やっぱガチャってks(ry
なんか無断に長くなっちゃいました。
いつになったら9人揃うんでしょうね。
04/13 良く見なくても明らかにおかしい所があったので修正。最終チェックがgbgbですまない……
放課後ながらも生徒から賑わいの声があちらこちらから聞こえてくる。だが、生徒会に近づくにつれて廊下から談笑の声が減っていき、生徒の数も減っていく。
この辺は部室として構えている部も少ないからなぁ。それに一般生徒からしたら、生徒会や職員室と言った場所にはなるべくお世話になりたくないだろうし。
そんな場所に話があるから後で来るようになんて言われてみろ。厄介事を持ってこられるか、説教されるかってマイナスの想像をしちゃいますよ。
「あの鬼会長とまた会わなきゃならないなんて……はぁ」
隣を歩く後輩ちゃんもその類に含まれるのだろう。
憂鬱そうにため息をつく。
「別にかすみまでついてこなくても、俺一人で話をつけてきても良かったんだぞ」
そう。元々は俺一人で菜々生徒会長のとこへ足を運ぶつもりだったのだが、スクールアイドル同好会の部室から退出した後俺の前に両手を広げて立ち塞がり、一緒に行くと言い出したのだ。
「何水臭いこと言ってるんですか!先輩とかすみんはもう一心同体。共に同好会の廃部を防ごうと未来永劫誓いあった仲じゃないですかぁ。先輩は一番近くでかすみんの事を見ていられる由緒正しきメンバーなんですからね♪」
「力を貸すとは言ったが、仰々しい誓いを立てたつもりはないからな。てか、さり気なく頭数に入れようとすんな」
過去の出来事を大いに捻じ曲げて語るかすみ。
俺の左腕に両手腕で抱きついて、舌を巻くチロッとだしウィンクしてくる仕草が小悪魔チックというか。
しがみつくように引っ付いてくるかすみを引き剥がし、デコに人差し指と中指を当てて軽く押してやる。
「えー!あの流れで入ってくれないんですか!かすみんのためなら、この命を投げ捨てても惜しくはないって言葉は噓だったんですか!?」
「嘘も真もそんな事を言った覚えはありませんが」
「あっ、やっぱ今のはなしで。先輩が死んじゃったら私、かなしくて、かなしくてなみだが出ちゃいそうですもん……」
「なんで自分で言って自分で取り消してるんすかね。それと既に涙浮かんでるから。あーもう、じっとしてろ」
さっきまで辛い出来事を話していたせいなのか、妙に涙脆くなっているご様子。
上着の内ポケットからハンカチを取り出し、涙を拭ってやる。
周りに誰もいなくてよかった。こんな光景第三者が見たら、俺が泣かしたと思われてもおかしくないし。
「な、泣いてなんかいませんからっ!これは涙にみせかけた……あれ?先輩、そのハンカチ……やけにかわいいデザインですね」
「ん?あぁ。これは幼馴染から貰ったやつだよ。男の俺が使うにしては気恥ずかしいとこはあるけど、せっかく実用性のあるものをくれたんだ。使っておきたいじゃん」
このピンク色の花柄のハンカチは去年の俺の誕生日に歩夢がプレゼントでくれた物だ。
毎年欠かさず、ケーキも自作して祝ってくれてる歩夢にはもうトキがムネムネトキメキエスカレートですわ。
男友達曰く、誕生日を祝ってくれる異性なんて母親しかないわ!!って聞いた時は歩夢が幼馴染でいてくれたことに天に祷りを捧げようと思ったくらいだ。
歩夢は天の御使い……天使じゃなかろうか?いや、実際天使なんだけれども。
「幼馴染!?そんな人が先輩にいたなんて……女の子ですかぁ?」
なんだか関係を怪しんでいる様子。
声のトーンも先程とは違い明らかに落ちている。
「野郎がこんな乙女チックなハンカチを選ぶと思うか?」
仮に男からプレゼントで貰ったとしても、使おうとは思わん。
好意でくれたとしてもだ。
というか、好意で渡してきたらそいつのセンスを疑うし、嫌がらせとしか思えない。
「むむむ……幼馴染。そんな強属性を持った人がいるだなんて。しかもそのハンカチ……刺繍されてるのってベゴニアですよね」
「そうみたいだな」
「……先輩。ベゴニアの花言葉って知ってます?」
「や、知らんけど」
薔薇とかサボテンとかのは聞いたことはあるけどな。
花言葉って花の種類だけじゃなく、色や本数でも意味合いが違ってくるみたいだし、調べ始めたらそれこそ時間がなくなるだろう。
というか、かすみのやつはいったい何が言いたいんだ?
ベゴニアの花言葉……スマホで検索してみるか。
「あっ!調べようとしてますね!?ダメですよ!文明の機器に頼るのは卑怯です!!」
……が、スマホを弄っていた俺の腕はかすみに掴まれてしまった。
本人は力を入れているつもりなんだろうが、この程度力を込めずとも軽く振り払える。
さすがにせんけど。
「あんな意味深に言われたら気になるだろ」
「気になっても調べちゃダメです。先輩はそのままずっとベゴニアの花言葉は知らないでいてください」
「なんてピンポイントな禁止令なんだ……」
渋々ではあるが、スマホはしまう。
家に帰ったら調べりゃいいか。
「かすみんの目が届かないと思って、家で調べるのもダメですからね。先輩の事、信じてますから」
「ぐっ……姑息な手を使ってくるじゃないか」
「どうしても知りたいのなら私に聞いてくださーい。せっかく目の前に知ってるかわいいかわいい後輩がいるんですからぁ」
「じゃ、教えてくれ」
「ま、知っていても教えませんけど。敵は増やさないに限ります」
理不尽だ。
つーか、敵って何?見えるけど見えないものなの?死角からの刺客なの?
「生徒会室……またここに戻ってきちゃいました。でも!今回は先輩が一緒ですからね!もう何も怖くなんてありませんよー!」
生徒会室の扉を前にし強気な発言をするかすみ。
その発言はしちゃいかんやつや。
「さぁ、先輩。開けちゃってくださいな」
「俺が開けんのかい」
さっきの勢いはどこ行った。
まぁ、いいけど。
まずは索敵から始めますか。情報収集は大事よ。扉に張り付いて耳を当てて……感覚を研ぎ澄ますんだ。
「人数は一人。場所は奥。会長一人だけかな。……ちょうどいいな」
「え、ちょっとまってください。なんでわかるんですか?」
「付け加えていうと、ペンを走らせている音も聞こえるから、書類作業かなんかをしているというのが想定できる」
「……先輩ってスパイか暗殺者かなんかですか?」
ドン引きしている後輩にただの善良な一般学生と答える。
かすみんや、なんかさっきよりも(物理的に)遠くないかね。
まったく。こんなの【必見!これを読むだけで世界360度変わって見れる!108の便利スキル】通称「必読スキル」を熟読すれば誰だって出来る汎用スキルなのに。
失礼しちゃいますわ。
「生徒会の身とはいえ、この学園の生徒の長。生徒会長に話を付けに行くんだ。ちゃんと行儀よく入室しないとな」
「おぉ!公私混同はしっかり分けるんですね。さすがは先輩ですぅ」
「御用改である!生徒会長よ、逃げ場はないぞ!神妙にお縄につけぇい!!」
「せんぱーーーい!?数行前の行儀の良さとは何処に行ったんですか!?」
フハハハハ!!この台詞、人生で一度は言ってみたい台詞ベスト10にランクインしているのだよ。
さぁ、覚悟せぇい!菜々会長よ!イニシアチブはずっと俺のターンなんだぜ!
「御用改である!生徒会長よ、逃げ場はないぞ!神妙にお縄につけぇい!!」
な、なんですかいきなり!?
早く総悟さんが来ないかと待ちつつ一人で作業をしていたら、扉を蹴破る勢いで変な事を口走りながら入ってきて――――って総悟さん!?
来るのが遅い上に、十手と縄跳びなんて持ってどうしたんですか!
「な、なんですかいきなり!」
考えていた事がそのまま口に出ちゃいました!
でも仕方ないですよね!ずっと待ちわびていた人が十手と縄跳びを持って立っているんですから!
十手はいいですけど、縄跳びが絶妙に合ってないです!!
「俺の名は高天ヶ原弁財天六右衛門!貴様に名乗る役職はない!」
総悟さんはたかまがはらべんざいてんろくえもんさんだった……?
名前は名乗ってくれるんですね。長い上に呼びにくいです!
「生徒会長……いや、今はこう呼ぶべきか。悪の秘密結社『トオイセカイ』を統べる親玉」
私はそんな組織の親玉だったんですか。トオイセカイって……あ、生徒会を読み替えたんですね。
……ちょっと上手いかも。
「ナナ=カナガワ!貴様の贅沢悪行三昧はこれまでとしれぃ!」
誰ですかー!ナナ=カナガワって!会長呼びを止めたと思ったら今度はアナグラム呼びですか!!
「学食メニューのルー2、白米8のカレーだけにするなんてそんな残虐非道な行為白米好きアイドルが許してもこの俺が許さんぞ!」
いえ、私もそんな比率のカレーは嫌ですけど。
……それにしても、総悟さんはさっきからどうしたんでしょうか。
普段は意味もなくこんな事は言わないと思うんですが……
「この聖なる力を宿した十手が、魔王!お前を引き裂く!さぁ、裁きの光を受けよ!」
……!待ってください。この台詞、たしか私がこの間総悟さんに貸したラノベの主人公が魔王と対峙して言い放った台詞では!?
はっ……!そういうことなんですね……読んだ感想を話し合う前にこうやって物語と同じシチュエーションを経験しとくことで、さらなる余韻に浸れるということを!
いいでしょう。私だってまだスクールアイドルなんです!演技力だって磨いてきたんです。
いつもの成果をお見せしちゃいますよー!
「くくっ……吠えるではありませんか。貴様なんぞ我が力でねじ伏せてくれる。一寸の光も届かぬ深淵の闇へと落として差し上げましょう!!」
「…………」←見てはいけない物を見てしまったかのように目を見開く
「…………あっ」←ここでかすみがいることに気付く
「光ある場所に闇はあり。闇がある場所に光はある。輝きが失われおうとも何度だって照らし続けるだけだ。いくぜ!
その後俺の熱弁により、生徒会長を上手く丸め込――――説得することができた。
言葉にすると軽く思われてしまうかもなので省略するが、苦楽困難、紆余曲折。難題を解決する度にまた新しい問題が立ちふさがっきたが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は部員を多数確保する事ができ、離れていた4人も取り戻すことが出来た!
これにより、学園から正式な部と認められ、スクールアイドル同好会から部にと昇格した。
これで俺の役目も終わりだ。俺がいなくても、スクールアイドル同好会……違った。もう同好会じゃないんだった。
虹ヶ咲学園スクールアイドル部は上手くやっていけるだろう。後はひっそりと見守らせてもらうとしますかね。
……これにて1つの
だが、そう遠くない未来に虹ヶ咲学園スクールアイドル部が新しい
虹ヶ咲学園学園スクールアイドル部の活動はまだまだこれからだ!
「って何勝手にお話を終わらせようとしているんですかぁ!まだかすみんたちの伝説は始まってすらいませんよ!!」
「そうですよ!私は同好会の存続を認めていませんから!」
「人のモノローグに茶々いれないでくれませんかね」
二人からすごい反発をくらってしまった。
えー、駄目でござるかぁ?4話目にして、打ち切りとか斬新で良くない?終わり時を見損なって、ダラダラ長く目新しい展開もなく続ける方がアレだと思うけどなぁ。
で、ワ○ピの結末はいつになったら見れるんです?
「いいわけ無いです!なんか良い感じに終わらせようとしてますけど、先輩がいなくなってますから!そんなのぜんっぜんハッピーなエンドじゃないですし!良くてビター、悪くてバッドエンドですよ!」
「でも、映画とかじゃ悲劇的な終わり方の方が映えない?色々あって結ばれた主人公とヒロインだけど、最終的にはヒロインが病で亡くなったり、コールドスリープしちゃったり、世界を救うための犠牲になったりさ」
「ありますけど!でもそれは創作の中だからであって、現実はゼッッタイにハッピーエンドの方がいいんです!
「最後は幸せなキスをして終了的な?」
「そう!それが理想です!」
……かすみんは純粋だなぁ。
「その場は幸せなシーンで終わるからハッピーエンドと言う。あくまで1つの区切りにすぎないということ。つまり、その後の展開は絶望と悲しみで彩られたストーリーになるのかもしれない。……具体的には主人公がサブヒロインにNTRれ、二人が幸せなキスをしているのを目撃したヒロインが最後に」
「にゃああああぁぁぁ!な、な、なななんてことを言うんですかぁ!!思わず想像しちゃいましたよ!?かすみん大敗北ってレベルじゃないです!!そんな昼ドラよりドロッドロした鬱ストーリーなんていらないです!」
事を具体的に想像したせいか、半泣き状態であった。
胸ぐらを掴みかかる勢いでこちらに迫ってくるが、如何せん身長が足りておらず、胸元を叩いてくるので精一杯なご様子。
「……とにかく!!部員が揃っていない以上同好会の存続は認められません!仕事の邪魔なので早々に出ていってください」
机の上を叩き、いつも以上にトゲトゲしい物言いで睨んでくる。メガネ越しから迫力のあるその眼差しは耐性のない者では容易にぼうぎょりょくが下げられてしまうことだろう。
現にかすみなんて悲鳴を上げて俺の背中に隠れだしたし。
「ちょ、ちょっと先輩!さっきまでのノリノリだった魔王は何処に行っちゃったんですかぁ。別人みたいじゃないですか!今の生徒会長、かすみんの知ってる鬼より怖い生徒会長なんですけど……」
「魔界の彼方へ消え去ったんじゃないかな」
かすみは魔王菜々にビビりまくっているが、会長をよく見ると威厳を出そうと振る舞っているようだが、頬が紅潮してるので羞恥を感じているのがわかる。
「そう睨みなさんなって魔王カナガワさんよ」
「中川です!……んんっ。中川です」
かすみという一般生との手前だからか、咳払いをし落ち着こうとする。
こっからは真面目にやれってことだろう。チラッとこちらに目線を送ってきたし、しょうがないからその案に乗ってやるとしますかね。
「スクールアイドル同好会。今は部員が減って活動しているのは1名のみ。それでも実績を作ろうとめげずに足を痛めてまで練習に打ち込んでいるんだ。やる気がないならまだしもやる気のある生徒から活動の場所を削り取るのは酷じゃないかね」
「(……!先輩、私が捻挫してる事気付いていたんだ)」
「……たしかにそうかもしれません。ですが、我が虹ヶ咲学園には同好会や非公認の同好会等、部室を与えられてない所が多数あります。彼女たちだけ優遇するわけにはいきません」
「オカルト、おさんぽ、ワンダーフォーゲル、お宝研究、ご飯研究、囲碁、チェス、ニトロ研究、ボウリング、百人一首……把握してるだけでもこれくらいはあるな」
「(……そんなにあるんですね。なんかいくつか怪しい集団がありましたけど)」
「そのとおりです。様々な事情があるとはいえ、活動拠点を欲してるのは事実です。やる気のあるところならいくらでもあります。条件を満たしているのであれば、そちらに譲るのは明白なのでは?」
「そうだな。……他に最低人員数を確保しているのであればな」
「……っ」
あからさまに顔色を変えたな。
これはやはり黒……か?まぁ探るのは後でもいいか。
「ま、別にスクールアイドル同好会を贔屓しろとは言わないさ。部室の明け渡しも……そのままの期限でいい。けど、存続させれる明確な条件を提示してもらおうか」
「条件?」
「そ。一定人数部員確保しろとか指定の大会に入賞とか誠意を見せろだとか色々あるだろ?」
「……最後のは違うような……」
「こまけぇことはいいんだよ。達成できなかったら潔く部室明け渡し。達成できたらスクールアイドル同好会は晴れて部に昇格」
「……やけに肩を持つんですね。今までスクールアイドルに興味すらなかったと記憶していますが」
記憶ってなんやねん。変な物言いしているのはかすみがこの場にいるからなんだろうな。
違和感ホントすげぇわ。
「まぁ、心境の変化というか最近興味が出てきたというか……俺は別にスクールアイドル同好会の「そうです!先輩はかすみんの専属マネージャー。新たな新入部員なんですから!」おい」
手伝いと言おうとしたのだが、かすみに遮られてしまった。
ちょっと、何言っているかよくわからないです。
「……総悟さん?」
いつもののほほんとした雰囲気は何処に……
……うん、脳内厨二病吹き替えはここまでにしとこう。
めんどいわ。
「や、違いますけd「くっふっふ〜生徒会長!もう私たちの居場所を奪えるとは思わないことです!先輩にかかればどんなことでも」かすみんや。ちょっと静かにしようや?」
これ以上余計なことを喋ればお口を縫い合わすぞ。
かすみの口を手で塞ぎ、もう片方の腕を首に回す。結構アレな構図かもしれんが、手段を選んじゃいられないんだ(迫真)
「……以前他の部や同好会に入るのは面倒だからパス。とおっしゃってませんでしたか?」
「うん言った。決まった部に入りたくなかったからな。そもそも生徒会にすら入りたくなかったし」
事実を言っただけなのに、ますます菜々会長の周囲の温度が下がった気がする。
やだこの部屋こんなに冷え込んでたっけ?
「この後輩に頼まれてちょっと手伝いを買って出ただけだ。仮入部、助手、パシリ、好きなふうにとらえてくれ」
「ふがふがぁ(先輩先輩!かすみんのマネージャーが抜けてますよ!)」
その5文字でどんだけ長い意味が込められてんだ。
あと手を舐めようとしないでくれ。くすぐったいから。
「……生徒会を抜けるわけじゃないですよね?」
「そりゃもちろん。居心地も悪かないし、今まで通り職務を全うするさ」
「それを聞けて安心しました。そうですね……10人。10人部員を集めることが出来れば同好会の存続を認めましょう」
菜々会長から提示されたのは予想通り部員の増員。
10人……同好会、部として必要な最低人員よりも多く指定してきたか。
「ぷはぁっ!10人も集めなきゃいけないんですか!?同好会は5人いれば成立じゃないですか!」
無意識に力を緩めていたのか、拘束から抜け出したかすみが菜々会長に向けて抗議する。
「そうですね。でも、今現実に5人が1人になってしまっているのです。また同じ人数では二の舞になるのではないですか?10人もいれば同じように5人が活動しなくなっても、残りでなんとかできるという判断の下です。……私の所まで直談判しにくる情熱があれば難しくないのでは?」
「うぅ……無茶言わないでくださいよぉ……」
いやその理屈はおかしい!
今回はたまたまこういうケースになってしまったが、また同じ事が起きるとは言えない。逆を言えば起きる確率も0ではないけども……それならば、そういった異常事態が発生しないよう顧問やら部長とかを配置して全体をまとめるようにすりゃいい。
まともに活動していない、人数が足りてない部活や同好会があれば、一定の人数を下回われば廃部やら活動停止にすりゃいい。
ていうか、部の規約に載ってないのが問題だろコレ……時間がある時にでも先生たちと相談しつつ、この辺の身直しをしなきゃなー。
今回みたいに揉める事が起きないようにせんと。
「せんぱぁい……」
まぁ言いたい事はあるが、今回は口には出さないでおく。なんか菜々会長の思惑がありそうだしな。
なんかかすみがどうすればいいんでしょうと言わんばかりにこまりマックスな顔を向けてくる。
10人……ねぇ。かすみを除いた初期メンバーを連れ戻せたとしても5人必要。部室立ち退きの期日を考えると、スケジュール的に余裕はあるわけでもないわけでもない……か。
前方からは普段とは違う雰囲気をまとってはいるが、彼ならば壁を乗り越えてくれるだろうと、どこか期待しているような目で。
隣からは今後の展開に不安を抱きつつも、先輩ならばなんとかしてくれるだろという安心感があり、彼を信じきった目で見上げていた。
ちょっとした好奇心から始まり、
なんだかんだで面倒見が良く、好奇心旺盛な彼の返事は決まっていた。
「わかった。やってやるさ。必ず期日までに部員10人揃えてみせるさ。今度は大人数で押しかけてきてやるから、覚悟しとけ。行くぞかすみ!」
「ま、待ってくださーい!」
様々なIFが重なり、初めは小さくても後に結末を変えるような大きさに成長するかもしれない。
これはそんな1つのIFが奏でる物語の始まり……
「……ふふっ。総悟さん期待していますよ……?あなたを含め、必ず10人揃えてきてくださいね」
「そう……俺は何度だって蘇る。その度に必ず奴の前に立ち塞がってやるさ」
「先輩先輩。もう演技はしなくていいですってば。あとセリフが三下風情の悪役です」
「先輩にはかすみんを近くでサポートできる専属マネージャーの権利を上げちゃいますぅ」
「いや結構。遠慮させてもらうぜ」
こんなやり取りもあったらしい。
高天ヶ原弁財天六右衛門 ひょっとしなくても厨二病。
言わんでもわかるけど架空の人物。
ナナ=カナガワ 会長の名を並び買えただけ。夜な夜な怪しい活動をしたり、学園を裏で牛耳ってるなんてこともない。
やたら右腕が疼いて闇の炎を発言するくらいの厨二病回&強引なタイトル回収回。
ゲームのあなたちゃんはイケメンだったのに。この主人公はコレである。