バットエンド小説です。第三弾ですね。
誰もが一度は考えたのではないでしょうか。この様な終わり方。

世界は、どうしようもなく残酷で高校生には耐えれないと思うんですよね(素面)

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バットエンド小説です。
好みは分かれそうですね。


本当にありふれた終わり方

異世界に召喚されたて、きっと浮かれていたのだろう。自分達が物語の主人公の様に持て囃され、世界を救うという妄想に取りつかれていたのだろう。同時に、力を手に入れたからこそ、弱者を貶めたくなったのだろう。これは、可能性の話。ありふれた事柄で死んでいき、選択肢を間違え続けた勇者のお話。

だが、安心して欲しい。この世界は既に閉じられた(・・・・・)。これ以上のIFも無い。ただ、その現象を英永劫に繰り返し続けるだけの世界となった。

そんな世界の一幕を、お見せしよう。

 

~~~

 

勇者の一声によって戦争に参加することになった地球組はステータスというこの世界特有の技能により大幅に強化され、慢心していた。中途半端にこの世界の常識について学んでしまったが為に、自分達はこの世界の住民より優れていると無意識化で考えてしまっていた。

そして、その力で普段通りのいじめを行ってしまった。それが、全ての始まりとなってしまった。

 

南雲ハジメ(原作主人公)の死亡。死因は檜山たちによるリンチでの内蔵損傷、頭蓋骨陥没、肺は焼け爛れていた。余りにも行き過ぎた行為。熱中しすぎて殺してしまったことに気が付いた檜山たちは焦り、事件を隠蔽。当時、錬成師と言う”ありふれた„天職だった為、無能と見下されていたこともあり、神の使徒として不要とされ、この死は隠蔽され、南雲ハジメは厳重な警備がされている王城をたった一人で抜け出し、何処かへ行ってしまった…ということになった。

 

流石にそのシナリオには無理があり、一部の生徒は訝しんだが勇者の一声により有耶無耶になてしまった。そして、南雲ハジメには『皆が努力している中、勝手に逃げ出した卑怯者』というレッテルが張られることとなった。この時、既に一部の生徒は王国側の人間の言葉を疑いもせずに信じる勇者に疑いの目を向けていた。しかし、その様な事を口にすればこの地球組というグループから追い出されるという恐怖が勝り、言い出すことは出来なかった。

 

南雲ハジメが消え、約一名程塞ぎ込みがちになっていたが、全体の訓練も終わり、地球組は王国が所有する大迷宮。オルクス大迷宮へ訓練の成果を見せる為に赴いた。大迷宮を中心に栄えた町は活気に満ちており、その雰囲気にあてられたのか緊張した空気が霧散していった。

 

オルクス大迷宮へ向かい、内部での魔物との戦闘が始まった。前衛と後衛に分かれ、バランスよく攻撃することで難なく階層を進んでいたが、20層で現れる岩に擬態する能力を持つロックマウントという魔物の咆哮に前衛が態勢を崩し、抜かれ後衛にその牙を剥こうとしたが寸前の所で騎士団長によって守られた。この時、勇者の幼馴染が青褪めていた為に勇者は義憤に駆られ残りのロックマウントに自身の持つ最大火力で攻撃した。その際、洞窟の天井の一部が落盤。前衛を務めていた二人の男子生徒が落盤に巻き込まれ、死亡してしまった。しかし、直後の土煙やその後のメルドによる勇者への説教。檜山によるトラップ発動などで有耶無耶になってしまった。

 

トラップが発動し、メルド含む騎士団並びに地球組は別の階層に移動された。そして、移動した先に同じく召喚されたのは異世界トータスの最強であった冒険者を倒した魔物、ベヒモス。突如現れたそれは、混乱する生徒達に牙を剥いた。同時に現れた、人型の骸骨の魔物であるトラウムソルジャーの襲撃もあり、生徒達は騎士団の指示も聞けず、ただ個人で戦うだけだった。

 

そんな混乱の中、まるで知能があるかの様に生徒一人に対してトラウムソルジャーが数体で囲み、一人、また一人と死んでゆく。そして、それを目の当たりにした生徒が錯乱し場は余計に混乱に陥った。その後、メルドの気転により生徒達の方へ向かった勇者によってその場だけでも前線を持ち直し、どうにかその場から撤退することが出来た。

 

その後、点呼すると数人足りない。そこで、初めて仲間が死亡もしくは失踪したことを実感した。最初の勢いは何処へやら、士気はガタガタ、責任を擦り付け合い、檜山は吊るし上げられ、ソレを庇った勇者もまたこれ迄のカリスマを発揮できなくなっていた。

 

このままでは不味いとメルドは王都への一時帰還を提案し、地球組はオルクス大迷宮から逃げる様に王都へと向かった。道中は誰一人と喋る事は無く。ただ、下を向いて黙っていた。そこで、何度か勇者が鼓舞しようとしたが、幼馴染である男子に止められ、終ぞ行う事は無かった。もし、このタイミングそんなことを行おうものならば、やり場のない怒りや恐怖と言った負の感情の捌け口になり死ぬまでなぶられていたかもしれない。

 

王都で彼らを出迎えた貴族や神官たちは困惑した。それは、最初に出ていった時と人数が明らかに違うことと、皆一様に顔色が悪く頬も痩せこけヤツレていたからだった。事情を聴いてみれば、仲間が多数死亡し一部生死不明とのこと。教会としては、勇者たち神の使徒一行は不敗であり無敵でなければならない為、このことは教会上層部と王国上層部のみ知る事となり隠蔽されることとなった。

 

そして、この事件を機に多くの者たちが部屋に引きこもり戦闘訓練を拒否しだした。それもそうだろう。強力な力を手に入れて浮かれていた所に突然冷や水を掛けられ、残酷な現実を見る事になったのだから。それに対して教会はやんわりと復帰を促すが結果は芳しくなかった。更に、彼らは引きこもり流石の教会も頭を抱える事態となった。

 

そこで、彼らは地球組に脅しをかける事にした。それは、丁度数名を死亡させる大事件を引き起こした

犯人である檜山を魔人族の手先として吊し上げ、王都の城下町で公開処刑を行うといったものだった。勇者は激しく抵抗したが、教皇や枢機卿と言った幹部の説得により渋々了承した。そして、執り行われた死刑執行を目にした地球組は「次は自分が処刑されるかもしれない」と追い立てられる様に戦いに向かって行った。

 

教会の思惑通りでもあるが、同時に予想外の事態が発生した。死にたくないと一心に訓練や迷宮に籠る者が続出し、教会の治癒要員や王国の治療院の治癒師の回復が追い付かなくなったのだ。予想の斜め上を行く結果にこのままでは地球組より先に教会の人間が過労で死んでしまうと考えた上層部は、やんわりと抑える様に言ったが、前回の事もあり脅しと捉えた地球組は更に過度なスケジュールを組み始めた。

 

ここにきて、ようやく教会は自らが選択を誤ったことを認めたが、時すでに遅く、既に数名の過労死を出していた。丸一日交替で狙ったかのように連続で来る負傷した地球組の治療に教会の治癒師は日に日に数を減らしてゆく。信仰心があるからこそ、逃げれず献身を続けそのまま息を引き取る治癒師が後を絶たなくなった。

 

それから暫くして、王国に一つの衝撃的な情報が届くこととなる。魔人族が快進撃を続け、じきに王都へと牙を剥けるといったものだった。それを証明するかの様に、王都の外から難民が押し寄せ、王都の備蓄分では到底カバーできない人口になってしまった。日々上がる物価、難民の口から出てくる魔人族の快進撃。様々な事が重なり、王都の住民は不安になっていた。

 

そんな所に立ち上がったのは勇者だった。皆は俺が守る。そう言って、地球組を鼓舞し王都防衛に買って出た。勇者の言葉に感化された訳では無く、此処で拒否した場合殺されるかもしれないという強迫観念に取りつかれていた為に積極的に協力していた。

 

そして、だれも望んでいない開戦。戦争が始まった。魔人族は少数精鋭の部隊が多くの魔物を使役し、物量と質、両方を兼ね備えた戦い方をした。王都は、強固な結界と堅牢な城壁により持ちこたえていたが、ただ山の頂上に聳え立っているだけの教会は早々に陥落してしまった。幾度となる魔法による砲撃、ローテーションが組まれているのか、一日中砲撃されその末に陥落した。教会を守っていた結界は消えうせ、そこにあった神聖な教会は跡形も無く消え去った。残ったものは、無残な死体と教会があったことを示す瓦礫だけだった。

 

教会の陥落は、目と鼻の先である王都では直ぐに広まった。そして、ソレは同時に致命的な打撃を王国軍に与える事となった。エヒト様は我々をお見捨てになった。もう、我々は死ぬんだ。世界の終わりだ。誰もが口々にそう言い、既に士気はそこを割り始めていた。誰もが諦めている中、また魔人族による攻撃が開始された。そして、それは同時に勇者の脆弱性を露見させ地球組の結束力を失わせるのには十分な出来事だった。

 

きっかけは、結界から出て攻め入る魔人族と勇者が戦っていた時の事だった。十分に時間が取れず、並の魔族より少しばかり強い程度のステータスしか持たない勇者は思いのほか敵に苦戦していた。そして何度も鍔迫り合いを行い、相手の隙をついて切りかかろうとした時に見てしまった。何処までも死ぬのを恐れている魔人族の顔を。魔人族が自分達と同じ人間であると。

 

そうなると、弱かった。勇者は斬る事が出来なくなってしまった。だって、相手は人だから。人を傷つけるのも、殺すのも悪い事(・・・)だから。その時こそ、幼馴染達によってギリギリ助けられたが、それ以降勇者は地球組全員に彼らと話そう。話せば分かってくれる。と言い出した。人同士で戦うのは間違っている。そう、言い出したのだ。

 

そして、それは地球組を分裂させるのには充分だった。勇者のその物言いに、一部の女子は泣き出し、男子は憤慨した。自分で始めた癖に、今更日和やがって。戦いの中でたまったストレスが、勇者(元凶)の元に叩きつけられる。しかし、自分の正義を信じて疑わない勇者はなおも言い募る。それは、正論だった。しかし、狂っていた。戦争で、一般倫理は通じない。国際機関が無いから、捕虜の身元保証なんてあって無いようなものだ。ここにきて、勇者を除く全員が悟った。自分達は、自身で決めるのが怖くて流されて、とんでもないことに巻き込まれてしまった、と。そして、今更逃げる事は出来ないということも。

 

徐々に勇者の元から人は離れていき、最後は幼馴染達のみのなってしまった。それでも、勇者は平時での倫理を言い続ける。それが、彼の信じる正義(・・)だから。彼の言葉こそが、正義だから。

そうして、連携すらままならなくなった地球組は結界を破って入ってきた魔人族の軍隊になすすべなく、各個撃破されていった。誰もが泣き叫び、死にたくないと叫んでいる中、なおも言い募ろうとしていた勇者。狂った世界に、狂った神。そんな場所に生まれた狂った勇者はさぞ滑稽だったことだろう。

 

こうして、魔人族は人間族に対して大勝利を治め、領土を拡大していった。その後の話など、蛇足に過ぎない。それはまた、別の機会に語られるべき事柄なのだろう。




いかがだったでしょうか。コレも気っと、あり得たかもしれない世界。
誰しもが、自身に都合の良い世界では無く。何処までも残酷な世界。特撮やアニメみたいに、変身を律義に待ってくれる人は、居ませんからね。

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