光の巨人と終わりの巫女   作:無名篠(ナナシノ)

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 早起きしたので初投稿です。


2. ティガの力の把握をしよう

 ───ウルトラマンティガ。

 

 三千万年前の超古代より現代に復活したウルトラマン。世界を闇に染めようとした邪神と戦い人類を救った光の巨人。

 

 

 それが今の俺の姿。

 

 

 どうしてそんな偉大な存在になってしまったのかは分からないが、とりあえず、

 

 ・ありえないが来世がティガだった。

 ・神様なんざに会っていないが転生特典がティガだった。

 

 として無理矢理にでも納得しておく。原因なんてもはや確認のしようがないからな。

 

 

 

 ちなみにこれはおもっきり余談だが。

 

 ウルトラマンティガであることを確認した俺は地味にテンションが上がっていた。何を隠そう俺はウルトラマンティガが大好きなのである。幼少期の憧れというやつだ。

 

 

 

 閑話休題(それはおいといて)

 

 

 改めて体を動かしたり腕を触ったりしてみる。画面越しに見る特撮用のスーツではなく、しっかりとした皮膚の感触であることがわかる。つねれば痛みを感じ、体はきちんと俺の意思で動かせている。

 

 

(って当たり前か。これが今の俺の体なわけだし……)

 

 

 そうして確認をしていく中、ふとこの体は劇中の【ウルトラマンティガ】の力を使えることができるのか試したくなった。

 

 

 

 

 

「──うっし、それじゃやるか!」

 

 

 そんなわけで、まず最初に試したのはティガの特徴ともいえるタイプチェンジ能力だ。

 

 このタイプチェンジ能力とは、ティガの基本形態である【マルチタイプ】の性能を力か速さに特化させるものだ。これに伴って力を上げれば速さが、速さを上げれば力が、といった風に正反対の能力が低下する。

 

 さっそく、俺はワクワクと共に劇中のティガの動きを真似て二の腕を頭部のクリスタルで組み、力強く振り下ろす動作を行った。

 

 が、体は三色のまま変化はナシ。思わず首を傾げてしまった。

 

 何度か繰り返すが変化はなく。そこで、少し視点を変えて考えてみた。

 

 こういったものはイメージが不可欠になるパターンが多い。だからそれぞれのタイプを彷彿とさせるものを思い描きながらタイプチェンジの動作を行えばイケるんじゃないかと思いついた。。

 

 なので、【パワータイプ】は筋肉(マッスル)、ボディビルダー、火山や戦車といった、とにかく力強いものをイメージし、【スカイタイプ】は忍者やスポーツカー、陸上選手といったとにかく速いものをイメージした。何がトリガーになるかわからないからいろんなものを思い浮かべて数でゴリ押しした。

 

 ちなみに、劇中のティガの【パワー】・【スカイ】の両タイプをイメージしながらはダメだった。特撮スーツの外見だけで実際の中身の具体的なイメージが固まらなかったからだと思われる。

 

 

 

 そんなこんなでタイプチェンジはなんとか成功し、以降【パワータイプ】は筋肉(マッスル)、【スカイタイプ】は忍者のイメージでいくことになった。

 

 

 【マルチタイプ】?前の世界の人間だった頃の普段の俺をイメージしたら成功した。マルチタイプがティガの基本の姿だからつまりそういうことなんだろう。

 

 

 

 

 ではここで、各タイプのスペックを実際に体を動かし、体感した範囲で大雑把に話そう。

 

 

 

 まずは赤と銀の姿、【パワータイプ】。

 

 パワーと耐久力に優れた形態。どこかの\筋☆肉/ウルトラマンほどではないがそれが見て取れるほど筋肉は張り、体の奥から力がもりもり湧き上がってくる。

 

 劇中のティガ同様、パワフルな肉弾戦が出来そうではあるが、スピードが落ちるのが難点か。ドシ!ドシ!ドシ!と漫画みたいな走り方したの初めてだぞ。

 

 当然、必殺技である「デラシウム光流」も撃ってみた。光流が通った部分の海が蒸発して一時的な窪みを発生させたんだがこれこんなに威力があったっけ?

 

 

 

 

 次に青紫と銀の姿、【スカイタイプ】。

 

 飛ぶことも含めてスピードとテクニックに優れた形態。いわゆる細マッチョのような見た目になり体がとても軽い。

 

 どれくらい速いのかと言われても比較対象がないのでなんとも言えないが、とりあえず軽く走るつもりでジグザグ動いていたら残像が発生していた。

 

 必殺の「ランバルト光弾」は、先んじて撃った各タイプ隔たりなく使える「ハンドスラッシュ」と比べると強く、俺の身長を優に超える水飛沫が轟音と共に上がったんだが、こんなに威力ある感じだったっけ?

 

 

 

 

 最後に赤と青紫と銀の姿、【マルチタイプ】。

 

 ウルトラマンティガの基本形態。この地で目覚めた最初の姿。

 

 パワー、スピード、どちらもバランス良く振り分けられている。なので【パワータイプ】ほど力強くも重くもなく、【スカイタイプ】ほど素早くも軽くもない。しかし特出したステータスがないぶん体が思うように動きやすいというのが印象。

 

 必殺の「ゼペリオン光線」は言わずもがな。上記の2つの技に劣ることのない威力を見せてくれた。もう驚かないぞ。

 

 

 

 

 ある程度肉体のスペックを把握できたので、次は空に目を向けることにする。

 

 

 原理はよく分からないし知らないが、ウルトラマンは空を飛べる。

 

 怪獣を倒したあとに飛び去るとか、墜落する防衛チームの戦闘機と並走し、キャッチして救助したりとか、怪獣相手の空中戦を行ったりと結構飛ぶ。映画だとCG使ってめっちゃ飛ぶ。

 

 よほどの高所恐怖症だとか、飛行機がダメとかじゃない限り、人間一度は空を自由に飛んでみたいと考えるだろう。たぶん。俺は考えるタイプだ。

 

 

 

 というわけなので飛んでみた。

 

 

 

 ここでもイメージの力は働くようで、覚束ないがなんとか空に飛び上がれた。この地に足がつかない感覚は思った以上に気持ち悪いものがあるけど。

 

 ヨロヨロと不安定な低空飛行から始まり、徐々に高度とスピードを上げていく。体と感覚、あと気持ちが慣れた頃には安定して飛べるようになり、気がつけば星を脱出し宇宙に出ていた。

 

 

 

「綺麗だなぁ……」

 

 

 

 宇宙から先ほどまでいた星を見て、テレパシーのような何かを通じて圧巻の声を溢す。ちなみに、口は開いていない。俺としては人間だった頃の感覚は残っているので普通に開けているつもりなんだがティガフェイスに変化はない。鉄仮面である。ウルトラマン最大の謎の一つだな。食事とかどうしてるんだろうほんと……。

 

 

 話がズレたな。戻そう。

 

 

 見下ろす星には大地は存在せず海だけだが、逆にそれが星の美しさを引き立てているように感じる。

 

 これだけ美しい星だ。長い時をかけていつの日か大地が現れ、生命で溢れるのだろう。そんな予感がした。

 

 というか、この星はぶっちゃけ地球なのだろうか? 命が芽吹ける全く違う星という可能性もあるが、結局は可能性の話。確認の方法はない。

 

 

 

「どっちにしろこんな真っ暗な宇宙に飛び立って旅する気は起きないし……ウルトラマンって確か長命だから変化があるまでのんびり過ごすのも……ん?」

 

 

 

 地球(仮)を眺めながら先について考えていると、海に浮かぶ黒い点の存在に気づいた。よく見るとそれは黒くぶ厚い雲であり、嵐でも起こっているのかゴロゴロと赤い稲妻が走っている。

 

 

 

「なんだ………アレ」

 

 

 

 不自然なほどにポツンと存在する【黒点】。白雲一つとして存在しないこの青い星において、宇宙から目立つことこの上ない。

 

 一体あそこに何があるのか。興味を唆られはするが、好き好んで嵐らしきところに飛び込む気は起きないし、【黒点】の不気味な雰囲気も拍車をかけて向かう気を失せさせていた。

 

 

 

 ───だが何故だろうか。俺は、ティガは(・・・・)、あそこへ行かなくてはならないという使命感めいたものが胸の内から湧いて出てくる。

 

 

 アレを止めなくてはならないと。

 

 アレを倒さなくてはならないと。

 

 

 

 しかし、()はそれを無視した。

 好奇心から生まれたものとして取り繕わなかった。

 不気味だったが故に、恐ろしかったが故に、黒点に近づく事を嫌悪した。

 俺という人間(・・)があるが故に、危険と本能が教えた。

 

 

 ───そしてウルトラマンとして情けなくも、人間として当然のように【黒点】に背を向けた。

 

 

(二度と【黒点(あそこ)】には近づかんとこ)

 

 

 そう強く心に刻んで俺はその場を大急ぎで離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 ティガが【黒点(そこ)】から遠ざかる頃、それ(・・)は【黒点】の中心(・・)から見ていた。

 

 

 それ(・・)の周りは常に闇に包まれている。光は存在しないし通しもしない。例外があるとするならば、それ(・・)と同等で対極にいる存在だけだろう。

 

 【闇の化身】とも呼べるそれ(・・)と同等で対極にいる存在。すなわち【光の化身】。それ(・・)の闇を越えて光を届かせることができる存在。

 

 

 繰り返すが、ここは光も存在しないし通さない闇の中。そんな中でそれ(・・)は気配と共に上空の光をハッキリとその目で確認していた。

 

 遠ざかる光───すなわちティガを。

 

 

 

 闇と共にこの世界に誕生したその瞬間からそれ(・・)は自分がどういう存在か理解していた。光というものが対極に位置することも。

 

 故に決して相容れない忌むべきものなのだと、そう思っていた。

 

 

 しかし、想定とは裏腹に(ティガ)の存在は興味深かった。変化のない暗闇の世界に届いた光というものはそれ(・・)が思うほど嫌悪するものではなく、むしろその逆。闇の化身としてはあり得てはいけないほどに温かな心地良さを感じていた。

 

 

 

 

 ───欲しい。

 

 

 漠然とそれ(・・)は思った。知らなければよかった。たった一目見ただけだ。なのに、それなのに、どうしようもなく求めてしまう。

 

 

 ───欲しい。欲しい。

 

 

 あの暖かさが欲しい。包み込む優しさが欲しい。

 側に居て欲しい。光で自分だけを照らして欲しい。

 自分()にない全部()が欲しい!!

 

 

 ───欲しい。欲しい。欲しい!欲しい!!欲しいッ!!!

 

 

 

 

 

 ?なんだ、これは?

 それ(・・)は首を傾げた。

 

 そして、それ(・・)は言語化出来ない熱いものが胸のあたりから込み上げてくることに疑問を感じた。

 

 (ティガ)を見てから、それのことしか浮かんでこない。なら、(ティガ)を手に入れれば、この込み上げる熱いものが何か分かるのだろうか?

 

 その答えはあの(ティガ)が持っているだろう。気配は覚えた───。

 

 

 

 それ(・・)(ティガ)が去った方を見据えると、【黒点】をと共にゆっくりと移動を始めたのであった。

 

 

 

 




 意味不明な出来なんで失踪します。


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