美食の白兎   作:ドラ民具

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満腹都市グルメタウン

IGO本部を出発して僕達は満腹都市・グルメタウンに向かっている。

 

「ねぇねぇ、さっきベルのお義父さんが言ってたせつのんって誰なの?ベルはセツ婆って言ってたけど」

 

「セツ婆は料理人で美食人間国宝の一人なんだ」

 

「美食人間国宝?」

 

「解るように言うとしたら、リヴェリアさんだね」

 

『なるほど』

 

リヴェリア・リヨス・アールヴ、その種族は白妖精(ホワイト・エルフ)が崇める王族(ハイエルフ)でその信仰は簡単に言って狂気すら感じる。

 

「それだとその節乃さんのお店ってお客さんが一杯なんじゃないの?」

 

「いや、セツ婆の店は気分次第だからいつ開くかわかんないんだよね。前に僕が予約した時は五年は待ったし」

 

「五年…」

 

まさかの待ち期間に全員が絶句する。

 

「後、セツ婆は礼儀知らずが嫌いなので注意してください」

 

「だってさ、ベート」

 

「だそうよ、ベート」

 

「だそうじゃ、ベート」

 

「だそうだぞ、ベート」

 

「だそうだよ、ベート」

 

「だそうっすよ、ベートさん」

 

「だそうよ、ベート」

 

「ベートさん…」

 

「やってさ、ベート」

 

「テメェら…」

 

こればっかりは普段の行いの結果である。

 

「それで今はどこへ向かっているんだい?」

 

「今はセツ婆の店がある満腹都市・グルメタウンです」

 

「なんだか、聞いてるだけでおなかが減ってくるっす」

 

「ちょっとラウルはしたないわよ」

 

「ラウルさんに激しく同意します」

 

「ベル君まで…って、君は通常運転だったね」

 

そんな会話がありつつ、無事に満腹都市・グルメタウンに到着した僕達は無事に入場することが出来た。

 

「まさか、グルメIDというものがないと一万ヴァリス支払わないといけないとはね…」

 

「ヴァリスじゃなくて円ですけどね…」

 

僕を除く10人と2柱分の代金、12万円を払っての入場である。

 

「向こうに戻ったらちゃんと支払うから」

 

「別に構いませんよ、先行投資みたいなものですから」

 

フィンさんと話しているとふいに名前を呼ばれ、振り返るとそこには桃色の髪が特徴の腰の曲がった小柄な老婆もといセツ婆こと節乃がいた。

 

「おや、ベルかい?」

 

「セツ婆、迎えに来てくれたんだ」

 

「いんや、お主の向こうで世話になった人らがいるとイチちゃんから連絡を貰っての、夜まで追加の仕込みがあるから時間をつぶしておいてくれと言っておこうと思ってね」

 

「そうなんだ、それじゃあ夜に店に行くね」

 

「楽しみにしておいで」

 

「うん、またあとでね」

 

用件だけ度を済ませてセツ婆は仕込みに戻っていった。

 

「という訳で、ひとまずはこの満腹都市を楽しんでもらいましょうか」

 

「「「「「「おぉ!!」」」」」」」

 

「夜には節乃殿の店に行くんだ、ほどほどにしておけよ」

 

「聞いておらんぞ、リヴェリア」

 

「あはは、たまには良いじゃないかい」

 

「浮かれやがって」

 

「まぁまぁ、ベートさん」

 

「ベートはそうよね…」

 

こうして、全員で満腹都市巡りが始まった。

 

「まずはここ、しゃくれラーメン!!」

 

「美味しい!!」

 

「美味い!!」

 

「おかわり、おかわり、おかわり、おかわり、おかわり!!」

 

「「「「いや、おかわりの配分(ペース)がおかしい(よ、やろ、だろうが、っす)!!」」」」

 

食事の速度についてヘスティア様と神ロキとベートさんとラウルさんにツッコミを入れられた。何故だ?

 

シャクレノドンの骨からダシをとったスープにちぢれ麺が絡んで美味い!!

 

「お会計4208,721円です」

 

「カードで」

 

「7桁の食事…」

 

「普通の食事に出せないわよ、こんな金額」

 

そして、店を出ると…。

 

「それじゃあ次は寿司に行きましょう」

 

「待ってくれ、ベル君配分(ペース)がおかしいって!!」

 

そう言った瞬間、ヘスティア様が叫ぶ。

 

「えっ、そうですかね?」

 

「そうだよ!!」

 

「まぁ、食べれそうな物があったら好きに食べちゃってください」

 

という訳で、回転寿司に到着。

 

「ここの回転寿司はグルメタウン一ネタが大きいです」

 

「生で魚食べるの初めてだな」

 

「結構いけるのう」

 

「美味しい」

 

「魚、美味しい」

 

「僕としては一番最後の方でお皿の摩天楼施設(バベル)が四十本目が建設されていることに驚愕なんだけどね」

 

「ホンマようたくさん喰うなぁ…」

 

寿司に舌鼓する眷族(こども)を尻目に神2柱は四十一本目の摩天楼施設(バベル)の建設を見守っていた。

 

「お会計…94253,600円になります」

 

「は、8桁行ったーっ!!」

 

そして、店を出たらまさかの一言が僕の口から飛び出す。

 

「ようやく胃が目覚めてきました」

 

「噓でしょ」

 

「マジかコイツ」

 

「ベル、凄い」

 

「あんたの胃は底なし沼なの?」

 

「ヤバ過ぎるっす…」

 

「負けないぞー!!」

 

「いや、ティオナ張り合っても負けは見えとるからあきらめぇ」

 

「ベル君、暴飲暴食は体に毒だぜ」

 

「えっ、僕これでもまだ腹一分目未満なんですけど」

 

『ありえねぇ…』

 

どこか聞いた覚えのあるセリフが神2柱の頭によぎったのだった。

 

その後も、怪鳥ゲロルドのケバブに骨無しサンマに味消しショウガのガリに巨大たこ焼きにミルクジラのソフトクリームなどを食べて夜になって節乃食堂に向かうのだった。

 

「いや、どんな胃袋の構造しとんねん!!」

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