美食の白兎 作:ドラ民具
突如ダンジョンに現れた亀裂の中から姿を現した捕獲レベル5の猛獣・ガララワニ、それに対して【ロキ・ファミリア】第一級冒険者ベート・ローガが牙を剥く。
「るぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
獣性満ちた雄叫びと共にガララワニに向かって駆けるベートさんを捕食するべく大口を開けて突っ込んでくる。
その際、ガララワニが口の中で寄生させているバロンヒルが飛び出してくる。
「チッ!!」
バロンヒルを回避するためにベートさんは横っ飛びしたその瞬間、ガララワニが飛び込んでくる。
「あめぇ!!」
ベートさんはそう言いながら横っ飛びした状態から上顎に蹴りを放つ。
「ギュアアア!?」
ガララワニはまさかの反撃を受けて鳴き声を上げ壁に激突するもすぐに起き上がってくる。
「ギュアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
咆哮を上げ飛びかかってくる。
「しゃらくせぇっ!!」
突っ込んでくるガララワニを迎撃に向かうベートさん。
その時、ガララワニが
「なっ!?」
回転の加わった突進によって蹴撃が弾かれ腹に重い一撃を食らうベートさん。
「ぐはっ!?」
壁に叩きつけられたベートさんは空気を全部吐き出し動きを止められてしまう。
ガララワニの攻撃は止まること無く大口を開けて食らいつこうとする。
「舐めんじゃねぇ!!」
しかし、そんなことを許す
大口を開けたガララワニの下顎を蹴り飛ばしその巨躯を、弱点である腹を曝け出す。
「くたばりやがれっ!!」
その言葉とともに蹴撃の猛襲を叩き込みガララワニはその攻撃によって絶命する。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ガララワニの捕獲が達成された。
「おめでとうございますベートさん」
「うるせぇ」
僕の言葉にベートさんは悪態をつく。
「それじゃあ食事にしましょう」
「アァン?」
「せっかくベートさんが初めて食材を捕獲したんです、だからです」
「勝手にしろ」
そうして、僕はガララワニの調理を開始する。
パチパチと肉が焼け肉汁が滴り油が爆ぜる目の前で調理されるガララワニの肉が魅力的な香りを放つ。
「どうぞ、ベートさん」
「・・・・・・・・・おう」
僕が焼けたガララワニの肉を差し出すとベートさんは間を置いて受け取るのだった。
「!! うめぇ」
一口肉を食べたベートさんはそう言った。
「そうですよね、自分で獲った食材は格別ですよね」
「うるせぇ、黙ってろ」
次にガララワニを石焼にして表面をカリッとさせて肉汁を閉じ込める。
「これも美味ぇな」
「あぁ、これを
「ジジイみてぇなこと言ってんじゃねぇよ」
「ジジイってガレスさんことですか?あの人まだ五十六歳くらいでしょ、まだ若い部類ですよ」
「・・・・・・・・・・・・はぁ?」
ガレス若者発言にベートさんは何言ってんだコイツみたいな顔で見てくる。
「今日はこのくらいにしておきましょうか」
「あぁ?」
突然、帰宅宣言する僕に
「ベートさん、この残ったガララワニの肉を新鮮な内に
「お、おぉ・・・・・・」
ベートさんは僕の熱意に賛同してくれて地上にへと帰還するのだった。
その日の夜、【ロキ・ファミリア】の
「おい、ロキ」
「なんや、ベート?【ステイタス】の更新かいな?」
「前に話したデビル大蛇の・・・」
「かーっ、その話はやめてぇな!食べた自慢話聞くのもう嫌やー!!」
「そうか、そのデビル大蛇のいる世界の果物の果汁が手に入ったから持ってきてやったんだが要らねぇんだな」
「要ります」
さっきまでの反応とは打って変わってロキは手のひらを即座に返した。
「他の連中にバレんじゃねぇぞ、ウルセェからよ」
「モチのロンや!!」
そう言ってベートが部屋を出ようとした時、ロキがこう言った。
「ありがとうなベート、優しいなぁ」
「言ってろ酔っ払い」
そう言って扉を開いた瞬間、他の団員達がなだれ込む。
「何してんだテメェら!?」
「ベートからお肉のいい匂いがするから気になったからさぁ」
「そうよ、アンタなにか隠してるでしょ」
「ベートさん、ズルい」
「ほれ、キリキリ話せベート」
「それにその果汁も何処で手に入れたのか聞かせろ」
「まぁ、確定していることを確認するだけだから教えてくれ」
幹部全員と主神に問い詰められ、ベートは白状するしかなかった。