出会い頭の事故
バイトで稼いだお金で漸く、NewWorld Onlineというゲームを手に入れられた。振込日の関係で、開始直後にスタートは出来無かった。でも、これからプレイが出来る。
デバイスを被り、ゲームをスタート。初期画面が出て。まずはキャラ名の登録である。『ダン』と入力した。次に初期装備の設定画面に移行した。どれにするかな?ここで選んだ武器以外使えないらしいので、慎重に選ばないといけないが、レベルが上がり装備購入となると剣とか槍は高価である。弓は矢の補充でコストが高い。大盾はパーティーなら良いが、ソロ向きでは無い。これだな。俺は『ナックル』を選んだ。初期装備はメリケンサックである。攻撃力は+10と、威力は小さめである。
次はパラメーターの設定だ。ステイタス画面が表示された。ポイントを割り振るタイプのようだ。独自理論の3:1:1を採用する。極振りは大バクチである。嵌まれば最強だが、そうでない場合は、リセマラの嵐になりそうである。攻撃に60、素早さに20、器用さに20を割り振った。
最後にアバターの作成。早く始めたい俺は、デフォルトのアバターにした。その他大勢の中の一人でいい。どうせ、ソロプレイだし。
◇
活気あふれる城下町の広場に出た直後、後ろから何かが当たり、俺は…俺の頭は、噴水の縁の角にぶつかり…『死亡』って文字が大きく赤い色で表示された。文字のバックには、黒い装備を纏った少女が、驚いたような表情をして俺に手を伸ばしていた。開始直後に死亡?あり得ない…対人戦扱いだったのか?
デスペナで直ぐに再ログインは出来無いようで、しばらくするとログイン出来た。活気あふれる城下町の広場の噴水前に出現した俺。
「ごめんなさい…」
いきなり俺に謝る少女。
「まさか、当たっただけで、死んじゃうとは…本当にごめんなさい」
先ほど、俺を瞬殺した少女だった。
「いや、防御力ゼロだったから…開始直後で避けられなかったよ」
「そうなんですか…あの~、フレンド登録しませんか?何かあれば、お手伝いします」
その少女とフレンド登録した。彼女の名前はメイプル。有名人だと気づいたのは、後になってからだった。
「初心者は、どこで鍛えるのかな?」
「あぁ、それなら、街の外へ行けば、モンスターがいますよ」
少し情報を収集してメイプルと別れた。また、死んでも困るので、人混みである広場から逃げてから、ステイタスをチェックしてみた。
ダン
Lv1
HP 40/40
MP 12/12
【STR 60〈+20〉】
【VIT 0】
【AGI 20】
【DEX 20】
【INT 0】
【LUK +100】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【メリケンサック】
左手 【メリケンサック】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【復讐者】【運の付き】
うん?スキルを覚えている。スキルの説明を見てみると、
【復讐者】
自分を殺した相手の一番大きな値のステイタスを無効に出来る。今回の対象はVIT。
取得条件:モンスターと戦う前、プレイヤーにデスされた。
今後、相手の防御力無効で攻撃出来るのか?それは、お得感がある。防振りしている相手であれば、無敵である。
【運の付き】
隠れステイタスのLUKに+100を付与する。このステイタスはクリティカルヒットや、様々な確率に関わる。
取得条件:奇遇にも、初期設定を終えた直後10秒以内に、何らかの理由でデスした
なんか、良いモノを貰った。あの少女に感謝だな。
◇
街の外に出た。前から目付きの悪そうな男がやってきた。PKか?近づくと剣を抜き、襲い掛かって来た。かすっただけで死ぬと思う。あぁ、防具を買うのを忘れた。相手の太刀筋を避け、クロスカウンター気味に、パンチを叩き込んだ。アバターがドット欠けてしていく相手。
画面に何かがポップアップしてきた。新しいスキルを取得出来たようだ。
【返り討ち】
効果:自分よりも上のレベルの者の攻撃をフルカウンターできる。確率は50%。
取得条件:自分よりも10以上レベルが上の者を一撃でデスさせる。
なんか、防御力無くても行けそうな気分だ。PK専も有りなスキルが増えていく。森エリアに入ると、モンスターらしき気配を感じる。攻撃を食らったらアウトである。と、思っていると死んでいた。背後から何かが当たったようだ。
めげずに再度ログインをした。既に見慣れた光景が目の前に広がっていく。活気あふれる城下町の広場の噴水前に出現した俺。ログイン後はここが起点になるんだな。そうだ、装備を調えよう。もう、噴水の縁で死にたくは無いから。
しかし、まだモンスターを倒していない俺には、ドロップアイテムはゲットしていない。所持金はほぼ、初期値のままだ。まだまだ高価な装備品は無理である。所持金と相談して買ったのは、鉢巻(VIT+5)、道着上下(VIT+10)、草履(VIT+1)だ。これで、森の中でも一撃では死なないだろう。
今回はPKを挑まれる事無く、森に到着した。森に踏み込むと直ぐに、草むらから一角兎が現れた。コイツかな?さっき、背中にドン!してくれたのは?襲い掛かって来た兎をパンチで倒した。コイツのドロップアイテムは角だった。
『レベルが2に上がりました』
と表示された。そんなに、コイツ経験値が多いのか?兎狩りをするか。兎を見つけては倒し、ドロップした角を拾い集めていく。ふと、気づいた。レベルが上がったら、ステイタスポイントは貰えるのでは、っと。ステイタス画面を見るとLv3になっていた。振り分けられるポイントは10あった。レベルアップごとに5貰えるようだ。これを3:1:1の割合で振り分けた。
兎狩りをしていると、足に痛みが走った。HPバーが減っている。毒状態になっているし。足に絡み突く大ムカデがいた。パンチやチョップを繰り出すが、コイツの体表を傷つけることが出来無いようだ。しまった。護身用にナイフがいるのか。そんなことを考えていた俺は、呆気なく毒に犯されて死んだ。
再度ログインし、街で角を売り払い、護身用にナイフ(STR+5)を買った。だけど、残念な事に装備出来無かった。そうか、メリケンサックは左右で1組、両手剣扱いになるのか。大ムカデ対策はどうするべきだ?
考えても良い手が浮かばず、再度、森の中で兎狩りを始めた。地面に注意しながら、兎を狩っていると、大きな羽音がして、肩に痛みが走った。今度は巨大な蜂のようだ。さっきよりもHPの減りが大きい上、また毒状態である。だが、蜂にはパンチが効いた。蜂を倒すと、解毒薬をドロップしてくれた。コレを飲んで、毒状態を解除した。HPの減りが問題である。どうするよ…って…気づくと死んでいた。戦闘ログを見ると、大ムカデによる毒殺のようだ。回復薬が要るなぁ、これは…
噴水前にログインした。もう、お馴染みな光景である。何度、再ログインしたやら…そう嘆いていると、「スキル【不屈な精神】をゲットしました。」と表示された。説明を読むと
【不屈な精神】
死ぬ度に、ステイタスの各値が10%増しになる。
取得条件:始めた日限定でデスペナしての30回以上のログイン。
そんなにログインしたのか。もう30回も死んでいるってことである。が、このスキルは美味しい。いつか、勝てる可能性があるってことだよな。大ムカデのヤツに。ふふふ…【不屈な精神】を得てから5回目の死で、キックでなら大ムカデを殺せるようになった。
後は、毒対策と、HP回復だな。お店でヒールの巻物を買って、ヒールを覚えるのも良いが、MPが低いよな?さて、どうするか。懲りずに森に来て、蜂退治を始めた。ダメージを負わずに倒せる兎と大ムカデは見つけ次第、倒す。蜂と戦っている時、出てこられると厄介であるからだ。
翌日、前日に拾えたドロップアイテムを総て売り、解毒剤を買えるだけ買い、蜂狩りを開始した。一体何匹の蜂を倒しただろか?そんなことを思っていると、『スキル【毒体質】を覚えました』と表示された。説明を読もう。
【毒体質】
毒無効、麻痺無効の体質になる。
取得条件:解毒剤を36時間以内で100本飲むこと。
おぉ~!解毒剤はもう飲まないで良いみたいだ。これで、死ぬ可能性は減るな。
ダン
Lv10
HP 182/182
MP 36/36
【STR 129〈+20〉】
【VIT 0(+16)】
【AGI 41】
【DEX 41】
【INT 0】
【LUK +100】
装備
頭 【鉢巻(VIT+5)】
体 【道着上(VIT+5)】
右手 【メリケンサック(STR+10)】
左手 【メリケンサック(STR+10)】
足 【道着下(VIT+5)】
靴 【草履(VIT+1)】
装飾品 【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【復讐者】【運の付き】【返り討ち】【不屈な精神】【毒体質】