デスを食らった男   作:もっち~!

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『神達に拾われた男(改訂版)』のスライムテイマーの立ち位置にダンが…


無邪気な破壊神降臨

---サリー---

 

う~ん…朝目覚めると、リビングに胡散臭い神がいた。

 

「色々予定、計画が破綻したんだが…」

 

初めて見る、疲れた表情である。

 

「ダンジョンが破壊された。当分、立ち入り禁止だよ」

 

メイプルがやらかしたそうだ。その硬度と火力を生かし、障害物をスルーして、一直線にゴールを目指し、ゴールしたそうだ。

 

「大迷宮の壁や床を煎餅の如く割りまくって進むって…想定外だよ」

 

う~む…メイプルらしいと言うか。きっと責任を感じてクリアでは無く、ダンさんに会いたくてクリアなんだろう。あの娘ときたら…

 

 

 

---ダン---

 

朝目覚めると、黒いラスボスが目の前にいた。正確に言うと、俺と添い寝、『り』の字で寝ていた。なんで、コイツを最初に寄越したんだ?マイルとかサリー、一歩進んでミトでも良かったんだけど…多分、この世界に於いて、メイプルの戦闘力はオーバーキルなんでは無いだろうか?この温厚な俺でさえ、『危険物』扱いなのに…

 

「神様が、日常生活で死者が出ないようにしてくれたんだよ。だから、もう安心だよ」

 

それは救いであるが…日常生活で死者が出るって、マズい事態で無いのか?

 

今日は、狩りに行くか。コイツの戦力を見極めないと、危険が一杯である。

 

向かうのはフィナの住んでいる街とは逆方向である。フィナを送っていく時に出会ったのは、ゴブリンとウルフ程度だったから。逆方向にはオークという食材が待っているし。

 

空にアナを放ち、上空から、獲物を見つけて貰う。メイプルとカエデという強力無比な盾2枚に護られながら、アリスと共にオークを探す臆病な俺。

 

「見つけた!」

 

メイプルが走り出した。しかし、その速度は俺達の早歩き程度である。相変わらず、VIT振りなのだろうか?これ以上硬くしても無意味だと思うのだが…オークに突進していくメイプル。体当たりかと思ったら、シールドバッシュ一発!高級食材のオークがその場で、ミンチ肉へと変貌した。

 

「おい…ミンチにするなよ。俺達の貴重な食材だぞ」

 

「えっ!魔物を食べるんですか?」

 

「食べるんだよ。この世界では…」

 

「おぉ~」

 

ナニカに感動したメイプル。今はコイツをスルーして、取り敢えず、魔石だけ回収しておく。オークのミンチ肉は撒き餌となり、魔物達が近寄ってくる気配を感じる。ウルフが何かを喰っている音がするし。

 

「メイプルは、食えないゴブリンだけ狙ってくれ。ハチ!メイプルに食材を潰されないように、先に屠れ!」

 

AGIの高いハチを召喚して、メイプルから食材を護る様に指示して、カエデの【身捧ぐ慈愛】に護られながら、【ウッドオクトパス】で狙撃していく。上空ではアナが、ドラゴン達を屠っているようだ。空からドラゴンが降ってくる。メイプルに落下してくる個体は【強奪】してからの【収納】で、高級食材のミンチ化を防いでいく。今日は大漁だな。

 

 

狩りの後の食事…ドラゴン肉でステーキを作る。解体、分類し、食えない、売れ無い、利用出来ない部位は、仲間達に食べて貰う。

 

「こんなに美味しいんですね」

 

ドラゴンステーキを美味しそうに食うメイプル。確かに旨い。シチューにしてもいけるか。

 

「主様、向こうで剣戟の音がします」

 

食後休み中、付近の探索をしていたアリスが微細な音を拾ったようだ。オークかな?ゴブリンならメイプルだけでいいか。音のする方へ静かに近寄っていくと、馬車が倒れ、騎士らしき者達が、ビッグボアと言う猪と戦っていた。

 

「メイプル、アイツの足だけを破壊しろ!カエデは騎士達のガード、ジャンヌは怪我した騎士達の治癒だ」

 

聖女のジャンヌを召喚し、俺とアリスは、ビッグボアを仕留めに行く。アナは騎士達がビビるとアレなので送還しておく。今日はシシ鍋だ!

 

ビッグボアを仕留め、収納、解体、分類し、騎士達の方へ。

 

「助かった。助太刀、ありがとう」

 

リーダーらしき人物が声を掛けてきた。倒れていた馬車は、メイプルの念動力で起こされている。

 

「君達は何者かな?」

 

「俺達はクラン<楓の木>のメンバーです。あのちっこいのがクランリーダーです」

 

あっ!メイプルをギルドに登録していない。クランの設立もしていない。大事なことを忘れていたことを思い出した。

 

「クラン?あぁ、複数パーティーで組織しているのか。私は、ラインハルト・ジャミール。この辺りを領地にしているジャミール公爵家の当主です」

 

あぁ、お貴族様なのか。

 

「君達はどこ所属なのかな?」

 

「最近、この辺りに着いたので、クリモニアの冒険者ギルドだ」

 

「隣国のギルドなのか…我が領土のギルドに来ないかい」

 

「気が向いたら…」

 

「君達は野宿なのか?」

 

あぁ、クリモニアまで歩いて3時間くらいだな。一般人だと…

 

「いや、家が森の中にあるから」

 

歩いて30分掛からないだろう。基本帰りは転移術なので、時間は掛からない。

 

「森に住んでいるのか?ここの森は危険だぞ」

 

驚いている。いや、俺もだよ。危険?ドラゴン以上に危ないのが居るのか?それは、出会いたいなぁ。

 

「俺達の家の周囲は安全みたいだよ」

 

心配だから、着いてくると言う。歩いて帰らないとダメなようだ。信用仕切っていないヤツラに、能力を見せたく無い。まして、貴族相手に見せると、道具にされそうで怖い。俺は、菓子を作りたいだけなんだ。政争の具にはされたくない。

 

「ここだよ」

 

鬱蒼と茂る草やツタに隠れるように建っている家。

 

「泊まっていくか?」

 

家の中に貴族一行を連れ込んだ。ここで追い払うと、後が面倒だし。

 

 

 

---ラインハルト・ジャミール---

 

出先から家に戻る道で、盗賊に襲われ、ゴブリンに襲われ、そしてビッグボアに襲われた。仕組まれた事なのだろうか?偶然にしては、襲われしすぎだ。

 

三戦目のビッグボア戦は、死を覚悟した。護衛の戦士達がボロボロにされ、馬車を倒され、逃げ場を失い、神に祈ることしか出来なかった。そんな私達を助けてくれた冒険者クラン。あんなに苦戦していたビッグボアが、いとも簡単に屠られていた。目つきの悪い少年に、少女が4人…内一人は治癒能力持ちだった。おかげで命拾いをしたのだが…近隣で、こんなクランは聞いたことが無い。そもそもクランなど聞いたことが無い。ダンジョンの近くの街には、クランと言う組織が有るらしいけど。この辺りでは、まったく聞かない。

 

彼、ダンに話を聞くと、最近この辺りに流れ着いたらしい。元々はもっと遠くの国で活動していたそうだ。森の中での食事…豪華な料理が並ぶ。王都でもこんなに並ぶことは無いだろう。ドラゴンステーキ、オークのシチュー、そしてビッグボアの鍋料理…高級食材ばかりである。

 

「肉は大量にあるから、食べてくださいね」

 

これらの魔物を狩ったと言うのか?この人数で…4名で?うん?先ほどは5名いたはずだが…

 

「あぁ、俺と、クランマスター以外は使い魔です。必要に応じて召喚しているんです」

 

完全に人間に見える使い魔?種族はなんだ?人間を使い魔には出来ない。

 

「種族ですか?アリスはナビゲーションピクシーで、カエデはドッペルゲンガー、ジャンヌは天使だっけかな?」

 

妖精と妖魔と天使?彼のテイマーレベルは如何ほどだろうか?天使をテイムした人間なんか、聞いたことが無い。

 

 

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