勝手に人をヒロインにすんな!   作:茜 空

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新話書いてたら長くなったので分割しました。なので今回は短めですが、明日も新話投稿しますよー。
5/6、後書きのヒーローヒロイン紹介のシュガースイートナイトメアに男の娘属性を追加しました。


第7話:波乱の新生活 熱闘編

「危ないっ!」

「へっ?ごふっ!?」

 

 俺の前に割り込んできた人影。結局それを確認する前に俺は急に横からきた衝撃に吹き飛ばされて転がる事になった。

 

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃない!なんなんだ一体!?」

 

 文句を言いながら目を開くと、なぜか俺の目の前にクラスメイトのイケメン。いや近い近い。ってああ、俺はこのイケメンに抱き抱えられながら転がって助けてもらった訳か。けどそれでもあの不意打ち日○タックルはちょっと悪質な威力があった気がするぞ。とはいえ助けてくれたのに思いっきり文句言ってる俺ってちょっとカッコ悪い。思わず手で顔を隠してしまうくらいには。

 

「ごめん、助けてくれたのに文句言って……ってあれ?」

「いや、こっちこそごめん。慌てて飛んだから……っておぉ?」

 

 指の隙間からイケメンの顔を確認すると、どっかで見た事あるっていうか、会ったばかりというか……

 

「あ、今朝のパンツ覗き魔」

「ちょ、誤解をされる言い方はやめてくれ!!!」

 

 見覚えのある顔だった。

 

「すけべ!」

「あとでその話、しっかりと聞かせてもらうぞ!」

「事と次第によっちゃあ」

「月に変わってお仕置」

「ピンク、それ以上はアカン!」

 

 その言葉に即座に反応したのは、さっきまで俺がいたであろう辺りで怪人たちを返り討ちにしたフェアリアルエレメンツだった。多分襲われる寸前に割り込んできた人影は、彼女たちだったんだろう。ひゃっほぅ、本物のフェアリアルエレメンツだぁ♪

 勧誘の件はとりあえず俺が件の魔法少女ってバレなきゃいい……怪人の襲撃、俺の正体を知ってるヨシオ、この状況でどこまで隠しきれるんだろう俺。ちょっと不安要素が多すぎる。

 

「アレは事故だったんだって!」

「事故なら許されると思っているのか!」

「そうじゃないけど!」

「乙女のスカートの中の秘密は安くないで!」

「そういう問題じゃないよキーちゃん」

「エッチなのはいけないと思いま」

「うん、ピンクは少し黙ってようか」

 

 俺がフェアリアルエレメンツについて文字通り一喜一憂してると、そっちはそっちでぎゃいぎゃい騒がしく、空気もめちゃくちゃになってた。まあ燃料投下したの俺だけど。つかいい加減どいてくれないかなぁ?

 

「チュウッチュッチュ。油断大敵ってヤツだ!」

 

 怪人がこっちの状況を見ながら手で何か指示を出した。すると残ってた敵が四方八方から襲いかかってくる。

 くっ、戦闘はまだ終わったわけじゃないのに思わぬ出会いにちょっとそっちに意識を持って行き過ぎた。幸いスマホは落とさずに手で握ったままだけど、俺はまだ体制を立て直せてないし、こいつは邪魔だし、エレメンツの前で変身すればもう言い逃れはできない!

 ……はぁ、ここまでか。しょうがない、油断してたって事で自業自得と諦めるか。俺はスマホをタップ……

 

「「「変身(チェンジ)!」」」

「「「変身(リフレッシュ)!」」」

「エナジー解放!」

「「「顕現せよ!我が魂に眠りし力よ!」」」

「変身」

「武装許可降りました!」

「よし!」

「「ガードシステム起動!」」

「「「自然一体」」」

 

 しようとしたタイミングに、声とともにエレクトリックなパレードやプロジェクションマッピング顔負けの光やエフェクトが入り乱れた。

 急な出来事に脳が追いつかずにフリーズしてると、すぐにそれが収まり、襲ってきた敵が割って入ってきた人影によってあっさり吹き飛ばされた。

 

「は…はは……マジか……」

 

 俺に覆いかぶさってたイケメンがようやくどきながら呟くように座り込む。かくいう俺も今、自分の目にしてる光景が信じられなかった。

 

「なっ!?オーバーテイル!?」

「いや、え?フルーツバスケット!?」

「シュガースイートナイトメアだと!?」

「もしかして、特殊犯罪対策チームのイージス?」

「ライジングライダーにロストセイバーズに、うわぁ雪月花まで」

 

 ……うっそぉ……

 

 みんな超有名なヒーローやヒロインだった!

 今絶賛売り出し中のヒロインだったり、子供から大人まで知ってるヒーローだったり、警察キモ入りの注目組織だったり、普通ならテレビや運が良くても大都市なんかでしか見られない連中だぞ!?え?ドッキリ?モニタ○ング?いやでもみんなのあの反応、演技だったら賞をとれるぞ。って事は……偶然?嘘だろ!?

 

「っ!?上!!!」

 

 状況が状況だけに再び置いてかれてフリーズしてる俺に、ピンクちゃんの悲鳴にも似た声にハッとなる。反射的にそっちを向けば、ちょうど天井から数体のでっかい蜘蛛やムカデが降ってくるところだった。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 思わず女子っぽい悲鳴をあげた俺は悪くない!けどただでさえ後手に回ったのに、嫌悪感と余分な行動で貴重な時間を使っちまった!変身間に合うか!?

 

「変身!」

 

 ……え?これ俺じゃない。まさか?このイケメンも!?

 

「トウッ!」

 

 期待を裏切らず、イケメンは変身して数体いた敵を漏らすことなく全て迎撃、吹き飛ばした。そのヒーローは……

 

「ストームライダー!?」

 

 なんと、以前ロリコン怪人から逃げた時にすれ違った超有名ヒーロー!

 何このヒーローヒロインのバーゲンセール!?……ちょっと待て。あの屑ヒーローに俺も含めてこのクラスって……全員ヒーローかヒロイン!?そんな偶然ある!?

 

「なん…だと……馬鹿な!何故こんなにヒーローやヒロインどもがあチュウまっている!?」

 

 あ、ちょっと普通じゃありえない状況で一時的とはいえ光の彼方でこいつの存在忘れてた。

 目に見えて狼狽してるネズミ怪人。そりゃあこんな状況想定してなかっただろうし、ここから逆転出来るような手なんてないだろ。それなんて無理ゲー?ちょっと可哀想になってきた。

 

「ククク、ここはな、何故かヒーローやヒロインどもが集まってくる裏じゃヒーロー学校なんて呼ばれる場所なんだよ」

 

 は!?嘘!?マジで!?俺初耳クなんですけど!?ってことは俺の正体もバレてる!?

 

「今年は特に大豊作のようだな。普通は2、3人から10人くらいらしいぞ」

「クックックッ、どんだけ凶運なんだよお前」

 

 ヨシオは襲ってくる敵を難なく倒しなが楽しそうに喋る。うん、俺も自分の立場を軽く現実逃避すればこの状況はすっげぇ楽しい。

 

「まだだ!こうなったら出し惜しみは無しだ!一気に畳み掛けろ!」

 

 諦めの悪いネズミ怪人がそう叫ぶと、教室の入り口から窓から、放送のスピーカーとかとにかく色んなところからすごい数のキショい生物がどんどん出てくる。

 

「お前ら、ここは俺様が作った丈夫で強力な結界が貼ってある。遠慮なく暴れて返り討ちにしてやれ」

 

 ヨシオのその言葉を聞いたヒーローヒロイン達は安堵とともに闘志をみなぎらせて……一部気絶してたり、ヒーローヒロインらしからぬ笑いを浮かべて敵へと突撃してしていった。

 

「よくも海ちゃんを人質にしたわね!」

「たっぷり後悔するがいい!」

「悪ぅい子はオシオキやでー!」

「私も今日は暴れますよー」

 

 ……エレメンツの方からちょっと不穏なオーラを感じる。あれはだいぶフラストレーション溜めてたな。俺は戦うカッコいいエレメンツ見られるからいいんだけど。

 

「うおおおお!美少女のキスぅぅぅぅ!」

「フッザケンナ!彼女のキスは俺のもんだ!」

「リーダー!不謹慎!そんなにキスして欲しければ、その、私が……」

「ちょっとマーメイド何言ってんの!勝手にリーダーにキスしたら許さないからね!」

 

 って今度はオーバーテイルから不穏な台詞が!

 

「コラぁ!俺は男って言ってるだろ!あとキスはあの変態が勝手に言った事だからな!しないからな!」

 

 って全然聞いてねぇ!

 

「みんな!海ちゃんの唇守るわよ!」

「うん!」

「当然!」

「こんなシチュエーション絶対認めない!」

「100歩譲ってもヨシオ先生くらいカッコイイとこ見せなきゃ!」

 

 フルーツバスケットまで!?

 

「いやだからしないって!勝手に話を進めないで!確定させないで!」

 

 ってこっちも聞いてねぇ!

 いや、こんな乱戦になったからそっちまで気が回らないか、声が届いてないのか?

 

「決してキスして欲しいわけじゃないが」

「か弱き女性を守らねば男の恥!」

「そして悪を切るのが我らの使命!」

「女性を人質にとるなど断じて許すまじ!」

「決してキスして欲しい!………わけじゃ、ないが!」

「おい最期の!揺らいでんじゃねぇよ!本当だな!本当だろうな!」

 

 ロストセイバーズは女性人気が高いけど硬派で有名だから大丈夫だと思ったのに!不安だ……

 

「人質を取るようなやつらに容赦はしない!」

「同感だ。だが一つ聞かせろ。貴様、あのパンツを覗いた子にキスして欲しくて張り切ってるのではないな?」

「だからあれは事故なの!それにそんなはずないだろ!俺もお前も大事なものを守るためにこの力を授かったんだろ?」

「だが、あわよくばモテたりしたいだろ?」

「そこは否定できない!お前はどうなんだよ?」

「ノーコメントだ」

「汚ねぇ!」

 

 ……なんか超有名ヒーローのそんなあられもないぶっちゃけトーク正直あまり聞きたくなかったよ!ライダーのイメージが少し崩れたよ!

 

「イージスシステムの試運転にはちょうどいい相手だな。悪いが踏み台にさせてもらうぞ!」

「ついでに美少女のキスもゲットね!三雲!」

「……関係ない。余分な事は考えずに戦闘に集中しろ」

「はーい」

「おい!今の間は何だ!やめろ不安になるだろう!?」

 

 だ、大丈夫だよな?警察ってお堅い職業の方が報酬とか求めないよな?そういう法律あるよな?

 

「フン。こんなの楽勝だな。とっとと終わらせるぞ。キスの権利は月にくれてやる」

「いらん。花のキスなら喜んで頂いてやるが?」

「だったら俺が貰う!」

「フッ。なら勝負だ!」

「いいぜ!乗った!」

「ちょっと!私の意見は!?」

 

 おっと、雪月花はツッコミ入れなくて済みそうだ。っていうかすっげぇ生暖かく見守りたい。

 

「うわぁ、なんて夢の共演。劇場版?劇場版なの!?って邪魔ぁ!ヒーローやヒロインの雄姿が見れないじゃん!あれ?僕今そんなヒーローと共演してるの?夢?夢じゃないよね?」

 

 俺の魔法少女コスに負けず劣らずのフリフリヒラヒラの服のボクっ子美少女がちょっとヤバい顔しながら妙なオーラを出しつつ敵をなぎ倒している。あれって確かシュガースイートナイトメア?でもその気持ちはちょっとわかる。実は俺もちょっとだけ一緒に戦ってみたい。少しならいいんじゃ?とか思う。そのちょっとのリスクを考えると無理だけど。やっぱり俺は見てる側でいたい。

 

 それにしてもこれだけのヒーローやヒロインがバトルを繰り広げると壮観だな。てか女性陣はよくあんなちょっと気持ち悪い生き物相手に戦えるよな。

 ……あれ?本体どこ行った?いない!?……逃げた?まずい、アレを逃すのは絶対ダメだ。

 必死で探していると、ヨシオ先生が入ってきた入り口からスルッと出て行く影を見た。多分あれだ!

 乱戦の隙間を縫って廊下に出た俺の目に映ったのは、小さくなって全力で逃げるネズミ怪人。逃すか!

 俺は周囲を確認。よし!目撃者はいない!俺は握っていたスマホを素早くタップ。

 

「ロードカンリョウシマシタ」

 

 闇の霧が晴れれば俺は黒色の魔法少女となる。

 その間にネズミ怪人との距離は随分離されて……ないな。なんか廊下の途中に見えない壁みたいなのがあって、そこで足止めされてる模様。あれってヨシオ先生の言ってた結界ってやつか?ってまずい、結界に穴を開けやがった!そこは腐っても元怪人の組織のトップか。けどここなら射程範囲だ。幸いネズミ怪人も作業に夢中なのかこっちの存在に気づいてない。

 俺は自分の影を伸ばしてネズミ怪人の影と接触、そのまま影の中に潜り込んだ。

 




ヒロインテンプレカウンター
・ヒーローに抱えられながら守ってもらう
・イケメンと再会。イケメンがヒーロー
・勝利のキスの話がまだ生きてる

 ……あれ?今回ちょっと少ない?どうした海!?


海のクラスのヒーロー、ヒロイン
・フェアリアルエレメンツ プ○キュア枠
・オーバーテイル  レンジャー枠
・フルーツバスケット  ド○ミ枠
・シュガースイートナイトメア オリジナル、男の娘、あえて言うなら魔法少女枠
・ロストセイバーズ 乙女ゲー枠
・ライジングライダー ライダー枠
・ストームライダー 同じくライダー枠
・エクセレヴィオント ネタ。あえて言うならラッキーマンのスーパースターマン枠
・特殊犯罪対策チーム イージス 宇宙刑事やメタルヒーロー枠
・雪月花 ラブコメ枠
・海 ヒロイン枠(笑)

詳細はまた別話で。
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