あなたと奏でる物語   作:Clear2世

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アニメも折り返し地点についたというのに、この小説ときたら……一章すら終わってないんですよね(´・ω・`)

書きたいことをひたすら書きなぐっていたらまた1万文字超えてしまったので、キリがめちゃくちゃ悪いですが、前回と同じくスクリーンディバイド投稿です。


気が付いたらお気に入り100件いってました!特になんかやるわけでもないけどYEAHHHHHHHHHH!!
登録していただいてる皆さま、高評価していただいた皆様には感謝しております!!


9話 其の一

「やっぱアイリちゃんが一番だよな!あの大きなおっぱいに引き締まったエッロィボデーにむっちりとした桃尻!幼さを残したあどけない表情がまたソソるんだよなぁ〜〜たまりませんなぁ、オイ!」

 

「はぁ?何言ってんだよゴリラ。あんな脂肪の塊をぶら下げた雌豚のどこがいいんだい。そんなんだから体毛もチ○毛が毛深いんだよゴリラ」

 

「毛深くねーし!!この間刈り取ったばっかだからぜんぜんだし!それよか、アイリちゃんに向かって雌豚呼ばわりだとぉ!?だったらテメーの推しを言ってみろやこのロリコンメガネ!」

 

「ロリコンとは心外な。僕はただちょっとミニマムで、胸も平坦で、舌立ったずで保護欲が湧いてくるような女の子に興味があるだけさ。ちえちゃんとか特にいいよな、うん」

 

「それをロリコンだっつってんだよ!陰険ロリメガネ!」

 

「やれやれ……君たちは食事の時くらい静かにできないのかい?それに女性にそういった目線で語るのはあまり好ましくないね。ここは私たちだけでなく、同じ学び舎の同胞が利用する場なのだと理解したほうがいい」

 

「ぐっ……心なしか女子たちの俺たちを見てくる目が冷たいような」

 

「またしても心外だ。そこの毛むゴジャラはともかく、僕まで同じ様に見られるとは」

 

「毛むゴジャラって何!?何その気持ち悪い呼び名!」

 

「大方、けむくじゃらとゴリラを足したんじゃないかな。君みたいな体格が良くて、毛も神経も腕も太い密林の王者の君にはぴったりだろう」

 

「直接触れてないだけで完全にゴリラって言ってるよね?どう考えてもゴリラだよねそれ。後さり気なく図太い奴扱いしなかった?ちくしょう!ちくしょう!!俺の周りには誰も味方がいないのか……!?いや、まだだ。総悟!お前からも何か言ってくれ」

 

「………………………………………ん?聞いてなかったわ。すまんな、毛むゴジャラ」

 

「いや、聞いてるじゃねぇか!!」

 

 

同好会の人数が5人になってからさらに数日後の昼休み。

俺は薫を含めた4人の同学年の男子と一緒に、食堂の陽当たりの良い端っこの席で昼食を食べていた。

ちなみに俺が食べているのは片手で飲めるゼリー飲料水である。他の3人はちゃんと食堂のメニューから頼んでいて、配膳も置いてあるのに俺の目の前には何も置いてないと言うね。

 

歩夢はどうしたのかって?宮下を中心とした女子グループと食べている。

そりゃ四六時中歩夢といるわけでもないし、弁当だって毎日作ってもらうとか負担をかけるわけであって。

 

それに今日は調べたい事もあったから、一人ボッチ飯にしようとお手軽10秒チャージをコンビニで買っていたんだが……教室から出る前にこのゴリラに捕まり、今に至る。

 

 

「俺の心の拠り所はアイリちゃんしかいねぇんだ……あぁ〜アイリちゃん。どんなことがあっても俺だけは君の味方だからなっ」

 

 

一応紹介しておくと、スマホを両手で握りしめて唇を液晶に向けている控えめに言っても気持ち悪い行動を取ってるゴリラにしか見えないゴリラはゴリラだ。

それ以外の何者でもない。

 

 

「いやちゃんと紹介しろよ!お前ゴリラしか言ってないじゃん!!俺人間だからね!?列記とした日本人だからね!」

 

 

このように人の言葉を話す大変珍しいゴリラで、虹ヶ咲学園に入学できるくらいの知能指数はあるみたいです。

好きな物はバナナで、趣味は人の女の子の尻を追っかけることとアイドルを追っかけることだそうです。

 

 

「いいじゃんバナナ!美味いじゃん!」

 

 

だからって毎日持参してくることはないと思います。

今だって学食に来てるってのに、バナナ持ち込んでるし。

それにしても、このゴリラ人の心を読める力があるなんて中々に芸達者なゴリ君だなゴリ。

何処かのサーカス団に売れば良い値で買ってくれるのではなかろうか。このゴリラは見た目通りに知能は低いが身体能力は相応にある。アメーバ並みに思考回路はよろしくないが、野生本能よろしく感が良い。

 

 

「口に出してるから!さっきから思いっきり口に出しちゃってるからね!?あれ?なんかこの口に出すって響きなんかエロくね?口に出すゾイ!くちゅくちゅだゾイ!みたいな!?」

 

 

周りの女子たちがゴリラを見る目が完全に不審者を見る目つきになった。……あ、一人の女子が先生呼びに行った。

 

 

「さて、僕は先に失礼させてもらうとするよ。次の授業の準備があるからね」

 

 

巻き込まれるのはゴメンだと言わないばかりに、トレーを持って席を立つのは田中山。情報科の生徒で、こいつとは1年の終わりの頃にゴリラ繋がりで知り合った。趣味は情報収集らしく、依頼すればどんな情報でも集めてくる男。

ギャルゲーで言うヒロインの情報を教えてくれるポジションの友人枠ってとこだろうか。

トレードマークの瓶底メガネをかけ奇麗な比率で分けられた七三分けの髪型は道行く人を振り返らす事だろう。

実際俺は二度見した。どこで買ったそのメガネ。

 

 

「待った。逃げる前に一つだけ聞きたいことがある。薫にもな」

 

「逃げるとは人聞きの悪い。なんだい?」

 

「私もかい?君の知りたいことならスリーサイズや好みのタイプ、なんだって答えるさ」

 

 

野郎のスリーサイズなんて知ってどうすんだ。周りの女子たちが目を光らせちゃったじゃねーかおい。

先に情報料として500円硬化を田中山に向けて弾く。

田中山はトレーを片手にもう片方の手で難なく受け止める。

情報料としては申し分なかったのか、ニヤリと口角を上げメガネを光らせる。

 

 

「平日の学園生活の中で優木せつ菜を見かけたことはあるか?」

 

「ほう……」

 

 

その言葉に田中山は興味深そうに声を上げる。

優木せつ菜。同好会が発足された初期メンバーのうちの一人で、スクールアイドルとしてはそれなりに知名度がある実力派スクールアイドル。

彼女のプロフィールには虹ヶ咲学園所属となっているのだが……

 

 

「放課後、スクールアイドル同好会の活動で何度か見かけたことはあるけど、ここで言う君の知りたい解は」

 

「HR、授業中、小休憩、昼休み。スクールアイドル活動を除いた学園生活の中でだ」

 

「ない。彼女のファンとされる生徒にも聞いたことはあるが誰一人も姿を見かけた事はないと言っている」

 

「……やっぱりか」

 

 

田中山の返答は俺の予想通りであった。

学園内でその姿を見かけた人はほとんどいないという。

それどころか、学園七不思議になりつつもあるくらいである。

 

同好会の人数が集まり始めてきたので、この間から優木せつ菜 の事について調べていたのだが……生徒名簿に記載はされてなく、ネットに上げられていた顔写真。念の為の確認で今回情報通の田中山に話を聞いたが……うん。なんで今まで誰も気付かなかったんだろうな。

いや、気付いてない振りをしてるのかそれともそこまでには誰も興味がなかったのだろうか。

彼女の言動からの推測ではあるが、おおよその目的は検討がついている。だが、今はまだこの話題に触れない方が良さそうだ。

最低でも部員を9人揃え、優木せつ菜を除いた初期同好会メンバーを復帰させてからだな……詰まるところ、やる事は今までと変わらずだ。

 

 

「私もないね。乙女には1つや2つトップシークレットがあるというものさ。あぁ……可憐な花園の奥底にはいったい何が隠されているんだろうね?」

 

 

……俺の真横で薫が椅子に片足を乗っけ顔に手を当て仰々しくポージングを取り始めるが、いつもの事なのでスルー(周りの薫ファンの女子たちがスマホで写真を撮り始めたのが、これもいつものことなので気にしない)

 

 

「知りたい事はこれだけかい?前払いでこんなに貰ったし、もっと聞いてもいいよ。……彼女のスリーサイズなら、ここに」

 

「いらんわ」

 

 

周りに聞こえないように声のボリュームを落として、俺の目の前にくしゃくしゃに丸められた紙が置かれた。が、そんなもん今は必要ないので田中山に目掛けて投げ返え

 

 

 

 

 

 

 

「なになに!?スリーサイズ!?ずるいぞぅ!俺にも教えてくれよ!この新鮮なバナナの皮を上げるからよぉ!もぎたてピッチピチのバナナの皮だぞおおおおおぅうううう!?」

 

 

ボールをゴリラの額にめがけてシュゥゥゥーッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気絶したゴリラを先程女子生徒が呼んできた生活指導の先生に差し出し、食堂を後にした俺は現在中庭に足を運んでいた。

俺以外の生徒はいない。それというのも現在時刻は次の授業の3分前。大多数の真面目な生徒は次の授業の準備をしているからである。

俺?俺だってたまには魔が指す時だってありますよ。

 

大きな青空のもと、陽が燦々と降り注ぐ日光。煩わしい程の暑さではなく、ちょうどいい感じの暖かさと言うべきか。

絶好のサボり日和……じゃねーや。昼寝日和。

 

 

「あ、歩夢からメッセ来てる」

 

 

次の授業もう始まっちゃうよ!具合でも悪いの?等と歩夢からの通知が5分前から10件以上届いていた。

次の授業は移動教室で基本出席を取らない先生だったな。あの手の先生は自分の授業を恙無く進行できれば良しとするタイプだ。テストで良い点取れればサボろうが寝ていようが黙認してくれる。

ま、それを見越した上で俺がここにいる訳なんだけど。

 

次の授業は大切な用があるから抜け出すわ。何も言ってこないとは思うけど、先生がなんか言ってきたら中橋君は生徒会の件で欠席しましたと伝えといてくれ……っと。

何も言ってこなかったら黙っていていいからな……はい、送信。

速攻で既読が付いた。真面目な歩夢の事だ。今頃どうすべきかうんうん唸って悩んでいそうだ。

 

 

「ふはぁー、今日もいい天気〜」

 

 

スマホの電源を切って、外部とのやり取りを完全にシャットダウンし、木陰になっているベストポジションの芝生に腰を下ろし、大の字になって寝っ転がる。

良くも悪くも最近は色んな事があったからなぁ。

たまにはこうして頭の中を空っぽにして、時間を気にせずのほほんとするのも悪くないだろう。

 

 

「あの雲しずくがつけてるリボンに似てる」

 

 

ボーッと雲を眺めていると心地の良いまどろみに、瞼が閉じかけあくびが何度も出てしまう。

やっばいな。この陽気といい、たまに吹く肌を優しく撫でるようなそよ風のコンボは悪魔じみている。

同好会の手助けをするようになってから、色々と調べる事が多くなってきたからなー……半球睡眠をしているとはいえ、睡眠時間を削っていたのがここに来て顕著に現れてきたか。

ふわぁ……寝よ。この睡魔には抗う気はまったく起きませんわ……

 

 

 

 

睡魔という悪魔の誘いに何の抵抗を示す事も無く、俺の意識は夢の中へと沈んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日の授業はこれでおしまーい。早く帰って勉強しないとなぁ……およよ?きもちよさそーに寝ている男の子はっけーん。うりうりー、幸せそうな顔で寝おってからにー。…………なんだか彼方ちゃんも眠くなってきたかも〜……おやすみなさーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………っ!?P○S5が応募者全員サービスで無料配布だと!?これは是非にでも応募せねば!!

はっ!?…………なんだ、夢か。あまりにも現実味がない夢だったから、夢の中でもきっとこれは夢なんだろうなと思っていたけど、案の定夢だった。

夢から覚めなきゃ幸せなままでいれるのになっと。

 

どうやら大分寝てしまったようだった。既に夕焼けにより空が薄っすらと赤く染まってきていた。

起き上がろうとして体に力を入れて――――

 

 

起き上がれなかった。あれ?なんで?寝起きだからとはいえ、いくらなんでもそこまで力がでないはずが……もう一度試してみる。

……が、ダメ。

なにこれ。これが俗にいう金縛りってやつ?思考は出来るけど、体が動かない、声は出せない。

試しにあ~って言ってみても

 

 

「あ~」

 

 

出たわ。てか体も一部位だけなら動かせるし。

手をグーパーグーパーと開いては閉じたり、腕に至っては問題なく動かせる。金縛りなんてなかったんや!

……いやでも、なんで起き上がれなかったんだ?

つーかなんかめっちゃ良い匂いがするし。寝る前には感じられなかった柑橘系のコロンのような……それに加えて、腰回りに感じる柔らかく暖かな感触。

なにかにガッチリとホールドされているような、絶対に逃さないという意思が伝わってくるかのような感覚。

首は動かせるみたいだったので、首を上げて視線を下に向けてみると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Zzzzz」

 

 

俺の腰回りをガッチリ掴んで寝息を立てている三年生の女生徒がいた。

 

 

「ふぅー……」←ゆっくりと深呼吸して空を見上げる

 

「チラッ」←腰に丸まるように抱きついている女子生徒を見る

 

「……」←第三者からどう見られているのだろうと辺りを見渡す

 

 

 

「先輩!起きてください先輩!!」

 

 

俺は慌てて先輩を揺さぶる。

さっき見かけた女子生徒二人組に「抱き合って寝てるー!」「仲睦まじいカップルだねー」なんて言われていた!

急いでスマホの電源を入れて時間を確認すると、現時刻は17時を回っていた(同好会のグループメッセージや個別メッセージがとんでもなく来ていたが、取り敢えずスルー)

先輩がいつからいたかは知らんけど、どれほどの生徒がこの光景を目撃したかは想像するに難くない……!

 

 

「むにゃむにゃ……もう食べられないよ〜」

 

「そんな古典的な台詞はいいですから!」

 

 

起こそうと試してみるが全然起きる気配がない……!

何時何処でどんな状況下であろうと寝れる人だとは聞いていたが……あー!身じろぎしないでくださいこれ以上強く抱きしめようとしないでください!!

先輩めちゃくちゃスタイルいいんですから!

くそぅ、これ先輩から抱きついているから今まで通りかかった生徒に何も言われてないのかもしれないが、逆の状況だったら間違いなく通報されているよね?

つーか、先生の目にも耳に入っているはずだろうに誰も起こしたりしてくれないのはどういうことだ!

えぇい!これ以上有りもしない噂を広げるわけにはいくか!(もう手遅れ感あるが)

えー……コホン。この手を使ってもダメならば、枕を勢いよく抜き取って顔面に叩くしかないんですよいいんですか先輩!!

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんなんて……だいっっっきらい!!(ロリボイス)」

 

 

「はっ!お、おきるーおきるからー!お姉ちゃんの事嫌わないで遥ちゃーん!」

 

 

こうかはばつぐんだ!

普段ののんびりとした様子からは想像できないくらいに俊敏な勢いで起き上がる。

 

 

「……あり?遥ちゃん?」

 

「残念ながらここに貴方の愛しの妹さんはおりません」

 

「あー起きたんだねー。おはよ〜気持ちよく寝れた?」

 

「はい、おかげさまで――――じゃなくて、なんで貴方がここにいるんですか?」

 

「むむー、そんな貴方、なんて他人行儀な呼び方はきらいだな〜」

 

「先輩」

 

「……ふわぁ……彼方ちゃん、なんかまた眠くなってきたかも〜」

 

「近江センパーイ」

 

「……すやぁ」

 

「…………おねえちゃん(ボソッ)」

 

「おおおおおおっ!?す、すごいよっ。彼方ちゃんシャキーンと完全に目が覚めちゃった!遥ちゃんから呼ばれるのとはまたなんか違って……よし、それじゃあ今日から彼方ちゃんが君のお姉さんになってしんぜよ〜」

 

「では先輩僕はこれにて……」

 

「あーん、つれないぞ〜」

 

 

先輩のウィークポイントでもありgood point(流暢な発音)である姉属性を突いてみたのだが、これがかなり突き刺さったようで寝ぼけ眼から一転

 

 

( ✧Д✧)

 

 

カッとこんな感じに開眼し、先輩の拘束が解かれたことで俺はこの場から離脱しようと立ち上がったのだが、今度は足にしがみつかれた。

この先輩めんどくせぇ!

 

 

「ほらほらー少しお話していこーよー」

 

 

片腕でしっかりと俺の足をホールドしながら、隣の芝生をポンポンと叩く。

くそぉ……その上目遣いと服の上からでもわかる程の立派な物を当ててくるダブルコンボは反則ですって!

 

さっきからずっと伝わってくる幸せな感触と香りに理性がガリガリと削られているのがわかってしまう。

でも俺はNoと言える日本人。

一時の感情や快楽に流されるのは良くないって、まこと君が身を持って体験していたからね。NiceBootなドロドロベトベトンな展開は誰も望んじゃいないのよ……なんでアニメは芋エンドとかじゃなかったの?

 

 

「しかたないですね……少しだけですよ」

 

「わーい。そうこなくっちゃ〜」

 

 

……あれ?

 

 

「ほらほらー座って座って」

 

俺の意識とは裏腹になぜか承諾の言葉が出てしまい、先輩は嬉しそうに俺の手を引っ張り、隣へと座らせてきた。

 

 

「……先輩、家に帰らなくていいんですか?妹さんがお腹を空かせて待っているんじゃ?」

 

 

自分の意志の弱さにイラッとしていたのか、暗に俺なんかに構わずさっさ帰れよと言ってしまった。

そんな俺の憎まれ口に対し、先輩は気にしてないのか伝わってくいないのか、にんまりと猫みたいな笑みを浮かべる。

 

 

「心配御無用ー。遥ちゃんからは今日帰りが遅くなるって聞いてるからね。なので気にせず真也君とお喋りできるのだー」

 

「え?真也君?」

 

「え?」

 

互いにきょとんとする。

……いけね。そういや俺近江先輩にはそう名乗っていたんだった。

 

初めて先輩と出会った時……半年ほどくらい前か、俺がまだ一年で近江先輩が二年生になった頃の事だ。

つまらん先生のつまらん授業をサボタージュし、良い昼寝スポットがないか学内を徘徊していた。

陽当たりもよく、芝生の長さもちょうどいい感じに切りそろえられている場所を中庭で発見できた俺は惰眠を貪ろうとして、目が覚めたら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知らない女の人が隣で寝ていた!!

 

な、何を言っているのかわからねーと思うが俺も寝起きだったかし理解できなかった……アニメや少女漫画の見過ぎで遂に夢と現実の境目を区別できなくなったのかと思って、頭がどうにかなりそうだった……妄想だとか夢落ちだとかそんなチャチなもんじゃねぇ。

何度も頬をつねったりしたが、紛れもない現実だった……いや、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……!

 

 

「や、俺は大和ですよー。大和。宇宙戦艦ですって」

 

 

脳内ポルナレフごっこで解説を済ませて、自分は連合艦隊旗艦なのだと暗示をかける。

あの時もいつの間にか俺の隣で幸せそうに寝ていた(今みたいに抱きついてはいなかったが)先輩を起こし、先輩から開口一番

 

 

『きみぃ、だーれ?』

 

大和真也(やまとまや)です』

 

 

なんて聞かれたので、息を吐くように自然と偽名を名乗ってしまったのだった!

知らない人に名乗っちゃいけませんってマザーと歩夢マザーと歩夢から言われてたからな……上から呼んでもやまとまや!下から呼んでもヤマトマヤッス!

 

 

「それでねそれでねー遥ちゃんがね、「さっきのホラー映画が怖くて、一人で寝るのが怖くなっちゃって……おねえちゃん、一緒にねていーい?」って自分の枕を抱きしめて言うんだよ〜?かわいくない!?」

 

 

どうせそんなに絡むこともなさそうだし、今回みたいな事なんてこれっきりだろうと思っていたんだけどなぁ……それが一度きりどころか、俺が学内で昼寝をしていると決まって近江先輩が隣で寝ているのだ。

 

気になって、聞いてみたのだが

 

 

『んーとねー、彼方ちゃんが一番のお昼寝スポットで寝に来ようとすると、君が先に寝ているんだよね〜。私のベストスポットレーダーはすっごい精度だから、君もお昼寝スポットを探すのが上手いんだよ〜』

 

 

とのこと。とはいえ、いくらなんでも付き合ってもいない年頃の女子が異性の隣で無防備に。そんでもって抱きつくのは如何なものかと言った事もあるのだが……

 

 

『うーん……なんでだろーね?君の隣で寝ると、いつもよりもスッキリ寝れるんだよね〜。隣にいるだけで、そんな効果だからもっと近くで、触れ合って寝たらさらに効果が倍ゾ〜!って思って試したら、思ったとおりだったんだー。今までクラスの男の子とかにはそんなことしようとも、感じたこともないんだけどね。……あ、君が嫌だって言うんだったら、彼方ちゃんあなたを抱き枕にするのは泣く泣く諦めるけどー』

 

 

だとさ。俺は安眠効果を催促する人間型枕だったのかもしれない。

歩夢も同じような事を言っていたし、現実味が増した。

言うまでもないが、その時の俺の返答は俺が未だに近江先輩の抱き枕にされているのが解である。

見え透いた解答だな!

 

 

「―――ねー、聞いてるー?無視するなんて、彼方ちゃん寂しいゾー」

 

 

そんな事が何度も続き、昼寝仲間として繋がりが結ばれ……近江先輩と色々と話す間柄にはなったというわけだ。

……半年経った今でも本名を明かさずにいるが。切り出すタイミングが掴めなくてだな。

……ていうか、俺全校集会でも副会長として壇上に上がっているんだけど?この人もこの人でどうなのかと思うが。

……まぁ、どうせ寝ているんだろうが。

 

 

「聞いてますよー。先輩の妹さんがかわいすぎて夜も寝れないってことですよねー」

 

「そうなんだよ〜……遥ちゃんが目に入れても痛くないくらいかわいいせいで、彼方ちゃん最近寝不足なのー……じゃなくて、夜遅くまで起きてるからなんだー」

 

 

今の今まで寝ていたというのに、口に手を当てあくびを噛み殺す。

なんでこの人がいつもこんなに四六時中眠そうにしているのかというと、勉学に励んでいるからと先輩本人から聞いた。

俺とは学科が違うが、近江先輩はライフデザイン学科の特待生であり、学費を免除されている。

なんだかんだで、虹ヶ咲学園は専門系の分野には力が入っている為特待生として入学(先輩は編入したらしいが)するとなると求められるボーダーはかなり高い。

それは入学後でも変わらず、一定の成績もしくは成果を出さないとならない為、先輩は常に成績上位をキープする為夜遅くまで勉強している。

近江先輩と同じ学科の先輩に聞いたことあるが、授業中は眠そうにしながらも真面目に受けているらしい。

授業をサボって昼寝してる俺とは大違いである。

 

 

「そうなんですか?なんか悩み事でも?俺でよければ聞きますよ。後輩であれど、先輩の力になれるかもしれやせんし」

 

「お、おぉ〜。君はなんて良い子なんだ〜。よしよーし。いいこいいこ〜」

 

「く、苦しいですって……」

 

 

頭を両手で抱きかかえられ、近江先輩の胸元に引き寄せられ頭を撫でられる。

 

 

「もー、そんなこと言っちゃってー。ほんとは嬉しいんでしょ?男の子はこう優しくされると喜ぶって雑誌に書いてあったんだよ〜」

 

「そういうのは思ってても口にしないのも優しさだと思います」

 

 

なんて憎まれ口を叩くが、先輩のされるがままでいる。

恐らくだが、これはこれで近江先輩の気晴らしになるだろうと思ったからだ。

ほら、あれよペットと動物との触れ合いで癒やしを求める人とかいるじゃん?アニマルセラピー的なやつ。

あれと同じ――――じゃないな。すまん。アニマル諸君に失礼だ。

とにかく、そんな感じの効果を狙ったわけであって……年上の美人な先輩に甘やかされたーいだとか、約得だとか、そんな事は……うん、思ってるわ。

俺だって健全な男子だもの。

 

 

「くんくん……君ってなんか良い匂いもするんだね〜。今からでも私の弟にならない?」

 

「……俺を調理しても美味しくありませんよ?」

 

「そんなことしないよ〜。彼方ちゃんがおねむの時に、抱き枕になってくれればいいだけだからー」

 

「それで、近江先輩。悩みの種とは?」

 

 

割とガチめに俺をお持ち帰りしようとしそうだったので、先輩の腕からするりと抜け出す。

名残惜しそうに腕を伸ばしてきたが、なんとか欲を抑えてくれたのか、先輩は話し始める。

 

 

「最近ねー、成績が落ちちゃったんだよねー……」

 

「ありゃ、そうなんですか?直近だと……中間か。テストの点がよろしくなかったり?」

 

「そーなの!全部ってわけじゃないんだけど、でも理系……特に数学が悪くて……」

 

「え、そんなに悪いんです?」

 

「うん。全然だめ。わけわかんない。数学のせいで、順位がガクッと下がるくらいにヤバい」

 

「今の状態で数学が勝負をしかけてきたら、耐えられます?」

 

「む〜り〜。彼方ちゃんの目の前がまっくらにー」

 

 

間延びした声のせいで、危機感が全然伝わってこないのだがいつもの先輩の時の表情と比較するに、所々疲労感が見て取れた。

結構切羽詰まっているのかもしれないな。

 

 

「次の期末で挽回しないとヤバイ……好きなことも我慢して勉強してるけど、数学がわからなすぎてヤバイ……証明ってなにさ~~えらい人が既に証明しているんだし、彼方ちゃんが一から解き明かす必要なんてないでしょー!」

 

 

んなこと言ったら、高校で習う数学の内容の大半が不要なものになるんですが……まぁ、言わないで置こう。

……えらくまいっているみたいだしなぁ……たまに先輩から手作りお菓子とかもらったりしてるしなぁ。

専門店に並んでいてもおかしくない美味いお菓子をタダで、見返りなしでくれてるし。

……よし。

 

 

「あの、近江先輩。俺でよければ今度教えましょうか?」

 

「え!?いいの?」

 

「専門的な科目なら話は変わってきますが、5教科なら一学年上の内容でも教えれるかと。俺も一応特待生ですから」

 

 

副会長ですしね。

普段なら付け加えているだろうが、近江先輩は知らないみたいなので黙っておく。

 

 

「ありがと~!君がいれば百人力……いや、百点満点だよ~」

 

「えぇ。やるからには高いハードルじゃないと。ちなみに、教えてる最中に寝たら容赦なく叩き起こしますからね?」

 

「……お姫様を眠りから覚ますには優しく起こさないとだよ?」

 

「永遠の眠りにつく前に覚醒させて上げますから大丈夫です」

 

 

扱いについてやや口をへの字に曲げていたが、不安は取り除けたみたいなのか先輩はほっと息を吐く。

 

 

「でも、これで同好会には戻れそうかな~。ここ最近はほんと余裕がなくて、顔も出せなかったけど久しぶりに部室に行こうかな~」

 

「そういや、近江先輩ってなんか入っていたりするんです?」

 

「あれ?言ってなかったっけ。彼方ちゃん、実はスクールアイドルなんだよ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




登校日から半年かけて、やっと3年生が登場(一人だけ)
アニメで彼方さん回見ましたが、遥ちゃんの所属高校と出てきた女の子二人ってスクフェスのキャラだったんですね。私はスクフェスの方は触ってないので、EDでキャストを見た時知らない名前があったので気になって検索してみたら……今明かされる衝撃のしんじつぅ!!
ってわけでした。彼方さんかわいいよ彼方さん。



ゴリラ ゴリラB。まちがった、友人B。吾輩はゴリラである。ゴリラがバナナを好物ってイメージあるのDKの影響だよね。野生のゴリラはバナナ食べないだとか。
きっと彼の名字は近藤なのかもしれない。
今回は女の子に発情するシーンしかなかったが、実は密かに女の子に人気があったりする。
ゴリラなので、たくましく、筋肉もすごいので頼りがいがあるように見えるだとか。
1年からは彼の株は悪くない。
なお同級生と先輩からは……


情報屋 友人T。じゃなかった友人C。田中山。新聞部所属の情報通。彼に弱みを握られたら最後。財布まで握られてしまうので注意だ!
……なんて、そんなに畜生眼鏡なわけでもなく数百円渡せば口外することはない。
彼曰く、「僕にとって大事なのは金額よりも信用なんだ。タダで大事な情報を渡すのもお互い信用できないし、多額の金額を要求しても僕の信用に関わってくるからね」とのこと。
男子から特に女の子の情報で利用されることが多く、男子からの人望は高い。
女子からは……


イケメン 忘れた人用に。北条薫。演劇部。
常識人ぶった発言してたけど、ホモである。ファンクラブが存在するくらい女の子に人気がある。

大和真也 しんやではない。主人公が適当に名乗った偽名。先輩相手に何のためらいもなく偽名を名乗れる人間のクズ。

( ˘ω˘)スヤァ 近江彼方。居眠りキャラでいつもぽややーんってしてるけど、ハイスペックで嫁力高い眠りのお姫様。
何も知らない人からしたら、夢遊病者なのかと言いたくなるがあえて言おう。


俺は大好きだ―!!!!……と。


ローディングのプロフで最近虹ヶ咲学園に編入したばかりって書いてあるけど、総悟の発言だと彼方さんとは彼女が二年生の時に出会ったと証言しています。
最短でも半年って最近に入るよね?よく昨日のことのように思い出せるって言うけど、何十年前の話を回想シーンで語ったりするアニメとかあるじゃん?
つまりそういうことですよ!















許してください。書き終わった後に読み返して自分で彼方さんのプロフ思い出したんです(´・ω・`)

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