ふと書きたくなって、若干勢いに任せて書きました

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Vtuberである桜もちさんを題材に書いております。
単発です。


愛しいあの子と

俺には彼女が居る、取り柄も無い俺にとって勿体無いくらいの彼女が。

きっかけは一目惚れだ、水族館でバイトしてた時に道に迷っていた彼女を案内したのが始まり。

何度も来る彼女に心を奪われ、勇気を出して連絡先を交換した。

最初はお茶から始まり、カラオケ、ウィンドウショッピング等を重ね、遂に付き合えた。

告白は俺からだ。

今にして思えば顔を真っ赤にしながらしてたと思う。

彼女は笑いながらOKしてくれた。

 

 

 

 

 

今日は付き合って初めてのデート、友達の状態では何度か会ったが、特別な関係になってから会うのはこれが初めてである。

待ち合わせは近くの公園で14時、現在の時刻は13時10分。

緊張して眠れなかったし、予定よりとても早く着いてしまっている。

でも良いのだ、待たせてしまうより、待つ方が好きだ。

待っている間彼女の事をずっと考えていられるから。

 

 

 

 

 

そう思っていると時刻は13時50分、後もう少しで彼女が来る。

彼女の名前は「桜もち」身長は低めで、ツンデレだ。

ツンデレといっても、ツンが少なめのデレ増しツンデレと言おうか。

本人はデレてないと言うが、言う度に頬が赤くなってるので分かりやすい。

もちの魅力は沢山あるが、一言で言うならば思いやりがあるとこだ。

気が利くと言っても良いかもしれない。

俺は水族館でバイトしているが、ショーをやる際の合図の練習や、お客さんにも協力してもらう企画を説明する練習をしてる時、色々とアドバイスをくれる。

それに、前に一度友達の時に家に招いた事がある。

当時はカレーを作って食べてもらった覚えがあるが、食べてすぐ寝てしまったらしく、目を覚ますとタオルケットが掛けられており、机には「風邪引かないようにね、後カレー美味しかった」と書かれた手紙が置いてあった。

 

 

 

 

 

そんな思い出を振り返り、時計を見ると既に14時を回っていた。

だがもちは来ていない…もしやドタキャンか…!?

そう思いもちに連絡をするが、繋がらなかった。

心配になってきたので、1回もちの家に行ってみる事にする。

 

 

 

 

 

もちの家に行くのは初めてだ。

前に住所だけ教えて貰ったが、行ったことは無い。

家の前に着き、インターホンを鳴らす。

程なくしてドアが開き、もちが出てきた。

 

 

「はい、どちら様…って、どうして?」

 

 

もちの顔色はとても悪く、おでこには冷えピタが貼ってあった。

俺は待ち合わせに来なく、連絡もつかなかったから来た旨を伝えた。

 

 

「あっ…!ごめん、もち今携帯の充電無くて。

待ち合わせ場所にも行けなくてごめんね、昨日から風邪引いちゃってさ…

もちね、楽しみな事あるとその前日とか当日に体調崩しやすいの」

 

 

なるほど、つまりは俺とのデートが楽しみだったって事か。

内心ちょっと嬉しかったが、もちが心配だ。

 

 

「そ、そういう訳だから…今日はごめんね?また後で連絡…あっ…」

 

 

もちがよろけ倒れそうになるところを抱き抱えた、身体がとても熱い、熱がかなりありそうだ。

 

 

「ご、ごめん!風邪うつっちゃうと嫌だからもうこれで、ね…?」

 

 

こんな状態の彼女を置いて帰れと?それは流石に聞けない。

俺は彼氏、彼女が風邪引いて弱ってるなら、傍に寄り添いたい、看病してあげたい。

俺はドアを開け、もちと一緒に入る。

 

 

「ちょ、ちょっと!帰ってってば!」

 

 

いいや、帰らない。

俺は今日もちと一緒にデートしたかったんだ、それを風邪が邪魔したのならその風邪を早く追い出さなければいけない。

それに、看病すればお家デートみたいかなって思ったのだ。

後は…俺がただ一緒に居たいだけ…かな。

 

 

「もう…ばか。

でもありがと、それじゃあ…看病お願いします」

 

 

 

 

 

 

もちを布団の中に入れ、熱を測ると38℃あった。

ご飯も食べてないらしいので、まずはお粥を作る。

普段料理しないので、上手く作れるかは不安だが…お粥くらいなら大丈夫だろう。

鍋の火を見ながらもちの様子を見るが、熱もあるせいか苦しそうにしている。

今はとにかく栄養のある物を食べて体力をつけないといけないのかもしれない。

 

 

 

 

 

お粥が完成した、味の好みが分からないので、とりあえずは塩ひとつまみで作った。

お粥をもちのとこへ持って行くと、もちは上体を起こしていた。

身体はまだ重いだろうに…

 

 

「あ、お粥作ってくれたんだ、ありがとう」

 

 

自分で食べれるだろうか?それくらいの元気はあるだろうか…?

心配そうに見つめてると、もちが口を開けて待っていた。

これは…「あーん」をしろって事だろうか?

まだ付き合って間も無いのだが、「あーん」はハードル高くないだろうか…?

 

 

「ん…あーん」

 

 

あーんしろとの事のようだ。

当の本人は熱のせいか頬を赤らめながら口を開けて待っている。

不覚にも可愛いと思ってしまった。

 

 

「ん…おいしい」

 

 

複数回あーんした後、「後は自分で食べるね」とお盆ごと取られてしまった。

自分が食べさせてる時より食べるスピードがとても速く見えるのだが、そんなにお腹減ってたのだろうか?

風邪引いたりしてる時は、食欲無くしやすいとは思うのだが。

 

 

 

 

 

「ごちそうさま」

 

 

お盆を渡し(奪われ)てから5分で、もちは残りのお粥を完食した。

食事をした事で熱が上がったのだろうか、顔が更に赤くなっていた。

 

 

「はぁ…ずっと寝てたから汗かいちゃった」

 

 

ほぅ?身体拭きましょうか?とか思ってたらもちがジト目で見つめてきた。

はい、すいません…

(この後もちが身体を拭いている間俺は洗い物をしていました、洗濯物には手を触れるなとの事)

 

 

 

 

 

洗い物が終わり、もちの部屋に戻ると熱を計っていた。

結果は38.7℃、食べて体力も多少は戻ったと思うから、後は寝るだけ。

 

 

「本当にありがとうね、助かった」

 

 

彼女がこんな状態なんだ、支えてあげたいって俺が思っただけなんだから。

今は1日でも早く治る事を祈ってるよ。

 

 

「えへへ…ありがとう。

ねぇ、もう1つお願い聞いてもらっても良い?」

 

 

はて?お願いとな?無茶振りでなければ何でもございだ。

 

 

「あのね、もちが寝るまで傍に居て欲しいの。

あなたが傍に居てくれたら、ぐっすり寝れると思うの」

 

 

そんなのお安い御用だ、元々寝るまで傍に居るつもりだったから。

俺は頷くと、もちは微笑んで「ありがとう」と言い目を閉じた。

 

 

 

 

 

30分程してだろうか、息遣いが荒いながらも、もちは眠りについた。

俺はもちの右手を無意識に握っていた、辛くても、俺は傍に居るよって。

今日はおでかけ出来なかったけど、もちと一緒に色んな場所に行きたいから、一緒に楽しみたいから。

だから…早く良くなってくれな…

 

 

 

 

 

「ん…今…17時か、右手、暖かい。ずっと握ってくれてたんだね」

 

 

彼はもちの手をぎゅっと握り締めていた。

もちがワガママを言った手前、寝たら帰っても良かったのに彼はずっと傍に居てくれた。

彼は寝てしまっているけど。

 

 

「本当に、ありがとう。

貴方が寝てる今だから言えるけど、もちね、両親が居ないの。

物心ついた時から両親が居なくて、施設で育ったの。

何をするにも、1人で全部やらなきゃいけなかった。

誰かに頼るなんて事も、出来なかった。

そんな時にね、貴方に出会った。

たまたま貴方が働いてる水族館に行って、道に迷って、貴方が道案内をしてくれて、初めて人の優しさに触れられた。

貴方はよく失敗するけど、ひたむきに努力してるのは素敵に思うし、その頑張りをずっと見てたから、もちも貴方の事を好きになったんだと思う。

告白してくれたの嬉しかったよ、もちには告白する勇気なんて無かったから…

だからこれは…デート出来なかったお詫びと、告白してくれてありがとうって意味と、これからもよろしくねって意味で…」

 

 

もちの唇と、彼の左頬が触れ合う。

唇にしなかったのは、まだもちが風邪を引いているから。

彼に伝染すと大変だから控えた。

 

 

「大好きだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん…寝てしまっていたみたいだ、時計を見るともう19時近い。

もちはぐっすり眠っている、楽しい夢でも見てるのだろうか?口元が少しにやけている。

おでこを触ると、昼間の時みたいな熱さは無い。

この調子なら早く治るだろう。

俺は物音をたてないように立ち上がり、帰る準備を始めた。

 

 

 

 

 

帰り支度が済み、最後にもちの顔を見る。

次は体調万全にしてデートしような、楽しい思い出いっぱい作ろうな。

もちの頬を指で撫でると、くすぐったかったのか寝返りで顔を隠してしまった。

俺はもち背を向け、部屋から出ようとする。

 

 

「ありがとう」

 

 

声が聞こえ振り返るが、もちは眠ってるままだった。

 

 

そのまま俺はもちの家を後にした。

翌日メールを受信し開くと「もう風邪治った、看病してくれてありがとう」と書いてあった。

内心ホッとし、2週間後にデートの約束を入れ、水族館のバイトに向かう。

本当ならすぐにでもデートしたいが、病み上がりもある為多少時間をとって体調を整えてもらいたい想いがあった。

 

 

 

 

 

 

2週間後、俺は待ち合わせの1時間前からもちを待っていた。

理由は最初に言った通りだ。

事前にメールで「今日は体調バッチリだから安心して」と、書かれていた。

 

 

待ち合わせ5分前、もちが来た。

 

 

「ごめん、待った?」

 

 

いや、待ってないよ。

 

 

このお約束の会話が出来るのも嬉しい。

冬で寒さが厳しいからか、もちの首にはピンクのマフラーが巻かれていた。

 

 

「この前はデート出来なかったから、今日は沢山楽しも?」

 

 

あぁ、そうだな。

もちが手を差し伸べてきたのを、俺は手を取りそのまま抱き締めた。

 

 

「ちょっ…急にどうしたの?恥ずかしいじゃない…

もしかして、この前の聞いてたの…?」

 

 

この前?いや、俺は何も知らないが。

ただ一緒に居られる事が嬉しくて、抱き締めただけ。

今日は楽しい思い出をいっぱい作ろうな、もち。

 

 

「…うん!」

 

 

恋人繋ぎをしながら、俺達は歩いて行く。

願わくば、このままもちと添い遂げられたら良いなって思ってる。

俺の大切な人、桜もちと…

 

 

「ねぇ」

 

 

暫く歩いてると、もちから声を掛けられる。

 

 

「もち、貴方の事大好きだよ」

 

 

あぁ、俺も大好きだよ。

いや…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もち愛してる。


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