美食の白兎 作:ドラ民具
一龍会長から正体不明の亀裂の調査依頼を受けた僕はヴァロドに乗ってアイスヘルへと向かっている。
モグモグ、ゴックリ。
「セレ豚のカツサンド、美味しい!!」
そう言いながら空の旅を楽しんでいると、目的地である正体不明の亀裂が見えて来る。
「あれが、一龍会長の言っていた亀裂か・・・。」ズズー。
会長から分けて貰ったオゾン茶を飲みながらそう言っていると、亀裂が広がって穴が現れた。
その穴からは白い光が放たれ、僕はその光をまともに受けてしまった。
「不味い、いったんここから離れようヴァロド!!」
僕の指示を受けてヴァロドはその光から離れる、
「えっ、どういう事!?」
その光を浴びたのはヴァロドも同じなのに、僕だけがその光に囚われていた。
「か、身体が動かない!?」
奇怪な出来事に戸惑いを隠せずにいると、穴の方にへと吸い込まれていく。
「ゴアアァァ!」
「来るな、ヴァロド!!」
それを見たヴァロドが僕の事を助けようと近付いて来るが僕はそれを止める。
ヴァロドの事を制止させる為に意識を割いていた間に僕の身体は穴の中にへと引き込まれていき、最後には意識を失ったのだった。
ベルが依頼を遂行するためにアイスヘルへと向かった後、IGO本部では一龍がベルとの初めての出会いを思い出していた。
「ベルと初めて会ったのはグルメ界のエリア7じゃったな。」
グルメ界、人間界とは環境もそこに住む猛獣の捕獲レベルも一線を画す。
そのグルメ界は主要の大陸が料理の
その中で一龍がベルと出会ったエリア7は『山の大陸』と呼ばれており、そのエリアには五十億頭もの猿が跋扈しており『モンキーレストラン』とも呼ばれている。
「しかも驚いた事に八王の中でも問題児とされる猿王に育てられているとはのぅ。」
八王、グルメ界の八つの大陸を支配する八体の獣の王の事を指す言葉である。
八王の中でも問題児とされているのがエリア7の八王・猿王バンビーナ。
種族名はキンタマントヒヒと呼ばれるふざけた名前の猿だが、王と称されるだけの実力を持つ。
猿武と呼ばれる武術の開祖であり、大陸に住む全ての猿に伝承させている。
その理由は純粋に
まぁ、そのせいで馬鹿げた
それにその事については猿王の奴は無関心じゃったがな・・・。
話を戻すが、その猿達は猿王を頂点とする猿武の実力による序列付けがされておる。
その猿武の頂点であり八王の一角でもある猿王バンビーナが自分の懐に三歳の子供を抱えながらニトロを食わせていたからのぅ。
しかも、わざわざ100Gマウンテンの麓にある産声の樹まで降りて来てな・・・。
ワシはあの時自分の目を疑ったほどじゃ、無邪気で自由奔放な性格の猿王がまるで親の様に子供をあやす姿を想像出来るじゃろうか?
いや、猿王を知る者であればそれは無いと否定するじゃろうな。
現にワシもこの自分の目で見るまでは信じられんかったからのぅ。
じゃが、ワシはすぐに猿王があやしておった子供の才能に驚かされた。
何故なら、三歳という若さもとい幼さで猿武を会得しているのじゃからな。
子供の異常なまでの成長速度いや学習能力に舌を巻いた。
すると、猿王がワシの存在に気づくとその子供を置いて100Gマウンテンに戻って行ってしまう。
子育てに飽きたのか、それともワシに子供を託してくれたのかそれは猿王にしか解らん事じゃ。
とにかく、ワシはその子供を人間界に連れ帰り、人間としての常識や礼儀作法などを学ばせ、美食屋としての知識なども叩き込んだ。
名前の方は服に刺繍が施されておったから助かったわい。
それにワシの他にも次郎の奴も自分のノッキング技術を叩き込んでおったな。
実力も猿王から猿武を仕込まれておったから問題は無かったが、無駄を消し去る為に食林寺の食義と食没を習得させる。
そして、グルメ界の環境に適応する為の修行も見事達成してみせた。
三途の道の幾万もの実戦経験を経て、直観も身に付けおった。
今ではグルメ界を行き来するまでに成長した、育ての親の一人としては嬉しい限りじゃて。
しかし、一つ腑に落ちん事がある。
それは何故ベルがグルメ界にいたのか・・・。
何者かに連れられてというのは考えにくい。
だとすれば、何か別の力が動いとったのかもしれんな。
・・・不穏な空気を感じるのぅ。
美食會の動きも活発化してきておるからな、今まで以上にトリコ達四天王の力も必要となってくるじゃろうな。
そう考えておると、上空からベルのパートナーアニマルであるブラガドラゴンのヴァロドが飛んできた。
しかし、頭の上にはベルはおらんかった。
「ヴァロドよ、ベルはどうしたんじゃ?」
ワシがそう問いかけると、ヴァロドの奴は悲しそうな表情を見せる。
「まさか、ベルに何かあったのか!?」
「・・・」コクリ
ワシの言葉に同意するように頷いて見せるヴァロド。
ヴァロドのそんな様子を見て、空を見上げてこう言った。
「無事でいてくれ、ベル。」
ワシはその願いが届く事を願うしかなかった。
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