師匠みたいになりたいので防御力に殆ど振りたいと思います。【完結】   作:兎秤

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 メイプルちゃんって可愛いですよね!でも、私はミィさん派です。


防御特化憧れと鬼退治

 ロータスは掲示板にあったメイプルの真似をし、幾つかスキルを獲得していた。

 

「えっと、今のステータスはこんな感じですね」

 

ロータス

 

Lv10

HP 140/140

MP 112/112

 

【STR 0〈+9〉】

【VIT 120〈+40〉】

【AGI 0〈+ 5〉】

【DEX 0】

【INT 0】

 

装備

頭 【空欄】

体 【レザーアーマー】

右手 【ショートソード】

左手 【アイアンシールド】

足 【空欄】

靴 【レザーブーツ】

装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

【絶対防御】【毒耐性中】【大物喰らい(ジャイアントキリング)

【瞑想】【挑発】【シールドアタック】

【大盾の心得V】【体捌き】【攻撃逸らし】

 

 

 獲得したステータスポイントは全てVITにつぎ込んでいる。実はロータスは、最初の方は後でSTRとAGIにも少しは振ろうとしていたが【絶対防御】の特性で振るのに3倍かかるようになってしまった為、振れていないのだ。結局そちらは、武器や装備で少し上げようと考えているのだった。

 STRとAGIを上げようとしていた理由は、0だとどれだけバフをかけようが変わらないからである。『0は何倍しても0』後にメイプルが言うであろう考えをプラスではなくマイナスの意味で捉えていたのだった。

 補足だが装備品は前のアカウントの物である。

 

「しかし、師匠の行動はわかる分には真似しきってしまいました。誰かわかる人は・・・・・あっ、あれは!」

 

 ロータスはある人を見つけて走り出す。走り出すとは言ってもAGIの合計が5である為、物凄く遅い。メイプルよりは多少早いが、それでも他のプレイヤーに比べれば亀の進行程のスピードだ。

 

「クロムさん!」

「うん?ロータスか。どうした?」

 

 ロータスが声をかけたのは第一回のイベント9位のクロムだった。2人はアカウントを作り替える前からのフレンドである。

 

「ししょ・・・・・メイプルさんについて聞きたくて」

「メイプルについて?」

「はい、どこかに行ったとか何をしてたとか情報はありませんか?」

「そう言えば、【毒竜の迷宮】に行ってたような・・・・・」

「【毒竜の迷宮】ですね?分かりました、行ってきます」

「お、おう、頑張ってな」

 

 ロータスはゆっくりと【毒竜の迷宮】を目指して歩きだした。そして、そこそこの時間をかけて【毒竜の迷宮】にたどり着くのだった。

 

「よし、行きましょうか」

 

 そう、意気込みロータスは【毒竜の迷宮】を進んでいく。【毒耐性中】のおかげでか、はたまたプレイヤースキルが高いのか順調に【毒竜の迷宮】攻略して行っていた。

 しかし、ここで変化が起きた。このまま、ボスモンスターのヒドラまで行くかと考えている所で壁に手を付いた瞬間、ガコッと隠しスイッチが押されて隠し通路が現れたのだ。

 

「こんな所に隠し通路?面白そうだし行ってみましょうか」

 

 隠し通路を進んで行くと大きな扉があり、見た感じは完全にボス部屋の扉だ。

 

「・・・・・ヒドラのボス部屋でしょうか?しかし、道を外れて来ましたし・・・・・もしかして、裏ボス部屋?」

 

 裏ボスではなく、本当はそこは隠しダンジョンのボス部屋だった。解放条件はキャラを作り直した上でパーティを組まずにレベルを上げ続けていて、1度も死んでいないというものだ。

 ダンジョン名は【捻くれ鬼の隠れ場】という名前でボスモンスター以外に何も出ない、ボス部屋までも物凄く短い、ダンジョンと呼べるか微妙なダンジョンだった。

 そんなことは知らないロータスは、期待を胸に力強く扉を開けて中へ入る。ロータスが中へ入りきると扉は勝手に閉まり開かなくなった。ボス部屋の仕様なので今更驚くことは無いがロータスはそのボスモンスターを見たことで驚くことになった。

 

「鬼?」

 

 そう、鬼である。この層、つまり第一層では未だ発見されていないタイプのモンスターだ。

 

「ぐぉぉおおおおお!!」

「なっ!?ちょっと!」

 

 驚いていたロータスを無視して鬼は一気に突っ込んで来て攻撃をしてきた。AGI合計5に躱す能力はあるはずなく鬼の攻撃は直撃する。しかし、VITは元と装備、そしてスキルのおかげでバカみたいに高いのでしっかりと受け止める事が出来た。この時のVITは、実は同じレベルの時のメイプルよりも高いのだが、それをロータスが知ることは永遠にないだろう。

 

「やはり、師匠は間違って無かったですね。【シールドアタック】」

 

 スキル【シールドアタック】を使い反撃をすると鬼のHPは雀の涙程減少した。それに味をしめたロータスは、鬼の攻撃を受けては【シールドアタック】をするを続けたのだった。

 そんな、攻撃を続けて鬼のHPが半分を切ったところだった。鬼の後ろに鳥居が建ち、足元に五芒星が広がった。魔法が飛んでくるかと身構えたロータスだったが、そんなことはなくボスも変化した所はパッと見ただけではない。

 

「私の方にはデバフもついてない・・・・・って、なっ!?HPが18も減ってます!?なぜ!?」

 

 先程の技は、エリア内に居る敵から最大HPを20%奪い回復する技だったのだが、ロータスの最大HP量は140で、その20%はたった18である。ボスのHP量と比べれば雀の涙なのでボスが回復したのは殆ど分からなかったのだ。

 運営もかなりの高レベルのソロプレイヤーの攻略を予想していたのだ、まさかボスモンスター相手に低レベルで来るなんて考えていなかったのだろう。

 

「もしかして、確定でHPを少量減らす魔法だったという事でしょうか?」

 

 そんな、盛大な勘違いをしながらも先程と変わらず防御と【シールドアタック】を繰り返し、確実にダメージを与えていった。

 その途中に何度かHPドレインをされたり、ボス自体の攻撃力が上がったりした為、何度もHPが減らされたが、そのたびHPポーションで回復をしていった。

 そして、初めてロータスのHPが5を切った時だった。

 

「そろそろ、回復しないといけませんね」

 

 ロータスは慣れた操作でストレージからHPポーションを取り出し使おうとする。しかし、鬼は潔く待ってくれることは無くチャンスとばかりに攻撃してくる。

 

「なっ!」

 

 ロータスは慌てていたせいか、びっくりしたせいか、うっかりHPポーションを鬼に向かって投げつけてしまった。普通なら回復するアイテム、しかし鬼のHPは一気に減っていった。

 

「HPポーションって固定ダメージありましたっけ?というか、私の【シールドアタック】よりもダメージが大きいとは・・・・・」

 

 実はこれは、この鬼だけの特徴のせいだった。このボス鬼はデバフをバフにバフをデバフに変化させるという特性を持っていたのだ。仮にメイプルが【毒竜(ヒドラ)】を使った場合、物凄い勢いで回復するだろう。

 ロータスはHPポーションが砕けることにより発生する固定ダメージと勘違いしたまま、鬼に向かってHPポーションを投げ続けた。幸いな事にHPポーションは最初買い込んだ為、かなりの量あるのだ。

 

 そして、数分後。鬼は静かに倒れ、宝箱を残して消えたのだった。

 

「よし!鬼退治終了です!!」

 

 ロータスは宝箱に近づきワクワクしながらその箱を開ける。

 

「おぉ!!」

 

 宝箱の中には4つの装備が入っていた。鬼の角のように見える2本角の頭装備、所々に鬼の顔が付いた和風の甲冑、禍々しい鬼の顔の大盾、そして柄から刃まで真っ黒な小刀だった。

 

「師匠とは違いますが、これはこれでいいですね」

 

 ロータスは興奮したまま1つづつ説明文を読んでいく。

 

【ユニークシリーズ】

単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備。

一ダンジョンに一つきり。

取得した者はこの装備を譲渡出来ない。

 

『黒鬼の角』

【VIT +15】【HP +200】

【破壊不可】

【黒鬼の証】

 

『邪鬼の盾』

【VIT +20】

【破損成長】

【歪な悪戯】

 

『疫鬼の鎧』

【VIT +25】

【破損成長】

【疫病】

 

『刹鬼の小刀』

【VIT +15】

【破損成長】

【身喰い】

 

 

「スキルも確認してみましょう」

 

【破損成長】

この装備は傷つけば傷つくだけより強力になって元の形状に戻る。修復は瞬時に行われるため破損時の数値上の影響は無い。

 

【黒鬼の証】

自分自身のスキル以外で与えられるデバフをバフにバフをデバフに変える。

 

【歪な悪戯】

物理攻撃を受けた際に最大HPの1%のHPを、魔法攻撃を受けた際に最大MPの1%のMPを相手から奪う。

 

【疫病】

物理攻撃を受けた時、又は物理攻撃をした時にランダムで自分と相手にデバフを付与する。デバフは一つの〈疫病〉として集約される。

 

【身喰い】

攻撃した際、与えたダメージ量の5%を自身のHPを回復する。

 

 

「これは・・・・・」

 

 ロータスはスキルの強さに息を飲む。メイプルと違ってロータスはちゃんとした(・・・・・・)プレイヤーだ。この装備が異常だというのはよくわかったのだ。しかし、その驚きもメイプルの畏怖の念となるのだった。

 

「師匠はここまで見越してやっていたのでしょうか。やはり、凄いですね・・・・・」

 

 別にそんなことは無い。メイプルはただHPポーションで回復して毒をゴリ押し、【毒無効】を獲得して毒竜(ヒドラ)をむしゃむしゃしただけである。

 

「私も負けないようにしませんと。さて、鬼と毒竜(ヒドラ)の周回と行きましょう」

 

 その後、【毒竜の迷宮】で毒竜(ヒドラ)、【捻くれ鬼の隠れ場】で天邪鬼の悲鳴が響き渡ったのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

【NWO】俺のフレンドがメイプルちゃんに憧れてアカウントを作り直したんだが

 

35名前:名無しの大盾使い

この子、メイプルちゃんが何していたかを俺に聞いてきて【毒竜の迷宮】に行った話をしたら、【毒竜の迷宮】に本当に行って鬼になって帰ってきた

 

36名前:名無しの槍使い

ふぁ!?

 

37名前:名無しの大剣使い

この短時間で何があった!?

 

38名前:名無しの魔法使い

これはメイプルちゃん臭がする

 

39名前:名無しの弓使い

なんかエロい

 

40名前:名無しの大剣使い

黙れ

 

41名前:名無しの槍使い

メイプルちゃんのことを聞く←まだわかる

【毒竜の迷宮】に行く←まだわかる

鬼になって帰ってくる←ふぁ!?

 

42名前:名無しの大剣使い

確認だが、鬼のような形相で帰ってきただけってことは無いよな?

 

43名前:名無しの大盾使い

いや、和風の甲冑姿で頭に角が付いてた

聞いたところ、装備品らしい

 

44名前:名無しの魔法使い

これ、本当にメイプルちゃん化してない?

 

45名前:名無しの大剣使い

やめろ!そんな怖いこと言うんじゃねぇ!

 

46名前:名無しの大盾使い

まぁ、これからも随時報告してくわ

 

47名前:名無しの弓使い

頼んだ

 

48名前:名無しの魔法使い

よろしく

 

49名前:名無しの大剣使い

メイプルちゃんについても忘れずにな

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「おい!天邪鬼がやられたぞ!」

「天邪鬼?あぁ、あの隠しダンジョンのボスモンスターか」

「それがどうかしたのか?」

「1人に倒されたんだよ!」

「どうせ、またメイプルだろ?」

「いや、違うプレイヤーだ!」

「バカ言うな!メイプル見たいなのがそう現れてたまるか!」

「スキルは!スキルはどうなってる!」

「メイプルにそっくりだ!」

「おい、早くメンテナンスで調整するぞ!これ以上、メイプルみたいなのを増やすな!」

「「「「ラジャー!」」」」

 




ユニークシリーズについて指摘を受けた為、天邪鬼を裏ボスから隠しダンジョン【捻くれ鬼の隠れ場】のボスモンスターという設定に変更しました
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