美食の白兎   作:ドラ民具

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美食の白兎

ここはグルメ界・エリア2、八王の一角である狼王ギネスの支配するエリアに一人の少年が居た。

 

白髪深紅眼のまるで兎を彷彿とさせるその少年の目の前に一匹の猛獣が居た。

 

「グオオオォォォォォッ!」

 

その猛獣の名は王陸鮫、捕獲レベル4450の魚王類で八王にも襲い掛かる凶暴性を持つ。

 

そんな危険な猛獣の前に居るというのに少年は口からよだれを垂らしながらこう言った。

 

「いただきます」

 

その言葉と共に手を合わせると同時に王陸鮫が飛び掛かって来る。

 

【猿武 砕骨】

 

それに対して少年は反撃(カウンター)として拳を王陸鮫の鼻へと叩き込んだ。

 

すると、王陸鮫の身体からバキボキと何か硬い物の音が聞こえてきた。

 

その音の正体は王陸鮫の骨が砕ける音だった。

 

何と、少年はたった一撃の拳で捕獲レベル4000代の猛獣の骨を砕いてしまった。

 

骨を砕かれた王陸鮫は動く事が出来ず何も出来ないのだ。

 

「僕の血肉になってくれる事を感謝するよ、王陸鮫。」

 

少年のその言葉を最後に王陸鮫はその生涯に終わりを迎えるのだった。

 

モグモグと少年は王陸鮫の肉を口の中へと詰め込み咀嚼をし、飲み込む。

 

「やっぱりおいしいな~、王陸鮫の肉は。」

 

少年はけた外れの実力からはかけ離れた年相応の笑みを浮かべながら食事を続けていく。

 

見る見るうちに王陸鮫の肉は少年の胃袋の中に消費されていき、最終的には骨しか残らなかった。

 

「ふぅ~、ごちそうさまでした。」

 

そう言って手を合わせる少年は立ち上がってこう言った。

 

「それじゃあ次はデザートだな。」

 

そう言って少年は口笛を吹くと、空から現れたのは二対四枚の翼を持つ巨大な黒い竜。

 

「ゴアアアアァァァァァッ!!」

 

その竜の名はブラガドラゴン、翼竜獣類で認めた者にしか従う事は無い誇り高き存在。

 

そんなブラガドラゴンを従える少年は頭の上に乗るとこう言った。

 

「それじゃあ、一度行こうかヴァロド。癒しの国・ライフへ」

 

「ゴア!」

 

少年の言葉を理解しているかのように相槌を打つヴァロドと呼ばれるブラガドラゴンは空へ舞い上がり、癒しの国へと向かうのだった。

 

 

 

少年の名前はベル・クラネル、本来は英雄になる為、出会いを求めて冒険者となる。

 

だが、この世界でのベル・クラネルはひょんな事からグルメ界へと迷い込み、美食屋となった。

 

しかし、それだけでは終わらないのが世の常。

 

これから始まるのは美食と冒険の交わる白兎の物語である。

 

 

ベル・クラネル

 

【フルコース】

 

前菜:???

 

スープ:???

 

魚料理:???

 

肉料理:???

 

主菜:???

 

サラダ:???

 

デザート:???

 

ドリンク:???




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