デスを食らった男   作:もっち~!

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交渉

 

---ダン---

 

窓から外を見ると、ガ●ラとギャ●スが城を包囲している。それだけで恐怖だろう。まさか、王都の上空に怪獣が現れるとは、王都の住民は混乱をしているに違い無い。まして空にいるアイツらに攻撃を入れられるヤツが王都にはいないようだ。そして俺達は、玉間に突入した。

 

玉間には王様らしき人物が玉座に座っていて、その両隣に男性が二人、少し離れて女性がいた。王女か?それにしては、服装がドレスでは無く、働く女性っぽい。

 

「貴様らは何者だ?」

 

騎士が俺達の前に立ち塞がった。なんだよ、会いに来いって、言ったのはソッチだろう?この国流の言い回しなのか?

 

「クラン<楓の木>だ。不敬罪ってどういうことだ?俺をタダ働きさせておいて、どの口が言うんだ?!それに、会いに来いって言ったのは、そちらだろ?」

 

「どういうことだ?」

 

俺の言葉に戸惑う様子の王が口を開いた。うん?現場の声が届いていないのか?

 

「俺を呼んでおきながら、門前払いした挙げ句に、仲間を不敬罪で拘束って、それがこの国のやり方か?」

 

「待て!お前を呼んだのは誰だ?」

 

俺の怒りの原因に戸惑う王。

 

「お前と、クリモニアの街の領主だよ」

 

「えっ!」

 

キャリアウーマン姿の女性が声を上げた。

 

「おい!エレローラよ、どういうことだ?元々はそれが原因なんじゃ無いのか?私は聞いていないぞ」

 

王がその女性に声を掛けた。

 

「私も聞いてません。あの人は一体何を考えているんでしょうね」

 

ホウレンソウが出来ていない国は、消えてもいいかな…

 

「王の名において、君達に対する不敬罪は取り消す。クリフ・フォシュローゼ伯爵から事情も訊く。だから、武力を解除してくれないか?」

 

はぁい?

 

「まだ、武力をふるっていないけど…武力を振るうと、王都が消えるけど、いいの?」

 

俺の機龍と、メイプルとカエデの『ジャガーノートドライブ』を発動すれば、ここら一帯はペンペン草も生えない荒れ地になると思う。クマ兄さんが軍艦を出せば、クリモニアの街も消えるだろうな。

 

「まだ振るっていないとしてもだ…威嚇でこれか?わかった、全面降伏する。話し合いに応じる。賠償もする。矛を収めてくれないか?」

 

「だから、まだ何もしていない。面会に応じただけだぞ。先に剣を突きつけたのは、お前らだからな。それに対して、俺達は応じただけだ」

 

どうも話がかみ合わない。ストレスが溜まっていく。

 

 

王城に俺、サトゥー、ミトだけが残り、残りには帰って貰った。俺達三人だけでも、この王都を制圧可能だからと説得して、帰って貰った。ヤル気満々のヤツラがいると、話し合いが出来ないからだ。

 

「行き違いがあったようだ。伯爵に話が上る前に、ヤツの騎士達が忖度したらしい」

 

忖度で不敬罪?諸に、えん罪だろうに。捕縛される折りに、レイとアズライトが暴れないで良かった。えん罪での拘束とは言え、現行犯での暴行罪及び殺人罪はアウトだと思う。

 

「君達の冒険者ギルドでのクエスト達成状況、商業ギルドでの商い実績も見た。とても素晴らしい活躍であると思う」

 

「だから?」

 

暗殺予防に俺は蒼い装備を装着したままだ。フルフェース兜のおかげで、俺の苛ついた表情は王達には見えない。

 

「今回の賠償金に加え、報奨金も出そうと思う」

 

「責任者は?」

 

その何とかという伯爵はどこだ?

 

「王である私だ」

 

「呼んでおいて、門前払いという不敬は、貴族様には問えないってこと?」

 

「それについては、門番との連絡がうまくなかったとしか言えません」

 

キャリアウーマン姿の女性、エレローラが答えた。この女、あの無礼な伯爵の妻らしい。

 

「では、貰える物を貰ったら、クリモニアの街の家は引き払い、この国を出ます」

 

「ちょっと待って欲しい。優秀な冒険者と商人を失うのは、我が国として損失がデカイ」

 

「失う原因を作って置きながら、引き留めですか?」

 

「爵位を授ける。それでどうだ?」

 

「要らないよ。そんな面倒な物はさぁ」

 

土地は欲しいけど…

 

「では王都に家を持つのはどうだ?」

 

「人ゴミは嫌いなんだよ。サトゥー、何か良い妥協案は無いか?」

 

堂々巡りをブレイクする為、サトゥーに丸投げしてみた。

 

「そうですね~、爵位を貰い、領地を貰いましょうか。但し、貴族としての役目は免責でお願いします」

 

爵位って…何で面倒事を引き入れるんだ?勝算は有るんだよな?

 

「領土はエレゼント山脈一帯を貰えませんか?」

 

そこって、どこだ?

 

『海沿いの街であるミリーラ町に隣接する雪山だよ』

 

サトゥーから念話が届いた。何か考えがあるのか?

 

「あそこかぁ。何も無いはずだが…わかった。そこを領地にすると良い」

 

「爵位は公爵でお願いします」

 

「いや、それはダメだ。そこまでの功績は…」

 

「ダン、交渉は決裂みたいだぞ」

 

サトゥーは無理難題で交渉を決裂させたいのか?それにしては、要求が具体的過ぎるんだけど。

 

「待て…わかった。公爵の爵位を授けよう」

 

「爵位年金は要りませんから、不払い金だけでもお願いします」

 

爵位年金とは、爵位に応じて、国から報償が貰えるそうだ。サトゥーが得てくれたのは、この国では立ち位置と土地であった。爵位持ちに生じる役務と利益は総て放棄する条件で。

 

 

交渉が終わり、温泉旅館に戻り、決定事項を皆に伝えた。

 

「で、そこにしたメリットは?」

 

サトゥーに訊いた。

 

「スキーが出来る。ダンジョンを作れる。海の幸が近い。良い立地じゃ無いか」

 

越後湯沢みたいな感じか?温泉は出るのかな?もしかして、米処になるのか?

 

早速、現地へサトゥー、ミト共に向かった。山の中腹から上は、雪化粧である。そういや、今の季節は何だろう?

 

山の頂上は雲の上のようで見えない。まず、麓の調査。米が自生していないか、温泉が出そうかなどを調べる。近くに火山は無く、まず温泉の夢は絶たれた。次にスキーだが、麓まで雪が積もらないと無理っぽいようだ。上に行くほどに急斜面で、雪崩が起きそうだな。これの件については、サトゥーがどうにかするらしい。要はサトゥーが好きな時間にスキーがしたいらしい。

 

ただ、田んぼにするには良い場所である。水は雪溶け水があるからだ。近くに川もある。海も近いし、脱塩設備を作れば、水と塩の両方を生産出来るだろう。米は脱穀する前の米をミリーラで購入して、苗を育てることにした。

 

 

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