ガミラス旧銀河方面軍基地――。
古代たちは、デスラー総統たちとの会議を終え、暫く銀河方面軍基地の内部を散策していた。
桐生美影は、揚羽とルカを誘って、基地内の商店などをはしごして歩き回っている為、古代は、一人窓の外の宇宙を眺めてもの思いに耽っていた。
デスラー総統とスターシャは、本気でガルマン帝国内部で反乱を起こして政権を打倒する戦いを始めるらしい。本当にそんなことが可能なのだろうか?
いくらデスラー総統と言えども、三百隻規模の艦隊しか保持しておらず、その戦いは困難を極めるだろう。しかし、彼に付き従う部下の兵士たちの士気は高い。彼らなら、本当にやってのけてしまうかも知れない。
地球連邦は、未だ戦力は乏しく、そのような争いに加わる力もない。それに、ガミラス戦争を経て、不戦の誓いに近いものを立てている。自ら争いに飛び込んで行くようなことはあり得ないのだ。それでも、今回のような侵略行為には徹底的に抗うだろう。二度と、地球を赤茶けた死の星にしてはならないのだから。
古代がそんなことを考えていると、どこからか現れた五歳ぐらいの女の子が走って来て、古代にぶつかった。
古代が驚いてその子を見ると、床に倒れたまま、古代を見上げていた。
「オジサマ、だあれ?」
古代は、膝を曲げて、しゃがむとその子の脇に手を入れて立ち上がらせた。
「僕のことかい? 困ったな。おじさんに見えるかい?」
「オジサマはオジサマだよ」
物怖じもしないその子は、どこか日本人のようにも見えた。
「君の名前は?」
「サーシャだよ」
古代は、はっとした。この子は、スターシャの子供だと気が付いた。
「そうか……。えーと、僕の名前は……古代。古代進」
サーシャは、それを聞いて何か思い出そうとしているようだった。
「変なの。お父さんと同じ名前!」
古代は、複雑な気持ちになっていた。兄、守の娘、サーシャ。
そうか。こんなにも、大きくなっていたんだね……。
古代は、温かい気持ちになって彼女を見つめた。
「お母さんと一緒にいなくていいのかい?」
「最近、忙しそうにしてて、全然構ってくれないの。オジサマ、サーシャと遊んでくれる?」
古代は、頭をかいた。
「ああ、いいよ。何して遊ぶ?」
サーシャは、満面の笑みを浮かべた。
「じゃぁ、鬼ごっこ!」
そう言って、彼女は走り出した。
古代は、彼女の走る後ろ姿を眺めながら、感慨に耽っていた。
これから始まる人類の新たな時代。サーシャや、雪との子供こと。地球連邦は、これからも、他の異星人との共存や戦いを繰り広げて行くにちがいない。その新たな時代を思いつつ、あのような子供たちの未来を守って行かねば、と古代は決意を新たにしていた。
宇宙戦艦ヤマト2199 連邦の危機
完――。
注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開しています。
注)但し、以前pixivに連載した小説の加筆修正版です。以前のpixiv連載版とは、一部内容が異なります。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。