勝手に人をヒロインにすんな!   作:茜 空

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本当は先週土曜日に更新する予定が、思った以上に文字数増えてずれ込んだため、平日のこんな時間に更新です。
で、もう一話できたので明日も更新予定です。もしずれても明後日までにはなんとか(笑)
あ、それと気が付いたらオリジナル月間ランキングにランクインしてました。ありがとうございます。


第11話:混ぜるな危険。直感型友人と謎のアプリ

「めぐみん……」

「てへぺろ♡」

「てへぺろ♡じゃないっつーの!」

 

 あざとい。あざといけど……かわいいなくそう。めぐみんは自分が可愛いことを自覚してるから余計にたちが悪い。悔しいけど許しちゃう。

 

「反省はしている。後悔はしていない」

「全然反省の色が見えないんですけど!?」

 

 ダメじゃん!反省と自重は本気でお願いします!主に俺の心臓と精神にすごく悪い。

 

「まぁまぁ。おかげで星5確定……ってこれいいやつなんだよね?のガチャ一回できるんだし」

「やっぱ反省の色が見えない!」

 

 お願いしますほんと!土下座程度でよければ何度でもするから!

 

「まあそれは一旦置いといて」

「置いとかないで」

「もー!話が進まないよ!ちゃんと反省してるし謝るから。ね?」

「……はぁ、分かった。けどもう勝手なことしないでよ?このアプリ、仕方なく使ってるけど結局謎ばっかなんだから」

「はーい」

 

 そう、このアプリ、自衛手段として使ってはいるけど何も分かってないのが現状なのだ。そんな正直得体の知れないもん使ってるんだから、普段と違う状態だったらなおのとこ慎重に行動しないといけないのに。

 まだまだ怒り足りないし、正直めぐみんの反省は絶対に足りてないと思う。とはいえもう問題は起きて……訂正、起こしやがったので、この先のことを考えないと。

 

「で、このガチャってさ、やっぱりさっきのリンクアプリっていうのに関係してくるよね?」

「だろうな。それに関する何かが出る?まぁそこはガチャってみないとわかんないけど」

「どうするの?」

「どうするもこうするも、引くしかない、よな。画面このままってわけにもいかないし」

「だよね。じゃあ引くよ」

「ん」

 

 とりあえずこのままじゃアプリ使えないし、流石にガチャで何か起こるってこともないと思うし。

 俺の返事を聞いためぐみんがガチャを回すボタンをタップ。その画面を俺はめぐみんの横で見守る。 

 

「ん?カプセルが2つ出てきたよ?」

「ぉぉぅ、マジか」

 

 いきなりいつもと違う演出発生。基本このアプリのガチャは単発もしくは11連しかないし、少なくとも俺は見たことがない。そんな状況と少ない時間の中、俺の頭の中は今ある情報を整理していく。

 俺以外の人に初めて触らせたヒロインアプリ。それによって解放されたリンクアプリ。で、記念ガチャから出たきたカプセルは2つ。さっきの嫌な予感がどんどん確信になりつつあるのを感じる。

 

 

☆☆☆☆☆ 鬼っ娘メイド妹のメイド衣装フルセット

☆☆☆☆☆ 鬼っ娘メイド姉のメイド衣装フルセット

 

 

 がふっ(心の吐血)

 

「うみうみ!これって二人でなら使えるコスなんじゃない?私にも使えるってことじゃない?」

 

 うわぁ、めぐみんの目がキラッキラしてる。そりゃあこんな状況からこんな形でこんなコス出ればその意見に行くよな。俺だってそうだし。

 

 嫌な予感的中。

 

 いや、まだだ。これはただ偶然が重なっただけかもしれないじゃん。俺の中のどっかのバスケの選手も「まだあわてるような時間じゃない」と言ってくれていr……

 

「「リンクスタート。スロット1ノソウビヲロードシマス」」

「はい!?」

 

 俺が必死に心で可能性を否定してるところに、2つのスマホから無情で無機質な声が重なって聞こえてきた。その声に反応したときには俺を緩やかな風が体を包み、

 

「「ロードカンリョウシマシタ」」

 

 あっという間に風が晴れれば、目の前のめぐみんの姿が某異世界アニメの鬼っ娘メイドの青髪の格好へと変わっていた。

 

「うわ、うわぁクオリティ高い。かわいい!ね、うみ……うみ?」

「めーぐーみーんー?」

 

 あれだけ言ったのに!あれだけ言ったのに!!

 

「うみかわいいよー!いや姉様!姉様可愛すぎます!」

 

 やっぱり全然反省の色が見えないめぐみんが秒で俺に抱きつき……俺の怒りは光の彼方へ吹っ飛んだ。

 いやだって!めぐみんむっちゃかわいいんだよ!コスがめちゃくちゃ似合ってるんだよ!そんな格好で抱きつかれれば嬉し恥ずかしが天元突破するから!あ、女の子特有の甘い匂い……しかもこの衣装、露出というか肌色の部分も割と多いし、程よい大きさのお胸の絶妙な幸せ感触ががが。

 

「めぐみん離れて!色々とまずいから!ていうかいい加減俺に抱きつく癖をなんとかしてくれぇぇぇ!」

「私は一向にかまわん!」

「俺がかまうんだよ!てかなんでそんなところだけ男らしいんだよぉぉぉぉ!」

 

 どこの烈◯王だ!

 まずい、今の俺って確認してないけど、多分鬼っ娘メイド姉の格好になってるはずだ。こんな格好でおっ立てようものなら間違いなくそれは自他共に認める立派なHENTAIさんだ。そんなことになれば社会的にも精神的にも俺は死ぬ。てかまず切実にめぐみんにそんな俺を見られたくも知られたくもない!

 

「お願いします!なんでもしますから!」

「……それ、本当?」

「本当!」

「じゃあ勝手にアプリ起動したの許してくれる?」

「許す!許します!」

「許し、ます?」

「許させていただきます!」

 

 恥ずかしさと焦り、それに頭に昇る血のせいか、もう自分が何言ってるかもわからなくなってきた。

 

「あとこの格好で一緒に写真撮ってくれる?」

「撮ります!一緒に撮らせていただきます!」

「最後にもう一個、あとで私のわがまま、聞いてくれる?」

「聞きます!聞かせていただきます!」

「約束だよ。もし嘘だったら……」

 

 むぎゅう。

 

 そんな擬音が聞こえてきそうなくらいにお胸を押し付けられる。いーーーーーーやーーーーーー!嬉しいけど嬉しくない!これが世にいう当たってるんじゃんなくて当ててんのよ。ってやつか。とか言ってる場合じゃない!助けてま〇ろさん!エッチなのはいけないと思います!

 

「守ります!約束絶対に破りません!!」

「よろしい♪」

 

 そこでようやく俺はめぐみんから解放された。俺はそのまま崩れ落ち、スカートを抑えてそれとなく股間を確認。よかった、まだ立ってない。ていうかそれっぽい存在を確認できない気がするけど多分うまい具合に収まってるんだろう。それに安堵と少しの不安を抱えながら俺はそのままめぐみんを睨みつけた。

 

「……ごめん、ちょっとやりすぎた」

「そう思うんならすぐにやめてくれよ!」

 

 俺が抗議の声をあげると、めぐみんは少し気まずそうに目を逸らした。

 

「もう、うみこそ、その恰好と女の子座りで涙目上目遣いって反則だよ。本気で開けちゃいけない扉開けちゃうじゃん」

「え?何?」

「何でもないよ」

 

 めぐみんが何か言ったようだけどうまく聞こえなかった。ただすっごい不穏な気配を感じて、これは深入りしちゃいけないと俺の第六感が再び警鐘を鳴らす。ならばこれ以上はつっこまない。雉も鳴かずば撃たれまい、だ。

 

「んんっ。それじゃあ気を取り直していこう姉様。もう勝手なことしないから」

「姉様言うな。もう、最初からそうしてくれよ」

 

 そう言いながら俺はゆっくり立ち上がって数回深呼吸をする。とりあえずある程度心を落ち着かせてから再びめぐみんの横からスマホの画面を覗き込んだ。

 そこに表示されていたのは、リンクスロットという初めて見るスロットと二人分の装備欄、それにセットされている鬼っ娘メイドのメイド衣装フルセット。フルセットって言うだけあって髪型から足元まで全身のアイテムが揃っていた。そういえばフルセットなんていうのも初めて見たな。

 

「めぐみんめぐみん」

「……」

「?めぐみん?おーい」

「レ◯」

「は?」

「レ◯って呼んで」

 

 正直ちょっとめんどくさいって思ったのは秘密だ。けどすぐに意識を切り替える。めぐみんの思考を読む能力の異常な高さは身を知ってるからな。こんなこと考えてるのがバレたら今以上にめんどくさいことになりかねない。

 

「レ◯」

「はい姉様」

 

 嬉しそうに返事をするめぐみん。

 ……むぅ、さっきめんどくさいって思ってたのにもう悪くないって思う自分がいる。なんか俺も気分がのってきたぞ。

 

「このスロットの装備ってガチャから出たあの?」

「はい。ガチャ画面からホームに戻ったときにスロットのところにNEWって文字とこのリンクスロットっていうのがありました。そこをタップしたらこの画面になって、ガチャから出た衣装をセットしたら装備覧が全部埋まったんです」

「へぇ」

 

 喋り方まで変わってなりきってるめぐみんの説明を聞きながら俺もそれなりになりきりつつ情報を整理する。このリンクスロットっていうのは今まであった装備スロットとは別にあるってことか。それとフルセットはどこかにセットすれば全部に適用されると。

 

「装備の変更はできる?」

「やってみます。あ、この衣装、一つ外すと全部外れるみたいです」

 

 てことはこのフルセット衣装はセット固定でしか使えないってことか。微妙に不便だな。あ、でも固有アビリティはあるし装備アビリティ欄は空欄だからそこでの強化は可能だな。

 

「姉様姉様、メインのほうの衣装は今持ってるものから選べますけど、リンクのほうの装備が表示されません」

「あら本当ね」

 

 めぐみんがメインのほうの装備を変えるときに表示された衣装の一覧は、今確かに持ってるものが表示された。けどそっちを変更するとリンクのほうの衣装欄には何も表示されない。

 

「ということはこのリンクスロットって今回ガチャで出たコス限定ってことかしら?」

「それだと元々持っていた衣装が表示されるのは変ですよね?」

「そうね。ということは元々持ってるコスも今は持ってないだけでリンクできる衣装がある?」

「そうだと思います……これ、ちょっと検証してみた方がよくない?」

「めぐみん、キャラ崩れてる」

 

 しかもさっきの鬼っ娘衣装の時以上に目がキラッキラしてる。星とかビームとか出せそうな勢いで。あれは絶対自分が使えるコスの可能性を見つけてワクワクしてる顔だ。さっきの出来事が頭をよぎり、そこはかとなく不安が募る。

 

「ようはガチャでリンク出来そうな衣装を出すってこと?いやそんなピンポイントでリンクできるようなコス出るか?」

「やってみないとわかんないじゃん」

「まあそうなんだけどさ」

 

 確かに可能性が無いわけじゃないとは思う。けど確率はめちゃくちゃ低いと思うぞ?ただでさえガラクタも多いし、ましてやレア度が高くてコスや衣装限定、さらにリンクもできるものってなると、宝くじの当選や競馬の万馬券並に厳しいんじゃないか?知らんけど。

 とはいえ、あんな(わかりやすい)顔をしてる友人が次に口にする言葉は、安易に予想がついた。

 




ようやくガチャだーと思っただろ?作者もだ!
ってことで本格的なガチャは次回に持ち越しで。


ヒロインテンプレカウンター
・友人(美少女)とコスプレ
・女の子座りでスカートを握りしめながら涙目上目づかいで睨む
・その姿で女子に罪悪感を持たせる

ガチャ回なのにこのヒロイン力。



人物図鑑その2
名前:天地 翼(あまち つばさ)
性別:女
外見:美少女。母親似。正統派。身長156cm、体重(秘密だよ)。髪と目は海と同じく黒で、髪型はサラサラロング、長さは胸辺りまで。お胸はまだまだ成長段階だが、目を見張るものがある。
プロフィール
海とは2つ違いの妹。
クラスではクラス委員を引き受けたりと割としっかり者のイメージがあるが、家ではあまえんぼ。
家族大好きで、特に海が大好き。おにーと呼び慕っている。ちなみに海が可愛い恰好をしていると呼び方がおねーに変わる。かわいいもの好きのため、海が可愛い恰好をするのは大歓迎。
翔真と双子。二卵性双生児。一応翼の方が姉。よく翔真と行動を共にしている。弟の呼び方はしょーちゃん。
趣味は可愛いもの集めと、海のキラッ☆を見てから目覚めたカメラ。お年玉と貯めたお小遣いで一眼レフを購入。
甘いもの好き。
かなりモテる。海たち三大女神の卒業後、告白やラブレターが増えた。特に最近は、三大女神の海の妹ということで一部で天使と呼ばれている。
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