デスを食らった男   作:もっち~!

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カレーを喰う前の人は、スルーしてください(^^;


VS肥溜め

 

---ダン---

 

掃除現場に来た。隣がゴミ捨て場で、地盤が緩いせいで、ゴミ捨て場のゴミが重みに耐えられず、地下室に雪崩れ込んでいた。う~ん…ゴミ屋敷確定だな。臭いがきついし、住めるレベルでは無い。だが、家主は、念願のマイホームの為、無理をして住んでいるらしい。

 

何人もの冒険者がこの難題クエストに挑んだらしいが、二次遭難したり、結構危険な現場だそうだ。その為、初心者用のクエストであったのだが、上級者でもクリア出ない事態になり、塩漬け案件になったと言う。

 

どうするよ、これ…地下室の壁は崩落し、ゴミ置き場と境は無く、ゴミの波が徐々に攻め込んで来ている。

 

「お宝もあります。貰っていいですか?」

 

デミウルゴスとコンコンが勝手に出てきた。

 

「お宝?どういうこと?」

 

「人間の寿命は短い。故に、手に入れた物が価値有る物でも、数代過ぎれば、価値が分からずゴミになるんですよ」

 

デミウルゴスとコンコンが、彼らにとっても価値有る物を拾い集めている。

 

「グラトニー、価値無きはゴミは喰って」

 

「了解です」

 

ゴミを大量に暴食するグラトニーから色々な物が排泄され始めた。培養土は勿論、鉄のインゴット、ミスリルのインゴット、宝石の類い、古銭…確かに宝の山である。ゴミを処理仕切ったらどうするかな。壁を補修するんだが、素材はどうするか?

 

「ご主人様、聖剣がありました」

 

そう言いながら、コンコンが持って来てくれた。見た目が、ボロボロな剣。これって、聖剣なの?収納して、分解、再構成させると、綺麗な剣が出来た。鑑定すると、『聖剣アスカロン』と判明。貰える物は貰っておこう。

 

それよりも、壁の補修方法だよな。どうするかな。あっ、そうだ!ダンジョンの掘削現場の岩を強奪して、地下室に確保しておく。後で、グラトニーに石のインゴット、所謂ブロックを作って貰おう。

 

『ご主人様、収納しての分解、再構築の方が効率が良いです』

 

俺の心を読んだのか、グラトニーから、お返事が来た。なるほど、ゴミの処理で手が回らないんだな。言われた通り、俺のスキルで岩をブロックに変え、ゴミの無い壁部分の補修を始めた。鉄のインゴットも収納してからの分解、再構築で鉄筋にして、廃鉱山から原料を強奪して、セメントを作り、壁をつくっていく。

 

「昔の魔導書があります。魔法の研究が出来そうです」

 

デミウルゴスが嬉しそうだ。デミウルゴスから受け取った古書を収納して、修復していく。古書は紙でなく羊皮紙の為、破損が少なく、修復が楽なようだ。

 

そして、開始後半日ほどで、ゴミ屋敷とゴミ処理場の境を作る事に成功した。

 

「ありがとうにゃ~」

 

家主の猫人の女性に感謝され、依頼料を増額してくれることになった。

 

 

クエストが終わり、冒険者ギルドで報酬の精算をしていると、ギルマスに呼ばれた。また、指名依頼か?

 

「あのゴミ屋敷を解決した腕を見込んで、依頼をしたい。依頼主は役所だ」

 

公共事業か?引く手あまたな仕事で無いのか?

 

「役所が依頼料をケチってなぁ。誰も受けてくれないんだよ」

 

「じゃ、俺もパスだな」

 

俺はボランティアでは無い。

 

「お前、ジャミール家と懇意だろ?そこをなんとかしてくれ」

 

「足り無い分は、ジャミール家から貰えばいいのか?」

 

「あぁ…くれぐれも俺が言ったと言うなよ。役所が言ったことにしてくれ」

 

コイツ、チキンか?俺もだが…

 

「で、どんな案件だ?」

 

「街の共同トイレの汲み取り槽の掃除依頼だ」

 

それは、所謂肥だめか?

 

「う~ん…じゃ、貸し5つ位でどうだ?」

 

「貸しだと?便宜を図れとと言うのか?」

 

「別に、嫌ならいいよ。受けないし」

 

「貴様…脅すのか?」

 

「低賃金で、重労働をやれって言うのか?ギルドマスターって、そんな強権を持っているのか?」

 

「なんだと…」

 

「やるのか?買うぞ」

 

俺の言葉で、青ざめていくギルマスのウォーガン。

 

「…わかった。その条件でいい…」

 

「わかれば良い。じゃ、明日以降だ」

 

冒険者ギルドを出て、その足でジャミール邸を訪れた。そして、今回の案件をラインハルト、ラインバッハに話した。

 

「なんだと?予算は例年通りで執行しているのに…ここの役人は腐っているのか!」

 

そんなことだと思った。この人達がケチるとは思えない。金を抜くをしたら役所か、ギルドだが、ギルドでは無さそうだし。塩漬け案件は、ギルド支部としての能力評価が下がるはずだから。

 

「この案件は、儂が街の衛生問題と雇用問題を解決する為に、施行した政策なんじゃよ」

 

ラインハルトが、ラインバッハの言葉を受け、説明してくれた。元々はラインバッハ発案で、スラム街の人々に仕事を与えつつ、街の衛生問題を解決する為の政策だったらしい。

 

「じゃ、役所の方は任せた。俺はくみ取り槽を片付ける」

 

 

翌日…共同トイレの汲み取り槽を前にして、唖然とする俺。なんで、こんなデカイの?肥だめをイメージしていたのだが、長さ2キロが30本って…もしかして、家にはトイレが無く、貴族以外は共同トイレで用を足すのか?

 

二重扉を抜け、汲み取り槽に足を踏み入れた。イカンレベルの臭い。状態異常無効特性で、病気にはならないだろうけど、精神的なダメージが入る感じである。

 

「グラトニー…頼む」

 

困った時はグラトニーに丸投げである。

 

「了解」

 

焼き払いたいが、溜まっているメタンガスが爆発しそうなレベルである。それに、大量の培養土を手にいれる良い機会でもある。燃やし尽くすのはもったいない。一つ言えるのは、当分の間、カレーは無理だ…

 

蒼い装備にクイックチェンジし、飛行して天井付近を掃除していく。熱いお湯を高圧ジェット洗浄の様にし、天井や壁を洗浄、殺菌していく。床に溜まっていく汚水は、グラトニーが総て飲んでくれるし。

 

1本清掃するのに1日掛かった。これは重労働の上、作業環境最悪で、ダメージがデカイ。低賃金でやる仕事では無い。そのリターンは、大量の培養土のゲットと…今の俺には金より培養土の方が価値があるのは確かではあるが…

 

結局、肥だめ掃除に25日ほど費やし、クエストを終わらせた。

 

 

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