチにでも……君のサーヴァントにでも。

 

「……うん」

 

 こういう地雷が面倒な時は他人に丸投げします。

 やはりこの手に限る(この手しか知りません)。

 でも出来る限りガス抜きはしますわよ! 

 変に高いまま他の人達にガス抜きさせて失敗して大爆発は目も当てられないので。

 

 具体的には魔術で精神抑制をして、気が触れないようにいらんものを削っていきます。

 本当に魔術って便利っすね(外道)。

 

 立香ちゃんの魔術耐性ざぁこざぁこ♡

 

 本当に雑魚過ぎて心配になってきますね……。

 ゲの字のタゲはホモくんに集中させるつもりですけど、邪視なんかのチャチな魔術じゃなくてガチの呪いかけてきたらあっさりお陀仏しそうなので多少は魔術耐性をつけさせましょうかね? 

 

 ま、そこら辺は追々として取り敢えずお手手繋ぎながらロマニのところに向かいましょう。

 

 >あなたは落ち着いた立香に今からロマニの所に行くから一緒に行くかと尋ねた。

 >あなたは頷いた立香の手を握るとロマニがいるであろう管制室へと一緒に向かった。

 

 フラグも結構立ちましたし、そろそろ次の特異点の情報が来てもいいはずです。

 順当に行けばオケアノスですが……イベント特異点が来てもおかしくはないです。

 

 トンチキイベだけはやめてくれよなー。

 

 >そして管制室へと到着し、中に入ると案の定と言うべきか、そこにはロマニとダヴィンチ、それに加えてマシュが何やら忙しそうに機材を弄っていた。

 >入ってきたあなた達にいち早く気がついたマシュ、それからロマニが疲れたような様子で声を掛けてきた。

 

「先輩! 望幸さん! おはようございます! 今日はよく眠れましたか?」

 

「やあ、二人とも。相変わらず仲が良さそうで何よりだ」

 

 うーん、カルデアの労働環境ってば本当にブラック。

 いや、ブラック超えて漆黒ですわね……。

 ちらっと見ただけでもわかりますけど、ロマニってばオーバーワークで過労死一歩手前まで行ってますね。

 

「おや、おやおやおや! 望幸くんに立香ちゃんじゃないか! ちょうど良かった、此方に来てくれないかい?」

 

 >ロマニの横から出てきたダヴィンチはあなた達の手を掴むととあるモニターの前へと誘導した。

 

「セプテムで戦った魔神柱……七十二柱の魔神を名乗る者について覚えているかい? その魔神柱について解析をしていたところなんだけれど……これ、見えるかい?」

 

 >映し出されたモニターに出力されていたのは現在ダヴィンチ達カルデアチームが解析を行ったであろうデータ群だった。

 

「七十二柱の魔神、そしてレフ・ライノールが言っていた王の寵愛……これらの事から私達は一つの推測を立てた。即ち、人理焼却を行ったのは一体誰なのかってね」

 

「七十二柱の魔神、魔神であるレフ・ライノールが敬愛しているであろう王を自称する存在。それだけ分かれば答えは自ずと絞れてくるんだけど……立香ちゃんは誰か分かるかい?」

 

 >ロマニからの質問に立香はしばし押し黙り、そして顎に手をやって考えをまとめていく。

 

「え、と確か……七十二柱の魔神ってあの有名な悪魔達のこと、だよね? 別名は──ソロモン七十二柱。その魔神達が王と呼称し、敬愛するってことは……」

 

 >思考を回していた立香が答えに辿り着く。

 

「……ソロモン王?」

 

 せいかーい! 

 立香ちゃんも賢くなったね、これも日々の勉強の成果かな? 

 

「そうだ、あの古代イスラエルの王にして魔術世界最大にして最高の召喚術士ソロモン。それが絡んでいると睨んだんだ。睨んだんだけど……ロマニ、君は違う意見なんだろう?」

 

「うん、正直なところを言うとね。そもそも七十二柱の魔神なんて空想上のものだ。実際に魔神なんて存在しない。最新の見解ではアレらは七十二の用途に分かれた使い魔に過ぎない」

 

「そうだね、役割がきっちりと分かれていることから天使の起源ではとも言われている。けれど、名乗った以上は無関係ではないんじゃないか? 例えば──そう、レフか或いはレフの後ろにいる親玉が例の王様を召喚したとかさ」

 

「……その可能性はなくもないけれど、それでも七十二柱の魔神とは信じ難いな」

 

「どうして? 実際に立香ちゃんや望幸くん達は戦って、そのデータが此方にも残っているだろう?」

 

「だからだよ。送られてきたデータは確かに“悪魔”と言われるにふさわしい数値だった。伝説通りすぎるくらいにね。そもそも悪魔の概念は彼の王よりもずっと後の時代に誕生したものだ」

 

「え、えーと?」

 

 あぁ、立香ちゃんがついにお話についていけなくなってきてる。

 とは言え、これは仕方ないですね。

 立香ちゃんはケイローン達に色々と教わり始めたとはいえ、まだまだ若輩者。

 つまりは有名所でも知らないことの方が圧倒的に多い。

 概念系列の話は色々とめんどくさいからな! 

 

 >あなたは要は悪魔の概念が誕生していないはずの時代のソロモン王が使役する使い魔があのような禍々しく現代人でも理解できるような魔神然とした姿をしていることがおかしいという事を立香にも分かるように噛み砕いて説明する。

 

「うん、望幸くんの言う通りだ。加えて仮に彼の王が英霊となったのなら彼の宝具はもっとシンプルで尚且つスマートなものになるはずだ」

 

 本人が言うと説得力がありますねぇ! 

 

「というわけで今の所私達は人理焼却の親玉はソロモン王を騙る何者かではないかと推測しているんだ」

 

「とは言え、まだ憶測の域は出ないからね。魔神についても今は詳しい事は言えないかな。もう少し情報が解析出来たらまた伝えるよ」

 

 この魔神についてのあれこれについてのフラグなんですけど、次の特異点がオケアノスの場合上手くやれば殆どカット出来るんですよねぇ。

 まあ、そのカット方法がイアソンを生贄に魔神柱を召喚! からの魔神柱素材を回収するといういつもの外道コンボなんですけど。

 

 ほな魔神柱を召喚する前に宝具装填するね……(開幕即死を狙う走者の鑑)。

 魔神柱素材はあっちでもそうですけど、本当に美味いからな! 

 もっと落とせバルバトス。殺したかったけど死んで欲しいわけじゃなかった。

 人類悪を素材にしか見てない奴が人類悪じゃないってマジ? 

 

「さて、唐突だけど立香ちゃんと望幸くんは船酔いとかは大丈夫かな?」

 

 あ、これは……。

 

 >あなたと立香は揃って頷いた。

 

「それはよかった。それなら安心だ。いざとなったら中枢神経にも効く酔い止めを用意しとこうと思ってたからね」

 

「フォウ! キャーウ! フォ!」

 

「おや、フォウくんも行く気なのかい。何だかとってもやる気に満ち溢れてて頼もしいね。……君がいると皆の精神状態も安定するし、無茶をしようとする望幸くんをいざとなったら蹴り飛ばしてでも止めてくれるかな」

 

「フォウ!」

 

 >任せろ! とでも言っているかのように胸を張るフォウにあなたはジッと視線を向ける。

 

 フゥン、何だかロマニに先に釘を刺されてますけどたかが獣の幼体如きの蹴りに屈するほどホモくんはヤワな作りはしてないんだよなぁ。

 まあ、今回はちょっと釘を刺されすぎて釘バットみたいになってるので余程じゃなければ後ろに控えておくつもりですし、そもそもオケアノスだからなぁ。

 

 いいとこアルゴノーツ全員集合+αでしょう。

 

 巨神とかいう序盤で戦う敵じゃないやつに比べたらマシだなマシ! 

 後、主戦場が海戦なのでドラコー連れてけばあっさり攻略出来そうですよね。

 主に津波ブッパで。

 

 それに加えて今回は獣連中全員で出撃するので質と数の暴力でささっとクリアします。

 通常オケアノスはうま味が少なすぎる上に無駄に時間を取るんや……。

 

「マシュも首根っこ掴んでもいいから飛び出しそうになったら抑えてね!」

 

「え、えーと、私に出来ることでしたら……?」

 

 >ロマニの言葉にマシュは困惑しながらも了承する。

 >その際横にいた立香とあなたは互いにちらりと目を合わせて苦笑した。

 

「飛び出したら駄目だからね?」

 

 うーん、この子供扱い。

 人間初心者のロマニにこうも扱われるのは心外では……? 

 

「さて、それじゃあ次の特異点は1573年、場所は……見渡す限りの大海原だ」

 

「海、ですか?」

 

「うん、特異点を中心に地形が変化しているようでね。具体的に“ここ”と決まっている場所という訳ではなさそうだ。その海域にあるのはぽつぽつと点在している島だけ。その原因を至急、解明して欲しい」

 

 >あなた達はロマニの言葉に了解! と声を上げて了承する。

 >ふと、何か気にかかることがあったのかマシュがおずおずとした様子でロマニに質問する。

 

「あの、一つ気になったのですが、転送される時に海の上、ということはありませんよね? 私は水泳のトレーニングは受けていませんし、先輩も泳ぎが得意ではなかったですよね?」

 

「大丈夫! そこに関してはちゃんと考慮してあるよ。流石に転送した時に壁の中にいるってことはないし、万が一海の上に転送されたとしても──」

 

「じゃじゃーん! デカラビア風デザインの浮き輪だよ。なかなかにかっこいいだろう?」

 

 >必要以上に刺々しいヒトデのような浮き輪を持ってきたダヴィンチにマシュは顔を顰める。

 

「……ドクター? 先輩と望幸さんの安全が懸かってるんですよ?」

 

「ハ、ハハ……ごめん流石にジョークだよ、ジョーク。特異点出発前だから和ませようと思ってね。レイシフトの際は勿論万難を排して当たらせてもらうよ」

 

 >マシュにしては珍しく低い声で問い詰められたロマニは降参するかのように両手を上げて苦笑する。

 

 この後のオチが見える見える。

 どうせ海の上にいないけど上空か僻地に飛ばされるってオチですよ。

 オケアノスのトラブル率は馬鹿高いですからね。

 90%を信用してはいけない(戒め)。

 

 ほな、ホモくんは乗り物になるんで。

 モルカーならぬホモカーですよ、最悪だな。

 

「それじゃあ各自準備が出来次第僕に話しかけてくれ。特にサーヴァント達との話し合いなんかもあるだろうからね! その間僕達はレイシフトの際の調整をしておくよ」

 

 >そう言ってロマニとダヴィンチは所定の位置に戻って何やら機械を弄り始めた。

 

 まあ、ホモくんが最初に連れていくのはドラコーと決まっている以上特にあれこれする必要はないですかね。

 準備に関してもフラグ進行と共に終わらせてるので特にすることはなし。

 今回は金リンゴがあるからな! 

 やりたい放題──は駄目なので大人しく魔力タンクしておきましょう。

 

 立香ちゃんに関してはそれとなくケイローンを連れていくように誘導します。

 アルゴノーツにぶっ刺さりますし、そうじゃなくてもオケアノスは色々と知識が必要な場面が多いですから。

 船の強化とかあるし。

 

 というわけでキリがいいので今回はここまでとなります。

 ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──海が荒れる、高波が全てを押し流し、吹き荒ぶ暴風が何もかもを薙ぎ払う。

 

「ああ、クソッ! 此奴は駄目だねぇ! まともにやり合ってらんないよ! 野郎共ズラかるよ! 風に乗って離脱するんだ!」

 

 海上に響き渡る砲撃音──しかしそれが意味を成すことは無かった。

 まるで幽霊船に攻撃をしているかのような手応えのなさ。

 どれだけ大砲をぶち込んだところでまるで堪えやしない。

 

 だと言うのに──

 

「──っ!」

 

 ──響き渡る砲撃音。

 

 お返しだと言わんばかりに放たれた砲撃は此方に着実にダメージを蓄積していく。

 これ以上は本当にマズイ、一方的に嬲られてばかりで海の底に沈められるのも時間の問題だ。

 

「ちんたらやってないでさっさと帆を張りな!」

 

「マジで言ってるんですかい!? この嵐の中帆なんて張ったら船ごと吹き飛びますよ!」

 

「そりゃあいいね! このまま馬鹿面晒して海の底に沈むよりかは空に飛べば沈むこともないだろうさ! 海賊だって空を飛んでみたいと思うことはあるさね」

 

「毎度の事ながら姉御は滅茶苦茶言いますね!? もう浮き始めてますよこのペリカン!」

 

 帆を張った瞬間、沈み始めていた船がその船体を上へと上昇させる。

 高波も相まって本当に船が空中に浮かんでいるようだった。

 

「今アタシの船のことなんて呼びやがった!?」

 

「ハインド、ゴールデンハインド号っす! オラ、新入り共海の藻屑になりたくなきゃしっかり船にしがみついときな! 何、こういう時ほど姉御の豪運は頼りになるからな。姉御を信じてりゃ生きて帰れる! だからこんな所で死ぬんじゃねえぞ!」

 

「ハッ、そうさ。人生は常にギャンブルってね。なら、アタシはアタシの運を信じるのみさ! 全員船に掴まっときなぁ! 一気に離脱するぞ!」

 

 風を過剰すぎるほどに受けたゴールデンハインド号はまるでロケットのようにこの海域から一気に離脱する。

 暴風によってミシミシと軋み、マストに亀裂が生まれるがそれでも一か八かに賭けて突き進む。

 

 どうせ、このまま手をこまねいていたら砲撃で沈められるんだ。

 ならば足掻いて僅かな可能性に賭けるものだ。

 生きてりゃ儲けもの、上手くいけば船も無事で万々歳。

 

 分の悪い賭けほど燃え上がるのは海賊の性だろう? 

 

「……ああ、けれど──この借りは必ず返すよ」

 

 ゴールデンハインド号の船長である女性はほんの一瞬、後ろを振り返り忌々しげに睨み付ける。

 この嵐の中、平然と佇む謎の海賊船を。

 

 その視線を受けてか、或いはこの嵐の中に帆を張るという自殺行為じみた気狂いの所業を見てか海賊船の船長らしき大男は不敵に笑う。

 

「……この大渦の中を逃げ延びたか。英霊でもないというのに信じられん。だか──クヒッ、クハハハハ! それでこそフランシス・ドレイク、伝説は真実だった!」

 

 大男は降り頻る大雨の中、濡れそぼった髪の毛を掻き上げ──そして一切の感情を感じ取れないほどの無表情へと戻る。

 

「──なんてこんな時じゃなきゃあ、もっと純粋に喜べたんだろうけどなァ……」

 

 ジクジクと己の心を苛む痛み。

 あまりにも不愉快なソレに苛立ちが募る。

 英霊としてこの場に召喚された時より生じた謎の痛み。

 ぽっかりと心のどこかに大きな穴を空けられたかのような寒々しさ。

 

 それとは反対に業火のように燃え盛る憤怒。

 

 ──ああ、知っている

 

 これが何なのかは知らない。

 

 ──この痛みが何なのか、よく知っている

 

 どこの誰だか知らないが随分と舐めた真似をしてくれたものだ。

 

 ──この痛みは、宝を奪われた痛みだ

 

「コケにしやがって、絶対に赦しはしねぇ。海の果てまで追い詰めてやる」

 

 何が奪われたのかは分からない。だが、これは間違いなく俺にとって大事な大事な宝だったってことだけは分かる。

 

「海賊から宝を奪ったことを後悔させてやる。なあ、そうだろ?」

 

 憎悪と怒りを隠さずに後ろを振り返れば自身と同じように、或いはそれ以上に身を焦がしている二人の海賊がいた。

 

 ──嵐が吹き荒れる。

 

 





一体何髭なんだ……。
案の定オケアノスもハードモードです。
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