美食の白兎 作:ドラ民具
あの後、何とかヘスティア様を落ち着かせる事が出来た僕は上着を着直して今僕達【ヘスティア・ファミリア】の
「あれ以上はお爺さんに迷惑がかかるから移動するけど、話はまだ終わっていないからねベル君。」
「はい、分かってますよヘスティア様。」
話しながら歩いて着いた場所は廃教会だった。
「ヘスティア様、ここが僕達の
「そうだよ、ごめんねベル君。
しょげながらそう言って来るヘスティア様に対して僕はこう言った。
「別に気にしませんよ、僕は狩りに出る時はいつも野宿でしたし。」
「うん、流石に野宿よりはましだと思うけどね・・・。」
そう言いながら僕とヘスティア様は廃教会の中に入り、更にその中にある隠し扉を通って部屋にへと入る。
その部屋には最低限の家具と生活に必要なものが置かれていた。
「それにここからのし上がって行けば良いですから頑張りましょう、ヘスティア様。」
「ベル君、そうだね。これから頑張っていけばいいんだ!!」
僕の言葉を聞いてヘスティア様は拳を突き上げながらそう言うのだった。
「それで、話は戻るだけどね。ベル君、このスキルとかに何か思い当たる事は無いかい?」
ヘスティア様はそう言いながら僕の【ステイタス】の羊皮紙を見ながらそう言って来るのに対して僕は自分なりの考えと今までの自分を話す事にした。
猿王バンビーナに育てられた事や一龍会長達に常識や礼儀作法を教えて貰った事などを全て話した。
「つまり、ベル君はその美食の世界に現れた亀裂からこの世界へと渡って来たって訳なんだね。」
「はい、そうです。」
僕の話を全て聞いたヘスティア様はこう言って来る。
「まぁ、異世界に渡った存在がボクの
「ありがとうございます、ヘスティア様。」
そう言ってくれるヘスティア様に感謝の言葉と共に頭を下げる。
すぐに頭を上げるように言われたが、やはりありのままの自分を受け入れてくれた事が嬉しくて顔がにやけるのが止める事が出来ない為顔を上げる事が出来ない。
すると、ヘスティア様がこう言って来る。
「そうだった、ベル君今からギルドに行って来てくれるかい?」
「ギルドにですか、何か用でもあるんですか?」
ヘスティア様の言葉に反応して顔を上げると、更に言葉を続けて来る。
「君の冒険者登録をしないといけないからね。」
「そうですか、分かりました。今から行ってきます。」
そう言って僕は
ギルドに着くと、そこには沢山の色んな種族の人が集っていた。
「凄いな、まるで美食屋の仲介所みたいだな。」
そんな事を言いながら受付に付くと一人の女性職員に話しかける。
「すみません、冒険者登録をしたいんですけど。」
「はい、かしこまりました。少々お待ちください。」
そう言って女性職員の人は書類を仕分け終えてすぐに僕の所にやって来た。
「ようこそ迷宮都市オラリオへ!冒険者登録ということですのでこの書類にお名前と所属
そう言われて僕は目の前に出された書類に名前と所属
すると、女性職員の人はこう言って来る。
「ベル・クラネル氏、所属は【ヘスティア・ファミリア】ですね。」
「はい、そうです。」
僕がそれに対して同意すると、女性職員の人はこう言って来る。
「それでは、こちらで新人冒険者のダンジョンにおける講義が行われているので受講してください。」
「あっ、はい分かりました。」
これはありがたい、美食屋としての経験は十分に積んでるけど冒険者としてまだまだ半人前だからこうやって知識を得れる事は嬉しい。
講義を受講して三時間が過ぎ、講義は終わって僕は座りっぱなしでなまった身体を解していると受付とダンジョンの講義をしてくれたエイナ・チュールという女性職員が近付いてきた。
「ベル君は偉いね、大体の人は講義を拒否する人が多いのに。」
先ほどとは打って変わって中々に
「はい、何事にも情報はたくさん持っていた方がいいと教えられていますから。」
「うんうん、情報は大事だよ。自分を危険から守らなくちゃいけないし。」
僕の言葉を聞いてエイナさんは満足そうに頷き、更に言葉を続けて来る。
「そうだった、本日付で私エイナ・チュールが君の専属アドバイザーに付く事になったの。これからよろしくね、ベル君。」
「はい、よろしくお願いしますエイナさん。」
互いにそう言ってから握手を交わした後、僕は新人冒険者用の装備を借りて試しにダンジョンに潜る事にした。
ダンジョンの一階層にやって来た僕が最初に思った事は・・・。
「思ったほど危険じゃないな。」
これならグルメ界の方がよっぽど危険だなと思いながらゴブリンを蹴り殺し、魔石と
そのまま探索を続けて行き、十二階層まで降りてきた僕はパンパンに膨れ上がった袋を見て地上へ戻ろうとした時、十三階層へと繋がる通路から強い獣臭がした。
「この獣臭さはモンスターじゃないって事は・・・、まさかグルメ界から猛獣が来たって言うのか!?」
グルメ界の猛獣が来ている事に驚くも、僕は迷う事無く十三階層にへと足を踏み入れた。
ダンジョンから生まれたモンスター達が襲って来るが、それを一蹴して猛獣のいる場所に直行するのだった。
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猛獣
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