美食の白兎   作:ドラ民具

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事実

自己紹介をすると、フィンと呼ばれる少年はこう言ってくる。

 

「新興派閥(ファミリア)?しかも、団員は君だけなのかい?」

 

「はい、そうですよ。」

 

その問いに答えると、ベートと呼ばれる狼人(ウェアウルフ)の青年がこう言ってくる。

 

「ふざけてんじゃねぇぞ、この兎野郎!!俺らが苦戦するする奴をテメェが無傷で仕留めれる時点でlevel1な訳がねぇだろ!!大法螺吹いてんじゃねぇぞ!!」

 

そう言ってくるベートと呼ばれる狼人(ウェアウルフ)の青年の言葉に他の【ロキ・ファミリア】の人達も同意見のようだ。

 

それに対して、僕はこう言うのだった。

 

「本当の話ですよ、どうしても信じられないなら僕の専属アドバイザーに聞いてくれても構いませんよ。」

 

僕がそう言うと、翡翠髪の妖精(エルフ)の女性がこう言ってくる。

 

「なら、お前のアドバイザーの名前を教えてくれ。」

 

「エイナ・チュールさんです。」

 

「そうか、後で確認するとしよう。」

 

妖精(エルフ)の女性はそう言って引き下がってくれた。

すると、突然グゥ~~~~ッという僕の腹の虫がなり、なんとなく微妙な空気が流れるのだった。

 

「すみません、ここに来るまで何も食べていなかったものですからこれで僕は失礼しますね。」

 

「ちょっと待った。」

 

そう言ってデビル大蛇を担いで立ち去ろうとすると、フィンと呼ばれる少年に呼び止められてしまう。

 

「君は一体どこにいくつもりなんだい

?」

 

「えっ、デビル大蛇を早く食べたいんで地上に戻ると思っているんですけど・・・?」

 

そんな問いかけに答えると、フィンと呼ばれる少年はこう言ってくる。

 

「いやいや、それだけ余計な混乱を引き起こしてしまう。」

 

「えっ、どうしてですか!?」

 

その言葉を聞いて僕は驚愕の声を上げる。

 

「何故なら、そのデビル大蛇というのは君からすればありふれたものであるかもしれないが、僕達もといオラリオ住む人々にとっては『未知』そのものだ。」

 

「なるほど。じゃあ、ダンジョン(ここ)で食べちゃいますね」

 

「いや、そう言う事ではないんだけどね・・・」

 

「それなら、僕を監視するという面目で休息を取るというのはどうですか?」

 

『!!』

 

僕の提案に【ロキ・ファミリア】全員が驚愕の表情を浮かべる。

 

「それじゃ、僕は先に行って用意しておきますね」

 

その言葉と共に僕はデビル大蛇の肉を持って十八階層にへと降りて行った。

 

「フィン、どうする?」

 

「うーん、彼の案に乗らせて貰おうかな」

 

こうして、監視という建前で休息を挟む事にした【ロキ・ファミリア】は僕と十八階層にへと降りて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

十八階層に着くと、僕は早速デビル大蛇を調理する為に手刀で周囲に生えている木々を伐採し葉の付いた枝を切り落として行く。

 

「ねぇ、あの子手刀で木とか枝とか切ってるように見えるのあたしだけかな?」

 

「アンタだけじゃないわよ、私にもそう見えるから」

 

「うん、切ってるよ」

 

「っていうか、なんで手刀で切れるんですか!?」

 

周囲から色んな声が聞こえて来るけど、今はデビル大蛇の事に集中したいので無視する事にした。

 

そうして手入れをした丸太に火を付け、いよいよデビル大蛇を切り分ける。

 

「よっと!!」

 

ズババババッと五等分して焼き始める。

 

ジュワ~~~~~~ッという肉の焼ける音を聞きながら僕は火加減や焼き面を調整しながらも焼けて行く肉の香ばしい臭いを堪能する。

 

すると、さっきのアマゾネスの髪の短い妹が話しかけて来る。

 

「ねぇねぇ、そのお肉ちょっとだけ食べさせて」

 

「良いですよ、皆で食べた方が楽しいですし」

 

「いいの、やったぁー!!」

 

話しかけて来た妹は涎を我慢しながら聞いて来るので了承すると子供のように喜んでいた。

 

「ちょっとティオナアンタ何言ってんのよ!!」

 

「えー、だってお腹すいたんだもん」

 

「だからって、あんなのが美味しいわけないでしょ!!」

 

「でもさぁ」

 

「でもじゃない!!」

 

姉妹喧嘩が始まりそうな雰囲気になった頃、丁度デビル大蛇の肉が焼きあがった。

 

「デビル大蛇が焼けましたよ、えーと…」

 

「あっ、そう言えば自己紹介がまだだったね。あたし、ティオナ・ヒリュテ!!」

 

「私はこの馬鹿の姉でティオネ・ヒリュテよ」

 

「ティオナさんにティオネさんですね、さっきも名乗りましたけどベル・クラネルです」

 

「ベルだね、よろしくね」

 

「別にさんなんて付けなくていいわよ、それに敬語もね」

 

「分かった。はい、ティオナデビル大蛇の肉が焼けたよ」

 

「わーい、ありがとうベル!!」

 

僕がティオナに焼けたデビル大蛇の肉を渡し、自分の分を食べ始める。

 

「いただきます!!むぐっ、むぐっ、やっぱりデビル大蛇の肉は美味しいな」

 

「ホントだ、美味しいー!!」

 

そう言いながら僕とティオナは食べ進めて行くと、フィンが話しかけて来る。

 

「ベル・クラネル、そのデビル大蛇というヘビは君の住んでいた地域(ばしょ)で食べられていたのかい?」

 

「はい、そうですよ。デビル大蛇は僕の住んでいた世界(ばしょ)で高級食材でしたから」

 

「高級食材…、ちなみに幾らくらいするんだい?」

 

「えっと、確かkgで150万ヴァリスですかね」

 

『えっ!?』

 

何故か、デビル大蛇の価格を聞いて【ロキ・ファミリア】の人達全員が驚愕の表情を浮かべ、ティオネが顔を青くさせている。

 

「あれ、どうしたんですか?」

 

「このヘビ、そんなに高いの?」

 

僕が疑問符を浮かべているとティオネが問いかけて来る。

 

「うん、デビル大蛇は捕獲レベル21あるからそれに合わせて価格も高いんだよ」

 

「捕獲レベル?21?どういう事?」

 

僕の説明に疑問符を浮かべるティオナに更に言葉を続ける。

 

「捕獲レベルって言うのは獲物をしとめる難度を示すレベルなんだ。捕獲レベルが高い猛獣ほど個体戦闘力は高くなるが、棲息環境や希少性なども考慮されるため本体は弱くても捕獲レベルが高くなるケースもあるんだ」

 

『…………っ!?』

 

「そ、それなら、このデビル大蛇の捕獲レベル21ってどれぐらいなんスか?」

 

そう聞いて来るのはザ・平凡と言っても過言では無い青年だった。

 

「このデビル大蛇は弱いですよ、だって原種(オリジナル)の捕獲レベルは5100ですから」

 

『!!?』

 

青年の問いに答えると【ロキ・ファミリア】の人達全員が絶句する。

 

まぁ、自分達が苦戦していた相手が弱い部類に入ると聞かされたんだからそうもなっちゃうか…。

 

そして、目の前で見せられた何もさせずに倒して見せた圧倒的強者(ぼく)の姿も相まってね。

 

そんな事を考えていると、さっきの金髪金眼の少女が話しかけて来る。

 

「どうすれば君みたいに強くなれるの…?」

 

そう聞いて来る少女の眼には強さを求める意思がビシビシと感じ取れた。

 

それは他の【ロキ・ファミリア】の人達も同じだった。

 

なるほど、これが最強派閥と呼ばれる所以かなと僕はそう思った。

 

「強い肉体を作るには鍛える事は大事だけどその肉体の土台を用意するには【食】が大事になって来る。だから、今は悔しさを噛み締め昨日よりも強くなる為に食べると良い」

 

そう言いながら少女の前にデビル大蛇の肉を差し出すと、少女は食べ始める。

 

少女が食べ始めると、他の人達もがっつくようにデビル大蛇の肉を頬張っていく。

 

僕はその姿を微笑ましく見ているのだった(ちゃんと自分の取り分を確保しながら)。




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